見出し画像

The Goblin Caves of Dak Skeer(HackMaster5版)

HackMaster5版のPHBに収録されている戦闘の流れを解説するリプレイの翻訳です。

4版のプレイ例よりは真面目に解説しています。

HackMaster5版ではイニシアチブが低い方からカウントして、自分の番が来たら行動、そして次の行動に必要なカウント数(硬直時間)が過ぎたら、再び自分の手番が回ってくるというファイナルファンタジー式のATBが採用されています。

実際にプレイしたら、イニシアチブ管理と行動管理がめちゃくちゃ重たかったですが・・・

プレイヤー&GM Knights of the Dinner Table(KoDT)の面々

PC:ナックルズ9世/PL:ボブ ドワーフのシーフ

スクリーンショット 2021-06-08 9.13.27

PC:ノワール・ロータス/PL:ブライアン ドワーフのメイジ

スクリーンショット 2021-06-08 9.13.53

PC:ジャスティナ7/PL:サラ 人間のクレリック

スクリーンショット 2021-06-08 9.13.44

PC:エル・ラベイジャー5世/PL:デイブ 人間のファイター

スクリーンショット 2021-06-08 9.14.02

GM:B.A.
 
人間2人にドワーフ2人のパーティ。ボブとデイブが話を進めて、ブライアンが要所で茶々をいれて、良心的なサラがまとめるという構成。

背景
GILOREALONの街まで手っ取り早く移動するため、KALALIの森を突っ切って近道することにしたパーティ一行・・・
不幸にも(当然のように)雷雨に襲われ、霧に包まれて道に迷い、何時間も苦闘した結果、大きな洞窟へようやくたどり着いた。
そこで4匹のゴブリンが武器を抜いて警戒の叫びを上げて襲いかかってきて、戦闘に巻き込まれてしまった・・・

B.A.(GM):OK。洞窟には何も金目のものはないね。君たちが探した横道はどこにもつながっていない行き止まりだった。

ブライアン(ノワール):何だと?これっぽっちも無いってか?あのくっさいゴブリン4匹が持ってた銀貨だけかよ!?マジかい・・・うまみもねえし、時間の無駄だったな。

ボブ(ナックルズ):ワシは勝利のダンスを踊るぞ!ところでポーチの中にボルトは何本あるかい?

B.A.(GM):5本あるよ。

デイブ(エル・ラベイジャー):おいおい・・・何かもっとあるだろ。奴ら歯や爪だけでも襲ってきやがったぞ。絶対何かあるよな、GM?

サラ(ジャスティナ):ゴブリンたちは必死で何かを守ろうとしているようだったわ。

ボブ(ナックルズ):HAHAHA!負け犬どもが。あの野郎の胴体にライトクロスボウをぶち込んでやったぞ。くっくっく。ところでGM、今はいつもの隊列でいいんだよな。

デイブ(エル・ラベイジャー):んーーシーフさんよ、お前さんの仕事の出番じゃないか?隠し扉でも探してはどうだい?

サラ(ジャスティナ):デイブの言うとおりよ、ボブ。絶対にここには何かがあるわ・・・

ボブ(ナックルズ):わかったわかった。ちょっと下がってスペースを作ってくれ。GM、この部屋の西壁を探してみるぜ。怪しそうだしな。

B.A.(GM):OK、ダイスロールだ。

ボブは隠し扉のScrutiny(調査)チェック中を行い、成功した。

B.A.(GM):Good Jobだ、ボブ。ナックルズは壁の一部がフェイクであることを見破ったよ。スライド式になっていて、奥には隠し通路があった。

ボブ(ナックルズ):よし、ナックルズは通路の先に行くぜ。デイブ、ついてきてくれ。

デイブ(エル・ラベイジャー):よくやったぜ、お調子者。サラ、トーチを高く掲げておいてくれよ!

