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改めて「フィーリング」について

以前、こんな記事を書きました。

本来、ことばを用いるうえで感覚に依存する局面というのは普通によくあるものなのですが、それはその言語で生活していく中で培われたものです。それが外国語を使うときにも発揮できたらよいのですが、そんなものが未体験の言語で発揮できるわけがないのです。

いわゆる「センスのいい人」というのは、無意識のうちに言葉のしくみに気づき、そこから仮説を立てて「これで通じるかも」と思って使って検証していくということをやっています。これは必ずしも天性のものというわけではなく、遅かれ早かれ、上級学習者には身についてくるものです。

大学受験生に向けてお伝えしたいことということになりますと、「フィーリング」は「経験値(経験知)」であるということです。言語感覚は言語経験によって培われます。つまりたくさん英文を読むなど、「量」を確保することは経験値を高めるうえで有効なのです。そしてこのときに、しくみに意識を向けながら触れていくと、この経験値が経験知として増幅していくわけです。この過程を促してくれるものが、ことばを分析的に捉える営み、すなわち文法学習なのです。これは個人差があるのですが、人によっては理屈を理解することでフィーリングの養成を促進することがあるということです。

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