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OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌

サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポーターは紛れもなく「主役」です。OWL m… もっと読む
スポーツと旅を通じて人の繋がりが生まれ、人の繋がりによって、新たな旅が生まれていきます。旅を消費す… もっと詳しく
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#Jリーグ

鹿島の神々をトンテキに見た日。サッカーと酒を求めて中野坂上の路地裏へ

路地裏。 文字通り、路地の裏であることを示しますが、酒飲みにとってこの言葉はホッと一息つけるような、お家に帰ってきたような安心感を与えてくれる響きであります。 ここは東京の中野坂上。日本随一の歓楽街である新宿からは徒歩圏内にありながら、住宅街然とした静かな佇まいを見せる街です。 ぼくはサッカーをあてに酒を飲むさいお。日々、酒場を求めて、珠玉の一皿に舌鼓を打ち、酒を飲んでは街をさまよい歩く酒呑童子です。 一日が終わり、疲れを癒やしたくて、少しでも明るい明日を迎えたくて、

悩めるアルディージャフロントに伝えたい~アルディージャ最強助っ人はこの名前だ!~

今季の大宮アルディージャは純和製軍団で戦っている。 誰に言われたわけでもないのに、なぜだか外国籍選手は獲得しないという縛りプレイを自らに課して、世界最高峰と一部で名高い明治安田生命J2リーグを戦っている。 なぜ外国籍選手を獲らないのか。先日行われたサポーターズミーティングでもコロナ禍や予算削減などが理由として挙げられていたが、コロナ禍は世界中どこのサッカーチームも平等に直面している事態であり、何も大宮で局地的にコロナが流行しているわけではない。 また、確かに予算も昨季ま

ゴール裏の中心で愛を叫ぶ~声出し応援検証で山雅サポが恋心を取り戻す話~

なぜ私は、歌えないゴール裏に通い続けているのだろう。 かつては毎週おとずれるその時間にすべてをささげ、私は松本山雅FCに狂っていた。 現地から帰ってはDAZNをつけて、余韻が冷めないうちに観てきたばかりの試合を再生した。選手ひとりひとりのプレーに何度も胸を焦がし、実況を聴くだけでどの試合か分かるほどだった。 寝ても覚めても山雅のことを考えて暮らしていた。 それが今はどうだ。 選手の背番号はちっとも覚えられない。ピッチ内練習の時間に入場すらしていない。ゴール裏にいても、試合

愛してるぜWe are ORANGE~大宮の街にアルディージャがある意義~

愛してるぜWe are ORANGE 気持ち込めて歌うのさ 俺らの誇り大宮 さぁ行こうぜ ぼくが応援する大宮アルディージャでは年に一度、ホームゲームで必ず行われるイベントがある。 その名も「手話応援デー」 このイベントが始まったのは2006年。今から16年前のことだ。当時のぼくはまだ小学生だったことからも、この企画の歴史の長さを感じる。 今回はそんな手話応援デーの話をしたい。Jリーグのシャレン!やWEリーグのWE ACTIONに関心のある方、まちづくりや行政などの分野

信州の民が行く、アツき大阪!~飯とビールと初めてのパナスタ~

汗をかく、なんて可愛いものじゃない。 頬を伝う雫がTシャツに滴る。 この時期、私は化粧を諦める。恥ずかしいほど汗っかきで、現代の美容技術では太刀打ちできないので、いっそしないほうが見栄えが良い気がしている。 とはいえ、ここは大都会。 ノーメイクで外出するのは、地元の田舎に比べてずっと勇気が必要だ。 パナソニックスタジアム吹田へ、大阪ダービーを観戦に行く。しかし、蒸し暑さと流れ落ちる汗に、はやばやと心が折れそうである。 目的地までは、電車とモノレールを乗り継いで1時間ほ

11試合で1勝。低迷する我がクラブのホームゲームを全力で楽しんでみた

 8試合ぶりの勝利を収めたと思ったら、その後3連敗。  J1昇格を目標に掲げるヴァンフォーレ甲府は苦境に立たされている。  時に試合終了まで見続けるのが辛いほどの試合もあり、正直ホームゲームに行くのが怖くなってしまった。  しかし私、須羽リセルはヴァンフォーレ甲府サポーターである。  クラブが苦しい時こそ応援するのがサポーターだ。  ただし、勝利を追い求めるだけでは身が持たないのもまた事実。  それなら何を楽しみにスタジアムへ足を運べばいいのか……。 「楽しみは誰かが与え

