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ヘヴィーメランコリーの疾走:フォリナー「ダブル・ヴィジョン」の時代を超える魅力

■Foreigner / Double Vision
■収録曲:Side 1 - 1.Hot Blooded(4:29) 2.Blue Morning, Blue Day(3:12) 3.You're All I Am(3:24) 4.Back Where You Belong(3:15) 5.Love Has Taken Its Toll(3:31) // Side 2 - 1.Double Vision(3:44) 2.Tramontane(3:55) 3.I Have Waited So Long(4:06) 4.Lonely Children(3:37) 5.Spellbinder(4:49)
■パーソネル:Dennis Elliott(dr,vo) Ed Gagliardi(b,vo) Lou Gramm(vo) Al Greenwood(key) Mick Jones(g,p,vo) Ian McDonald(g,key,vo)
■カバー・アート:Norman Seeff
■リリース:1978年6月

フォリナーは、1975年に、英国人3名、アメリカ人3名で結成したバンドです。メンバーに、元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドが入っていたことから、ちょっとプログレ系の人たちなのかなぁと思ったりもしましたが、音は、実にストレートなハードロック。ヘヴィー、ポップで、しかも、不要な音を一切取り払ったようにシンプル且つ明快な演奏を聞かせてくれました。まぁ、カテゴリーとしては、ハード・プログレっていえばハード・プログレでしょうね。

ダブル・ヴィジョンはその2ndアルバムです。ファースト・アルバムでは、まさに邦題がこのバンドの音を物語っているかのような「衝撃のファースト・タイム」、そして、「コールド・アズ・アイス」、「ダメージ・イズ・ダン」とヴォーカルのルー・グラムのパワーを見せつけるかのような強力なナンバーが揃っていました。

この「ダブル・ヴィジョン」は、やはりルー・グラムの強力なボーカルを中心に据えて、前作で音楽の骨格を提示してくれた彼らが、更に演奏とアレンジを緻密にして、ほんの少しだけですが装飾を加えて創り上げた完成形だといえると思います。

当時、ラジオでヘビー・ローテーションだった「ブルー・モーニング」は、今でも、この曲名を目にするだけで、メランコリックでヘヴィーなイントロが耳の奥で木霊してくるほどに脳裏に焼きついています。冒頭の「ホット・ブラッデッド」からB面最後の「スペル・バインダー」まで、一気に聴いてしまう疾走感が何年経ってもたまりません。

そして何より素晴らしいと思うのは、音数の少なさです。
曲芸のような演奏をしなくても、アレンジだけで十分重く、畳み込むように聴かせてしまう作編曲能力と、アナログ時代なのに、このスカスカの音数でしっかりリズムがキープできている技巧と、あとは流石の録音技術というところでしょうか。

フォリナーは1981年の4や1984年のAgent ProvocateurでMTVを席巻しましたので、世代によって、どのアルバムが一番ってのが変わるかもしれませんが、やはり思い入れが一番濃くて、聴いていて安心感があって気持ちいいいのはラジオで音楽を聴いていた時代のこのアルバムです"^_^"

(やはり表題をSEOだと言って装飾するのは気持ち悪いので、AIに決めてもらうことにしようかと・・・(^^;;)


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