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AD&D 2nd 昔話


第一話「恐怖!1ラウンド100人斬り剣士」

むか~しむかし、世間では『ごーるでんうぃーく』と呼ばれる休日のことじゃった。

高レベルのAD&DのセッションをやることにしたDMは「せっかくだから、俺は陛下(注:D&Dコレクターの先輩の仇名)を呼んでみるぜ!」と卒業して社会人になった先輩をセッションに呼んだんじゃと。

一応、他の参加者にはあらかじめ告知しておったからキャラは出来上がっておったのじゃが、陛下はセッション前日に上京なすったため、まだ作ってもおらんかった。

じゃが、陛下は落ち着いたものでのぉ・・・部屋の隅で「コンペンディウムマギカ」で役に立つスペルやマジックアイテム漁りをしていた若造を尻目に、おもむろにドラゴンを一冊取り出したんじゃ。

「けっこうブランクあるし、急いで作るからあんまりたいしたものはできない。期待に添えなかったらごめん」 こんな弱気なことをおっしゃった。

ワシらも陛下とお別れしてから1年。それなりに修練は積んだつもりじゃった。

「そんな、参加してくれただけでもうれしいですよ。あんまり気にしないで作ってください」

こんな台詞が出たのも、ひょっとしたら「俺はもう負けない!立派なDMになったぜ!」という驕りの現われだったのかもしれんのぉ・・・今思えば恥ずかしい限りじゃ。

マジックアイテムも普通の「怪力ガントレット」「魔法の剣」などと、特に目につくものは無かったわい。

『陛下が普通の戦士を作った??自分は影に徹して後輩の活躍に期待ってところか?』

驕り高ぶったワシにはこうとしか思いつかんかった。

こうして準備が整い、いよいよセッションが始まったのじゃ。

最初から高レベルらしく、探知系の鬼のような輩を先頭にすいすいとダンジョンを進んでいった。

そしていよいよ最初の戦闘となったとき!

PCたちの実力の程を確認すると共に、「このレベルが雑魚で出るぞ」と脅しをかける狙いじゃった。

PCたちは順当に魔法をかけたり攻撃をしかけたりしておった。

そしていよいよ陛下の手番が回ってきた・・・・

陛下「手始めに、前列の奴に攻撃。AC-12まで当たり」

DM「命中してます。ダメージどうぞ」

陛下「ACと何差で当たり?」

DM「(???・・・AC3だから・・・)15差で当たりですけど・・・?」

陛下「じゃぁ、死んだ」

一同「何ぃぃぃぃ????」

陛下「あ、正確には即死じゃない。腰を切り裂かれて2d4ラウンド後に死ぬ」

一同「変わんないっすよ!!」

恐ろしいことじゃった。HP最大のモンスターどもが何の抵抗もできず、切り伏せられていったんじゃ・・・

しかし、これは悪夢の始まりにすぎなかったんじゃ・・・


ダンジョンを進むPCたち。やがて100匹くらいの半漁人の巣に出てしまい、戦うこととなる。

陛下「雑魚を殴る・・・出目が悪い。AC-4まで」

DM「あたってますよ。死ぬんですかぁ?」

陛下「8差しかないから死なないなぁ」

DM「(ほっ・・・)何か特殊効果あるんですか?」

陛下「(コロッ・・・)攻撃回数が3回増えた」

一同「はいぃぃぃぃ????」

陛下「それで次の奴に攻撃・・・あ、また攻撃回数増えた・・・・また増えた・・・」

めんどくさくなったので、期待値で計算することになる(!!!!)

陛下「多分、ここにいる敵を全部倒しておつりが十分に来ると思うけど」

DM「参りました」

 

「ファイターは1体しか相手にできない」という最大の弱点をいとも簡単に克服したキャラクターに唖然とし、こんなものを即座に思い出してデータ化した陛下に敬服したもんじゃ。

もう、その後の記憶は残っておらん。ラスボスのデータも忘れたわい。

それくらい、この剣士は凶悪で、インパクトがあって、陛下らしかった。

データとしては「特殊訓練を受けた剣士」というルールを使っておった。

ページの挿絵に「小眼を4つもつレイピア持ちの剣士」がある段階でゲテモノぶりもわかろうものよ。

この日を境にワシは高レベルを冠するセッションからは足を洗ったのぉ・・・

むか~しむかしのことじゃった・・・・・

第二話「時間(とき)をかける野蛮人(ドワーフ:男)」

むか~しむかし、ワシが平日のキャンペーンを持っておったときのことじゃった。

去年からの継続キャンペーンだったんじゃが、急遽陛下(注:D&Dコレクターの先輩の仇名)も参加されることになったんじゃ。

『陛下のプレイが久しぶりに見られるぞ』

こんなことを言いながら慌ててキャラを作り、参加した女神官もおったわい。

こやつも諸悪の根源の片割れなんじゃが、これはまた別の所で話そうかのぉ。

 

ともかく、舞台は「普段の世界とは異なる異次元ホラー世界」じゃった・・・

ちょっと頼りなさげな継続PCたちの前に現れたのは、ドワーフの蛮人じゃった。

なめしてもいない獣の皮を適当にまとい、棍棒とダーツを身に付けておった。

このときに気づいて止めるべきだったんじゃ。陛下が「The Will and the Way」を持っていたときに。

キャンペーンは無事に始まった・・・・じゃが・・・・あっという間に爆走をはじめおったわい。

以下に超能力によるキャンペーンの破壊例を示そうではないか!(まぁ、一度や二度じゃないがの)

 

DM「君たちが山を登っていくと、突然光が遮られたかと思うと上空にレッドドラゴンが現れた」

PC「反応は・・・敵対的か。仕方ない、がんばろう」

しかし、不意をうたれたPCたちは次々とブレスの前に倒れていった・・・

DM「前列に攻撃・・・牙で18点、爪で9点。生きてる?」

PC「生きてるわけないじゃないですか」

陛下「やばいな。(何か計算をしている)」

DM「(このままいくと全滅だな。次の番でNPCの助っ人を出そう。・・・・あ、陛下がPSP計算してるな)みんなでテレポートして逃げますか?」

陛下「いや、10ラウンド前の過去に戻る」

一同「はいいいいいぃぃぃ???」

陛下「10ラウンド前の我々に警告する。『あと5ラウンド後にドラゴンが来る。準備せよ!』10ラウンド前の我々を使いたいのだが、いいかね?」

DM「(唖然として言いなりになっている)は、はぁ。」

陛下「みんな、あれはドラゴンにやられた未来から忠告に来た私なんだ。間違いない。今のうちに準備を整えるんだ。Protection from fireをかけてくれ」

PC「おっしゃあ。準備さえできればあんなの敵じゃないぜ!!」

その後、予期されたとおりドラゴンが現れ、防御の完璧なPCたちの前で今度は瞬殺された・・・

用意したおいたNPCは出る間がなく、結局最後まで出んかったわい。

この戦法はその後「リセット技」と言われ重宝されたそうな・・・・

 

その後も「5ラウンド先の未来に霊体を飛ばして中の様子を偵察する」という新手の偵察方法を確立してみたり、

DM「全員終わりましたね?では2ラウンド目です」

陛下「ちょっと待った。まだ行動がある」

DM「あれ、さっきサイオニック使ってませんでしたっけ?行動しましたよね?」

陛下「僕には1ラウンドと2ラウンドの間に5/4、6/4、7/4ラウンドがあるんだけど」

DM「何ですかそりゃぁ・・・・」

陛下「目の前の奴にポジティブエナジービームを撃つ。・・・死んだ?」

DM「そのダメージで生きてるわけないでしょう?」

PC「何がおこったの?」

陛下「僕の周りだけ時の流れがおかしくなったかと思うと、2ラウンドの最初には敵が何故か死んでる」

 

ワシはTRPGで「リセット」があるなんて、このキャンペーンやるまで知らなんだわい。

ゴシックホラーをやる世界だったんじゃが、常に爆笑ばかりのセッションじゃった。

 

ちなみにこのドワーフ、常にPSPを大量に消費しておったので移動中も常に瞑想しておった。

移動と瞑想を同時にやるなんてどうやったかじゃと?簡単なもんよ。

ウィザードが「テンサーズフローティングディスク」をかけてその上にドワーフを載せて連れていったんじゃ。

傍から見ると、「座禅を組んで瞑想しながら空中浮遊して飛んでいくドワーフの蛮人」じゃった。

気色悪いったらなかったのぉ・・・・

良い子はこんなまねはせんことぢゃ。


むか~しむかしのことじゃった・・・・

第三話「神がかりな幸運大特売の日」

むか~しむかし、ワシが平日のキャンペーンを持っておったときのことじゃった。

『陛下のプレイが久しぶりに見られるぞ』

こんなことを言いながら慌ててキャラを作り、参加した女神官がおったんじゃ。

今日はその蛮人のドワーフに付き従った乙女の話をしようかのう。

あのドワーフが諸悪の種じゃとすれば、この乙女がそれを花咲かせたと言えるのじゃ。

あんな極道な組み合わせなぞ、もう二度と見ることもあるまいて・・・・

 

