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虹を翔ける覇者: Rainbow Risingの深層「Stargazer - 夢追い人の詩」

■Blackmore's Rainbow / Rainbow Rising
■収録曲:Side 1 - 1.Tarot Woman(5:58) 2.Run with the Wolf(3:48) 3.Starstruck(4:06) 4.Do You Close Your Eyes(2:58) // Side 2 - 1.Stargazer(8:26) 2.A Light in the Black(8:12)
■パーソネル:Ritchie Blackmore(g) Ronnie James Dio(vo) Tony Carey(key) Jimmy Bain(b) Cozy Powell(dr)
■リリース:1976年5月
■カバー・アート:Ken Kelly

Rainbowの第2作。邦題「虹を翔ける覇者」です。


Rainbow Risingの概要

レインボーは、1975年にディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアが、同年、ボーカリストのロニー・ジェイムス・ディオと一緒に、彼の所属していたエルフ(アメリカのバンド)のメンバーを加えて結成したバンドです。セルフタイトルのファースト・アルバム(邦題は銀嶺の覇者)をリリースした翌年、ロニー・ジェイムス・ディオ以外を解雇、キーボードにトニー・カレイ、ベースにジミー・ベイン、ドラムにコージー・パウエルを加えた強力な布陣で制作した2ndアルバムがこのRainbow Risingでした。

ケン・ケリーの筆によるカヴァー・アートが象徴するとおり、極めて重厚荘厳なハードロックです。歌詞のキーワードは魔女と魔法です。中世暗黒志向の歌詞とバロック風味のクラシカルなスケールで展開されるインストルメンタルは不可分です。ハードロック又はメタルの分野でその後脈々と継承されていくビジネスモデルがここに完成しています。北欧系等々のネオクラシカルメタルのルーツはこのアルバムなのではないかと思います。

無伴奏のシンセサイザーがファンファーレのようにソロを奏でて始まるタロット・ウーマン、背筋にぞくぞくっとクルものがありますよね。続けて8ビートをザクザクと規則的に刻むギターのリフ、華やかスギです!

内ジャケに唯一歌詞が印刷されているスターゲイザー(コージーもロニーもジミーも星になっちゃいましたね。R.I.P.)。この曲が、このアルバムのハイライトです。メロディックマイナーの怪しい音階が曲を支配しています。そして最後は、パープル時代のインストルメンタルを技巧的に詰め切った感のあるア・ライト・イン・ザ・ブラックです。そうした諸々の楽曲の質ばかりではなく、曲順、タロット・ウーマンの神秘的な導入部とア・ライト・イン・ザ・ブラックの締めの力強さも含めたアルバム全体の構成、カバー・アート、メンバー写真等の装丁までも含め、寸分の隙もなく完璧です。このアルバムは、ハードロックはこうあるべしという一枚です。

実は、このアルバムは、初めて買ったLPでした。なので、いまだに思い入れがとても強いのです!

Stargazerの歌詞を深読み by GPT4

そこで、スターゲイザーの歌詞について、GPT4とチャットをしつつ深読みしてみようと思います。すでに、この歌詞については、聖書に関連づけた解説や時代背景に絡めた解説などが存在しますが、実は、この歌詞は、それほど深いものではなかったというようなことが生前のロニーのインタビューで明らかになっているようです。そこを、あえて、AIに解説させて見るとどうなるかお試ししてみます。

歌詞を日本語訳して、そのサマリーを教えてください

この歌詞は、熱く厳しい環境の中で、主人公たちが魔法使いの夢を実現するために巨大な塔を建てる物語を描いています。彼らは自身の肉体を使って石の塔を築き、魔法使いが空へと飛び立つのを見るために多くの犠牲を払います。しかし、塔が完成し、魔法使いが登り始めると、彼は昇るのではなく落ち、塔からの眺めは血に染まります。

歌の終わりに、主人公は疲れ果てて帰宅を望みますが、家とは思えない場所で目が出血し、心が去っていく様子を訴えます。この物語は夢や目標に向かって努力するものの、その過程での苦悩や失望、犠牲を象徴的に表現しています。

端的に言うと、この歌詞は夢や大きな目標を達成しようとする過程で、多くの苦労と犠牲を伴うことを描いています。しかし最終的には、その目標が思い描いたものとは異なり、多くの犠牲が無駄に終わるという悲観的な結末を迎えます。

歌詞を書いたロニー・ジェイムス・ディオはアメリカ人で、アルバムは1976年の作品ですが、社会事情などの影響はありますか?

1976年に書かれたこの歌詞には、当時の社会事情や文化的背景が反映されている可能性があります。この時期のアメリカはベトナム戦争の直後であり、社会全体が大きな変化と反省の時期を迎えていました。人々は権威への疑問を持ち、自由や平和、個人の価値を重んじる動きが広がっていたため、そのような社会的背景が「石の塔を建てる」という象徴的な詩的イメージに影響を与えているかもしれません。

また、聖書の影響について、特に「バベルの塔」の物語を思わせる部分があります。バベルの塔の物語では、人類が天に届く塔を建設するものの、その傲慢さが神の怒りを買い、言語が混乱し人々が分散することになります。この歌詞の中で「石の塔」を建て、高みを目指すも最終的には失敗に終わる点は、バベルの塔と類似しており、人間の限界と神の意志を問う聖書のテーマが反映されていると考えられます。

このように、社会事情や聖書の物語が、歌詞のテーマやイメージに影響を与えている可能性があります。

魔法使いは何かの比喩ですか?

