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自慢のサッカーグッズ番外編 想いをのせた缶バッジ【shortletter】

この記事は恋する主婦サポーター、むぎちゃさんこと、さとうかずみさん(twitter)に寄稿していただきました。

日本サッカー界随一のレアグッズ、栃木が生んだ珍品と揶揄されるかずみさんの文章をぜひお読みください。

OWL's Forestのメンバーによる寄稿ということで無料公開させていただいております。



今月のOWLMagazineオムニバスで「自慢のサッカーグッズ」を書かせてもらった。

とはいえ自慢のサッカーグッズ。
選ぶのに困った。

今は誰も持っていないんじゃないかという初期バージョンの船山貴之のサインを貰った時の話……。これも捨てがたかったが、結局絞れず、その「グッズの価値」についての想いを綴った。

元ヴィアティン三重佐光塁選手への愛と共に。
変態色たっぷりに。

まあ、ぜひ、オムニバスを読んでみていただきたい。

そういえば、グッズを手に入れる話ではなく、想いが強すぎて、グッズを作って実際公式戦で販売してしまった話もあった。

想い入れたっぷりの「自慢のサッカーグッズ」だ。

販売側の経験まである人は少ないんじゃないかしら。

今日はそのお話をしましょう。


2015年のヴィアティン三重は東海リーグで、JFL参入を目指していた。

そして、その年は目標とするJFLへの登竜門、所謂「全社」の切符を手にした。

クラブ創設から毎年昇格の階段を昇り順風満帆だったヴィアティン三重。

クラブの運営資金は十分にあったと思うが、全社に出場するとなると沢山のお金がかかる事は容易に想像がつく。最近は格好良く「クラウドファンディング」なんかで資金集めなんかをするんだろうが、当時はそういうものは一般的ではない。

当時の自分のブログを読み返すと、「とにかくクラブの為に出来ることがしたい」と書いてあった。

その一心で、当時のサポーターの願望を叶えられるグッズ。ホームゲームの目玉として出して、お金も集められる……。

そう考えて出したアイデアが、選手の缶バッジガチャポン。

よし!!自分でつくっちゃえ!!
その実績、ノウハウをクラブに譲渡すればいいや!!

ヴィアティン三重社長に直談判をする。

ホームゲームで選手缶バッジを販売させてください!!

全ての費用はこちら持ち。

売り上げは全て全社の費用に使ってください!!
やらせてください!!


あの時快諾くださった後藤社長に心より感謝。
当時栃木UVAでグッズ制作販売をしていたirregular社長にすぐ助けを乞う。ノウハウを伝授していただき、制作も依頼。

親愛なる友人、デザイナーのTAKURYU氏にも協力を依頼。
ネットで中古のガシャポン機とカプセル150個を買う。

9月13日。ヴィアティン三重ホームゲームで、初お目見えの「全24選手イラスト缶バッジガシャポン」

ヴィアティン史上初の個人選手キャラクターグッズの爆誕である。当時、「沼」なんて言わなかったが、皆、「沼」にズブズブハマっていただいた。

三重県女子たちの眠っていた推しグッズ心理、コレクター心をめちゃくちゃくすぐった。

三重県淑女たちに悪いおもちゃを与えてしまった。

悪い遊びを教えてしまった。

想像をはるかに超え完売。

再発注かけるほどに好評頂き、3回のホームゲームで出品、計59,000円を売り上げた。

たった59,000円と言うなかれ。

ズブの素人がイチから、いや、ゼロから。

普通のおばさんの小遣いから 缶バッジを作り、夜な夜なカプセルに詰め、アイデアを形にして、たくさんの方に協力頂いてやっと稼いだ59,000円。




全社出発ギリギリに当時のサポクラ代表に目録を作ってもらいクラブに贈呈してもらった。

そりゃね、三重県から岩手県の全社会場。30名の旅費の1人分にもならなかったと思うよ。

ただの自己満足だったかもしれない。
¥200×295個の缶バッジ。295個分の想い。


現在、ヴィアティン三重では缶バッジをはじめ、素晴らしいクオリティのグッズが多種売られている。

あの時の缶バッジなど、もう、忘れられてしまっているかもしれない。

いや、あの時の缶バッジなど、知らないサポーターの方が、圧倒的に多いだろう。

しかし、私にとっては、いちばん思い入れのあるヴィアティングッズである。

因みに、息子、佐藤光将選手の缶バッジは、今だから暴露するが、母がガシャポンに仕込む前に先に、作った人特権で数個買っていたので、他の選手より定数が少なくなっていた。

必然的に1番のレアキャラになっていたのだ。

今も、持ってる人、いる?




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