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全人類手のひらサイズの同人誌を発行してほしい話

 昔から小さくてコレクションしたくなるモノが大好きだ――そうなると必然的に趣味である同人活動にも反映したくなる。
 折り本をご存じだろうか。その名のとおり、A4なりA3なりの用紙に少しの切込みを入れ、折って作れる8ページの手のひらサイズの冊子のことだ。幼少期はこの折り本にオリジナル(超健全)(あたりまえ体操)の絵本と漫画のハイブリッドのような作品を描き、コツコツと巻数を増やしてはぴったりサイズのお菓子の空き容器に収めていた。あの頃の感覚を今、同人活動で取り戻したい。
 しかし時は流れ、私は絵描きではなく字書きとして活動していた(あの頃から文章も書いていたけれど)今では8P折り本ツールなどという死ぬほど便利なツールも開発されているけれど(いつもお世話になっています)、折り本×小説、私にとっては死ぬほど難易度の高いものだった。
 まずは文字数。あのときの作品は約2600文字でA3サイズの用紙ギリギリだった。もちろん改行にもよるし、何よりこの2600文字という縛り。この文字数にストーリー性+溢れんばかりの推しCPの萌え要素を詰め込むのって、かなり難しい気がする。私が「まだまだだね」なだけなのかもしれないけれど、どうしてもどちらかに偏る文字数だと思う。
 それからサイズ。A4で作るとなると両立どころかどちらか片方だけでも難しくなると思う。かといってA3サイズの折り本は見慣れてないというのもあり、どうにもコレジャナイ感。ファンクラブの会報誌とか、円盤の特典冊子とかそーいう雰囲気。
 というわけで憧れの折り本小説同人誌作りは1巻(1冊)で幕を閉じてしまったんですが、ある日フォロワーのRTで“その存在”と出会ってしまった――

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しまや出版さんのミニ本セット

 一目見たときの衝撃、本当に全身に電気が流れるような感覚がしました。
 これだ。私が求めていたものは。私の理想の形は――転職してから日が浅いこともあり、まだまだ慣れない仕事に繰り返されるだけの毎日。趣味の時間をつくることさえしなかった私が、もうどうせ同人誌なんか作る時間も余力もないし、と諦めていた私が、一週間で脱稿しました。

 尚、これ以降はミニ本の実物写真と、二次創作のBL作品がチラつきます。念のためキャラ名は伏せてあります↓

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 タイトルが思い浮かばなくて軽く羞恥プレイだな、と載せるたびに思います。最初にタイトルが浮かばない作品は駄作だ、なんて一体誰が言ったんでしょうね。
 ちなみに表紙はしまやさんのセミオーダー表紙です(カラーとモノクロ合わせて200種類以上から選べる)ミニ本セットの見本と同じデザインだ。今気付いた。B8サイズの角丸加工(R3)『舐める』がキーポイントなので、オプションにねこじたマットPPを選びました。

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(彼らは現代に生きているので……)


 淡クリームキンマリ派ですが、タイトルにも本文にも『白』とあるので真っ白な上質紙をチョイス。こんなに小さいのに、本文32ページ(約6000文字)もあってまったく読みにくくないんですよ。かわいい通り越して尊いです……
 サブリミナル的な感じに推しの話題を挟みたいんですが、受けから送られてきたLINEをスクショして載せたらフォロワーが登場人物に(?)騙された。上の作品を見てもらってもわかると思うんですが、この受けちゃん、一人称を「僕/○○(下の名前)/○○君/○○たん」ってその時々で使い分けるんですよ。かわいいの申し子か? 恐ろしいことに攻めの一人称も「○○(下の名前)/(極稀に)俺」です。かわいいの具現化CPか?

 話を戻しますが、原稿はしまやさんのテンプレートを使ってwordで楽々作れました。作れました、が。作業環境によるかもしれませんが一つだけ難点が。

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 PDF化する前の原稿。当初はフォントにも拘り、お話や二人の雰囲気に合わせて悩みに悩んではんなり明朝をセレクトしていました。改行や最後のページに大事なセリフが来るように微調整を進め、眠い目を擦りながら深夜に完成~! 以下がPDF化したはんなり明朝の原稿↓

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 ページ数嵩増しってレベルじゃねーぞ。ちなみに32ページから90ページ以上に膨れ上がった。当たり前である。
 この日はもしかしたら悪い夢かもしれない、と思ってとりあえず寝た。寝て起きて、すぐにリベンジしてみたけど結果は同じだった。悪夢から目覚めていない。
 みんな大好き源暎こぶり明朝など、いくつかのフォントで試してみたけどどれもレイアウトが崩れる(はんなりほどではないけど)これもう私のPCから一生入稿できないのでは? と絶望しかけたところで救世主が現れる。游明朝だ。
 最初は え~なんかちょっとイメージと違う……とこの期に及んで文句を垂れていましたが、実物見てみると寧ろこのフォントで良かった(すっきりしてて非常に読みやすい)游明朝、他の明朝と比べて少し細めなんですよね。他だって決して太くはないけれど、B8という小さな世界では狭く窮屈に思えてしまうのかもしれない。ちなみに私調べだと「MS 明朝」も無事でした(クッソ見栄え悪いけど)
 尚、たとえ致命的ミスがあったとしても(お手を煩わせてしまうので出来る限り避けるべきだけど)しまやさん直々に手厚いお電話がかかってくるので安心です。私も職場の休憩室でお昼を食べながら対応していただきました。どれくらい手厚いかと言うと「26ページ目の「!!」が中心からズレているので、こちらで直してしまってもよろしいでしょうか?」とかそういう次元。めっちゃ読んでくれてるじゃん。これから特殊性癖本入稿するの気が引けるじゃん……(ありがとうございます)
 サブリミナルタイムですが、このお話もあまあま♡きゃわゆいっ♡皮を被っておきながら、最終的に軽い嘔吐誘発プレイ(私が名付けた)(実際あるのかもしれんが)(?)に繋がります。興味がある方はここから全文読めます。ついでにBOOTHでミニ本販売してます(宣伝タイム)あと推しCPは超王道CPです(真相は自分で確かめて、どうぞ)(5/22 追記:メジャーCPじゃね?)(無縁な世界に憧れるからそんな言い間違いして……)

 今後、購入してくれたフォロワーさんに超かわいいレターセットで発送できちゃうサイズです。もちろん水濡れ、折れ対策をしてね。そんなところも含めて手のひらサイズのミニ本、マジオススメです。全人類ミニ本を作ろう。おわり。

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