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自民党 森まさこ 第213回 参議院 法務委員会 令和6年4月25日


第213回 参議院 法務委員会


令和6年4月25日
 

※個人的な内容理解のための、庶民による文字起こしですので、誤字脱字については、ご容赦下さい。


001 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

自民党の森まさこです。

養育費の不払いの問題の解消について、質問を致します。

我が国に於いて、養育費が現在支払われている割合は、未だ3割にも満たず、先進国で最低レベルです。

私は平成25年に、初代の子ども貧困担当大臣を務めました。子どもの貧困についても、わが国は世界の中でも、深刻な状況にありますが。養育費の不払いは、子どもの貧困の大きな原因のひとつとなっています。この事に、私は大きな問題意識を持って参りました。

そのため、その後、平成30年に私が自民党・女性活躍推進・本部長に初めて就任した折に、同本部の下に、『養育費不払い問題プロジェクトチーム』を立ち上げ、堀内詔子衆議院議員に座長をお願い致しました。その成果として、令和元年の民事執行法の改正で、銀行等の第三者から、収入源の情報開示を求める事が出来るようになりましたが、課題はまだあります。

銀行等の口座情報の開示を請求しても、収入源が隠されて、口座にお金が残っておらず、空振りに終わる場合があります。

また、銀行等の口座情報を請求するためには、手数料等の費用を支払わなければならず、シングルマザー等のひとり親にとっては、非常な負担となっています。

こうした中、令和元年10月に、私は法務大臣に就任致しましたので、直ちに、養育費の不払い問題を検討する事について、指示を出しました。

そして、資料1にあります通り、法務大臣である私の元に、『法務大臣・養育費勉強会』を立ち上げました。資料2の通り、令和2年の1月から合計7回に渡り、地方自治体や諸外国に於ける、養育費の履行確保に向けた先進的取り組みについて、自治体や研究者等からのヒアリングを実施致しました。

また、養育費問題に関する現状や課題、解決可能性について、現場の支援団体や相談機関等からヒアリングを行うなど、幅広く検討を行ないました。

そのヒアリングの中で、フィンランド等の北欧諸国では、養育費の支払い率が高く、その理由として、養育費が支払われなかった時は、国が強制的に徴収を行う仕組みとなっている事や、養育費を支払わない親に対しては、運転免許を取り上げるなどの、制裁がある事も確認しました。

また、韓国に関しては、養育費に関する特別の行政機関である『韓国養育費履行管理院』の院長と、コロナ禍でありましたので、電話で会談を行ないました。

韓国は、一時期、日本よりも養育費の支払い率が低かったにも関わらず、この特別の行政機関を設置してからは、支払い率が大きく向上しました。

令和2年6月には、この勉強会の取りまとめを受けて、『養育費不払い解消に向けた検討会議』を立ち上げました。資料1の通りです。

同時に、今すぐできる事は、今すぐ取り組むべきだと考え、加藤勝信・当時・厚労大臣に私から提案をし、法務省と厚労省の共同の、タスクフォースを立ち上げて、公的支援の運用の改善を行った事も、資料1に書いてあります。

そして、令和2年12月には、検討会議の結果が取りまとめられました。

私の後任であった、上川陽子・当時・法務大臣に引き継ぎをする際にも、養育費の不払い問題の解消について、特にお願いを致しました。それが令和3年2月の上川大臣による、法制審への諮問につながりました。

養育費の支払いについては、単独親権であるか、共同親権であるかに関わらず、子どもの食費や教育など。子どもの健やかな成長のために、必要不可欠なものでございます。諸外国並みに、養育費が支払われて行く事を望んでおります。

はじめに、民法と改正案を提出した趣旨、及びその概要について、法務大臣にお伺い致します。


002 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

父母の離婚後の教育の在り方は、子の生活の安定や、心身の成長に直結する問題であり、子の利益の観点から、大変重要な問題である、課題であると認識しております。

父母の離婚に直面する子の利益を確保するためには、父母が離婚後も、適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たす事が重要であります。

