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OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌

サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポーターは紛れもなく「主役」です。OWL m… もっと読む
スポーツと旅を通じて人の繋がりが生まれ、人の繋がりによって、新たな旅が生まれていきます。旅を消費す… もっと詳しく
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2022年7月の記事一覧

大好きな街、松山に癒しを求めて ーオレンジに染められた愛媛FC観戦記ー

 疲れた。  いま住んでいる東京は時間の流れが早くて、すぐにくたびれる。どこへ行っても人混みに圧倒される。関東にいる友達とは休みがなかなか合わず、休日を1人で過ごすときが多くて寂しい。仕事は楽しいけれど忙しくて、精神が擦り減ることもしばしば。  東京を離れて四国に戻るかどうか悩んだ時期もある。上京してから1年3か月が経ち、僕の心には余裕がなくなってきていた。 「久しぶりに四国の友達と会って癒されたい」  そう思ったのは6月中旬。  行き先の選択肢は、18年間暮らした

たまにはメイン席も良いかも!ギオンスで席種を変えて見えた景色

淡路島のサッカーの記憶はベッカム様だけですか?

淡路島のサッカーの記憶は、2002年日韓ワールドカップの際にイングランド代表が島内でキャンプをした時点で止まっています。 兵庫県淡路島を本拠地とするFC.AWJというサッカークラブがあります。この一文は、このクラブが実施しているクラブトークン販売サイトで、チーム紹介の中にありました。 この一文を世間一般の視点から読むのか、またはサッカーに関わっている者からの視点で読むのか悩みました。どちらの視点からでも「イングランド代表」「ベッカム様」というキーワードが出てきます。 こ

OWL magazine選手名鑑〜11の質問〜Vol.13 五十嵐メイ

今月も、OWL magazine選手名鑑の時間がやってまいりました。 このOWL magazine選手名鑑は、マガジンメンバーのパーソナリティを掘り下げながら過去の記事を振り返っていく記事です。最近マガジンの購読をされた方には昔の名作を読んでもらうきっかけに、以前から購読頂いている皆様にはより作者の人となりを知ってもらおうという趣旨の月一企画になっています。 OWL magazineメンバーにはあらかじめたくさんの質問事項に答えてもらっています。その中から11個をピックア

命名:環七ダービー 東京23FCvs南葛SCの怖すぎる因縁と輝かしい未来

 江戸川区と葛飾区について、皆さんどのくらいご存じだろうか。葛飾区については『こち亀』があるからある程度イメージが湧くかもしれない。しかし、それ以上となるとどうだろうか。江戸川区については葛西臨海公園と地下鉄博物館の名前を挙げる人はいるものの、それ以上知っている人は元居住者くらいのものだ。  江戸川区には東京23FCがあり、葛飾区には南葛SCがある。  この2つのクラブは関東1部リーグに所属しているため直接対決が行われる。隣町同士の試合なので、これをダービーと呼ぶ人もいる

スタジアムはサラダボウル~多様性ってなんだろう~

叫ばずにはいられない 大宮への愛を歌う オレンジと紺の勇者 俺たちの街の誇り だからどんな時もここに集い 大宮への愛を歌う この歌よ君に届け 共に闘うために 大宮アルディージャには、選手入場の直前に大合唱する『叫ばずにはいられない』というアンセムがある。ぼくにとってこの歌詞は特別だ。 まさか自分が…… 皆さんは「LGBTQIA」という言葉を聞いたことがあるだろうか。性的マイノリティを表す総称で、最近はようやくメディアなどでも取り上げられる機会が増えてきた。 ぼくはその

はらぺこハラコの中東サッカー半妄想旅〜モロッコ編〜

サハラ砂漠からアッサラーム・アレイクム(こんにちは)!「中東サッカー妄想旅」の時間だよ! 今回は夏の暑さを吹き飛ばすべく、もっと暑い砂漠の国・モロッコを目的地に選んだ。もはや日本のほうが最高気温が上回っている日もありそうだが……。 タイトルに「半」と付いているのは、私が実際にモロッコ旅行をしたことがあるからだ。 今回はSNSの引用ではなく、自分で撮った写真を存分に使うことができる。サッカー観戦はしていないので、その部分はいつものようにリサーチ+妄想でお届けしたい。中東半

