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システマと自分の身体・恐怖への向き合い方

さて、この記事のサムネイル画像がなぜ牛なのか。トレーニングで対人ワークしている時の私の動画が、まるで闘牛士と闘牛のようだったからです(笑)。ちなみに闘牛が私です。

当日は、何かうまくいかない、体が固い、縮こまっているような感覚でしたが、動画で見ると相手の攻撃(拳)に集中しすぎて、とても縮こまった小さい動きになっていることに気づきました。
一生懸命というと聞こえはいいですが、視野が狭まって目の前のことでいっぱいいっぱいになっているのでもはや闘牛です。
そういう時は「見ているものが悪い」と言われるのですが、「どこを見ればいいんだろう…」と途方に暮れます。それが焦りにつながっているのかも。

動画を見て思ったことは、「落ち着け」でした(笑)。何か一発当ててやろう、良いところを見せてやろう、みたいに少しでも思うとファイトが始まるので、相手のテンションと自分のテンションが噛み合ってしまいます。いかに噛み合わないようにさせるか、を実践したいです。

この落ち着きのなさと焦りに加えて、恐怖の感情についても気づきがありました。それは、相手が攻撃してくるすぐ横を気にせず通り過ぎる、というワークででした。
自分は、ただ何も気にせず歩いて通り過ぎるだけなのですが、攻撃されていることを意識すると体に緊張が走ります。その時、肩や胸の真ん中あたりに緊張を感じたのですが、ワークの最初のほうではそれに気づかず何度も歩く→うまくいかない、を漠然と繰り返していました。

で、じっくり自分を観察した時に、上半身が緊張しているなと気づきました。そして、これまで緊張を感じる場面で、緊張を感じていないフリをしたり、それを見ないフリをしたりしていたなと、ふと気づきました。弱さを見せたくないという見栄なのか、強くありたいという潜在意識なのか、いずれにせよそういう気持ちがベースにあり、自分の心と体に我慢をさせていたのだなと気づいて、ちょっと感動しました。自分を労わるの大事ですね。

この日やったワークの全体像は、自分の身体のものさしを使う、という内容でした。目ではなくて、身体のものさし・センサーで空間・状況・相手ぜんぶを捉えるというもので、結構難しかったです。

最近の面白かった動画を2つ。沖縄拳法空手の山城さんと、室伏広治さんの動画。どちらもとってもシステマっぽいのですが、面白いのは、いずれも「型」の話をしていたことです。

ほとんどの武術には型がありますが、システマには型がありません。
山城さんは、沖縄拳法空手の創始者が天才すぎたから、型という形で残さないと継承できなかったのではないかと言っていました。室伏さんも、力が発揮できる腕の角度の話をしていて、それも一種の型だなと思いました。

初心者は、型からアプローチするほうがわかりやすい場合もありそうです。ただ、武術の型が階段を上るように長年の修行を積み重ねてステップアップするのと対照的に、システマはステップアップするようなトレーニングはしません。いきなり武器を使ったり、対複数人をトレーニングをすることもあります。なのでときには刺激は強めかもしれません(笑)。

型のある・なしは一長一短だと思いますが、型からアプローチしてみるのも面白いなと思います。そんなことを考えました。

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