舞台は「普段の世界とは異なる異次元ホラー世界」じゃった・・・

ちょっと頼りなさげな継続PCたちの前に現れたのは、フォーゴットンレルムの神官じゃった。

美しい顔立ちで何故かホウキを持っておったわい。

このときに止めるべきだったんじゃ。PCが「Faiths & Avatars」の変なページを見てたときに。

キャンペーンは無事に始まった・・・・じゃが・・・・あっという間に爆走をはじめおったわい。

以下に幸運によるキャンペーンの破壊補助例を示そうではないか!(まぁ、一度や二度じゃないがの)

第二話で話したレッドドラゴンとの戦いのときのことじゃ・・・

 

陛下「いや、10ラウンド前の過去に戻る」

一同「はいいいいいぃぃぃ???」

確かに我々は驚いた。こんな技、PHBには載っておらんしのぉ。

しかし、これには欠点があったんじゃ。

「成功率がむちゃくちゃ悪い」ということじゃ。普通では条件がよくて3割しか成功せぬわい。

そこへ女神官が進みでて言ったんじゃ。

PC「陛下、それにはチェックが必要なんですね?」

陛下「うん、そうなんだ」

PC「(ダイスを振ることもなく)じゃあ、成功しました。」

DM「はいいいいいぃぃぃ???」

 

彼女は「幸運の女神」の神官でなぁ・・・

『「運が良いことに」ロールに成功しました』という魔法を持っておったんじゃ。

しかも、これだけではなかった。溢れんばかりの幸運がもたらされたのじゃ。

『「運が良いことに」攻撃が命中し、武器は最大ダメージを与える』

『「運が良いことに」抵抗判定に成功し、魔法の影響を受けずにすむ』

万民に運(ダイス目)だけは公平じゃと思っておったDMの敗北じゃった・・・・

 

この神官に支えられた蛮人は恐れることなく超能力を使えたそうな。

その後、キャンペーンは邪悪な世界を作り出していた王を打ちのめし、無事、閉鎖空間を脱出することができたんじゃ。(本来、PCたちの手に負える敵ではないので別の方法を用意しておったんじゃが・・・)


この女神の説明には「むやみに幸運を振りまいてはいけない」とあったんじゃがのぉ。

そのとき、ワシらの中にルールブックの「呪文」「特殊能力」以外の部分を読んどる奴はおらんかった。

あんなページでチマチマ全部読んでおれるかい!必要なとこしか読まぬわ!

こんな日常が招いた悲劇じゃった・・・・

むか~しむかしのことじゃった・・・・

第四話「破壊される運命を背負いし者:その名は『DMの予定』」

PC御一行は愛の女神の布教活動のため、ある村にやって来たんじゃ。

その村で世間話を聞くに、最近村での今年の一等ワインを決めるコンテストが開催されたらしいわい。

しかしその裏では、うさんくさい噂もまことしやかに流れていたそうな・・・

とはいえ、とりあえず一泊して明日にそなえるはずだったのじゃが・・・

CNのハーフリングがやりおったわい。


PC「そのワイン倉に忍びこみます」

DM「(・・・狭い村の中で泥棒対策なんぞしとらんぞ・・・)もちろん、入り口には鍵がかかっているけど」

PC「オープンロック」

DM「(ペナルティ付ける鍵じゃねえしなぁ・・)開いたよ」

興味の赴くままワイン倉を探索する小人約一名・・・

DM「地下へと降りる梯子を見つけた」

PC「では、降ります」

DM「本当に降りる?降りない方がいいんじゃない?」

PC「降ります」

DM「(トホホ・・・)では、そこにはマミーが一匹いるぞ」


その後マミーを外まで引きずりだして、フクロにしおったんぢゃ。

PC「ひょっとしてシナリオ終わりですか?DM?」

DM「だってラスボス倒したやん」

5時間くらいを見込んでいたプレイ時間は1時間強で終わってしもうた。

DM「君たちのすべきことは宿にとまって寝ることだったんだ!事件が起きる前にラスボスを探し出してぶちのめすことではなく!」

マミーがこのシナリオの事件のきっかけだったんじゃが、なーーんにも事件を起こすことなく、昇天してしもうた。

「別に難しいことを要求したわけじゃない!なんで宿に一泊するという簡単なことができんのだ!!!!」

そのときDMは心の中でこんなことを叫んでおったそうな・・・

 

地味な事件を地味に解決するのが普通の探偵

派手な事件をぱっと解決するのが一流の探偵

事件がおきる前に、解決するのが『超』探偵


教訓:犯人は賢くなければならん!周りの状況を把握できんアンデッドでは推理物のラスボスは務まらん!!


「じゃあ、ホールドパーソン」

まだレベルが低いころの話じゃった・・・

PCの友人の結婚式に招かれたときの話じゃ。

花嫁さんが昔付き合っておった不良がおってのぉ・・・

どこから聞きつけたか、「結婚式を妨害してやる!」なんぞほざいてきたんじゃ。

ただのチンピラじゃったから、大袈裟に警備するのも興ざめであるし、冒険者であるPCたちに助力を求めてきだんじゃな。

当日の式の予定を検討し、やっこさんが仕掛けてくる所などを確認したり、街で情報を集めたり、と順調に進んでおった。

敵の不良は昔、ウィザードのところに弟子入りしていて、そこからマジックアイテムを少し頂戴しておったらしいわい。

この段階で「敵はメイジ+チンピラ複数」と考えられておった。

DMは「生命の危険はないが、悪質な魔法のいたずら」が繰り返し起こる中で容疑者の中から犯人が絞りこまれて行く、というすじがきを考えておったらしいのぉ。

しかし、そんな甘い認識ではPCたちに対抗できんかったんじゃ。

それは最初の事件がおきたときじゃった・・・

「ベントロリロキズム」で窓の外で奇怪な声が聞こえてきたんじゃ。

PC「怪しいと思われる動きをした人間をチェックします」

厳しいWISチェックに通ったPCは妙な動きをした人間がいることに気づいたんじゃ。

此奴が真犯人でのぉ・・・このときはまだ変装をしておった。

まぁ、呪文を発動させたので回りの人とは驚くタイミングが遅れたんじゃの。

「怪しい人物がいるなぁ。しかし、こんな人込みの中では手が出せん。注目して様子をチェックしておこう」と、DMは考えてほしかったのじゃ。

続いておきる事件はこの人物以外の手によるものじゃから、ミスリーディングの多い話になると思ったんじゃよ。


しかし・・・

DM「確かにちょっと変な動きをした女性がいるね。」

PC「じゃあホールドパーソン」

DM「・・・人込みの中だよ?」

PC「ホールドパーソン」

DM「アライメントは?」

PC「LN」

DM「・・・・・・」

PC「ホールドパーソン」

DM「・・・・・・」

PC「ホールドパーソン」

DM「・・・(コロッ・・)固まった」

PC「運び出す」

その後、尋問された犯人は計画を暴露し御用となったんじゃ。

もちろん、その後結婚式はつつがなく進行したそうな。

本来は「教会での結婚式」「酒場への移動時」「酒場での二次会」のそれぞれで嫌がらせを考えておったんじゃがのぉ・・・

教会で妙な物音を立てただけで終わってしまったそうな・・・


教訓:推理ものはやらない。

倫理ではPCは止まらない。

神の訓えでも止まらない。(だって教義知らないし)

止まらないったら止まらない。

でも、神の力なら止まるかも。

むか~しむかしのことじゃった・・・・

第五話「星の力を吸い尽くす者:忌まわしきかなグラントリ」

ミスタラという世界に「グラントリ」なる魔法都市が存在することは知っておるかの?

