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会社はどうなると死ぬのか

会社はどうなると死ぬのか。
これについて、意外に解っていない人が多いと思うことがあります。

会社を経営していたり、幹部クラスであっても、「黒字だから大丈夫だと思っていた」と仰る大丈夫ではない会社の方がけっこういらっしゃいます。

こういう人の会社はだいたい黒字経営は出来ているのです。
しかし、黒字経営できていても会社は死ぬことがあります。
逆に、赤字経営でも会社は生き続けたりもします。

今日はこの辺りについて記します。

■ 黒字でも会社が死ぬとき ①売上回収に問題がある場合


それはお金が無くなったとき、尽きてしまったときです。
いかに黒字経営であってもお金がなくなることはあります。

色々なケースを挙げてみましょう。

①売上を(思惑通り)回収できないとき
この中でも色々なケースがあります。

・自社への支払いサイトが長い
当月分の請求に対する入金が翌々月末など。これに対して自社からの支払い(給与、仕入れ、外注費など)を先にしないとならない場合、資金繰りに行き詰まることがあります。

・支払いまでの期間が常識はずれに長い
下請法で規制があるとはいえ、恐ろしく支払いの遅い事業者がいます。私どもの経験では「催促されるまで支払わない」という猛者もいました。

・そもそも買い手に支払う気がない
これ、よくあるとまでは言いませんがたまにあります。はじめてのお客様の場合、与信調査も重要ですね。

・納品時の瑕疵により支払いが減額される
某大手菓子会社の場合、いちごの買い取り単価自体は高いのですが、傷等があると買い取りを拒否されたりします。

その他にも挙げていけばキリがありません。
要は、支払いが先になり、入金が遅い場合、資金が無くなることがあるわけです。

■ 黒字でも会社が死ぬとき ②借入金返済額が大きすぎる


損益計算書では、返済する借入金の金利だけが営業外費用として計上されます。元本返済分は計上されません。

話を解りやすく表現します。
手元に10,000円しか無いとします。
損益計算書では2,000円の黒字が出ているとします。
この時に、借入金返済額が11,000円(元本返済分10,000円、金利分1,000円)やって来るとします。
この場合、損益計算書では1,000円の黒字です。
でも支払うお金はありません。
これで会社は死んでしまうのです。

要は借入金返済額が過大であると死んでしまいます。

■ 黒字でも会社が死ぬとき ③粉飾決算


これは論外かもしれませんが、ちょいちょい見かけます。
黒字経営に見せているだけで、実際はそうではない。黒字経営の数値自体が嘘ということですね。

■ 赤字でも会社が生き続けるとき


増資や借り入れができると、赤字でも会社は生き続けます。
実際に無茶苦茶な赤字を積み上げても、増資や借り入れで生き続ける会社は少なくありません。

一つは創薬ベンチャーです。
劇的に売れる薬を開発できれば一発逆転ホームランになるので、これに賭ける会社、そして出資者はいます。

もう一つは、サブスク系サービスやメルカリみたいなサービスのスタートアップ企業です。
これも、一定数の利用者を獲得する時点までは赤字を掘り続けます。恐ろしいほど掘り続けるのですが、ある時点を突破するとやはり恐ろしいほどの急角度で黒字化します。
やはり、これに賭ける会社、そして出資者はいます。

また、こうした会社でも最近は株式公開できるようになっており、昔より資金調達しやすくなったとも言えます。

■ 赤字でも黒字でも会社が死ぬとき


これらに加え、最近ではお金ではなく人がいなくなることによって会社が死ぬようになりました。
今後急激に人口が減り続けることが確定し、労働人口が回復することは最低でも今後20年間はない日本では、この傾向が続くことも確定的です。

人手不足はマクロには解決しないでしょうが、私どもだけのミクロな範囲だけでも何とかしたいところです。

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