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サービス初期の検証や、コアユーザーの獲得について〜toC事業立ち上げ奮闘記〜

こんにちは!株式会社インタースペースでRECOTRIPという旅行SNSのPMをやっている川野(@owano49)です。

このnoteは「モバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2020」の11日目の投稿です。ありがたいことに、Repro稲田さんにお声がけいただいたので参加しました。面白かったら是非ハッシュタグ「#アプリマーケアドベント 」を付けてシェアをお願いします!👏

今回のnoteでは、上場企業にて新規事業をローンチして1年ちょっと経ったので、構想&検証開始から現在までの奮闘記を書きたいと思います。

サービスについての具体的な数値は出せませんが「コロナでやばくないの?」と言われつつも、おかげさまで毎月着実に成長できています。

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緊急事態宣言のあった3月と比較すると、2020年9月の旅行・観光の投稿件数は4倍ほどに増加しています。(インタースペース公式HPブログより)

そして、この初速を支えている大きな要因であるコアユーザーの獲得や、コミュニティ形成について、どのように実現してきたかをメインで書きます。これから事業を立ち上げる誰かの参考になれば良いなと思います😇

前提

recotoriについて何も知らない方のほうが多いと思うので、まずは前提を揃えたいと思います。

■上場企業(インタースペース)の新規事業推進室に所属
・POの中田とゼロから二人三脚で立ち上げて今に至る

■サービスの特徴
①”旅行好き”があつまる旅行SNS
旅行が大好きなユーザーがたくさん集まっているSNSです。

②ジャンルに特化したインフルエンサーが多数登録
かなり尖っていて面白い人たちが「公認ユーザー」として活躍しています。公認ユーザーは総勢100名ほどおり、InstagramなどのSNSの合計フォロワー数は100万フォロワー以上(!)

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③コミュニティづくりに力を入れています
実際のユーザーさんをオフィスに招待して実施したオフ会の集合写真と、ユーザーさんに書いてもらったメッセージボード(プロダクトもリリースする前の何もない状態でオフ会を何度も実施してました)

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■これまでの歩み
自分も立ち上げから参画していましたが、約2年前にサービス構想と検証を開始して、1年ほど前にiOS版をローンチしました。その後、数ヶ月遅れてAndroid版、web版を立て続けにローンチしています。

◯構想&検証開始:2018年8月ごろ(約2年4ヶ月前)
◯iOS:2019年9月(約1年3ヶ月前)
◯Android:2020年6月(約6ヶ月前)
◯web:2020年8月(約4ヶ月前)

それでは、サービス初期の検証や、コアユーザーとのコミュニティ作りをするにあたって、具体的にどんなことをやったのかお話します。

サービス構想&調査期間

立ち上げ当初は、POと共にぼんやりアイデアを考えていたのですが、兎にも角にも旅行業界に対する事前知識がなさすぎたので、まずはひたすらインプットをしまくって、構想を膨らませました。具体的には下記を行って、俯瞰した知識を深めていきました。

・旅行業界誌や調査機関が出しているレポートを読む
・業界に関連する本を読む
・旅行系の大学教授にヒアリング
・(投稿サービスという軸が決まってからは)人間がSNSに投稿する動機みたいな論文も読んだ

もちろん、俯瞰しただけでは事業は作れないので、旅行系アプリはもちろん、類似アプリを触りまくりました。海外サービス含めて、旅行関連、マップ関連、SNS関連、を100個ぐらいは触ったような気がします。このとき、忘れないようにスクショや動画をひたすら撮影したり、いいと思った点、悪いと思った点などのメモをGoogle SlideやSpreadsheetにガンガン蓄積しました。

また、上場企業ということもあって最終的には、市場分析→クラスター分析→ポジショニングマップ→(...中略...)→P/L作成、みたいないわゆる事業計画作成のプロセスも経ています。

「事業計画否定派」の人も多いようですが、個人的には、事業計画書やP/Lシミュレーションは事業の構造を俯瞰して理解していないと作れないですし、POやPMならば解像度をあげる意味でもやっておくべきだと思います。(しかしながら、ユーザーインサイトに基づかない事業計画はあまり意味ないと思います)

ひたすら顧客に会う&ダメ出し期間

さて、サービスの構想と並行して、旅行に対して熱量の高いユーザー群にインタビューしにいきました。過去の資料を掘り起こしてみたら、最初の2〜3ヶ月(事業計画を作るまで)で60名弱と対話をしてました。おそらくリリース前までに100名を超える人と対話をした気がします。

具体的には会社の旅行好きな人をアンケートで抽出してヒアリングさせてもらったり、ツテをフル活用して旅行好きな人の意見とかも参考にして、Customer-Problemを明確にしていきました。

尚、ある程度ユーザーの課題が特定できたあとは、プロトタイプを用いて、いわゆるProblem-Solution-Fitを検証していましたが、ユーザーさんからボロボロに言われまくって、何度も破壊しました(笑)

そして何より大変だったのが、外から飛んでくる「悪魔のささやき👿です(笑)。当時はそもそも旅行業界に参入する件も含めていろんな人からかなり否定されました。

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ただ、コンセプトをぶつけると、かなり刺さるユーザーが一定数いることが分かってきたんですね。客観的に考えると無理ゲーだけど、この頃から「悪いように見えて、実は良いアイデア」なんじゃないかと思い始めていました。