そこで、本・改正案では、父母の離婚に伴う、子の養育への深刻な影響や、子の養育のあり方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益を確保するために、民法等の否定を見直す事としております。

改正案の概要でございますが、第1に、父母の離婚に直面する、子の利益を確保する観点から、父母が子を養育するに当たって、遵守すべき、責務を明確化すると共に、親権に関する規程を見直す事としております。

そして、委員ご指摘の養育費の履行の確保の観点でございますが、子の観点から養育費等の債権に、先取特権を付与すると共に、法定養育費の規定等を設ける事としております。

第3に、安心・安全、安心な親子交流を適切に実現する、様々な措置・規定を設ける事としております。その他、養子縁組・財産分与に関する規程などを見直すものでございます。


003 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

しっかり、お願いしたいと思います。

具体的な質問に入る前に、先日の続きを、先にやってしまおうと思うんですけれども、問6になります。人質司法の問題です。

この委員会では、皆さんから、人質司法の問題が出されておりますが。皆様のお手元に資料3、『法務・検察刷新会議・第1回』の議事録がございます。

私が、大臣時代に、当委員会で皆様から様々な多くのご指摘を頂きまして、この会議を設置したものです。この会議の設置の経緯につきまして、この資料3の、冒頭の私の大臣挨拶の中で触れております。

私は、国内からも、海外からも、法務大臣として、人質司法との批判を受け、この問題を深く考えて参りました。海外では、間違ったデータによる、誤解による、指摘もございましたので、それをしっかりと説明をして参りましたが、反論出来かねる部分があった事も、事実です。その部分は、不断の見直しをして行くと、私が大臣時代にお約束をし、司法の、国際司法のサミットである、京都コングレスに於いても、初めて、法務省主催で、日本の刑事司法のあり方についてのサイド・イベントを設置したところでございます。

この資料3の中に、大臣の挨拶の中で、この刷新会議で、話し合うべき3つの柱について触れました。

ひとつ目は、検察の綱紀粛正の問題、検察の倫理の、見直しでございます。

2つ目は、検察法務行政の透明化の問題。

3つ目が、刑事手続全般のあり方です。人質司法、冤罪を含む刑事手続全般のあり方です。

議論の結果については、上川大臣の時に出されましたけれども、資料4、『法務・検察行政刷新会議報告書』22頁の結びに書かれております。

報告書の中には、ここには、添付しておりませんけれども。人質司法について、という項目もあって、皆様方の様々なご意見が書かれた報告書となっております。

これを受けて報告書は、今後の具体的な取組方針を令和3年1月26日に出され、『法務省ガバナンスPT』を設置し、法務省のガバナンスに関する事項を検討するとされました。しかし、柱の3つ目、人質司法を含む刑事手続のあり方については、ガバナンスPTでは取り上げず、引き続き刑事局に於いて対応するとされました。

そこで、『法務・検察行政刷新会議』の報告書を踏まえた『法務省ガバナンスPT』や、刑事局に於ける取組状況について、お聞かせを頂きたいと思います。

この点につきましては、先日、私がご質問したところ、小泉大臣に於かれましては、まだつまびらかに目を通すに至っておられず、熟読の上、法務行政に生かして行きたいと御答弁でございましたので、改めて、目を通された後ですね。この取り組み状況、今どうなっているのかお聞かせ頂きたいと思います。 


004 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

委員が提唱され、そして立ち上げられ、また熱心な検討が行われ、また結論も出して頂いた『刷新会議』、大変貴重な存在であり、また我々に多くの物を齎してくれているというふうに感じております。心からの敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。

先生が3つ、委員が3つの柱をという事で、当時の大臣挨拶で仰いましたが、それをさらに要約しますと、あの、失礼ながら要約します、と。検察、或いは法務行政に対する信頼、国民を含めた内外の信頼、それを取り戻し、構築し、維持をする、その必要性について、問題提起を頂いたと思っております。

その後、刑事司法のあり方については、刑事局でその後、検討を含め、検討を進めているところでありますけれども、先生が提唱された、その精神は、法務省に、しっかりと根を下ろしつつあるというふうに私は感じております。

