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All Things Dice:ダイスの振り方色々(HackMaster4版PHB収録)

ダイスの振り方・初めてダイスを買ってからセッションで使うまでにやるべきこと・ダイスの出目が悪くなったときの対処法に関する解説です。

HackMaster4版の記事ではありますが、ダイスを使うRPGであれば全てに共通するはず。ネタだと思って読んでみてください。周りに引かれない範囲で実行しても良いでしょう。

はじめに

本稿はHackMaster4版 Player's Handbookに掲載されている「All Things Dice」の記事の紹介です。ダイスを振る際のエチケット、出目がよくなるおまじないなどが掲載されています。特にダイスのおまじない項目はかなりオカルトチックで、やや気色悪いレベルにすら達していますが、切羽詰ったときなどに試してみてください。

Dice Etiquette

1.Dice Rolling Zones (DRZ)
自分がダイスを振るエリアを決めておくべし!

注意する点は以下の通り
・複数のダイスを振っても、お互いが干渉しない程度に広いこと。
・ダイスがぶつかったり、乗り上げて出目がわからなくなったりする障害物が無いこと。
・他のプレイヤーのダイスと混ざらないようにすること。
・マップのミニチュアを倒してしまわないこと。

私のオススメはTRPGやボードゲームのBoxセットのフタですね。

特に「ダイス目は伝染する」と信じているプレイヤーさんがいるときは注意せよ、とのことです

2.Hands to Yourself 自分のダイスを振れ
決して人のダイスを振ってはならない!ベテランゲーマーほど自分のダイスに思い入れ(下手すると信仰)が入っているので、うかつに手を伸ばしてはならないそうです。まぁ、エチケットとして人のダイスを借りるときは「すみませんが、d12貸していただけませんか?」と一声かけるのは当然でしょう。「あなたの出目がうつるから嫌です」と言われたらあきらめましょう。

3.A moment of Silence , Please! 皆さん、お静かに
人がダイスを振るときはおしゃべりを止めて、結果を見守るべし!これからダイスロールをする人を応援したり、ダイスに念をこめたりするのは良いですが、彼がダイスを握り、腕を振り始めたら静かに見守りましょう。

4.High Color Convention ダイスの色の決まりごと
色違いのダイスを振るときは事前に宣言するべし!70年代~80年代に作られたd20を使用する場合、1~20の目ではなくて、1~10の目が2回振られていることがあるそうです。これをd20として使用する場合、一方の1~10の目にクレヨンなどで色づけをしておき、あらかじめDMに「赤の場合は11~20になるから」と宣言しておきます。どちらの色が11~20に該当するのか、これをゲーム中に入れ替えたりするのは大変なマナー違反です。

クレヨンで色分けしたd20を見たことはないですが・・・

同様のことはd100を振る場合に起こりうることです。色違いのd10を振る場合、どちらが十の位のダイスなのかを事前に皆に告げておきましょう。

5.Open and Closed Rolling ダイスロールの基本
PLは全てDMの監視下の元ダイスを振るべし!ごく一部のゲームを除き、PLスクリーンは用意されていません。PLはオープンダイスが基本ですので、きちんと守りましょう。

6.Let the Dice Fall Where They May 落ちたダイスは放っておけ
ダイスロールは神聖なものだ。落ちたダイスは振るんじゃない。この項目はライターさんのこだわりに満ちていますが、ロールする場面でも無いのにダイスを触ってテーブルの下に落とし、DMの話の腰を折るような野暮なまねは止めた方がよいでしょう。

Die Nomenclature
ダイスの数字の読み方など基本的なことが書いてありますが、本稿では割愛します。

d10の出目をd5に置き換えるテーブルなんて必要なのか・・・?

The Nature of Dice
ダイスに関しては様々な迷信が伝えられているが、基本的にはダイスとはランダムな出目を提供するものであり、誰の友人でもない。幸運の女神のご機嫌を伺うよりも、自分の機知と努力に重点を置こう!

といいつつも、このライターさんは1つのd20を幸運のダイスと考え、23年間愛用しているらしい・・・すごい。しかもこの項の後は結構迷信じみたお話が続いていくわけですが。

Choosing/Purchasing Dice
ダイスを購入する際は、きちんとしたメーカー製で形に不良が無いかどうかチェックするべし。必ず試し振りをさせてもらい、1が出たダイスは棚に戻しましょう。出目が読み取りやすいか、材質は丈夫か、中古品ではないのか、店員さんにどんどん質問しよう!ゲームショップの店員さんはダイスの重要性をわかっているので相談に応じてくれるはずです。
また、買ったばっかりのダイス(Virgin Dice)は今までのダイスと一緒に保管してはいけません。そのダイスがどんな出目を出すのか、しっかり見極めてからにしましょう。不幸なダイスを一緒に保管すると、その不幸が他のダイスにうつるかもしれませんから!

Assembling your Dice Arsenal
ダイスを無頓着に全て同じ袋にしまうのは初心者にはありがちなことです。

しかし、経験を積んだゲーマーは決してそのようなことはしません!