ここの魔法はたいそう強力でのぉ・・・

D&D時代のサプリメントの翻訳が見送られたくらい(噂)強力なんじゃよ。

AD&Dになってからも、グラントリを舞台にしたキャンペーンは何度も行われておる。

俗に言う「ごった煮キャンペーン」(注)でもよく使われたものじゃ。

(注)舞台世界を設定せず、自分の好きな世界でPCをつくりそれを寄せ集めてプレイすること。往々にして外道どもの吹き溜まりとなる(経験者談)

メイジのキャラにする場合はグラントリ留学がキーワードのようにもなっておった。

もちろん外道の技にはことかかない為、ワシも色々な目に遭ってきたわい。

ちょっとここのメイジの強さを簡単に紹介してみようかのぉ。


 

強さその1:ウィザードスペルの充実

さすがに魔法学院だけあって、通常の呪文も充実しておる。

グラントリメイジの死体を見つけたら、真っ先に呪文書を漁るもんじゃよ。

外道スペルの中には

「1ラウンドの間、敵の攻撃を全てはずす」(これを2人のメイジが交互に唱えるんじゃよ)

「設定しておいた攻撃呪文をかけられた場合、そのまま術者に跳ね返す」

「敵のあらゆる魔法防御障壁を突き抜ける」(その隙に攻撃呪文を打ち込むんじゃ)

と、真っ当に強いものが多いのぉ。

他では手に入らないものばっかりだから、別世界のNPCがこれらの呪文を知っていたとすると「彼がこの呪文を持っていたのだから、この世界にも存在するはずだ!」という期待に胸をときめかしたPCが現れてくるんじゃ。困ったものじゃ、エド・グリーンウッドさんよぉ

 

強さその2:クラフトの存在

ウィザードスペルが「大学の授業」とすると、クラフトは「大学院での研究」となるかのぉ。

ここで技を学ぶには「金」「時間」「経験値」を消費することが必要になる。

しかし、ここで渋ってるような腰抜けはおらん。それに値する力が得られるからじゃ。

ここで得られる技は非常に強力な上に、普段の呪文とは全く別に使用することができるのじゃ。

一日あたりの使用回数は限定されておるし、成功率もそれ程高くはないがの。

ちょいとクラフトを説明してみようかいのぉ。

Alchemy
錬金術のことじゃ。物質を変化させたり、力を与えたりできるんじゃ。生命も込めることができるそうじゃの。

Cryptomancy
言霊の研究じゃ。物質や生物の真名を探り当てることで、それらを制御するそうじゃ。

Dracology
悪名高い「ドラゴンに変身!!」というやつじゃ。力をつける毎にドラゴンの思考回路に傾くと言われておる。

DreamMagic
『夢の世界』の魔法じゃ。実際に存在する『夢の世界』の力を引き出すことができるそうじゃ。

Elementalism
4大元素の精霊を呼び出しす技じゃ。力を借りるによって術者の体も変化するらしいのぉ。

Necromancy
死者を蘇らせる技じゃ。通常の呪文よりも強力なアンデッドを作ることができるわい。

Wokanism
簡単に言えば「魔女の技」じゃの。薬を作ったり、呪いをかけたり、と地味だが強力な技らしいぞい。

 

一番強力な技を使うためには、そのクラフトの長になる必要があるのじゃ。

もっとも、そんなレベルまでセッション続けるとも思えんがの。

クラフトの技は極めるにつれて自分の容姿・思考が変化していくんじゃ。

高レベルの技が使える術者はかなり風変わりになってしまっておるはずじゃ。

 

強さその3:青いオーラ

正確にはRadianceと言うがのぉ。

グラントリ究極のエネルギーのことじゃ。「星の力」「大地のマナ」とでも言えば解り易いかの?

これを使いすぎると、吸い上げた土地では魔法が働かなくなったりするんじゃ。

吸い上げたRadianceにより凶悪な魔法を使うことができるんじゃ。

最たるものが「運命改変」かのぅ。

まず、自分にRadianceを貯め込むのじゃ。(このとき体から青いオーラが現われる。)

そして成功ロールなどで出目が足りずに失敗したとき、このRadianceを消費することで

ダイスの出目をシフトさせることができるんじゃ!(ダメージ決定ダイスは例外)

しかも、最強の魔法には「人間の体を捨てて神になる」というものまである!!!

外道じゃろう?外道なんじゃよ。

だが、いいことばかりでは無いぞ。もちろん。

先ほども述べたが、Radianceを集めることは環境破壊、星の破壊を意味するぞ。

また、人間がRadianceを使うことをこころよく思わない神もいるので、

時折、Radianceを詳しく知ってしまった人間を天界に連れて行ってしまうそうじゃ。

連れて行って欲しい歴代PCには事欠かないんじゃがのぉ

人間の領分は超えちゃならんという警告なんじゃよ。

グラントリの恐ろしさ、少しは理解いただけたかの?

第六話「ファンタジーストリートファイター:外道モンクへの道標」

今日は昔のモンクについて語ろうかのぉ。

3版以降でこそ華々しくPHBに居座っておるモンクじゃが、かつては日陰のサブクラスじゃった・・・

とはいえ、ファイター並の能力を持つ神を信仰しさえすれば(←不謹慎)プリースト魔法が使えるシングルクラスの前線の出来上がりじゃ。

レベルがあがる度にACが1つずつよくなり、フリーアクションが常時かかるようになるそうじゃの。

さすがに純粋ファイターと比較すれば打たれ弱い観は否めんが、「純粋ファイターはめっちゃ強い。それは解ってる。でも、それじゃつまらん!」という輩が増えてきておって、異色の前線は需要が高かったんじゃよ。

昔、ハイレベルキャンペーンでこのようなモンクがおったわい・・・・

そのモンクは東方から「俺より強い奴」を探して旅をしてきた若者じゃった。黒い胴着の背中には「滅」の字があったわい。昔の話じゃ。


パーティを組んだPCたちは Rod of 7parts というアーティファクトを求めて旅立った。

7つのパーツを集めるとロッドが完成して、強大な力を得るというドラゴンボール的なあれじゃ。

もちろんそれを守護するガーディアンを倒さねばならんし、パーツの横取りを企む悪魔どもとも戦わねばならん、辛い旅じゃった。

異形の者どもに対して前線はっとる者の中にあのモンクもいたそうな・・・

PC「最強モードに入るために準備中・・・」

DM「呪文を掛けてるんですね?」

PC「うん。ヘイスト掛けられる人いたらお願いします」

最初の2ラウンドは援護呪文を掛けておったわい。

そろそろ敵方のストーンスキンが剥げたころ・・・

PC「では前線に出ます。そして技を(コロッ・・)使いました。『はぁぁぁぁーーー!』」

DM「あなたの目の前にはスパイダーデーモンがいます」

PC「ではそいつに攻撃。ストーンスキンは残ってないよね?では・・・『奥義!瞬獄殺!』」

D20を2個ずつじゃらじゃらと延々と振り続けている・・・・

DM「(ほえ?・・・・?・・・)」

PC「(やっと振り終えた)ダメージがねぇ」

DM「はいはい、何点でしょう?」

PC「82点!」

DM「はいぃぃぃぃぃぃ???」

確かに最強の補助呪文は掛けてあったとはいえ、こんなダメージ初めて見たわい。

しかも、悪魔相手に素手でこんなダメージをたたき出しておる。

PC「もっと強い奴はいないのか・・・」

もう強いですって

DM「すみません、クラスはファイターですか?」

PC「プリーストです」

ファイターよりダメージ出してるんですけど・・・

もっとも援護魔法が全部掛かって本領発揮じゃからのぉ。

さすがに素の状態では前線に立つことすら難しかったようじゃ。

とは言え、魔法に関してはかなり充実しておったパーティでのぅ。

なんだかんだ言っても、必ず前線に立てるようにはなっておったわい。

彼がキュアライトウーンズなんぞ唱えた日にゃあ、皆が驚いたようじゃの。

「まるでプリーストみたいですよ!」

いや、プリーストだったんじゃがのぅ。

 

3版以降のモンクを見ていると、インディーズからメジャーへデビューしたバンドを見ておるようじゃ。

「大きくなったなぁ」と成長を喜ぶ反面、「手を出しにくくなったなぁ」とも悔しがっておるわい。

「モンクはめっちゃ強い。それは解ってる。でも、それじゃつまらん!」と言って地味で間抜けだが一芸に秀でたキャラを発掘していくんじゃろうのぉ・・・

世にマニアの欲望が尽きることはないもんじゃて

第七話「やりたい放題セッションの悲劇:断るときはきっぱりと」

「悲劇」とは言っておるが、DMはそれ程「悲劇」とは思わぬようになってきたわい。

シナリオを破壊されるのに慣れてしまったんじゃのぅ。

「次はどんな風に脱線し、筋書きをぶち壊してくれるんだろう?」などと期待するようにもなってきたんじゃよ。

最近では「TRPGは筋書きのないドラマだ!」などと矛盾しまくった境地に達した気がするわい。恐ろしいもんじゃて。

 

今日はかつて行われた「最初のハイレベルセッション」の話をしようかのぅ。

ワシもそのころは駆け出しのペーペーでのぅ。意味もわからずパラディンやっておったわい。

どんなサプリメントもワールドも利用可能という、今考えると身震いしそうなレギュレーションじゃった。

「グラントリでメイジ修行→アサスで刺青→レルムで呪文漁り・ドラゴン見物→エルフの女王により改心」

「キャバリアー→サイバー手術→堕落してサッキュバスになる→レルムへ召喚→エルフの女王により改心」

極道に強くしようと思えばイービルのキャラにしかなれぬ。しかし、それではシナリオに参加できない。

そこで出された妥協案が「レルムのエルフの女王が使うハイマジックで改心する」という策じゃった。

こんな怪獣の群れをエルフたちはどうやって捕縛したかは永遠の謎じゃがの。

とはいえ、すっきりグッドになったキャラたちは意気揚揚とシナリオに参加していったんじゃ。

 

じゃがのう・・・シナリオはとてもシナリオとは言えんかった。

「ウィッシュ。我々をその鍵の元へ安全に速やかに運びたまえ!」

「ウィッシュ。我々をその扉の元へ安全に速やかに運びたまえ!」

シナリオ自体はこれで終わりじゃ。あっけないのぉ。

さすがにこれだけではせっかく作ったキャラがもったいないので、戦闘はしっかりすることにしたんじゃ。

とはいえ、戦闘中はこれらの外道キャラの圧勝じゃった・・・

「ゴールドドラゴンに変身して敵前線を殴り倒す」

「あらゆる魔法障壁を抜けて60ダメージの岩が毎ラウンド振ってくる」

「チェックに失敗しても、青いオーラで成功に変える」

「たとえHPが0になっても、次のラウンドにはHP満タンのクローンがテレポートしてやってくる」

「ワイルドマジックが暴走して底の見えない穴を空けまくる」

こんな奴ら相手にただの聖剣もちのパラディンが何ができる!