具体的な取り扱いについては、また、刑事局からご説明をしたいと思いますけれども、その精神を、一時も忘れる事なく、引き継いでいきたいと、このように思っております。


005 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

ありがとうございます。

続きまして、『刷新会議』の報告書に書かれている、3つの柱の中で、特に重要な3つ目の柱の下で議論された、被疑者取り調べの弁護人の立ち上げについて、質問をさせて頂きます。

この問題に関しまして、当時、厚生労働省の局長おられた、村木厚子さんの無罪事件等の一連の事態を受けて、『検察のあり方検討会議』が設けられ、平成23年3月に『検討会議』の提言が出されました。

村木厚子さんは、ご存知の通り、全面否認をしたところ、逮捕・勾留をされました。約半年間、拘留され続けている中で、村木さんご本人が、検事による、証拠偽造を発見し、無罪となった事件です。

その第6回・会議、つまり『あり方検討会議』の第6回では、村木さんご本人が、弁護士、弁護人立ち会いの必要性を説かれました。

このヒアリングの議事録、村木さんのご証言をですね、資料6で配っております。

本当に、涙なしでは読めないものです。村木さんは弁護人の立会いの重要性について、次のように述べておられます。

『取り調べというのは、リングにアマチュアのボクサーと、プロのボクサーが上がって試合をする。レフェリーもいない、セコンドもついてない、というような思いが致しました。色々な改革の方法はあるでしょうけれども、せめてセコンドがついて頂けるという事だけでも、随分まともな形になるのではないかというふうに思います。特に切実に思ったのは、調書にサインをする時に、具体的にその調書の内容を弁護士に話して、記憶に頼らなくて、物を見て話をして、この調書にサインをしていいものかどうかというのを、最低限でも相談したかったな、というのが実感でございます』

このように、村木さんご本人が、非常に強い実感を込めて、弁護人の立ち会いの必要性について述べておられるのです。この資料5は、『あり方検討会』の議事録です。

私が大臣になった当時は、法務省のホームページに載っていませんでした。載せるよう指示したところ、データは紛失したと言われました。何ヶ月も探して頂きまして、ようやく、紙の状態で、見つかりました。

その紙をPDFにして、現在法務省のホームページ『あり方検討会』のところにですね。PDFの形式で、その時に載せてもらいまして、今も載っておりますけれども。当時も発見されて、私がそれを大量のものをコピーして、自宅に持ち帰って、一からずっと全部読みましたところ、なんと、村木さんに関する記述だけが、抜けておりました。そこで私が戻りまして、これちょっと一部抜けているから、これも探しなさいと言ってですね。わざとではないと思うんですよ。なぜなくなってしまったのかわかりませんが、一生懸命探させまして、やっと見つかり、それが今もPDFになって乗っております。これ、長文でございますが、皆さんに読んで頂きたいので。今日ですね。資料5、大量になりますが、皆さんのお手元に配ってあるわけでございます。

その意味もあって、先ほどの3つの柱の2つ目は、行政の透明性という事で、こういったデータが紛失しないように、法務省の組織として、2年間ずつ、検事さんが入れ代わり立ち代わりしている事も、そのひとつの原因になっているかもしれませんので、組織のあり方という事もですね。しっかり、こういったものが紛失しないようにしているように、この柱にも設けたわけでございます。

この問題については、私自身も、兼ねてより当委員会に於いて、質疑を重ねて参りましたけれども、資料6にありますような議事録で、ですね。相当厳しくですね。ここもやり取りさせて頂きましたし。

これではない、令和3年5月18日の法務委員会に於いては、当時の上川法務大臣から、被疑者の取り調べの弁護人の立ち合いを含めた、捜査全般のあり方、人質司法との批判を受ける事に関し、大臣から対応の指示を踏まえた、刑事局に於ける対応状況について、フォローして頂くというご答弁を上川大臣から頂きました。