彼らは非常に真剣に考え、自分のDice Arsenal (Arsenal:兵器庫)を構築しているのです。平均以下の悪い目を出すダイス(Unlucky Dice)は慎重に取り除かれているのですから。 

Dice Priming
買ったばかりのダイス(Virgin Dice)をいきなりあなたのダイス袋にしまうことは非常に危険です。まずはそのダイスが使い物になるかどうか、きちんとチェックをしましょう。

<25回試験>

1.ダイスを25回振り、最大/最小の目が出た回数をそれぞれカウントする。

2.最大の回数>最小の回数の場合、実践試験に移る。
最大の回数<最小の回数の場合、もう1度同じチェックを行う。
25×3回やっても駄目な場合、そのダイスはUnlucky Diceである。

注:これはD&Dを元に考えられています。ダイス目が低い方が良い場合はこの逆ですね。

この段階でも、まだ今までのダイスと同じ袋にしまってはいけません。

<実践試験>

1.セッション中、25回試験にパスしたダイスでロールを行う。

2.普通に成功した場合、めでたくそのダイスはあなたのDice Arsenalに加えられる。
普通に失敗した場合、次の機会でもう一度そのダイスで判定を行う。
3回やっても成功しない場合は、そのダイスはUnlucky Diceである。
クリティカルなミス(ファンブル)をした場合、そのダイスはUnlucky Diceである。Unlucky Diceが他のダイスに影響を与えないよう、速やかに処置するべし。

Care and Maintenance
the Hard Eight A.C.T Labの研究によると、同じダイス袋に入っているダイスの幸運レベルは平均化されていくそうです。上記のUnlucky Diceが混入すると、ダイス全体のレベルが下がってしまいます。ダイス目の維持のため、Unlucky Diceの兆候が見られたら速やかに隔離しましょう。

Lucky Dice
良い目を出すダイスには名前を付けてあげましょう!古来より、どの文化においても「名前」とは重要なものであり、大きな力を発揮します。その名前はあなたの希望の表れであり、ダイスの正の特徴と言って良いそうです。あまり使いすぎないように、かといって保管ばかりしないように使っていくべし!尊厳を持って扱う限り、彼らは決してあなたを裏切らないでしょう♪
 

When Good Dice Go Bad

Dice Cleansing and other Rituals
キャンペーンを続けていくと、お気に入りのダイスの出目も悪くなる場合があります。それはダイスが不運なスランプの状態に陥っていると見て良いでしょう。そんな場合、そのダイスをゴミ箱に棄ててしまうのも一つの解決策ですが、長年あなたに仕えてきたダイスを処分してしまうのは大変辛いことです。次に、そんなダイスに本来の出目を取り戻してもらう儀式について紹介します。

The Fame Rub
手っ取り早くダイスに幸運を吹き込みたい場合にオススメの方法である。

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有名ゲームデザイナーのサインの上でダイスを転がすと出目が良くなるそうです。左から右へ転がすと出目が大きく、逆だと小さくなります。これを6回繰り返すのがベストですが、10回以上してしまうと逆効果とのこと。「Signature」とあるから、本人のサインが必要なのかもしれません。
作品によっては冒頭などにサインがあるのでそれで大丈夫だと思います。HackMasterにはThe Fame Rub専用のSignatureが収録されていますが、他には有名ゲームデザイナー(Origins Awardsを3回以上受賞)が使用したナプキン、紙コップ、ソーダの缶などの上でダイスを転がすのも良いらしい。

そのデザイナーにダイスにキスしてもらうのも効果的だそうだ・・・

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また、お亡くなりになったゲームデザイナーの墓石にダイスを供えておくと、そのダイスの不幸は全て消え去り、もっとも理想的な幸運のダイスへと変わるそうだ。満月の頃に2晩備えておくのがもっとも効果的らしい。

ダイス目が悪くなったと思ったら、すぐにそのダイスを隔離しましょう!

Emergency Purge
セッション中にダイス目が悪くなった場合の応急処置的な改善方法です。
1.出目の悪くなったダイスを全て最大の目が出るまで振る。
2.上で説明したSignatureの上を転がす。
3.ダイス袋にしまって、100回振る。
応急処置の割には結構手間ですが

Cocky Dice
幸運のダイスが時おり、急に出目が悪くなってしまう場合がある。これはダイスが調子ぶっこいて天狗になっているために発生するものだ。単にダイスが図に乗っているだけなので、特に処置をする必要は無い。本人が反省するまで放置しておけば、幸運なダイスに戻るだろう。

ダイスの振り方

ダイス目とは本来ランダムであるべきものなので、ほとんど回転をしない投げ方(真上に放るだけなど)では、前回の出目の影響を受けてしまう恐れがあります。まずはダイスを自分の手のひらの中で良く振りましょう。ここでは3種類のダイスの振り方が紹介されています。

1.Standard Roll:手のひらを広げて、普通にダイスを転がす方法です。

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2.Confidence Roll:手のひらをパッと反転させてダイスを転がす方法です。

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3.Backspin Roll:4本の指でバックスピンをかけて転がす方法です。遠くまでダイスが転がりすぎないのが利点らしいですが・・・

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終りに

良い出目を出すために、ゲーマーは色々苦労(工夫)しているんだなーとしみじみ思いました。「これで良い目が出るようになりました!」という体験談があればお寄せください


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