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すてるな。

サスティナブルの話ではない
いや
そのままかもしれない

ボクの親族の中でも
イチオシで大好きなおばあちゃま
この方は魔女です

現代に生きる
ホンモノの魔女
言いすぎかな・・

おばあちゃまは
モノを捨てない
なので叔母様方が嫌がる
言葉にすると
「汚いから捨ててください」

もちろん叔母も
何でも捨てるわけでもない
ごく一般的だ

しかし
おばあちゃまは
まず捨てない
ゴミが出ない
しかしゴミ屋敷にならない

洋服類はまず
布ただの布に変化させてしまう

食べ物は皮なども干して
乾燥させ粉々にして
鳥の餌にまぜだりしてる
木々の肥料になってしまったり

そしてそもそも
ゴミになるようなものを
持ってない

例えば
先日叔母様が作ったお惣菜を
おすそ分けするのに
皿にのせてラップして
ボクに持って行くように
渡したのでボクが届けた

おばあちゃまは
おいしくいただいたあとに
そのラップで食器を洗ったりして
捨てない

「タワシとかいらないのよ」
などと云いながらそのラップで
食器を次々洗い最後にひろげて
縁側にある洗濯干し場のピンチに
ぶら下げた

「乾かして何に使うの?」
「濡れたまま捨てないだけ」

確かに
おばあちゃまの部屋に
新聞紙でできた
ゴミ箱がある

ゴミを適当には出せない
乾いてて小さくして捨てる

おばあちゃまのお屋敷は
大きくて古いがまだまだ綺麗にしてて
使い勝手もいい

モノは何もない
必要なものだけといった風だ

そもそも捨てなきゃならないほど
無駄使いはしないのよと
おばあちゃまが笑う

まぁ確かに買わなきゃ
何とかするしかない

おみかんをいただいて
おばあちゃまのお部屋で
食べたあとに
ゴミ箱にみかんの皮
投げ入れたとき
大きな声で「すてるな」
そういって叱られた

みかんの皮でシンクを
ササッと洗うと
手で細かく割いて
縁側の天日干しのざるに
掘り込んだ

「食べる?」
「いーや、乾かして細かくしたら
庭に埋める」

「え?」
「そこの野菜くず見てごらん」
「わ、ナニコレ?」

「それを土にかえすんだよ」
「肥料ってこと?」

「いいや、適当さ」
「えええ?」

しかしながらおばあちゃまの庭の
木々や花々は活き活き元気だ

「カラスにゴミを荒らされても
恥ずかしいゴミは何も無いよ」

おばあちゃまはよくそういう

近所に学生寮が多いので
カラスがエサを求めて
出し方の悪い生ごみをつつきにくる

散らばった生ごみを近所で
手分けして清掃したこともある
ボクから見て
とても恥ずかしいゴミの内容物で
さすがにゴミの出し方や内容で
人間性もうかがえた

だらしないんだろうなって
直感した

その時も
おばあちゃまは
「ちゃんと感謝して暮らしてたら
あんなゴミの出し方もしないし
内容も違うんだよ」
そういった

おばあちゃまはおやつに
ビスケット差し上げたときも
袋をきちんと隅からハサミで切り
中身をパタパタ出して
折りたたんで広がらないようにして
分別ごみに出してた

名前の入るようなものや
情報の書いたものはシュレッダーして
親族のゴミ焼き場に歩いて持ってく

庭にある小さなゴミ焼き場は
ピザを焼いたりできる
もっぱら焼き芋を焼くのだが
とてもおいしく焼けるのだ

おばあちゃまは魔女の如く
ゴミを何かに変化させたり
小さくしてしまう

ボクもできるだけ
おばあちゃまのように
丁寧に暮らし
ゴミを減らそうと心がけている



読了ありがとうございます 世界の片隅にいるキミに届くよう ボクの想いが次から次へと伝播していくこと願う 昨年のサポートは書籍と寄付に使用しています 心から感謝いたします たくさんのサポートありがとうございました