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初期ユーザー開拓をどうやったか

次に、どのように初期の投稿ユーザーを獲得していたかをお話します。

前提として、投稿系サービスの場合、まずコンテンツ生成(投稿)をしてくれるユーザーを集めるのは王道です。そのため、ある程度プロトタイプでの検証が済んだ段階で、自分たちも「どうやって投稿ユーザーを集めようか」と考えるようになりました。

しかしながら、そのときはプロダクトもないし、ティザーサイトすら無かったし、予算もまともに付いていないので、使える武器はほとんどゼロでした。

そして、ここでも「悪魔のささやき👿」が発動します。

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例によって、このささやき👿をガン無視して、投稿ユーザーにフォーカスする決定をします。(とはいえコンテンツが少ないにも関わらず、リリース時点でいきなり検索機能を入れてしまったり、初期のスポットデータベース構築に多くのリソースを割いてしまったりなど、いくつか悪魔のささやきに負けてしまったのはかなり反省)

結果的には、お金をかけずに投稿ユーザーを獲得する具体的な手法としては、最初は下記しかやっていません。

①Instagramやブログなどの既存メディアで活発に旅行の投稿しているユーザー(特に影響力の高い人)をリストアップ

②ひたすらDMを送って電話アポを獲得

③(Wordで作った3-4枚のチープな)企画書を見せて、コンセプトなどを説明

当然、この施策をやろうとすると、悪魔がささや(...中略...)ガン無視しましたが、わたしたち自信も「さすがに、これで協力してもらうなんて無理だろうな、、、」と半信半疑で15名の方に実験的にDMを送りました。

すると、結果的には15名にDM→5名アポ→5名快諾という驚異の許諾率(!)でした。アポ率も3割とかなり高いですし、話せば全員が協力したいと言ってくれるというありえない事態が起こりました。

ちなみに武器がほとんどなかった僕たちの工夫として「弊社、上場企業です!」というのをひたすらアピールするという作戦を使いました。色々と理由があって、これはかなり刺さりました。。。

そして、ある程度検証できてからはPOの中田がフルパワーを発揮して、怒涛のアポイント祭りを実施。最終的に冒頭に記載した総勢100名・総フォロワー数100万人という多数のインフルエンサーさんをサービスのリリース前に募ったのでした。

ちなみに②でDMを送りすぎて、InstagramやTwitterアカウントを何度か凍結されています(笑)ここにも色々な工夫がありますが、割愛。。。

そして、こちらがようやくティザーサイトをOPENして事前登録を開始したという内容のプレスリリースですが、一般向けに事前登録を開始したときにすでにこう書かれています。

現在、総勢100名・総フォロワー数100万人以上の旅行(エリア)(ジャンル)に詳しいインフルエンサーがRECOTORI(レコトリ)に参加表明いただいております。

ちなみに、「公認ユーザーにお金どのぐらい払っているの?」と聞かれることが多いのですが、これらの投稿などは今のところ無償でやっていただいてます。

もちろん、投稿キャンペーンのインセンティブ効果もあったり、一部のライターさんにはweb版の記事執筆もお願いしていたり、ゆくゆくサービスが拡大してきたらPR案件を優先的にお渡しする想定でおりますし、恩返しするためにもサービスをグロースさせなければという想いでやっています。

ですが、まさか、我々も無償で名もなきサービスに投稿してくれるなんてありえないと思っていましたが、本当にありがたいことに、例えば「1投稿いくら」「1ヶ月いくら」のような金銭的な報酬はナシに投稿を継続してくださっています。(これは本当に感謝しても、しきれないです)

リリース前からオフ会を実施(ファンコミュニティ醸成期間)

さて、上記で協力をしてくれた公認ユーザーさんたちをオフィスに招待して、サービスのリリース前から「RECOTORIオフ会」というオフ会を何度も実施して、コミュニティ醸成をしてきたのでその辺も書きたいのですが、すでに4,000文字も書いており、ここからコミュニティ醸成ネタを書くとさらに数千文字になると思うので、このあたりで終わりにしたいと思います。

一部だけご紹介すると、リリース前からrecotoriグッズを配ったりもしてました^^

あと自分は歴史ジャンルが好きなので、リリース前から歴史系の公認ユーザーさんと飲みに行ったり、ほかにも神社が好きなので神社系の公認ユーザーさんとご飯を食べてきり、非公式で話す機会も積極的に作ったりしました。(専門特化してる人の知識には毎回驚かされます😅)

そして、コロナ禍のあとはオンラインでもイベントを実施しました。

こんな感じで、ユーザーさんと積極的にコミュニケーションをとる施策も行っているのですが、続きはいつかまた書きたいと思います^^;

さいごに

拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!もし、面白かった、参考になった!という方は是非いいね!やハッシュタグ「 #アプリマーケアドベント 」を付けてシェアをお願いします!👏

また、今回の話をより深く聞きたい、ここから先の話も聞いてみたい、という人がおりましたら、お気軽にTwitterでメッセージをいただけたら幸いです^^あと、シンプルにプロダクトマネージャーやアプリマーケターとの横のつながりも切望しているので、ぜひご連絡ください🙇‍♂️

そして、エンジニアも積極的に採用してるのでご興味ある方はぜひご連絡ください!

それでは引き続き、「モバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2020」をお楽しみくださいませ!

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