エルフの女王も後ろからワンドでマジックミサイル撃ってただけじゃったのぅ。

 

このとき、「いつかルールを詳しく勉強して、自分もハイレベルセッションやるんだ!」と決意したんじゃよ。

このセッションから学んだことは・・・「断るべきことはきっぱり断る」ことじゃった。

『ウィッシュ厳禁』『アサスサイオニック廃絶(第2話参照)』『ワールド渡り歩き阻止』これだけ制限を加えれば「ゲームにならんことはない」くらいにはなるのう(経験談)

とはいえ、またいつか「無差別級セッション」をやってみたいわい。できればプレイヤーで

「今度こそ!」という気持ちもある反面、「あれは超えられない」という気持ちも正直あるがな。

むか~しむかしの思い出じゃよ・・・・・

第八話「フォーゴトンレルム?」

昔々、あるところに「黄色潜水艦闘技場コンベンション」に参加した若者がおったそうな・・・ある日、いつもAD&Dを買いに行っている黄色潜水艦にビラが貼ってあったのじゃ。

「黄色潜水艦闘技場コンベンション」とあってのう、興味津々で眺めておったら、プレイシステムの中にAD&Dの名前も載っておった。

「あ!卓の予定にAD&Dが入ってる!」

コンベンションでのプレイ経験の少ない若者は、たいそう喜んで当日を首を長くして待っておったのじゃ。

コンベンション当日、ニコニコしつつ会場入りして、前に置いてあるホワイトボードを見たところ、「AD&D 2nd 初心者OK 冒険物」と書かれておった。

「やった!本当にプレイできるんだ!」企画倒れにならなかったことをここぞとばかり神に感謝したそうな。

いよいよ開会式。関係者の挨拶が済み、ゲストのトークが一段落した後、

各DMによる卓毎のプレイ紹介が始まったのじゃ。

中盤くらいに差掛かったとき、順番が回ってきたわい。

「・・・今日はAD&Dをプレイします。舞台はフォーゴトンレルムです。以前に『アイスウィンドサーガ』『シャドウデイルサーガ』などの小説が発売されていました。そういった『オーソドックス』なファンタジー世界をいっしょに旅したいと思います。」

DMはそう言ってプレゼンテーションを終えたそうな。

「よし!期待してた通りだ。どんなキャラクターやろうかな?」

若者は夢膨らませ、無邪気にはしゃいでおった・・・

無事、AD&Dの卓に入ることができた若者はプレイヤー同士の自己紹介を終え、プレイ経験などの話に興じておった。

聞いてみると、AD&D目当てに来たというよりも、来てみたらやってたからという初心者のプレイヤーが多かったのじゃ。

「ここは自分がリーダーシップを取ってキメてやるぜ!」

若者がそう決意したのも当然のことじゃて。ウィザード魔法の選択なぞ、初心者にはちと荷が重いからのぅ。

プレロールドと聞いて、ちょっぴりがっかりしたけれども、『「わからないことがあったら聞くように」とDMさんは言ってたけど、レルムのキャラで変なルールもないだろう。初心者には僕が答えてあげようかな』

AD&Dの話ができることが嬉しくてたまらない若者はニコニコしておった。

そして配られてきたキャラシートを見て若者は愕然としたのぢゃった・・・

PC1「何ですか?このサムライって?」

DM「サムライはね、ファイターの一つでこういう特殊能力を持ってて・・・」

PC2「何ですか?この忍術って?」

DM「ニンジャファイターはね、こういう技能を使うことができて・・・」

PC3「クラスのとこにソウヘイって書いてるんですけど?」

DM「僧兵のことだよ。戦闘がある程度できるようにしたんだけど・・・」

PC1「フォーゴトンレルムってこんな世界なんですか?」

DM「うん」

「うん」じゃねーーだろ!「うん」じゃーー!!!

古びた怪しい本を取り出して嬉々として説明を始めるDMに一抹の不安を感じつつも、ルールでわからない点を質問しておった。

そしてシナリオは始まったのじゃ・・・

今回、PCたちのクライアントは「MIKADO」なる人物となっておった。

求婚相手の女性が誘拐予告をされたので、ボディガードをして欲しいとのことじゃった。

PCたちの大半が名前を予想しつつ、一応尋ねてみると「Princess KAGUYA」だそうな。

何となく先の展開が読めそうになりつつも、満月の晩に寝ずの見張りをしていると・・・

DM「月が一瞬陰ったかと思うと、こういう船が降りてきた」

そう言って一枚のシートをテーブルに広げたのじゃ。

若者「何ですか?この昆虫みたいな船は?」(ビクビク)

DM「ジャマーシップと行って宇宙を旅するのに使う船だよ」(あっさり)

事も無げにさらりと解説すると、宇宙船は近くの湖に着水したのじゃ。

中からは見たこともない鎧に身を包んだ部隊が出てきて、チャンバラが始まったわい。

必死に館と姫を守るPCたち。

しかし、ホールドパーソンに一人倒れ二人倒れ、やがてはニンジャだけになってしもうた。

単身では身を守ることすら危うい状況になり、やむを得ずマジックアイテムの「KISERU」を使って、煙幕を張って逃げ出したそうじゃ。

がっくり肩を落としつつも、任務失敗を「MIKADO」に報告に行ったのじゃ。

若者「MIKADOさま、我ら力及ばず、姫君を守り抜くことができませんでした」

MIKADO「むむむ・・・(悩む)・・・いや、まだだ!まだ終わってはいない!」

PC2「でも姫さまは月に行っちゃいましたよ?どうするんですか?」

MIKADO「姫が月へ連れて行かれたのならば、我らも月へ行くまでよ!船を用意いたせ!」

そうは言っても、MIKADO本人が行くわけにもいかんじゃろう。

一国の王を冒険に連れていくわけにもいかんしの。(例外大多数:バースライトとか)

PCたちは宮中の方々の見送りを受けつつ、宇宙へと旅立っていったのじゃ。

PC1「フォーゴトンレルムってこんな世界なんですか?」

DM「うん」

宇宙での旅では途中、隕石群や宇宙海賊の襲撃をうけつつも順調に進んでおったわい。

このころになるとノッてきたプレイヤーも出てきたせいか、話がわけわからなくなってきおった。

PC1「弾幕薄いぞ!何やってんの!ほら、一機抜けてきたぞ!砲撃手、さっさと落とせ!」

PC2「左舷カタパルトデッキ破損!出撃できません!」

PC3「皆の衆!拙僧が帰艦するまで もたせてくだされい!」

若者「・・・これってフォーゴトンレルムですよね?」

DM「うん」

やがて月にたどり着いたPCたち。

どうやら「Princess KAGUYA」は王位継承権を持つ姫君らしいことがわかったんじゃ。

しかし生まれてきたとき双子だったので、政争が起こることを恐れた両親は、断腸の思いでKAGUYAをトーリルへ下ろし、普通の人間として暮らせるよう取り計らったのじゃ。

そのままKAGUYAは月とは無縁に暮らすはずだったのじゃが、ある貴族が王女が双子であったことをすっぱ抜いたことで事件がおこったそうな。

王位を継ぐことに気がすすまない現王女SAKUYAは、これ幸いと継承権の放棄と姉への譲位を宣言したんじゃ。

そこで慌てたのが継承権2位のKAGUYAの叔父じゃった。

こんなところで「鳶に油揚げ」ではかなわん、とばかりに姪の誘拐を企んだのじゃな。

ここでKAGUYAがいなくなれば自分の王位は確定じゃからのう。

そんな政争にPCたちは巻き込まれていったのじゃ・・・

とは言っても実際のコンベンションでは時間が押してたので、囚われた有力貴族が洗いざらいしゃべったことだったらしいがの。

ラストバトルは叔父のやとった冒険者+モンスターじゃった。

サムライの気合の一撃、魔法、忍法が飛び交い、倒すことに成功したそうじゃ。

エンディングではKAGUYAなる姫は存在しなかったということにし、トーリルへとPCと一緒に帰っていったそうな。

余談じゃが、MIKADOはその後も振られ続けたんじゃと。

セッションが終わり、DMからそのシナリオのタイトルを教えられたのじゃ。

「スペースかぐや姫:サイバー侍 宇宙をゆく!」

『レレレじゃないのか?』というごく自然なツッコミが入ったそうな。

PC1「フォーゴトンレルムってこんな世界なんですか?」

DM「うん」

ひどいDMも居たもんじゃて・・・気を付けねばならんぞ。そこな若者よい。

ちなみに、この極道詐欺DM,名前をR2とかいうらしいぞ・・・

むかしむかしのことじゃった・・・

第九話「モンスター・ホラー?・ショウ」

・ゴーレム!ゴーレム!ゴーレム!