サラ(ジャスティナ):どうして私がまたトーチベアラーをやらなくちゃいけないのよ!?

デイブ(エル・ラベイジャー):落ち着けよ、クジョー。そうは言ってもなぁ、ボブはクロスボウを持ってるし、俺はシールド持ってるし。

サラ(ジャスティナ):クジョーって何よ?

スティーブンキングの小説に登場する、狂犬病になって人をかみ殺すセントバーナードらしい。

ブライアン(ノワール):僕も呪文を唱えるからトーチは持てないし。

サラ(ジャスティナ):分かったわよ、何だってやるわよ
 
・・・少し進んで・・・

B.A.(GM):君たちは別の自然にできた洞窟に入ってきた。トーチの光が湿った石壁に反射している。そのうち通路は右と左に分かれた。両方とも別の洞窟に続いているようだ。

ボブ(ナックルズ):ちょっと相談しよう。行き止まりだと思ったんだが違ったな・・・

サラ(ジャスティナ):早く行きましょうよ

B.A.(GM):壁にはトーチが掛けられていて、うす気味悪い明かりがあたりに満ちている。

デイブ(エル・ラベイジャー):トーチだと?悪い奴らが近くにいるぜ、こりゃ!

スクリーンショット 2021-06-08 9.14.15

B.A.(GM):ここで全員聞き耳判定だ!

ここでGMは部屋でPCたちを不意打ちしようと待ち構えているゴブリンたちに気づくかどうか、Listening(聞き耳)判定をさせた。
ボブのListeningスキルは50で、彼はd100pで42を振ったので、達成値は92。
GMはゴブリンたちのSneaking(隠れ身)技能を振ると89、スキルに加えて達成値は106となる。
ボブは達成値が低かったため聞き耳で気づくことはなかった。他の3人もゴブリンの値には届かなかった。 

B.A.(GM):天井から滴る水滴の音以外には部屋は静かなもんだね。

ブライアン(ノワール):本当に静かなもんかね・・・

ボブ(ナックルズ):よし、デイブは右の通路を見ておいてくれ。ワシは左を見る。サラはついてきてくれ。

サラ(ジャスティナ):了解!

ブライアン(ノワール):武器はいつでも使えるように構えておけよ、君ら。

B.A.(GM):OK、デイブは右側だな。そちらは真っ暗な闇に覆われていて、トーチの明かりを飲み込んでいるようだ。水滴は落ちる音がこだましているが、肉が腐ったような臭いが風に乗って漂って来る。

ボブ(ナックルズ):うえぇぇ・・・

デイブ(エル・ラベイジャー):そうか、これ以上奥には行かないようにして、ここで見張っておくぜ。

ブライアン(ノワール):何かが死んでるってことだな。

B.A.(GM):ボブとサラはもう一方の洞窟に向かっているね。トーチの明かりで、奥は少しいびつな形をしているよ。25フィートの幅で、奥は50か60フィートくらいはありそうだ。

スクリーンショット 2021-06-08 9.14.27

B.A.(GM):奥にはさらに大きな洞窟があり、入り口には3匹の黄色いビーズのような目をした小さいヒューマノイドの姿が見えた!

ボブ(ナックルズ):もっとトーチがいるな、俺はずっと静かにしておくぜ・・・って、ビーズのような目だと?そいつはゴブリンじゃねぇか!

B.A.(GM):諸君、イニシアチブを振りたまえ。d10だ!

GMはPCたちが何かに備えて構えているものと判断し、イニシアチブのダイスロールにd10を用いるように指示した。シーフであるナックルズはダイスが1段階良くなってd8になる。

ボブ(ナックルズ):よし、4だ

デイブ(エル・ラベイジャー):ちっと遅れたが5だ

サラ(ジャスティナ):なんてこと! 9だわ

ブライアン(ノワール):はぁ・・・やれやれ、俺も9だ

GMはゴブリンたちのダイスロールを行っていない!彼らは前の部屋での戦闘でPCたちの到着を知っており、不意打ちするために待ち構えていたので、カウント1で攻撃出来る!