私からは、実務者レベルでの弁護士と、法務当局との協議の場を設置する事について、ご検討をお願いしました。その後、法務省に於いて、どのような対応がなされてこられたのか、今後どのように取組を進める事を考えておられるのか。法務大臣、それから、刑事局から、御答弁お願いします。


006 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

被疑者の取り調べの弁護人の立ち会い制度については、平成28年の刑事訴訟法改正に先立つ、法制審議会の部会に於いて、議論をされた事がございましたが、証拠収集方法として、重要な機能を有する取り調べの在り方を、根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいなど、様々な問題点が指摘され、一定の方向性を売るには至らず、法制審の答申には、盛り込まれなかった、という経緯がございます。

その後、この点については、ご指摘の『法務・検察行政刷新会議』の報告書に於いて、平成28年刑訴法・改正の3年後、検討の場で、含む、適切な場に於いて、弁護人の立ち会いの是非も含めた、刑事司法全体の、刑事司法制度全体のあり方について、幅広く検討、幅広い観点からの検討がなされるよう、適切に対応する事、とされたものでございます。

その上で、総務省に於いては現在、この3年後、検討の場として、改正・刑訴法に関する、刑事手続のあり方協議会を開催しておりまして、被疑者の取り調べへの、弁護人の立ち会いについても、この場に置く協議会に於ける、協議の対象となり得るものと認識をしております。

まずは、同協議会に於ける議論を見守りたいと考えております。


007 松下刑事局長 

◯松下裕子 君

今、大臣から、ご答弁申し上げました、『改正・刑訴法に関する刑事手続のあり方協議会』でございますが、こちらは、令和4年7月から、既に12回の開催をしております。

この協議会に於きましては、これまで第1段階の議論と致しまして、事務総局及び構成員から統計資料等に基づく説明を致しまして、実務に於ける刑事手続の、実際の運用状況等が共有されたところでございます。

その上で第2段階の議論と致しまして、今後、刑事手続の制度上、運用上の課題について協議が行われる事となっておりまして、被疑者の取り調べの弁護人の立ち会いについても、協議の対象となり得るものと、認識をしております。

法務省と致しましては、不足の趣旨を踏まえ、引き続き充実した協議が行われるように、尽力して参りたいと考えております。


008 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

大臣、今、盛り込まれない事になったと仰ってますけど。正確にはですね、盛り込まれないけれども、これは要否及び当否も含めて別途、検討されるべきというふうにありますので、ここ、資料6で、ですね、お配りしている議事録をよく読んで頂きたいなというふうに思います。あの引き続きですね。しっかり、ここですね。検討して頂けますように、お願いを致します。

それでは、養育費の質問に戻りますけれども、養育費と一般先取特権について質問致します。

今回の改正では、養育費等の請求権に、一般先取特権を付与する事とされておりますが、どのような趣旨から行うのでしょうか。また、一般先取特権が、付与される養育費等の金額につきまして、子の監護に要する標準的な費用などを勘案して、法務省令で定めるという事でございますが。どれくらいの金額になるのでしょうか。お答え下さい。


009 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

現行法によれば、父母間で、養育費の取り決めがされていても、公正証書等の債務名義がない限り、債権者は、民事執行の申立が出来ません。養育費の履行確保は、子どもの健やかな成長のために重要な課題でございますけれども、債権者に手続きの負担が重く、取り決めの実効性が充分でないという問題があります。

そこで、本・改正案では、養育費の取り決めの実効性を向上させるため、養育費債権に、先取特権を付与しております。これにより、債権者は、債務名義がなくても、民事執行の申立が出来、且つその執行手続きに於いて、他の一般債権者に優先して、弁済を受けられる事となります。

その上で、本・改正案では養育費等に先取特権が付与される額を、確定期限の定めのある、定期金債券の各期における定期金のうち、子の監護に要する費用として、相当な額、としております。その相当な額とは、子の監護に要する標準的な費用、その他の事情を勘案して、当該定期金により、扶養を受けるべき子の数に応じて、算定して定める事を予定しております。