昔々、あるところに「俺たちより強い奴に遭いに逝く!」をスローガンに抱えた冒険者がおったそうな・・・

エルフの女王は、連中の知的にして好戦的な性格を見抜き、森を守る勇者として招聘したそうじゃ。

当時、そのエルフの森は「Elf-Eater」という怪物の脅威に曝されておったわい。

腕に自信のある鉄砲玉冒険者を探し求めておったのじゃ。

目には目を、怪物には怪物を、というわけじゃな。さすがに女王だけあって賢いのう。

もっとも、召喚された冒険者たちは、それはそれは怪しい者どもじゃったので、勇者として認めるために、彼らに試練をお与えになったのじゃ。

それが「ゴーレムの試練」じゃった・・・

エルフの森史上(?)もっとも厳しいと言われるその試練は・・・

・まず4体のゴーレムが登場

・2ラウンドおきに新しいゴーレムが出撃、戦闘に参加

・ゴーレムが倒されたら、次のラウンドには即座に補充

・エルフの森に装備されたゴーレムが尽きるまで戦い続ける

通称「わんこゴーレム」の試練じゃった。

何?そんなにゴーレムあるならそいつらに戦わせろじゃと?・・・それではシナリオにならんではないか!

下にゴーレムの一覧を示そうかのう。HPはHD×8で計算してあるぞい。(←ハイレベル時の標準)

D8振って20が出たとして計算してないだけ、良心の残ったDMじゃったわい。

Golem HP
Stone 112 Skeltal 48 Brain 96
Iron 144 Iron Gargoyle 128 Hammer 112
Flesh 72 Mud 64 Metagolem 72
Clay 88 Rock 128 Spiderstone 88
Bone 112 Silver 96 Snow 96
Gargoyle 120 Drolem 160 Wax 64
Glass 72 Ash 64 Burningman 112
Necrophidius 16 Chitin 72 PhantomHyer 88
Scarecrow 40 Obsidian 96 Magma 96
Caryatid Column 40 Rock (Athas) 80 Salt 72
Juggernaut 104 Sand 64 Magic 64
Stone Guardian 36 Wood 64 Shaboath 88
Mist 144 Furnace 160 Chia 64
Mechanical 104 Radiant 160 Plush 40
Zombie 144 Lightning 88 Amber 80
Chocolate 48        
計46体・・・そんなゴーレム出す方も出す方じゃが、全部倒す方も倒す方じゃのう・・・

もっとも、用意しておった呪文はきっかり全部尽きておったので、もう一息だったがのぅ・・・残念じゃったわい。

 


モンスターも真面目に馬鹿を突き通せばこんな様になるのじゃよ。

気を付けねばならんぞ、そこな若者よい。

昔々のことじゃった・・・

第十話「From The Shadows レポート(ネタバレ)」

画像1

私のプレイしたAD&Dシナリオの中で、もっとも「おバカな」セッションのレポートです。このシナリオで描かれる物語自体はとてもシリアスであり、興味深いものです。(いやいやマジで。)

しかし、これを小説ではなく、TRPGのシナリオでやるとなると・・・難しいだろうになぁ・・・

デザイナーの思惑通りPCたちは動いてくれるとは限りませんからね。

PCたち「んなアホな!」「本当なんですか!」

DM「だってそう書いてあるんだもん」

何度、この台詞の応酬をしたことか・・・

内容はストーリー重視の既成シナリオをそのままやった際のプレイレポートみたいなものです。


シナリオ「From The Shadows」(RQ3 9375)のネタバレを激しく含んでいるので注意してください。

・「Ravenloft」に関する予備知識

「Ravenloft」とは閉鎖されたデミプレーンを舞台とした、ゴシックホラー向けのキャンペーンワールドです。

この世界へは何の予兆もなく「霧にまかれて」やってきます。不運にも迷い込んでしまうと言った方が良いかもしれません。

普通に旅をしていると突然周囲が霧にまかれ、そのまま歩いていると全く知らない場所についていた・・・

というシーンから始まります。PCたちはこの奇妙な世界から抜け出し、もとの世界に戻るために冒険に挑むのです。

 

ここでは邪悪な行いをすればするほど、自分自身の姿が化け物へと変わっていき、強力になっていきます。

しかし、邪悪になればなる程この世界との結びつきが強まり、他の世界へ逃れることができなくなります。

今回、その閉鎖世界を治めるダークロードの1人であるリッチが、外の世界へ逃げ出そうと企むところからスタートします。

PCたちは(止むを得ず)そのリッチの手駒として動きながらも、元の世界へ戻れるよう努力することになります。

 

・不運なPCたち

都内某所に集った我々はAD&Dを始めることにしました。このセッションが私の2回目のAD&Dだったのですが、案の定出目が悪く、しょぼい能力値しかできませんでした。

ところがPHBとにらめっこしてる時に、「何だ、パラディンが作れるじゃん!」と気づいたのです。

まさにこれが5時までパラディン「ハイランス卿」が誕生した瞬間でした。

(このとき素直にConに18振ったファイターを作っていれば、このサイトもなかったかもしれませんね。)

Str12、Dex 9、Con12、Int 8、Wis13、Cha18とかの能力値でした。弱っ!

他は北極ハーフリング、Fu Hsingのプリーステス、ドラゴンでしたね。

Fu Hsingとは中国の女神の1人で「唄」「喜び」を司ります。ここのプリーストは「全ての恐怖・絶望に耐性」「同レベルのバードとして呪文を唱える」能力があります。

「霧にまいて集めるからどこの世界でも構わない」というありがたいレギュレーションの元、思い思いにキャラを作ってました。

 

・冒険の始まり

DM「じゃあ霧にまかれた」

PCたち「速っ!」

と、いうわけで霧にまかれました。もう「Ravenloft」に片足つっこんでます。

DM「首が無い男が馬にのってやってくる。戦闘になるよ」

PCたち「デュラハンかな・・・?まぁいいや、戦闘だ!」

イニシアチブを振り、行動を決めるPCたち。

DM「男の攻撃・・・(コロッ)・・・・当たった。」

PC「じゃあダメージください」

DM「首が切られた」

PC「なにーーーーーー!!!???」

他のPC「死んだんすか?」

DM「首切られても生きてるキャラじゃないでしょ、死んだよ」

他のPC「逃げます。敵うか、こんなやつ」

DM「後ろにはこんな奴(ビホルダー)がいて、こっちをじっと睨んでる」

PCたち「全滅ですか?」

DM「これはイベントだから勘弁してくれ。でも、呪文無効化100%、物理攻撃無効、攻撃が命中したら即死の敵を「PCたちが絶望しないように」操るのって難しいよね?」

PCたち「絶望するなと言っても無理でしょう。間違いなく」

と、いうわけでPCたちは首をちょん切られてしまいました。シーンが移ります。

シナリオ注:ここはリッチが冒険者を捕らえるシーンです。問答無用なのでPCとしてはやり切れませんでしたが

 

・目覚め

おきたら自分たちは首だけになって棚に納まってました。

首から下の身体は別のところに立て掛けられているのがわかります。

PCたち「何で生きてるんだ?私たちは」

どうやらここは何かの実験室のようです。魔法の触媒らしきものが転がってたりします。

そこへ主とも言えるリッチがやってきます。イービルじゃんじゃんばりばりでパラディンには耐えられません。

リッチ「お前たちに仕事をしてもらうぞ。断ることもできまい?」

ハイランス「貴様のような邪悪な輩に加担するはずもあるまい!断る!」

リッチ「ならばお前は首だけで生きていくか?ん?」

ハイランス「やります!やらせてください!」(←おい)

身体が無ければ正義は守れませんからね。使い魔のインプの嫌がらせも受けていたので簡単に屈しました。

インプ「けけけっ!ホレホレ、何とか言ってみろや」(顔を爪で引掻いている)

ハイランス「やめろ!汚らわしい悪魔め!」

インプ「良いのか?そんな口の利き方して?ご主人に言いつけるぞ?」

ハイランス「いえいえ、生かしておいてくださるなら靴でも舐めます、ハイ!」

DM「おいおい、その発言はパラディンとしてまずいんじゃないのか?」

ハイランス「パラディンの勤務時間は5時までだ!アフターファイブは何をしようと私の自由だろ!」

その日は5時を過ぎていたので不問に伏されましたとさ・・・って本当か?