B.A.(GM):OK、3匹のゴブリンはクロスボウを掲げて君たちに狙いを付けている。イニシアチブカウントを始めるぞ。

ボブ(ナックルズ):ワシはクロスボウを構えておいたぞ!

デイブ(エル・ラベイジャー):おいおい、ボルトを装填してないだろ?

ボブ(ナックルズ):なんてこったい!

【アクションカウント1】

GMはゴブリンたちがPCたちに既に狙いをつけていたものと裁定した。もし狙いをまだつけてなかったらペナルティを受けて射つか、狙いを付けるのに4秒掛かることになる。今回、GMはボブがゴブリンの死体から回収したボルトを装填していないと裁定している。クロスボウに装填する行動宣言が無かったからだ。

B.A.(GM):ボブ、1匹目のゴブリンは17で攻撃、2匹目は12だ。

ボブ(ナックルズ):なんだよ、今日はワシの日かよ。

B.A.(GM):ゴタゴタ言わずに防御ロールを振れ。サラ、3匹目のターゲットは君だ。クロスボウボルトは16で攻撃なんで、防御ロールよろしく。

ボブ(ナックルズ):ほいしょっと。1匹目は15、2匹目は19だ。ワシはスモールシールドを持っているから1匹目の攻撃を弾いた可能性もあるな。
 
サラ(ジャスティナ):あ~あ、私は12だから命中してるわね。

B.A.(GM):ボブさんよ、君はクロスボウを構えていると言ったね。であればシールドでブロックすることはないよ。

ボブ(ナックルズ):そうか、ちっ。

デイブ(エル・ラベイジャー):あらあら、やられちまったなぁ。

ブライアン(ノワール):命中ってことだな、ボブ

射撃攻撃は近接攻撃と処理方法が若干異なる。防御判定はd20のみで、防御修正を加えることができないのだ!ゴブリンたちは60ft以内だったので、d20+3で判定している。通常、射撃されたキャラクターは盾の後ろに隠れられたかの判定を行うことができる。今回は残念ながらボブは盾を構えておらず、ジャスティナは盾を持っていなかった。ボブとサラにクロスボウが命中したので、GMは2d6pを振ってダメージを算出する。ナックルズには1と2で合計3点、ジャスティナには2と3で合計5点のダメージとなった。

B.A.(GM):ボルトは命中したが、致命傷にはほど遠いな。ボブには3点、サラには5点のダメージだ。

ボブ(ナックルズ):ならダメージ減少分を差し引いて1点ダメージだな。

デイブ(エル・ラベイジャー):なんだ、たいしたことなかったな。

サラ(ジャスティナ):私もダメージ減少があるから実質3点のダメージね。

キャラクターは鎧などでDR(ダメージ減少)を持っていて、この値をダメージから引き算して実際に受けるダメージを算出する。ナックルズとジャスティナは共にレザーアーマーを着ており、DRは2である。ボブとサラはダメージを受けたが、怪我の値は別々に記録しておく。治療のときは怪我ごとに治療する必要があるからだ。

B.A.(GM):よろしい。カウントを続けよう。2・・・3・・・

【アクションカウント3】

ボブ(ナックルズ):3で動き始めるよ。Jogスピードで移動開始だ。

サラ(ジャスティナ):私もね。ボブに続くわ。

ボブのイニシアチブは4でサラは9だった。しかし、カウント1で攻撃を受けたので彼らはその2秒後であるカウント3から行動を開始できるのだ。PCたちはWalkかJogで移動を開始できる。いきなりRunやSprintはできない。ナックルズはドワーフなので1秒で5ftだけJogで移動できる。ジャスティナは人間なので1秒で10ftだけJogで移動できる。ゴブリンたちは15ft離れており、逃げ出さない限り向こうから距離を詰めて来るだろう。

ボブ(ナックルズ):右側の奴はワシに残しておいてくれよ。あいつはワシの獲物だ。

サラ(ノジャスティナ):任せたわ。

スクリーンショット 2021-06-08 9.14.47

【アクションカウント4】

B.A.(GM):サラ、君はこのラウンドでゴブリンに接敵するよ。ボブは次のカウントだな。

サラ(ジャスティナ):よし、攻撃するわよ!

