2023年3月 - 今月のスナップとエッセイ
時候の挨拶
春がやってきた。太陽のまぶしさに目を細め、風の温さに身を包まれる。そしてわたしは、冬物のコートを脱いだ。
とはいっても、三寒四温。また寒くなるだろうと思い、コートはクリーニングに出さずに、置いていた。しかし、もう出番はなさそうである。桜が散り始めているニュースを見ると、心は冬に取り残されている気さえする。
ぽとり。道端の地面に、赤い花が落ちた。椿だ。
ひらり。アスファルトの隙間に、紫の花が顔を出した。スミレだ。
ふわり。綺麗な庭に、黄色い花が咲いて