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Cathedral / Forest of Equilibrium (この森の静寂の中で)

■Cathedral / Forest of Equilibrium (この森の静寂の中で)
■収録曲:1.Picture of Beauty & Innocence (Intro)/Commiserating the Celebration(11:16) 2.Ebony Tears(7:46) 3.Serpent Eve(7:40) 4.Soul Sacrifice(2:54) 5.A Funeral Request(9:17) 6.Equilibrium(6:08) 7.Reaching Happiness, Touching Pain(9:08)
■パーソネル:Lee Dorrian(screams) Garry Jennings(g) Adam Lehan(g) Mark Griffiths(b) Mike Smail(dr) / guest musicians : Reverend Wolski(key) Helen Acreman(flutes)
■カバー・アート:Dave Patchett
■リリース:1991年12月

カテドラルの1stアルバムです。邦題は「この森の静寂の中で」。UKでのリリースは1991年12月、USでのリリースは1992年2月でした。プログレな人たちの中でカテドラルといえばアメリカのクリムゾン的なバンドを指しますが、こちらは、そのカテドラルに比べると随分とメジャーなイギリスのバンドです。

ナパーム・デスのリー・ドリアンを中心に結成されたバンド。史上最も遅く粘っこく重いリフが特徴のドゥーム・メタルの旗手なのでありました。ドゥーム・メタルっていうのは、ブラック・サバスの1stの一曲目、ブラック・サバスのように、遅くって重すぎる系のメタルなのだそうで、90年頃からそうした言葉が使われ始めたのではないかと思います。この手の音楽は70年代はみんなHRでしたしね~。そんなわけで、教祖様はサバスだそうですが、ドゥームっていう言葉を聴くと、私が一番に頭に浮かぶのはこのアルバムです。

そして、このNoteに最初に登場させたのが、サバスでもジューダスでもメイデンでもなく、このカテドラル!気合いを感じてくださいませ!もう、他はないって感じ!本来ロック・ミュージックの持つ音の質量がいったいどれほどのものかを体感できる超々ヘヴィーな楽曲の数々。「リー・ドリアン・・・スクリームス」とのクレジット(ボーカルではなく・・・)が、端的にこのアルバムの凄まじさを物語っているといるように思います。

全7曲、1曲目は11分、5曲目と終曲は9分という演奏時間だけを見ても期待が膨らみます。まず、冒頭、メランコリックなクラシックギターの演奏で幕開け、幽玄なフルートの調べとともに心地よい僅かの時間が過ぎた途端に、ノイズの闇の帳が張り巡らされ、それに押し込められるように、カテドラルの世界が始まります。兎に角、延々と繰り広げられる重く粘っこい演奏。最後の最後にようやくオルガンの調べに導かれて最後の審判が下されてアルバムは終了・・・そこにはただ虚空が残るのみ・・・といった後味が心地よ過ぎます。

曲目の邦題もなかなかいかしています。1曲目から順に、「弔儀」、「黒き涙に溺れて」、「蛇眼」、「生贄」、「静謐」、「最後の願い」、「苦しみに耐え、幸福に至る」。世界観がみて取れますよね!

このアルバムは、ジャズやシンフォなどの技巧を極めたロックと対極に位置する作品といえるのではないかと思うのですが、他方で、重~い演奏の中では、それなりに、小ざかしく、よ~く聴くといろんなことをやっていますから、プログレ・ファンへの訴求度もかなりありるのではないかと思います。というわけで、是非、皆さん、一度、聞いてみてくださいませ(^^)

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