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【発電所紹介シリーズ】パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所ってどんなところ?

発電所の所在地と開発計画について

はじめまして。パシフィコ・エナジー作東メガソーラー発電所の「牧」と「橋本」です。
建設工事から運転開始後2年間、電気主任技術者を務めた牧は、現在「顧問」として作東やパシフィコ・エナジー各発電所の巡回・相談役を行っています。現在は2代目の電気主任技術者として「橋本」が管理を行っています。
発電所は、年間を通して雨や雪が少なく温暖で日照時間が長いため、「晴れの国おかやま」の愛称でよばれている岡山県北東部の美作市にあり、近くには湯郷温泉や岡山国際サーキットがあります。
廃止となったゴルフ場跡地やリゾート施設計画の跡地を有効利用して、2017年から建設を開始し、2019年12月に運転を開始しました。建設前には入念な地質、気候、動植物などの環境調査や地元説明会を行いました。

顧問の牧(右)と電気主任技術者の橋本(左)
(パシフィコ・エナジー10周年記念ムービー作成のダンス練習風景)

発電所の規模・設備について

敷地面積は約410haで東京ドーム87個分に相当し、太陽光パネル出力は約257.7MW、連系出力150MW(一般家庭約5万世帯分)で、パネル容量としては国内最大規模の発電所です(2024年4月現在)。連系出力を上回る太陽光パネルを設置しているため、発電出力の立ち上がりが早く、日の出から日没まで効率よく発電しています。

広大な敷地面積の内約40%の森林は、環境調査により確認された希少動物(サシバ、ハチクマなどの猛禽類ほか)の生息地保護のため、自然のままで残しています。発電した電気は、環境や電磁界問題に配慮して地下埋設とした電力ケーブルで、17km離れた連系変電所に送り、電力会社の送電線へ送電しています。

発電所には3つの発電エリアがありますが、各エリアで合計21箇所の調整池を設けていて、岡山県の基準降水量に対し1.8倍相当の容量を確保して、洪水の防止を図っています。また、太陽光パネルの下には草の種を蒔いて、土が流れないようにしています。さらに農薬などは一切使わず、人の手やラジコン除草機により除草を行って、自然環境に配慮しています。

発電所の全景「3つの発電エリア」、エリア間の大きな隔たり箇所が希少動物保護の森林
岡山県基準降水量に対し1.8倍相当の容量がある調整池

自然環境・地元との共生について

エリア内には、サシバや、小鳥、キジなどが飛来してきています。調整池では鴨が遊泳している姿も確認できます。山の上にあるため、秋から春にかけて朝方には雲海がよく現れて、幻想的な景色が臨まれます。
また、発電所下流の山家川では蛍が多数生息し、2023年6月上旬には地元と一体で「ほたる祭り」を行い、大人から子供までたくさんの人たちに蛍が飛ぶ姿を楽しんでいただきました。さらに、地元の方々へは雨量や風速などの気象情報を提供し、稲作田んぼへの用水確保に協力するなど共存共栄に努めています。

調整池に飛来してきた猛禽類「サシバ」
エリア内に飛来してきたキジ

電気主任技術者の業務と心がけ

日常の運転状況を把握しておき、設備の変化を事前に察知して、トラブルの未然に防止に努めています。
電気は目に見えないので、異常を察知することは困難であるため、設備の巡視を行う際には、視覚、聴覚、嗅覚、触覚を働かせて、過熱による変色、音、臭い、温度の変化などを観察し、携帯ラジオのイヤホンで不具合による微小な放電の有無を判断しながら、異常の早期発見に努めています。
また、運転監視・点検・保守の契約をしているメンテナンス会社との連携を密にし、一体となって機器不具合箇所や不安全箇所の早期発見により、設備の健全な機能維持、現場の安全確保に努めています。
日中はパネルで発電を行い夜には停止していますが、発電所の設備は24時間充電して活きているため24時間の監視体制が必要です(夜間は警報メールでの通知があります)。
一番の強敵は雷であり、電力会社の送電線が停電すれば夜間でも現場に駆けつけて、発電所設備の復旧操作を行い、翌朝の発電に間に合わせるようにしています。
地球温暖化を抑制するためのCO2削減となる太陽光発電所の運転業務に誇りをもって、毎日の業務に励んでいます。

発電エリアに広がる雲海


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