本・改正案の施行までに、このような観点から、適切に法務省令を定める事と致したいと思います。


010 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

子どものために、必要な額をお願いします。

続きまして、法定養育費制度について質問致します。今回の改正では、法定養育費制度を設ける事とされておりますが、どのような趣旨から行うのでしょうか。

また、法廷養育費の金額につきましては、子の最低限度の生活の維持に、要する標準的な費用の額などを勘案して、法務省令で定めるという事でございますが、どれぐらいの金額になるのでしょうか。法務大臣に伺います。


011 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

本・改正案に於いて、新設する法定養育費制度は、父母が養育費の取り決めをせずに、離婚した場合に、養育費の取り決めを補充する趣旨で、父母の生活水準に即した養育費の取り決め等がされるまでの当面の間、父母の収入等を考慮せずに、離婚時からの一定額の養育費を請求する事が出来る、というものでございます。

このような法定養育費制度の補充的な性格に鑑み、本・改正案では、法定養育費の額を、子の最低限度の、生活の維持に要する標準的な費用の額、その他の事情を勘案して、法務省令で定める一定額としております。

ここでいう、子の最低限の生活の維持に要する額を勘案するとしておりますのは、法定養育費が、父母の収入等を考慮せずに、発生するものとされている事等を踏まえて、法定養育費の額が、義務者の収入等が少額である場合にも、発生する養育費の額の水準を参考に定められる事を規定したものでございます。

また、標準的な費用の額を勘案するとしている事につきましては、法定養育費の額の水準が、個別具体的な事案の内容を考慮しないで、法務省令で定められる事を規定したものでございます。本・改正案の施行までに、こうした観点から適切に法務省令を定める事としたいと思います。


012 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

先ほどの先取特権もそうですが、この法廷養育費制度もそうですけど、補充的とか、仰っていて大変不安なんですけども、先ほど言ったように、わが国で、世界の中でも養育費が、支払われている割合が非常に低いという事。そして、子の養育費が、あの養育費について交渉中の方も、法定養育費が、その間は払われる、債務名義がなくても。そして、交渉にもつけない人にとっては、命綱でございます。

そういった、子どものためという事ですね。しっかり勘案して、子どもの成長・教育に必要な金額がですね。確保される事を望みます。

法定養育費の制度は、父母間で養育費に関する取り組みを行う事が厳しいひとり親の皆様にとって、大変心強いものでございますので、法案成立後には、是非しっかりと制度の周知を行って頂きたいと思います。

最も、離婚当事者がこうした制度の存在を知っているだけでなく、実際に法定養育費を受けられるようにする事が、大事であると考えます。そのためには、法定養育費の支払いを受けるために、必要な手続きがどなたにとってもわかりやすく、周知されていなければなりません。

そこで法務省に伺いますが、養育費の支払いを受けるために、いつ・どこへ行き・どのような手続きを行う必要があるのでしょうか。何か離婚を証明するものが必要となるのでしょうか。具体的に且つ分かりやすい言葉で、ご説明をお願い致します。


013 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

父母が教育費の取り決めをせずに離婚した場合、離婚の時から引き続き、子の監護を行っている父母の一方が、相手方に対して、裁判外で法定養育費を請求する事が可能であります。

しかし、任意に、法廷養育費の支払いがなされない場合には、監護親は裁判所に対して、民事執行の申立をして、相手方の財産を差し押さえる事になります。

この強制執行の申立にあたっては、相手方の財産を特定する必要がある事から、監護親に於いて、相手方の財産が分からない場合には、財産開示手続きや、第三者からの情報取得手続きを利用する事になります。

その後、子の監護親は、これらの手続きによって、判明した財産に対する、差し押さえの手続きを別途、申し立てる必要がございます。

本・改正案では、民事執行手続きの申し立ての負担を軽減する為、1回の申し立てで、財産開示手続き、第三者からの情報取得手続き、そして、これらの手続きによって、判明した財産に対する差し押さえの手続きを連続的に行う事が出来る仕組みを導入する事としております。

