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何人パーティ?(HackMaster4版)

14~5歳のPCが瞳をキラキラさせ、NPCと掛け合いや恋の駆け引きがあり、さまざまな人間関係にやきもきしながらも、パーティで強力して強大な敵に立ち向かい、ダンジョンへと向かう。そんなシナリオや、それをサポートするシステムもあるだろう。

しかし、本来冒険ってのは命がけなはずだ。

どう手を尽くしても現状では成功率20%、しくじったら命は無いって環境で踏み出すのが冒険だろう?

そんなときにガチなダンジョンハックのリアルを与えてくれるのが「Hack Master」である。

WotCが3版へとシフトしたとき、AD&D 1st/2ndのシステム周りを引き取るような形で発展させたのが「Hack Master」なのだ。Honorなどの概念が加わっているが、基本は旧版のリファインバージョンである。しかもD&D、AD&Dをやり尽くした作者が織り成すブラックユーモアがたまらない。

このイラストを見ていただこう。これは「Hack Master」での冒険の様子だ。

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さて、このパーティの中にPCは何人いるだろうか?

戦闘に立っているのは「トーチベアラー」
松明を持って光源を確保するためだけに存在するNPCだ。1日5cpで松明を持ち続ける勇者だ。

心臓に矢を受けている男は「サイドキック」
PCに忠誠を誓い、PCのためならわが身をいとわず投げ出すというNPCで、当然、無報酬で着いてくるのだが、PC毎に一生に1人しかいない。

剣と盾を持っている男は「ヘンチマン」
PCの名声に引かれて忠誠を誓っている冒険者だ。フォロアーから出世することも多い。子供時代からの友人という設定らしい。

PCの後ろでメイスを持っている男は「クロニー」
PCが冒険者としての生活を始める前に世話になった師匠のような人だ。彼は彼独自の目的のために動いているので、ずっと一緒というわけにはいかない。

弓を構えているのが「フォロアー」
PCの名声や権力に引かれてやってきたNPCだ。支払いなどは必要だが、根気よく育ててやらねばならん。

巻物を持っているのが「スクロールキャディー」
ゴルフのキャディーさんよろしく、巻物を取り出して掲げてくれる。さりげにいるとありがたいのではなかろうか。

キャディーの横にいる、変な眼鏡を掛けているのが「プロテゲー」
PCと同じだけのポテンシャル(スペック)を有するNPCであり、4人まで作れる。PCがスポンサーとしてこれらのNPCを育てているのだ。これは冒険の途中でPCが死んでしまったとき、PLが1レベルからやり直すのではなく、死んだPCの遺産等を引き継いでスムーズに次のプレイができるようにする言わば「PCの跡継ぎ」用のキャラクターなのだ。

そして後ろには荷物持ちのハイアリングや、何の技能も無いが、PCの名声に引かれてやってくるハンガーズオンというちょい迷惑なNPCまでぞろぞろと存在している。

質問の答えは分かっただろうか?


正解は・・・1人。プレートメイルを着込んでいる戦士だけだ。

システムはデッドリーでDMも情け容赦なしとなれば、PLたちが「何とか死なずに冒険をするには」と考えに考え抜いたアホな風景が垣間見えて大変素敵だと思う。

ダンジョンは命を掛けて一攫千金を狙うところだ。
自分探しの旅は他所でやんな!という気持ちが高まったときにはお勧めのイラストと言えよう。

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