リッチ「では諸君をある城へ送りつける。ただし精神だけだ。現場の人間を乗っ取って行動せよ」

PCたち「はいはいはい(←もはやシナリオベルトコンベアーに乗ってる)」

リッチ「その城の中では結婚式が行われているはずだ。結婚の祝福に使うアーティファクトがあるからそれを奪ってこい」

PCたち「はーい」

もはやこの時点でパラディンとしては激ヤバな状態にあるわけです。

己に邪悪な術をかけられ、罪なき一般人の身体を乗っ取り、祝福用アーティファクトを強奪するのですから。

でもまあ、呪文により無理やりパラディン規範を破らされた場合は情状酌量の余地があるし(←調査済み)

とりあえず行ってみますか・・・

シナリオ注:リッチはなんとWishを使って冒険者たちをこのような姿に保っています!ご苦労なことで・・・

 

・襲撃!

ここでは350年前の「Castle Ravenloft」へ襲撃をかけます。

「Castle Ravenloft」とは「Ravenloft」というデミプレーン自体を作り出した元凶の大元です。ここでの事件が引き金となり、デミプレーンが生まれたと言われています。(神秘研究者談)

「Castle Ravenloft」とは、元々「Strahd von Zarovich」という男が所有する城でした。

彼は優秀な軍人で、正義の心をもった紳士でもありました。

しかし、彼が実の弟Sergeiの恋人Tatyanaに横恋慕したことが悲劇の始まりでした。

Strahdは二人の結婚式の前日に、弟Sergeiを殺害し、Tatyanaを我が物にしようとしたのです!

しかし、恋人の死を知ったTatyanaはバルコニーから身を投げてしまいました。

その瞬間、Strahdに邪悪な力が宿り、彼はヴァンパイアになったのです。

 

リッチの狙いは結婚式会場にあったthe Holy Symbol of Ravenkindでした。

「Ravenloft」の成り立ちの際にそれを奪取しておくことで、「Ravenloft」のプレーンの力自体を弱められると考えたのです。

そこで時を超えて冒険者たちを送り込むことにしたのです。

(the Holy Symbol of RavenkindはGoodのアーティファクトなので冒険者にしか触れませんし)

会場に送り込まれたPCたちは手ごろな客人を乗っ取り、式場(チャペル)へ向かいます。

すぐに事件が起こり、Strahdがヴァンパイアと化して城中の人間の無差別殺人を始めるので、それまでにアーティファクトを奪い取り、城の外へトンズラこく必要があります。

「正義の心」が悲鳴をあげていましたが、PC本人の悲鳴の方が大きかったので無視されました。

ちなみに奪取が失敗した場合、リッチは何度でもやり直してくれます!

何度も送り込む時代を変えていけばよいのですから!

でも、やり直す度に経験値が10000点ずつ減っていくのでさっさと成功させましょう。

 

・リヴェンジ

ここまでいいようにこき使われて、黙っているPCたちではありません!・・・シナリオ的に。

(リッチ相手に、首一つで歯向かう度胸があるPCなんぞ皆無だとは思いますが。)

幸いリッチは席を外してますし、使い魔のインプの悪戯でPCの1人は身体の自由を取り戻すことができます。

PCたち一行はリヴェンジに燃えて、リッチの城を突き進むのです!

実はリッチはこうなることを、予言者Hysocaの言葉を聞いて知っていました。

彼はあえて冒険者たちが自由になるように放置しておいたのです。

そして冒険者たちが自分を殺してくれることを望んでいました。

彼の計画とは自分の生命の器を冒険者に持たせて「Ravenloft」を脱出し、外の世界に出てから身体を取り戻すことでした。

そのため城の中では、リッチがいる場所までストレートに来れるように、必要なドアだけ開くようにしてあります。

 

・挫折

城を登っていってリッチを倒すなんて計画、速攻で挫折しますって。準備してない、最適化した計画もない、勝てる気がしないと、無い無いずくしです。

しかもここまでの話を全てぶっ続けでやってるので、プレイヤーの気力も萎え萎えです。

DM「皆ここにいるんだけど・・・」

気力の尽き果てたDMが、あきらめてダンジョンマップを広げて部屋の1つを指さします。

PCたち「31って部屋ですか・・・」

DM「中には、スペクター(2レベルドレイン)5体と、レイス(1レベルドレイン)40体いるんだけど」

PCたち「やってられませんて!ターンで何体倒せると思ってるんですか!」

ひぃひぃ言いながら敵を殲滅したときには全員のレベルが下がってました。

プリーステス「くっ、もう私は駄目。これ以上一緒では足手まといになるから、ここに置いていって」

ハイランス「何を言っている!そんな弱気なことを言ってはいけない!」

プリーステス「しかし、もう私はほとんど呪文を使いきったし、戦闘力もない。だから・・・」

ハイランス「お前にはCure Light Woundsが1回残ってるじゃないか!それを唱え終わったら置いて行ってやる!」

そりゃあ堕ちますがな。ええ、間違いなく。

発言にも多大な問題がありましたが、やはり仲間のプリーステスを見捨てたことが響いたようです。

こうしてハイランス卿はただのウォリアーとなってしまいました。

必要経験値が多い上に武器の専門化ができないお荷物戦士の出来上がりです。

ハイランスは一度もレベルドレインを受けなかったけど、この発言でアライメント変更されて1レベル下がったのさ!

PCたち「あの~レベル下がって、使える呪文減って、絶対勝てないと思うんですけど」

DM「そうだなぁ・・・う~ん、もう外には出て行けるからなぁ」

PCたち「このまま79番の部屋まで行けるとは思えませんが」

DM「よし、修行の旅に出たことにしよう!浪人して出直しだ」

このデミプレーンに巣食う邪悪な怪物を片っ端から切り刻み、経験値稼ぎの旅を1年ほど続ける一行・・・

DM「じゃあ1年経った」

もはや面倒くさくなった我々は、ボス戦すらろくに行わずに終わった気がします。

リッチとどつきあった記憶が無いので、多分その後の話をしただけだったのでしょう。

 

シナリオは秀逸な部類に入ると思います。他のシナリオとも相互作用していく話なので、このシリーズをキャンペーンを通してプレイすると壮大なドラマが出来上がると確信しています。

でも、断じて単発セッションで1日でやってしまう内容ではありませんね。

シビアでシュールな状況がジェットコースター的に移り変わるので、プレイヤーの視点では話の流れに追いつけないのです。

このセッションでバカだったなぁ、と思う点は「はぁ?」「何すかそれ?」「ほえ?」という台詞に伺えるように「ストーリーに置いてきぼりにされること」でした。

中々突っ走ってくれてて、聞いてる分には凄く楽しかったのです!やってる分には気力が磨り減りますが。

後は毎度おなじみ、既成シナリオの戦闘バランスのきつさでしょうか。

9-12レベル対応のシナリオで、PCは全員9レベルで、しかもセッション中にレベル下がってるし!

お互いの疲れ具合、やる気の失せ具合がまったりとしてそれでいてコクのあるセッションでした。

気力が磨り減ったのときは誰しも「パラディンの勤務時間は5時までだ!」と現実逃避したくなりますものね。

第十一話「拳で語り合った強敵(とも)たち」

本稿では、外道なPCたちが、どのような化け物どもと戦ってきたかを紹介していこうと思います。私がPCをしたセッションの際の敵については、我が師Leanderさまのご協力を得ております。

余談ですが、Leanderさまのシナリオの場合、キャンペーンに登場した師匠は必ず暴走するか、爆走するか、我が道を突き進むかしちゃうんですよね。出てきた恋人は必ず死ぬか裏切るかしますし


DM:Leanderさまの場合

1.ガマロイド戦 (Dragonlance)

Dragonlanceで、GreyGemの暴走・汚染により混沌が世界に解き放たれた話。(混沌の召還した生物ということで、ガマロイドを使用)

都市を襲うガマロイドを、相棒のゴールドドラゴン・フレアスターとともに、通りがかりの謎のボケ気味の老人が用意してくれたDragonlanceをもって迎撃し倒した。

カスタムは特にしてないはず。データは昔のMCで確認してください。

他のPCのStoneSkin、Haste等での強化と、GoldDragonとDragonlanceの威力で正面から戦って倒したと思う。

あと記憶にないんだが、当時のシナリオメモに「パランサスをタラスキュー襲撃。フィズバン支援」とあるんだが、タラスキューと戦った記憶はあるかい?多分同じような状況で倒したんだろう。