こうした法制度の内容について、分かりやすく、情報提供して行く。また、相談対応をしっかりやっていく。そういった努力を、関係省庁と取り組んでいかなければならないと思っております。


014 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

ワン・ストップ制度についても、しっかりと周知をして頂くようにお願いをします。

親権については、この後、友納議員からの質問がありますが、私から1問、共同親権にするかどうか、という際に、ですね。子どもの意見は、聞かれないのでしょうか。子ども基本法3条3項で、『子どもの意見表明権』が謳われておりますので、法務省に伺います。


015 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

家庭裁判所は、親権等に関する事件に於いては、家庭裁判所・調査官の活用、その他、適切な方法により子の意思を把握するよう努め、この年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない事とされております。

また、本・改正案では、父母が子の人格を尊重すべき事を明確化する事としております。ここに居る子の人格の尊重には、子の意見が適切な形で考慮され、尊重されるべきである、という趣旨も含むものでございます。

そのため、協議上の離婚の際に、父母が親権者の定めをする時にも、父母は子の意見を適切な形で、考慮する事を含め、子の人格を尊重しなければならないという事になるわけでございます。


016 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

具体的には、またですね。他の機会に伺いたいと思いますが、しっかりお願いを致します。

最後に、ですね。資料7、資料8をご覧ください。資料名の通り令和6年3月29日、つい最近ですけれども。『登記供託オンライン申請システム』法務局に行っておりますけれども、障害が発生し、不動産登記のオンライン申請が滞ったため、全国の司法書士が窓口申請に、切り替える対応行なわざるを得ない、残業をして、走っていてという時代になった他、3月29日中に申請が出来ずに、4月1日に申請せざるを得ない事態が発生しました。

資料8に東京司法書士会の、会長声明が出ております。この事態により、発生した問題として、民法177条、その権利保全が担保されないリスクがある。不動産登記手続きの主な代理人として機能している司法書士に、多大な心理的負担と経済的損害を与える結果が発生しました。由々しき事態です。

法務省は3月29日のシステム障害によって、申請未了となった案件について、3月29日の受付で処理される。つまり、4月1日の窓口を申請したものも3月29日付けにするというふうに、ですね。そのだいぶ後に、発表しましたけれども、この後ですね、今後ですよ。同じような事が起きたらどうするんでしょうか。

震災等で、オンラインが出来なくなってしまったら、どうするんでしょうか。今後の同様の場合に備え、そういった場合の『みなし受付』について、ですね。大臣通達などの、ですね。一般的なですね。法的措置を講じる必要があるんじゃないでしょうか。

まず、この問題について、法務省はシステム障害の詳しい原因説明を、まだしておりません。今後、システム障害が発生しない対策も発表しておりません。万が一今後、システム障害が発生した場合の措置を明確にし、その運用が適切に行われるような訓練などの、事前の準備も怠りなく行う事が必要だというふうに思います。

法務省は、あの月末にね、また年度末ですね。3月末ですから。あの決済が集中したから、データが取れなかったというような事を言っておりますけれども。不動産と金融取引の根幹をなす取引の安全性、信用確保するために、法務省だけではなく、デジタル庁、国交省、金融庁などの関係省庁は、今回の一時的な対応で終わらせず、連携して、月末決済についてのですね。対応の仕方、そして抜本的には、月末決済を分散化させるなどのですね。制度改革に、取り組むべきではないでしょうか。

月末、特に年度末に決済が集中して、システムに負荷が掛かるのは、これまでも当たり前に予想がされた事です。そんな事で、機械が壊れてしまう、なんていう事は言語道断だと思っております。他にも、確定申告や、転勤引越しに伴う住民票等の手続きも、オンラインになっておりますので。これは法務省だけではなく、関連省庁すべて、ですね。連携して、政府として取り組むべき問題だと思いますが、いかがでしょうか。


