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【第140回】ストーンズ聴いてるって格好良す

前回「ビートルズ」について書かせていただいたので、そしたらこっちも書かなきゃいかんだろということで、今回は「ローリング・ストーンズ」について書いてみた。ローストさんといえば「ベガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」「スティッキー・フィンガーズ」「メイン・ストリートのならず者」の4枚が超有名である。当然その4枚は聴き済みではあるけれど、その中でも私は「スティッキー・フィンガーズ」をこよなく愛している。
私が最初にローストさんに触れたのは「フラッシュポイント」というライブ盤である。「ミック・ジャガー」の「ウェリッ・クラ〜ト〜ン」(クラプトンさんがゲスト参加してた)というMCくらいしか記憶がない。クセがあまりない聴きやすいアルバムだったような気がする。大学の友だちに最初のローストさんならコレが良いよとオススメされたんだけど、いきなりライブ盤を勧めるってなかなか味がある。
その後すぐにほかのアルバムもってならなかったので、その「フラッシュポイント」にそれほどハマることはなかったのであろう。私が「スティッキー・フィンガーズ」に出会うのはそれからかなり時間が経ってからだ。多分それから2年位後だと思う。あるとき川崎にあった(今でもあるのかな)CD屋さん(新星堂だったかHMVだったか)に無料で配布されていた「ロックのススメ」という冊子があって、それにローストさんのアルバムが紹介されていた。紹介されていたアルバムは「スティッキー・フィンガーズ」と「ベガーズ・バンケット」の2作。そして私は「アンディ・ウォーホル」がデザインしたあの有名なジッパー・ジャケットに惹かれて、「スティッキー・フィンガーズ」を選んだわけだ。ちなみに「ロックのススメ」、いろいろなアーティストとかのオススメのアルバムを紹介していて、私は「スティッキー・フィンガーズ」以外にも、それを参考にたくさんの音楽に出会うことができた。あれ、ボロボロになってどっかのタイミングで捨てちゃって、もう一度見たいなとは思っているのだけれど、流石に入手はもう無理だよな。
で、「スティッキー・フィンガーズ」だけれど、聴いてみた感じこれが意外にもなかなかに好印象。意外にもなんて言ったら失礼だけれど、当時の私の音楽スキルでは、どんな名盤を聴いても楽しむのは難しい。いくら「エルビス・コステロ」(第138回参照)で洋楽に目覚めたとはいえ、まだまだ全然の初心者だったからね。それは自分でも薄々感じていて、「スティッキー・フィンガーズ」も難しいだろうなと思っていたので、この好印象は意外だったわけだ。衝撃が走ったとかそういう大袈裟なものではない。「お、これなら聴けるかも」といった程度のものである。
当時気に入った曲は、このアルバムの目玉である「ブラウン・シュガー」と、それからめちゃ渋の「ワイルド・ホース」だった。どちらもシングル・カットされた曲なので、人気曲だったのではあるまいか。そしてこの後しばらくはこのアルバムを聴きまくる日々が続くのだが、とはいえ今考えると、その2曲が特別気に入って、その2曲を聴きたいが故に、このアルバムを聴いていた、という訳ではなかったように思える。それよりはこのアルバム全体に漂う埃っぽさや怪しさ、それはウォーホルさんのデザインしたジャケットも含めてなのだが、そういった雰囲気を好んで聴いていたのではあるまいか。もっと突っ込んじゃうと、そんなただならぬ雰囲気をまとった音楽を聴く自分カッコ良いみたいな、一種ファッションを身にまとうような感覚で、このアルバムを聴いていた、そんな気がする。当然当時の私はそこまで深くは考えてはいなかったけれど、でも今振り返るとそんな気がしてならない。だって今聴いてもこんな渋いアルバム、まだまだ洋楽を聴き始めたばかりの私が、純粋に音楽として楽しんでいたとは思えないのよね。まあその辺り、今の自分も甚だ怪しいところではあのだけれども。まあ理由はどうあれ私は「スティッキー・フィンガーズ」を聴きまくったし、その後、他のローストさんを楽しむきっかけにもなったしなので、私にとっては愛してやまない、とても大事なアルバムなのである。
さて、例によってこのアルバムもレコードで再入手している(最初に購入したときはCD)。どうしても帯付きのか欲しくて、某オークション・サイトでそれなりのお値段で購入した。こんなところにもええカッコしいな自分が現れている。それはさておき、レコードで聴く「スティッキー・フィンガーズ」はCDで聴くよりも埃っぽくて怪しくて、そしてデカいウォーホルさんのジャケットは、そのジッパーの下には本当にイチモツが隠されているのではないかと思わせる。やっぱりローストさんはレコードで聴くべきだよね、なんてカッコつけてはみたが、ジャケットはともかく、CDで聴いてもレコードで聴いても、私には音の違いなんて分かるはずがありません。私はやっぱりええカッコしいなのである。
それでは最後にローストさんにもあった、言われてみれば微かに聴こえる空耳アワーのお時間です。曲は8曲目「シスター・モーフィン」。場所は序盤、Aメロを歌い一息ついたあたりで「ミック・ジャガー」が突然「美味しいっ!」って叫びます。ライナーノーツによるとこの曲はドラッグ・ソングということで、なんとなくシンクロ。

ローストより
普通にいぃぃ
B'zがっ好っき!

季語はロースト。

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