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音声排便操作法の開発を猛者に託す

 水の音を聞くと尿意をもよおす場合があるそうなんです。

 私は水の音でおしっこがしたくなった経験はございませんけれども、精神状態が尿意に強い影響を与えていることは実感しています。おしっこを我慢しつつも、余裕で我慢できる状態で帰宅できたのですが、トイレに入った途端、尿意がグッと高まりまして、慌ててズボンを脱いだことがございます。もうすぐできると安心したことが、尿意を急激に高めたのだと思っています。

 人間の生理現象は物理的または化学的なものにばかり影響されていると思いがちですが、精神的な影響もまた大きいのだと思い知らされます。

 すると、気になってくるんです。おしっこは分かった。じゃあ、うんこはどうなんだと。便意も精神状態が影響を与えることは知られておりまして、緊張すると便秘になる人もいれば下痢になる人もいます。緊張で影響するならば、聞いた音だって影響する可能性だって充分に考えられます。

 じゃあ、何の音かという話なんです。水の音で尿意をもよおすというのは、要はあのチョロチョロ音がおしっこを連想させるからだと思うんです。似たような液体を似たような量で出せばおしっこじゃなくてもおしっこみたいな音は出せるわけです。しかし、うんことなると話が変わってきます。排便に似た音は、身の回りにはそうそうない。何気に唯一無二の音なんです。

 そうなると、排便音を聞かせて排便促進を試みることになると思うんです。幸い、大抵の人間は排便をしますから、音源の確保は簡単そうです。しかし、ここまで書いておいて何ですが、他人の排便音を聞きたいですか。たぶん、聞きたくない人が大半だと思うんです。そんな音をひたすら聞かされた日には、排便促進とは別の影響が心身に出てしまいそうです。

 とは言え、その問題は自分の排便音を録音すれば済む話だと思います。ただ、別の問題も残っています。どの排便音がベストなのかという問題です。固めがいいのか、軟らかめがいいのか、まさかの液状化がベストなのか。その辺りを比較検討する必要は出てくる。

 そもそも、「水の音で尿意」システムが発見された時、「排便音で便意」システムの可能性が多くの人の脳裏によぎったと思うんです。じゃあ、私が知らないだけで、もうシステムが活用されているのではないか。そう思って調べてみたら、聴くだけで腸内環境が整う音楽は結構出てきました。

 音楽で自律神経を整え、それによって腸内環境をよくするようです。つまり、排便をうながすのとは異なります。

 更に検索したら、排便をうながす方法として、食物とか姿勢とか運動とか、あとはツボなんてものも出てきました。しかし、音でどうにかするやり方は出てきません。いろいろ試したけどダメだったのか、馬鹿馬鹿しすぎて誰もやろうとしなかったのか。

 とりあえず、世界各所にいると思われる新進気鋭のマッドサイエンティスト辺りに期待したいと思います。

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