017 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

3月29日金曜日の午後、オンラインによる登記申請や、登記事項証明書等の請求受付が出来ない。システムトラブルが発生しました。

今回のトラブルで、司法書士はじめ、登記サービスを利用する多くの国民の皆様に、ご迷惑をお掛けした事について、深くお詫びを申し上げたいと思います。

現在、詳細な原因を調査中でありますけれども、年度末の業務日であったために、大量のオンライン登記申請があった事。また、その処理をするための法務局側の操作が、短時間に集中した事。2つの要因が重なり、システムに高い負荷が掛かった事が原因ではないかと考えられております。

もちろん、これを詰めていかなければなりません。4月1日以降、同様のトラブルは生じておりませんが、私から担当部局には、再発防止のため、今回の原因を分析した上で、システム対応の方策を検討するよう指示したところでございます。

オンライン化とかデジタル化っていうのは、非常に効率性が高まり、非常に便利なものでありますけど。一旦トラブルが起こった時には、そこで発生する被害、ダメージというのは、非常に大きなものになる。利便性も高いんですが、間違いがあった時には大きな被害が起こる。これが、大きな特徴だと思います。

その被害を乗り越える、段取りが出来て初めてデジタル化、或いはIT化というのは成し遂げられるんだろうというふうに思います。大きな、反省点でございます。

このシステム上の問題だけではなくて、事務フローとして、委員が仰るように、年度末・期末、そういう時にまた、自然災害等が起こる可能性もあり、その時、事務フローをどうするかっていう事も含めて、それがシステムに反映されるわけでありますけれども。これは、しっかりとですね。今回のこの失敗を、トラブルを、ひとつの大きな戒めとして、しっかりと委員のご指摘も踏まえて、ですね。法務省に於いて、しっかりと対応を検討したい、と。関係省庁にも、相談しながら検討したいというふうに思います。


018 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

はい、よろしくお願いします。

養育費の問題に戻りますけど、子の養育費の問題を、私が大臣の時に取り上げた時の、『検討会議』はですね、女性の委員の割合は7割以上に致しました。

女性弁護士、女性検事、女性裁判官、女性学者、法テラスの方も女性です。

そのようにして、子どものですね。生活の糧となる養育費、しっかり、この国で、子どもの手元に届くように、という話し合いが進められて参りました。

これ、前回大臣にも申し上げた会議体の中の、女性割合の話で、これはもう多様性・強靭化という観点からですね。是非、実現して欲しいんですが。

さっき取り上げました、弁護人の立ち会いですね。これについて、刑事訴訟法、改正の見直しのための会議体が、作られたようでございますが。おそらく、私がさっとみたところ、女性がおひとりですか。10人の内、おひとりであるかのように見えましたけれども。今からでもですね、女性を加えて頂いて、女性割合を高くして行きたいと思います。

様々な課題を乗り越える時に、多様な意見を入れて頂きたい。そして、この、取り調べの弁護人の立ち会いの問題は、私が上川大臣にお願いをした通りですね。現場の皆さん、現場の弁護士の皆さんや、もっと言えば、そういった被害にあった、無罪であった方、もですね、ご意見を入れるような委員の構成にして頂きたいと思うんです。大臣のお考えを聞かせ下さい。


019 小泉法務大臣

◯小泉龍司 君

大変、重要なご指摘だと思います。委員構成の在り方を含めて、法務行政全般に渡って、様々な国民の方々の声、そして、女性の方々の声、そういったものをしっかりと聴取できる体制を、常に心掛けていかなければならないというふうに思います。

刑事局は、局長も女性ですけども。女性検事さん、女性がたくさんいますけど、もう一度、全体を見て、バランスをどう取るべきか。しっかり検討したいと思います。


020 自由民主党 森まさこ

◯森まさこ 君

刑事局長、女性で私も嬉しいんですけど。

当局の女性割合ではなくて、私が今申し上げているのは、外部有識者委員の構成でございまして、これ放っておくとやっぱり、全部男性の名簿をもってくるんです大臣室に。ですから大臣が、要でございますので。大臣が、この決済の時に見た時に、男女割合という事ですね。是非、念頭に於いて、大臣からのご指示があるという事が大事でございますので、お願いを申し上げまして、私の質問を終わらせたいと思います。ありがとうございました。

 

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