ヴェルスパに感心し、トリニータに感動する。夏の大分「ダブルヘッダー」観戦記

「大分のサッカーチームといえば?」 そんな質問に、あなたはどう答えるだろうか。少し考えてから、スクロールをしてみて欲しい。 みなさんの頭には大分トリニータが真っ先に思い浮かんだのではないだろうか。ナビスコカップの制覇、ユースからは多数の日本代表選手を輩出。昨年度もJ1リーグに在籍したトリニータの知名度は全国的にも高いだろう。 しかし、大分のチームはトリニータだけではない。Jリーグを目指して活動しているチームがあることをご存知だろうか。 そのチームとは、JFLに所属する

8月のOWL magazine、こんな記事が出ます! ライターたちの企画を紹介

※こちらの記事は無料公開でお届けします※ こんにちは、40度に届こうかという危険な暑さに日本列島が沸騰寸前ですが、親愛なる読者のみなさま、いかがお過ごしでしょうか? 夏バテ気味で普段よりビールの摂取量が多くなってしまっている編集長のさいおです。 先月から月初の記事は、前月の記事を振り返りながら、弊マガジンのその月の見どころや注目ポイントをぼくが紹介。親愛なる読者のみなさまに目次代わりに、OWL magazineのコンテンツを楽しんでいただくものとなります。 7月のOWL

大好きな街、松山に癒しを求めて ーオレンジに染められた愛媛FC観戦記ー

 疲れた。  いま住んでいる東京は時間の流れが早くて、すぐにくたびれる。どこへ行っても人混みに圧倒される。関東にいる友達とは休みがなかなか合わず、休日を1人で過ごすときが多くて寂しい。仕事は楽しいけれど忙しくて、精神が擦り減ることもしばしば。  東京を離れて四国に戻るかどうか悩んだ時期もある。上京してから1年3か月が経ち、僕の心には余裕がなくなってきていた。 「久しぶりに四国の友達と会って癒されたい」  そう思ったのは6月中旬。  行き先の選択肢は、18年間暮らした

【OWLオムニバス】私の心に響くチャント

みなさまこんにちは、オムニバス担当のHarakoです。 Jリーグが声出し応援解禁の流れということで、今月はチャント=応援歌をテーマにしてみました。 私も先日、声出し応援実証実験の対象試合に行ってきました。 声出しエリアで観戦はしていませんが、久しぶりに聴いた両ゴール裏から響く歌声には、胸が熱くなりました。詳しくは記事にて! もともとゴール裏で熱唱していた人も、そうでない人も、声のあるスタジアムが戻ってきた感動は同じだと思います。 そしてきっと誰にでも、声出し応援ができ

15年前にW杯のパブリックビューイングを手伝ったことがあるというお話

本日のOWL magazineの記事は、ガイナーレ鳥取やSC鳥取ドリームス、湘南ベルマーレ、ポルセイド浜田などを愛好中のKAZZさんからの寄稿でお送りさせていただきます。 最初に一点、お断りしておくが、私はあくまでも以下に記述するパブリックビューイングのお手伝いをした立場であり、中心人物ではもちろんない。 また、実施した時期が15年前と、少し時間が経過していることから、記憶違いや勘違いが存在することもある。 その辺りをどうかお含み置きいただき、ご了承くださった上で、以下の文

日頃の感謝を込めて、OWL magazineの記事を無料公開します

みなさま、こんにちは。突然ではございますが、読者のみなさまとサッカーを愛する仲間たちのために、日頃の感謝を込めまして有料記事を無料で公開することにしました。 無料で読めるのは、代表の中村慎太郎やもりたくろう、斉尾俊和、大宮けん、キャプテンさかまき、須羽リセルが書いた6本。どれも一息つくのにピッタリの6本だと思います。 下記のリンクよりご覧ください!

J2サポーターがJ1優勝クラブのサポーターになった日

 31歳にして初めて自力でアウェイ遠征に行ってから、1ヶ月が経った。  ふと私は思い立ってLINE画面を開き、2019年にひょんなことから知り合った川崎フロンターレのサポーターさんに連絡を取った。  実は2020年2月に「等々力(J1川崎フロンターレの本拠地)に行きます!」と宣言し、フロンターレの応援に行く予定を立てていたのだ。  しかし新型コロナウイルスの蔓延により、その試合日からリーグ戦は中断してしまう。  大宮の地で、初めての自力アウェイ旅が成功して自信がつき「あの時

悪天候だからこそ、アルウィンが熱い。~カーテンの向こう側に見えた景色~

山雅サポの朝は早い。 キックオフは14時なのに、8時半にはアルウィンに到着しているサポーターがいるくらい、早い。 なぜそんなに早いのかというと、彼らの多くが開場までピクニックを楽しんでいるからなのだが、その話は晴れている日にするとしよう。 信州の民は、まるで風の谷の住人である。 山と空、そして風を読んで天候を察知するのだ。 私、薄荷も、そんな地元に暮らす松本山雅FCサポーターである。 西の山にかかる雲が稜線を霞ませ、窓を開ければ冷たく湿った風。 遠い南の空は、すでに