小説「Dragons of SummerFlame」を題材とした、スケールの大きなキャンペーンでした。混沌に立ち向かうため、善と悪が(お互いの腹を探りながら)協力しあって混沌を倒すストーリーでしたね。私はソラムニア騎士をやってたので前線でどつき合うだけでしたが。善側と悪側の仲介交渉人のPCはひたすら苦労してましたなぁ。ラストバトルでは、レイストリンさまに時を歪めてもらいつつ戦った記憶があります。

ちなみにそのときの騎士のデータです↓

STR12/DEX10/CON15/INT9/WIS13/CHA8 ソラムニア騎士(Sword)9レベル

能力値は毎度ながらスカスカですが、ヒューマさまに借り受けたホーリーアベンジャーとヒューマの盾(+3)と、プレート・オブ・ソラムナス(+5)とトゥルードラゴンランスで武装してました。

ちなみに、物語の中盤でレベルアップするまで読み書きが出来なかったというオチもあります。

ガマロイドの簡単な戦闘データ↓

HD100/AC-6/THAC05/ダメージ10d6、10d6、60d4

スペルジャマーに出てくるガ○ラのことです。巨大な亀の化け物で、大回転アタックをしてきます。

タラスキューやガマロイドにも混沌勢力のメイジが援護呪文かけてましたよね。あんまりです。

 

ここからはBirthrightのキャンペーンでのお話が続きます。

私のキャラであるハイランス3世はEvilの軍勢(SwordMage)に転んでいたので、戦った相手というのはPCの皆さんだったりします。強かったですよ、ええ、もちろん。

ハイランス3世の部隊にはエリニュスやスケルトンメイジなど、多彩すぎる顔ぶれが揃ってました。

 

2.ジャック及びエルヴィラVSハイランス3世・ザ・トロウル

あまり思い出したくないかもしれんが、ハイランス3世の宿敵。

データはジャックはSTR19、Con17、HP111のファイター9、エルヴィラはDivineWrathのついたメイジ10(最終)。

エルヴィラ姫がPCたちの国に嫁いでくるとき、我が部隊は姫の暗殺を任されていました。

一番豪華な馬車にファイアーボールを打ち込み、「勝った!」と思いきや、それはただの影武者(侍女)でした。

そこへ怒りのオーラを身にまとったメイジ(PCです)が現れ、戦闘になりました。

当時は既にトロールへと進化していたハイランス3世でしたが・・・

エルヴィラ姫「怒りのファイアーボール!ダメージは60点!」

ハイランス3世「死ぬわ!逃げよう」

と言って部下をほったらかしにして、エリニュスにつかまって飛んで逃げようとする。

エリニュス「隊長!重くて飛べません!」

ハイランス3世「やむを得ん、軽くするか」

と言って下半身をこともなげに切り離してエリニュスにつかまって飛んで逃げたとさ。めでたしめでたし

でも、後日似た様な状況になったときは、ジャック君がメイジを2人肩に乗せて全力疾走してきましたね。

「はっはっはトレーニングさぁ!(さわやかに)」などと叫びながら走ってくる戦士ジャック。

そしてその両肩に腰を降ろして呪文を詠唱するメイジ2人・・・怖かったです。

DivineWrath:Birthrightでは古の神の血を引くもの(王族など)にはBloodPowerという能力がついてきます。その1つで、「神の如き怒り」が凄まじい力を与えます。
命中判定+3/ダメージ+3/攻撃回数+1/全てのST+3/受けるダメージはダイス毎に-1
唱えたダメージ呪文は全て最大の効果を与える/10ft以内で視線の合った者はspellSTを行い、失敗すると逃げ出す。
BloodPower中、最大のあたり能力と言われていますね。当然といえば当然かも。

トロール化:別にゴブリン化ではありません(シャドウラン)。ブラッドパワーによるものです。ハイランス君は「Believers of Source」というカルト教団に拉致監禁されて改造手術を受け、邪神である「Azrai」の血を引く者に変えられてしまったのです。その血の影響からか、人間だったハイランス君はトロールへと変化してしまったのです!もっとも、本人はホールドパーソンが効かなくなってウハウハでしたが。

 

3.HeroSpiritVSハイランス3世

ジャック君に取り付いたHeroSpirit(Sharmanより)。

カスタムとしてはジャック君の肉体能力とHeroSpiritの特殊能力をくみあわせた。

別にデータ的に凄いわけではない。ただ、

・1ラウンドに1回、どんな攻撃も防ぐ

・1週間に1回、普通では考えられない英雄的行為が可能

(ルールブックの例・ドラゴンを素手でノックアウトできる)なだけ。

これによる口からはいた破壊光線でハイランス3世は半分蒸発、復活させられるがトロウルとして再生することになる。 

1週間に1回の超必殺技を使った後で、NPCのSharmanが用意したSpiritKnife(対Spirit用のマジックウェポン)で武装したPCが数の力で倒した。

偉大なる英雄の霊に取り付かれたPCを救出に行ったのですが・・・フルブーストモードのSTR19ファイターが暴れていれば十分脅威だと思います。現場に行ったものの、一瞬で蒸発してしまいましたね。その後「君、再生したよ」とDMに言われたときは心底びびりましたが。

 

4.ルオーべ・ザ・エルフ(強化バージョン)VS BirthRightPCパーティー

こいつとハイランス君は戦ったことあったっけ?

何回か出したんで覚えてないんだが、ローゾン組と一緒に戦ったことがあったんじゃないかな?

若干能力を強化して、F16/M15,ワイルドサイオニクス少々。

戦術はInartialBarrier(念力の力場の壁、飛び道具ははじく。人間の突破に1ラウンドかかる)をはり、Flyで飛行し、エネルギーの矢(彼オリジナルのBloodPower)とスペルで攻撃し、敵のスペルはMGRで消し、飛び道具はInartialBarrierではじき、空を飛ぶ敵の近接戦はImprovedBlink(1ラウンド目の最初の攻撃回避)で回避するという、会心の出来の敵である。

Flyで飛び、Hasteのかかった複数の前線が、A:が突破・Haste手順で攻撃・それをBlink回避、DelayしていたBが突破・Haste手順で攻撃してやっとダメージの繰り返しで破った。

ただしTeleportで逃げているので倒してはいない。

すみません、私は参戦していないです。傍で戦いの行く末をじっと見守り、ルオーべが逃げた後で疲弊したPCたちを襲撃しました。

一応、ルオーべ軍(エルフ)の格好をしていたので、こんなやり取りがありました。

DM「君の前にエルフがいるぞ」

エルヴィラ「外見は?」

DM「君、どんな外見?」

ハイランス3世「ただのエルフですよ」

エルヴィラ「どんなエルフ?」

ハイランス3世「右手にロングソード、左手にモーニングスターをかまえて、噛み付きをするLサイズのただのエルフですよ。」

PC側のNPCがかけたホールドパーソンが、ハイランス以外の全員に掛かって終わったような。

このときは結構エルヴィラさんを苦しめたので、けっこう満足したなぁ・・・俺って悪役根性染み付いてる?

ルオーベ (Rhuobhe manslyaer):Birthrightで有名なEvilキャラです。(・・・しかし『若干能力を強化して』って、どこが『若干』なんだ)

悪人ばかりをそろえた「Blood Enemies」は読んでるだけでも楽しいですよ。パワーバランス振り切れ気味で。

 

以下は篠原さまによる、Birthrightキャンペーンに関する補足説明です。

あれの真に鬼畜なところはこちらの攻撃を1回かわすだけではなく・・・

・InertialBarrierの外周部からバリアを突っ切って術者に到達するには1ラウンドの移動が必要

・移動で1ラウンド使用するのでHasteでも使わないと攻撃できない

・そのラウンドの最初の攻撃はImprovedBlinkで小テレポートしてかわす

 つまり最初の1人の1回目の攻撃で敵は無傷のままワープアウト

・せっかく接敵していたキャラはバリアの外に出てしまうんで攻撃が届かなくなる(!)