【OWLオムニバス】私の心に響くチャント

みなさまこんにちは、オムニバス担当のHarakoです。 Jリーグが声出し応援解禁の流れということで、今月はチャント=応援歌をテーマにしてみました。 私も先日、声出し応援実証実験の対象試合に行ってきました。 声出しエリアで観戦はしていませんが、久しぶりに聴いた両ゴール裏から響く歌声には、胸が熱くなりました。詳しくは記事にて! もともとゴール裏で熱唱していた人も、そうでない人も、声のあるスタジアムが戻ってきた感動は同じだと思います。 そしてきっと誰にでも、声出し応援ができ

もしもスタジアムのある街に住むのなら 番外編1 コーヒーぜんざい・無限ピーマンからサステナビリティについて考える(京都について書く前に)

旅するより住みたい派ですこんにちは。屋下えまです。 3ヶ月ぶりの「もしもスタジアムのある街に住むのなら」。八王子、西が丘、甲府、岡山と続いてきましたが、次は京都です。 今回は京都について書く前に、番外編として短いエッセイをお届けします。京都といえば、その歴史。ずっと続いてきた街です。 ここ数年サステナビリティ(持続可能性)という言葉があちこちで聞かれるようになりました。自分のなかでずっとぼんやりしていたこの概念について、京都について書く前に、真剣に考えてみました。 街

【世界杯紀行】中田英寿が引退し、ジダンが頭突きし、イタリアが優勝したけれども、何も変わらなかった<2006年@ドイツ>

Facebookを開くと、こういう表示をよく目にする。先月から今月にかけては、過去のワールドカップ取材の画像が、たびたび登場した。4年前のロシア大会、8年前のブラジル大会、12年前の南アフリカ大会──。16年前のドイツ大会は、まだFacebookもスマートフォンもなかった。  今年は4年に一度のワールドカップイヤー。けれども4年前や8年前と比べると、どうにも盛り上がりに欠けているように感じられるのは、決して私だけではないだろう。モリヤスさんのせい? いやいや。ゼロではないと

15年前にW杯のパブリックビューイングを手伝ったことがあるというお話

本日のOWL magazineの記事は、ガイナーレ鳥取やSC鳥取ドリームス、湘南ベルマーレ、ポルセイド浜田などを愛好中のKAZZさんからの寄稿でお送りさせていただきます。 最初に一点、お断りしておくが、私はあくまでも以下に記述するパブリックビューイングのお手伝いをした立場であり、中心人物ではもちろんない。 また、実施した時期が15年前と、少し時間が経過していることから、記憶違いや勘違いが存在することもある。 その辺りをどうかお含み置きいただき、ご了承くださった上で、以下の文

日頃の感謝を込めて、OWL magazineの記事を無料公開します

みなさま、こんにちは。突然ではございますが、読者のみなさまとサッカーを愛する仲間たちのために、日頃の感謝を込めまして有料記事を無料で公開することにしました。 無料で読めるのは、代表の中村慎太郎やもりたくろう、斉尾俊和、大宮けん、キャプテンさかまき、須羽リセルが書いた6本。どれも一息つくのにピッタリの6本だと思います。 下記のリンクよりご覧ください!

旅とサッカーのマガジンが静岡県を本にするとこうなる【無料公開】

 OWL magazine代表に居座っている中村です。世の中に不安がうずまく状況に突如なってしまいました。  思えばぼくが「夢」や「エンタメ」など楽しいことをしようと思ったのは、311の大震災があったときのことでした。世間を暗いムードが覆う中で、当時聞いていたPodcastチャンネル『東京ポッド許可局』が、番組を無料公開しました。  被災している皆さんが少しだけでも苦しみを忘れられたら……という趣旨でした。不謹慎だという人もいましたが、救われたという被災者の声もありました

J2サポーターがJ1優勝クラブのサポーターになった日

 31歳にして初めて自力でアウェイ遠征に行ってから、1ヶ月が経った。  ふと私は思い立ってLINE画面を開き、2019年にひょんなことから知り合った川崎フロンターレのサポーターさんに連絡を取った。  実は2020年2月に「等々力(J1川崎フロンターレの本拠地)に行きます!」と宣言し、フロンターレの応援に行く予定を立てていたのだ。  しかし新型コロナウイルスの蔓延により、その試合日からリーグ戦は中断してしまう。  大宮の地で、初めての自力アウェイ旅が成功して自信がつき「あの時