ボブは興奮して集中力を欠いていた。彼はJogからRunに移動を切り替えておけばこのカウントで接敵できたのだ。

B.A.(GM):2匹のゴブリンはクロスボウを地面に落として、ダガーを抜いたね。サラ、君はリーチが届いている

武器を下に落とす行動に要する時間は0秒である。さらに小さい武器を抜く時間も0秒なので、ジャスティナが接敵したときにはゴブリンはダガーを構えていることになる。ゴブリンはドワーフやハーフリングと同じくSmallサイズのクリーチャーなのでリーチが1ft短い。ゴブリンたちはダガーを使っているので、ジャスティナもナックルズもリーチで上回っており、先に攻撃することができる。

サラ(ジャスティナ):私の攻撃ロールは9よ。

サラはd20pで8を振り、命中修正+1を加えて達成値は9となった。ゴブリンは盾を持っていないので防御判定はd20p-4となり、防御修正は+2である。GMの出目は3で結果的にジャスティナの値を上回ることができなかった。

B.A.(GM):そいつは命中したね。ダメージを出してくれ

サラのダメージロールは2d8p、ダメージ修正はSTRの-3である。彼女の出目は7と8であった。8は最大の目なのでペネトレーションが発生し、ダイスを再度振ると出目が2だった。結果的にダメージロールは7+8+(2-1)=16となる。彼女のひ弱なSTRでペナルティが来て、実際に与えるダメージは13点となる。

サラ(ジャスティナ):13点よ!!

ブライアン(ノワール):そいつは間違いなく効いてるな。

ゴブリンはDR2があるので、実際に受けるダメージは13-2=11点である。しかしゴブリンはSmallなので10点を超えるとノックバックが発生する。たとえゴブリンのDRでダメージが10点以下になったとしても。5ftのノックバックは生じる。

B.A.(GM):サラ、君の攻撃はゴブリンを激しく打ちのめし、吹き飛ばしたね。ゴブリンは気絶までしたよ。

デイブ(エル・ラベイジャー):ははん、見てみろよ、地面這いつくばってやがるぜ!

スクリーンショット 2021-06-08 9.14.58

サラはゴブリンをノックバックしただけでなく、8点以上のダメージを一撃で与えることができた。ゴブリンはトラウマ判定値が6なので、d20を振って6以下を出さなければ気絶する。GMのダイスロールでは16が出たので失敗である。差分が10なので10×5秒=50秒間ゴブリンは気絶してしまう!

【アクションカウント5】

B.A.(GM):次だ!

サラ(ジャスティナ):私は3匹目のゴブリンの方に移動するわ。

ボブ(ナックルズ):よし、ワシは右側のゴブリンに接敵だな。

デイブ(エル・ラベイジャー):おいおい、俺の分も残しておいてくれよ。俺はこのカウントから移動を始めるぜ。Jogで駆けつけて助太刀だ!

ブライアン(ノワール):おいおい、熱くなってやがるな。何か忘れてないか?僕は11まで動けないんだ。こっちきて僕のサプライズ状態なんとかしてくれよ。

ボブ(ナックルズ):すまんな、俺はゴブリンどもを殴らないといかんのでな!

ブライアン(ノワール):おいおい、力持ちさんよ!呪文使いを無防備で置いてくってことかよ!?