・そしてHasteを使っても1ラウンドに移動は2回出来ないんで、呆然と立ち尽くすのみ

という無限ハメにあるわけで。

あと去り際には「Contingency-Teleportはディスペルされる危険があるがTeleportTrigger-Telepo(Psionics)なら消せまい!」という名言を残して去っていったような・・・

どこがFighter/Mageなんだか。

ちなみに昔掲示板に書いてた「バリアで飛び道具を防ぎつつ・・・エルフ」というやつが「それ」です。そのとき私のPCは前線Aでした。

ついでに言うとそのときの敵は前述のルオーべ1体なんて生易しいものではなく、「ラストがルオーべ+グリーンマン+STR19の配下(HP3桁)+クロックワーク4体+エルフのウィザード約10人+エルフのファイター約10人+ギャストだか何だかのアンデッド約30体」という、前世紀最大級の豪華キャストだった気もするです(おい)。

 

「アウタープレーンだかポケットディメンジョンだかの敵の本拠地に正面から直接乗り込めないんで、後ろを突くためにレイブンロフトに一旦乗り込んでロードを倒しながらつき進む」という、考えただけで頭がくらくらするようなシチュエーションだったような気がします。

確かそのとき「こういうレイブンロフトがあってもいいよね(DM)」という台詞とともに出てきました。

「前座1:レイブンロフトロード連合軍」

(ビッグネームはいなかったがナイトメアロードが睡眠を封じるので回復できなくてうざかった。)

「前座2:ヴェクナ(交渉で戦闘を回避『知らぬはパラディン様ばかりなり(マテ)』)」

「前座3:クトゥルフ」

までは確定で、

「ラスト:最上位アウトサイダー連合軍」もしくは「ルオーベと配下」だった気がします。

「前座ごとき(クトゥルフのこと)にこれ以上呪文は使えん!」

「(DivineWrathがあるから)攻撃呪文はあまり取ってません。Hasteをたっぷり取っておいたんで前座で使ってもまだあります!」

「(クトゥルフの)ラウンド30点の再生能力はパワーでねじ伏せろ!」

「HPとStoneskinに貴賎は無い。魔法使いは前線だ!」

とか、かなりの名言が出た記憶があります。

 

5.RepeatingRifleつきModoron VS アルビオン他PCパーティー(Planescape)

狂ったModoron(ランクは忘れた。それなりに上位)に、どうしても使いたかったのでMasque Of the Red DeathのRepeatingRifleを使わせた。

サイオニクスのDimensionalBarriorで対物理攻撃無敵化、TelekinesisでRifleを操り撃たせた。

キャンペーンの最後だったので、クエスト対象のアイテムである

秘宝のKatanaに込められたWishでサイオニクスを無効化し倒させた。

これは一種のパズル、というかひっかけに近かったかもしれない。

わりとプレイヤーは悩んでた。ちと反省。

私がはじめてキャンペーンに参加したときのラストですな。

深夜都内某所のアパートの1室で、うんうん唸ってたのを覚えています。

当時は説明されても何のこっちゃわかりませんでしたが・・・ひどい敵ですな。勉強になります。

DM:R2の場合

カスタマイズした敵はあまり出してないです。マリリスVぐらいかな?

基本的に出目が悪いので(しかもオープンダイス)、ラスボスが瞬殺されるのは日常茶飯事です。

敵メイジがディスインテグレートかけて、それがカウンターされて、STで1振って終り、というPCが何もしてないボス戦もいくつあったかなぁ?覚えてる限り2回以上あるんだけど。

昔のシナリオノートを引っ張り出して、ハイレベル用シナリオの敵を見てみると・・・

・Monster Mythologyに出てくるAvatarたち

援護呪文をしっかりかけて登場させました。手持ちの武器の質が良いので中々手ごわかったですな。+4の武器取られちゃっても、「アバタ―じゃないから使えないよ」と言い訳できたし。

・タラスキューカスタム

色々タラスキューをカスタムして出しました。改造手術を施した「サイバータラスキュー」とか、包帯ぐるぐるの「マミータラスキュー」とか。

ライトニングボルト系の呪文を全て(スペルコンペンディウムで捜したやつ全部)キャスト可能というモンスターも自作してました。完全オリジナルの創作はしない主義なので、何かを元にして作ったはずなのですが・・・

モンスターの名前に「ぴかちゅう」としか書いてない。何かのドラゴンが元だと思うんだが・・・はて???

 

・デスナイト(高レベル版)

Dragon誌に掲載されてた「NPCデスナイト製作法」にしたがってレベルアップさせまくりました。バースライトの王族騎士の慣れの果て、という設定でDivine Wrathもつけてたりしてレベルは20でした。

 

ハイレベルPCの皆さんの戦術は

・コンジュアアニマルでマンモスを召喚

参考:マンモスのデータ HD13/AC5/THAC07/ダメージ3d6、3d6、2d8、2d6、2d6

・アニマルグロウスでマンモスを巨大化

HDが2倍、与えるダメージ2倍

・ヘイストなどの援護魔法で強化

と、いうものでした。マーチを組んだマンモスの群れが蹂躙していったのです。

HDが高いので攻撃も+4武器扱いなので、アウタープレーンクリーチャー相手でも使用に耐えましたね。

相手が何であれマンモス呼んで前線に置いておくのが基本になってました。やな話です。

でも、私のいるサークルでこの戦術を最初に使ったのが私だったりする。しかも、DMのとき。おかげで、その後私がDMのセッションで、何度マンモスの群れに踏み潰されるモンスターを見たことか・・・

私が始めたことだから、一方的に禁止するわけにもいかず・・・常にマンモス対策が重要課題でしたね。

 

あと、シナリオ「Labyrinth of Madness」に出てきたアーマービホルダーが好きでした。

アンチマジックレイで相手の防御呪文を全部はいで、ひ弱になったところを剣で殴り倒すビホ様がかっこよかったです。

おまけ

BeholderさまのAMC用レギュレーションに従って、外道キャラを創ってみました。

フォーゴトンレルム出身のファイター9/スペルファイアーウィルダー10 「Volo's Guide to All Thing Magical」(Free!)

自分に掛けられたあらゆる呪文を吸収し、全てのマジックアイテムを活動不能にしていく迷惑人間。このレベルまで来ると、相手の生命力まで奪う(エナジードレイン)も出来るのでお得かなぁ、と。

第十二話「スケルトンな部下 他」

スケルトンな部下 (AD&D2版)

あるEvilのPCに部下がつくことになったときの話です。(死んでしまったウィザードの補充要員として)

DMさまが「データ作成は君に任せる」と言ったので、そのプレイヤーは自分で勉強して作ることにしました。

ここで普通にEvilのウィザードでも作ればよかったのですが・・・


PC「出来ましたよー!許可ください!」

DM「・・・何故にスケルトン?ひょっとしてRequiem使ったの?」

PC「ええ、面白いじゃないですか。ちゃんとデメリットも受けますって」

DM「考えておこう。能力は・・・・・・何だ?このプロフィシエンシーは?」

PC「全部ニンジャハンドブックに載ってるじゃないですか」

 

コードネーム:スケルトンニンジャ

空手と合気道をたしなみ、全ての攻撃をParryしつつSpeedで攻撃回数を増やし、怯む相手にFlying Kick!

1回攻撃が命中する度に相手のDexは5点ずつ削れて行き、0になると全ての筋肉が麻痺して死亡!

そして仕事が終わるとWraith Formでトンズラ!という、素敵なアサッシン「スケルトンニンジャ」!

 

DM「却下だ。ウィザードが欲しいんじゃなかったのか?」

PC「ええ、でもこのサプリ(Requiem)見てるとこんなキャラ作りたくなりません?」

DM「まぁ、任せるけどさ・・・」

PC「きちんとスケルトンメイジ作ってますって」

DM「(こっちもスケルトンなのか・・・)」

 

コードネーム:スケルトンメイジ

長所

スケルトンだから氷・刃のついた武器・突き武器に対してダメージ耐性有り!

ウィザード呪文(Evocation/Necromancy/Alteration)を詠唱可能!

WraithForm能力獲得!

Charm Gaze能力有り!

短所

1日8時間は棺桶の中で休息しなければならない。

太陽の光を4ラウンド以上浴びるとロストする。

銀製の武器では2倍のダメージを受ける。

にんにくの臭いを嗅ぐとFear判定を行い、失敗すると逃げ出す。

 

PC「スケルトンは成長が早いので、高レベルのウィザード呪文が使えます!」

DM「ひょっとして、このスケルトンは日帰りの任務しかできないのか?」

PC「Teleportは知ってますから、毎晩棺桶に帰ってきますって」

DM「確かに呪文は強いけど、汎用性に欠けるねぇ」

PC「まぁ、洒落ですからねぇ。」

よもや、こんなメイジが実践に投入されるとは・・・ 人間なんでも申請してみるもんだ。

一発逆転Disintegrate!にかけた作戦はことごとく失敗しましたけどね。さすがに昼間動けないのは辛かったです。

 

どっちやねん! (AD&D2版)

グラントリでのキャンペーンにおいて

DM「ではNPCのウィザードの使いが君の館を訪れた」

PC「どうぞ。ドアを開けると中はこんな感じになっている・・・」

DM「・・・じゃあ、こっちの通路に行ってドアを開ける」

PC「ああ、その扉には鍵がかかっていて・・・」

DM「だったら、こっちの通路の方に行ってみるけど」

PC「そっちに行くとねぇ、十字路になっていて・・・」

DM「何故にDM操るNPCが、PCの作ったダンジョンに潜らにゃならんのだ!」

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