はい、「魔法使い」は比喩として使われている可能性が高いです。この文脈では、「魔法使い」は権力、権威、または目標とする理想や夢を象徴していると考えられます。彼の命令に従って巨大な塔を建設し、多くの犠牲を払っても彼が空に昇るのを見たいという人々の行動は、社会的、政治的なリーダーや影響力のある人物に盲目的に従うことの危険性を暗示しているかもしれません。また、この比喩は、追い求める夢や目標が実現したとしても、それがもたらす結果が必ずしも期待したものでない可能性を示唆しています。つまり、人々が理想とする「魔法使い」が実際は彼らを導くことができず、期待に反して落下する様子は、理想と現実のギャップや結果の不確実性を表していると解釈できます。

このように、魔法使いは単なるキャラクターではなく、より大きな意味を持つ比喩として用いられている可能性があります。

この歌詞のHomeとは何ですか?

この歌詞における主人公は、石の塔を建てるために肉体労働を行っている人々の一員です。彼らは自分たちの「肉と骨」を使って文字通り塔を築いており、これは非常に過酷な労働を伴う作業を指しています。主人公を含む労働者たちは、魔法使いが空へ昇るという彼の夢を実現するために、多大な努力と犠牲を払っています。

彼らの労働は、単に物理的な建設作業以上のものを象徴しており、彼ら自身の夢や希望、生活を犠牲にしてまで追い求めている高い理想や目標を表しています。しかし、塔が完成し魔法使いがその目的を果たせなかったとき、主人公は自分たちの努力が虚しく、犠牲が無駄だったと感じ、「帰る」という思いに駆られます。この「帰る」という願望は、彼が肉体的な場所だけでなく、精神的な平和や自己の本来の場所へ戻りたいという深い願いを表しています。

この歌詞において「Home」(家)は、物理的な場所を超えた、深い感情的な意味合いを持つ言葉として使用されています。ここでの「Home」は、安全、安心感、居心地の良さ、または帰属感を象徴している可能性があります。主人公が「I'm coming home」と繰り返し言っている部分は、彼が苦難や挑戦から解放されて、精神的な平和や元の状態へと戻る願望を表しています。

また、彼が「My eyes are bleeding and my heart is leaving here, but it's not home」と述べることから、「Home」は彼の現在地ではない、もっと心地よい場所を指しているとも解釈できます。これは、彼が現在置かれている状況や環境が本来あるべき場所や状態とは異なり、本当の「帰るべき場所」を求めていることを示唆しています。

この用法は、ただの住居を指すのではなく、彼が真に求めている精神的な安寧や帰属感、理想的な状態を意味しており、彼の内面的な旅と成長、自己の再発見への願望を反映しています。

まとめ

作詞者であるロニー・ジェイムス・ディオは何を訴えようとしていますか?

作詞者は、いくつかの重要なテーマを探求し、聴き手に考えさせようとしています。主なメッセージは以下の通りです:

  1. 理想と現実のギャップ:夢や大きな目標に向かって一生懸命努力するが、その結果が常に望んだ通りにはならないという現実。作詞者は、高い目標を追求する際の困難と、それが失敗に終わった時の失望感を表現しています。

  2. 権威への盲目的な従順の危険性:魔法使い(リーダー)への従順が、どのように個人や集団を破滅へと導くかを示唆しています。このテーマは、社会的、政治的リーダーシップに対する批判的な視点を提供するかもしれません。

  3. 犠牲と価値:目標を達成するためには犠牲が伴うことが多いですが、その犠牲が本当に価値のあるものであるかどうか、そしてそれに見合う結果が得られるかどうかについて問いかけています。

  4. 希望と絶望:困難な状況と挑戦に直面した時に、人々がどのように希望を持ち続けるか、またはそれを失うかを描いています。

  5. 自己認識と帰還:最終的に主人公は、外部の目標や他人の期待から離れ、内面的な平和と自己の本来の場所(「家」)への回帰を求めます。これは、自己認識と成長のプロセスを示しており、個人が自己の価値と目的を見つめ直すことの重要性を訴えています。

作詞者はこれらのテーマを通じて、聴き手に自己反省を促し、自分たちの生活や追い求めるものについて深く考えるきっかけを提供しようとしているかもしれません。この歌詞は確かに一見後ろ向きで悲観的な印象を与えるかもしれません。主人公たちは巨大な犠牲を払いながらも目標を達成できず、失望と挫折を経験しています。しかし、このような表現には、深い洞察と教訓が含まれていることが多いです。

  1. 反省と学び:失敗を通じて、何が重要であるか、何を大切にすべきかを見つめ直す機会が与えられます。この歌詞では、外部の目標よりも内面的な平和と自己の本来の場所への帰還を求めることの価値が強調されています。

  2. 警鐘としての役割:盲目的な追従や高い目標の追求がもたらすリスクを示すことで、聴き手に慎重な判断と自己の価値観に基づいた行動を促すかもしれません。

  3. 希望の再発見:最終的に「帰る」という言葉には、絶望から脱出し、再び自己と和解し平和を見つける希望が込められています。これは、どんなに困難な状況でも、希望を見失わないようにというメッセージと解釈できます。

このように、歌詞は表面的には敗北や失望を描いていますが、それを乗り越えるための洞察や、困難を乗り越えた先にある成長や解放の可能性を示唆しています。敗者が書いたというよりは、試練を乗り越えた人の深い洞察を反映していると言えるでしょう。

感想

・・・なるほど、どんなに悲観的な歌詞でも、AIは、最後は肯定的に上手くまとめますね。
こうまとめられると、連休明けカウントダウン状態ですが、五月病の危険を払拭して頑張らねばという感覚になれそう・・・かも・・・。

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