スクリーンショット 2021-06-08 9.15.11

ブライアンはデイブにサプライズを軽減してもらうように頼んだ。彼はカウント11まではスタンして何もできないからだ。デイブは危険が迫っていることを指摘して支援のみとした。

B.A.(GM):サラ、残っていたゴブリンは君の方に移動してエンゲージしてきたよ。前のアクションで吹っ飛ばされた跡地にうなり声をあげて入ってきた。

スクリーンショット 2021-06-08 9.15.23

戦闘ではGM判断となるケースが生じる。この場合、2匹目のゴブリンはジャスティナとエンゲージ状態とみなすと判断した。これによりジャスティナもゴブリンも次回の攻撃は武器スピードの秒数だけ経過した後になる。また、ジャスティナもゴブリンも同じスペースに移動しようとしていたが、このケースではゴブリンが先にスペースを埋めたものと判断した。ジャスティナが1匹目のゴブリンを吹き飛ばしている隙に入り込んだと裁定したのだ。

B.A.(GM):サラはゴブリンよりはリーチがあるから先に殴れる。ボブはダガーを使ってるからゴブリンと同じリーチだな。攻撃は同時に処理するよ。

ジャスティナはゴブリンよりもリーチが長いので攻撃が先になる。残念ながら外れてしまったので次はゴブリンの攻撃だ。

B.A.(GM):ゴブリンはサラを攻撃して命中判定は14だ。防御ロールを振ってくれ。

サラ(ジャスティナ):出目が19よ。修正入れても防御判定は16ね。

B.A.(GM):そいつはNear-Perfect Defenseに成功しているね。
 
ボブ(ナックルズ):すげえぜ!

ゴブリンは出目が11で命中修正+3なので合計が14。サラは19(出目)-4(盾無し)+1(防御修正)=16となり、出目19で命中判定値を上回っているのでNear-Perfect Defenseとなる。Near-Perfect Defenseが生じると即座に腕や脚でカウンター攻撃が出来る。命中判定に成功すると(d4p-2)+(d4p-2)のDR無効のダメージを与えることができる。

サラ(ジャスティナ):あらら・・・でも命中判定で失敗したわ。残念。

ボブ(ナックルズ):よっしやあ、その右側の奴に攻撃だ。

B.A.(GM):はいはい、ロールしてくれ。

ボブ(ナックルズ):やったぜ!出目20だ!勝ったな、おい!

B.A.(GM):そいつは・・・ダメージ出してくれ。

ボブは出目20で命中し、相手の防御を上回っていればそれはクリティカルヒットとなる。出目20はダイスの最大目なのでペネトレーションが発生する。d20の場合振り足すダイスにはd6を用いる。d6の出目は3であった。20(出目)+3-1(ペネトレーション分)+3=25が命中の達成値となる。ゴブリンの防御判定値は8であり、クリティカルヒットが発生したことになる。例えクリティカルヒットを食らったとしても、ゴブリンは同時攻撃なので処理は続ける。クリティカルヒットの詳細はGMG参照のこと。(訳注:4版と同様にd10,000を振るらしい)

B.A.(GM):やれやれ。ゴブリンは同時の攻撃も外したな。ゴブリンは辛そうな顔をして倒れ臥したよ。トラウマ判定だな。

ボブ(ナックルズ):ひゃっほーい

【アクションカウント6】

B.A.(GM):カウント6だ。ボブとサラは対抗のObservation判定をしてくれ。

サラ(ジャスティナ):何・・・?

GMはボブとサラにObservation判定をさせ、エリアに潜んでいるゴブリンたちの第2陣に気づくかを決めることにした。Listeningスキルでも良かったが、戦闘中で聞き耳する状況ではないと判断した。対抗判定はd100p+スキル値で求める。ボブは59(出目)+31(スキル)=90、サラは34(出目)+27(スキル)=61だった。GMはゴブリンたちのSneakingをこっそり振ったが、PCたちの方が高かったので、PCたちは何かに気づいた!

デイブ(エル・ラベイジャー):俺はここから移動をRunにするぜ。

ボブ(ナックルズ):ワシはクリティカルで倒れてるゴブリンに止めをさすぞ。

B.A.(GM):了解だ。アクションカウント9で止めがさせる。

デイブは移動をJogからRunに切り替えた。1秒で15ft移動できる。ナックルズはシーフなので他のクラスでは10秒かかるCoup de Graceを3秒で実行できる。

スクリーンショット 2021-06-08 9.15.34

【アクションカウント7】

特に行動宣言が無いので移動のみでカウントを進めることにした。

デイブ(エル・ラベイジャー):俺はこのカウントはJog速度に落として移動だ。ジャスティナの方に動くぜ。

ブライアン(ノワール):おい!メイジがひとりぼっちで曝されまくってるぞ!

デイブは移動速度を落として移動した。次のカウントでゴブリンとエンゲージするつもりだ。

【アクションカウント8】

B.A.(GM):可哀想だがブライアンの言うとおりだ。ロータスは晒しものになってるな。そこへ2匹のゴブリンがホール側の影の中から現れたぞ。それはエルが見張っていた方角だ。獰猛な鬨の声を上げて殺意まんまんでやってくるぞ!

ブライアン(ノワール):マジで!?

ボブ(ナックルズ):あちゃー

B.A.(GM):そして2匹のゴブリンが奥側からも援軍として登場だ!

サラ(ジャスティナ):こっちにも?私たち囲まれたってこと!?

ブライアン(ノワール):くそったれデイブ!ほったらかしにするなって言ったじゃないかよ!

ボブ(ナックルズ):俺はCoup de Graceのマニューバー続行だ。

スクリーンショット 2021-06-08 9.15.46

ブライアン(ノワール):ところでGM、僕とデイブはまさにゴブリンが出てきた方角を見張っていたんだが、Observation判定はさせてもらえなかったのか?

B.A.(GM):悪いが今じゃないね。

ブライアン(ノワール):なんてこった、ここでやられ放題か!

GMはゴブリンたちが戦闘開始状態では視線の外だったのでObservation判定はできないと判断した。ブライアンはいまだサプライズ中であり、彼は行われている戦闘の方に注意が向けられていたはずである。
注意:これは純粋にGM判断である。何が良くて何が悪いというものはない。GMは常識にのっとって判断する。ブライアンは抗議していたが、最終的にはGM判断となるのが妥当だ。

デイブ(エル・ラベイジャー):よし、俺がここでゴブリンを仕留めないとな!Aggressive Attackのマニューバーを使うぜ!

デイブはマニューバーとしてAggressive Attackを使うことにした。命中に+5、防御に-2の修正である。ゴブリンにはScamper Backのマニューバーでダメージを減らすことも出来たが、今回はこのまま受けることにした。

デイブ(エル・ラベイジャー):うお、出目が1かよ。合計でも10だ

B.A.(GM):ゴブリンの防御は8しか行かなかったが、出目1なら問答無用で失敗だな。

デイブは出目1で失敗したので攻撃は命中しなかった。1(出目)+4(命中修正)+5(マニューバー)=10
ゴブリンの防御判定値を上回っているので、ファンブルにはならなかったが、外れたのは間違いない。

【アクションカウント9】

B.A.(GM):デイブとサラ、2匹のゴブリンは君たちの方にJog速度で移動して来るよ。ブライアン、通路でひとりぼっちの君のところにもゴブリンたちはJog速度で近づいて来るね。

ボブ(ナックルズ):ワシのゴブリンはこのカウントでくたばったぞ。次はサラがぶちのめしたゴブリンをあの世に送ってやるかな!

ブライアン(ノワール):ああ、神様、ようやくロータスが9で動けます!

スクリーンショット 2021-06-08 9.15.55

ブライアン(ノワール):Springingの呪文の触媒を用意して、ええっと・・くそ、奴らはJogで近づいてきてるのか。だとしたら呪文は外れないんだから、他に何か呪文は・・・・・・

スクリーンショット 2021-06-08 9.16.02

ブライアン(ノワール):そうか、俺はやっぱりSpringingの呪文は辞めてScorchの呪文を唱えるぜ!これならカウント10には発動するよ!40SP追加で使う!

B.A.(GM):悪いがブライアン、君が優柔不断で躊躇しまくっている間に次のカウントに移ったぜ。君の呪文はカウント11で発動する。

ブライアン(ノワール):何だって!?

普通、呪文を使うときは触媒を構えて準備する。Scorchには触媒はいらないが、ポーチから触媒を取り出すときはd4pの時間が掛かる。呪文の詠唱が始まったら、キャスティングタイムの後で発動する。

【アクションカウント10】

B.A.(GM):ボブ、気絶したゴブリンに接敵してこのラウンドから止めに入るね。

ボブ(ナックルズ):そのとおりだ。

B.A.(GM):デイブとサラ、新しい2匹は君たちにエンゲージしたよ。 

デイブ(エル・ラベイジャー):来やがれってんだ。さぁ、踊ろうぜ。

スクリーンショット 2021-06-08 9.16.11

B.A.(GM):ブライアン、こちらの2匹も引き続きJog速度で移動してきたよ。

ブライアン(ノワール):ちっくしょう。完全にぼっちじゃねえか、いつもマジックユーザーを守れよな!何度も言ってるけどさ!

B.A.(GM):デイブ、サラ、ゴブリンたちが切り掛かって来るよ。防御判定を。

新しく入ってきたゴブリンたちはJog速度で移動してエンゲージした。デイブもサラも既にエンゲージ状態にあり、次の攻撃は武器スピードの秒数経過後に決まっているので、今回はゴブリンの攻撃だけとなる。

B.A.(GM):デイブには15、サラには9だ。

デイブ(エル・ラベイジャー):エルは16でブロックしたぜ。

サラ(ジャスティナ):いやぁぁぁ、ジャスティナには命中だわ!

B.A.(GM):サラ、君には3点のダメージだ。デイブの盾には命中したな。

盾に命中した場合(通常は防御側が勝ったものの、10差以下の場合)は盾越しにダメージがいく。しかしダガーは盾にダメージを与えられないので完全にブロックされたことになる。サラはDR2の鎧を着ているので実際のダメージは1点となる。

【アクションカウント11】

B.A.(GM):ブライアン、1匹のゴブリンはこのカウントで接敵するよ。臭い息とうめき声と黄色く光るビーズのような目が近づいてきたね。君の呪文を妨害しようとしてダガーで攻撃してくるが・・・くそっ、7しかいかない

ブライアン(ノワール):ふう・・・防御は9だった。僕のScorch呪文が炸裂するよ!

ボブ(ナックルズ):よっしゃ、ローストにでもトーストにでもしてやれ!
 
ブライアン(ノワール):両方やってやるよ。僕は40SP上乗せして使ったからね。

ブライアンはカウント11で呪文を詠唱したが、ゴブリンも同じタイミングでエンゲージしてきた。ブライアンの防御はd20p-6しか振れない状況であったが、ゴブリンの命中判定は惨憺たるものであった。1レベル呪文のScorchには50SP必要であるが、ブライアンはさらに40SP上乗せして使用している。Scorchは通常1d3+6点のダメージを与えるが、上乗せにより1d3+10点まで上昇している。ブライアンのダメージロールは3回ペネトレートした結果、3+(3-1)+(3-1)+(2-1)+10=18点のダメージを叩き出した!ScorchはDodgeのセービングスローに成功するとダメージが半分になるが、ゴブリンたちは失敗してトラウマ判定にも失敗し、さらに5ftノックバックまでされてしまった。

B.A.(GM):君の呪文は2匹のゴブリンを包んだよ。苦悶の表情を浮かべて倒れ込んだね。

ボブ(ナックルズ):やったー

デイブ(エル・ラベイジャー):みたか、ロータスの怒りの一撃を!

ブライアン(ノワール):GM、俺はJog速度で他の皆のところに移動するよ。

B.A.(GM):おいおい、移動できるのは次のカウントからだよ。それにWalk以上の速度は出せないぜ。

メイジ呪文の詠唱後、(5+キャスティングタイム)秒の間はスペルファティーグ状態にある。この間はかなりひ弱になり、何をするにも時間を要する。

【アクションカウント12】

B.A.(GM):サラに最初に接敵したゴブリンの攻撃だ。命中は11だ。防御振ってくれ

サラ(ジャスティナ):どうしてこうなるの!?ファンブルよ!

B.A.(GM):ダメージは8点だよ

【アクションカウント13】

ボブ(ナックルズ):ワシの相手には止めを差し終わったな。次のゴブリンはでかい奴に噛み付くんだろうな! 

B.A.(GM):そうだよ。

サラは防御判定に出目1で失敗し、相手の命中値を上回ることも出来なかったのでファンブルとなった。命中するだけでなく、さらにフリーアタックも攻撃した次のカウント(今回は13)で受けることになる。

B.A.(GM):ゴブリンはフリーアタックを貰って攻撃だ。命中は9だよ

サラ(ジャスティナ):あら!今度は出目20!Perfect Defenseよ!

B.A.(GM):了解だ。ゴブリンは攻撃をミスして、君がカウンターを浴びせることができるよ。

サラは出目20で防御することができた。20(出目)-4(盾無し)+1(修正)=17はゴブリンの命中を上回っている。自分の手番とは関係なく、フリーアタックを1回行うことができる。

サラ(ジャスティナ):私の反撃は24点よ!

デイブ(エル・ラベイジャー):これはすげえ。あのゴブリンはサラを怒らせたな!

サラはカウンター攻撃で2d8pのダメージロールがペネトレートしまくった。8+(8-1)+(8-1)+(1-1)+8+(5-1)=27点。ひ弱なSTRで実ダメージは24点となる。ゴブリンを一撃で仕留めただけでなく、10ftノックバックされた。もし仮にゴブリンが生きていたら、ダブルノックバックの影響で地面に転がった上で武器スピードのカウントがリセットされるところだった。

B.A.(GM):友人たちが殺されていくのを見て、2匹のゴブリンたちは背を向けて逃げることにしたようだ。デイブとサラはフリー攻撃ができるよ。

通常はここまでゴブリンがあっさり戦闘を辞めて引き下がることはない。GMには計画があり、さらに洞窟の奥に引きずり込むつもりだったのだ。逃げる敵に対しては武器スピードによる待ち時間が半分になる。
相手が逃げ始めた段階で半分以上時間が経過していたらフリーアタックが出来る。
逃げるゴブリンを容易く仕留めたPCたちはさらにダンジョンの奥に進むことにした。

デイブ(エル・ラベイジャー):これが奴らの持ち物全部ってこと・・・?

ボブ(ナックルズ):口程にもない雑魚ばっかりだったな!

デイブ(エル・ラベイジャー):手間掛けた分、何か持ってるのか、こいつらは?

ブライアン(ノワール):早く身ぐるみはがそうぜ!

【しばらくして・・・】

B.A.(GM):ほんの少し歩いたところで、暗闇から大きな影が出て来るのに気づいたよ。4匹のオークがメイスと盾を持って雄叫びを上げているよ。

デイブ(エル・ラベイジャー):よっしゃぁ、剣を構えるぜ!

ブライアン(ノワール):ぎゃあーー

サラ(ジャスティナ):何だって言うのよ・・・
 

この物語の教訓「GMの冒険を馬鹿にするな、さもなくば凶悪なモンスターたちが解き放たれるであろう」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?