マガジンのカバー画像

ビジネス歳時記「武士のおもてなし」

53
その昔、戦いに明け暮れていた戦国武将ですが、季節感を取り入れた「もてなしの心」を大切にしていました。その知恵や教えを季節の歳時記に寄せて、ビジネスで戦う現代の戦士たちにご紹介して… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第53話「籍田」

慈愛の心で導いた、鷹山の米づくり5月に入ると、日本各地は田植えの季節を迎えます。GWに田…

Oval Design
1か月前
25

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第52話「春告魚」

北前船が北国と京都を結んだ、 由縁の魚〽沖のカモメに 潮時問えば わたしゃ立つ鳥 波に聞…

Oval Design
1か月前
13

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第51話「花見小袖」

春爛漫を演出した、秀吉の「良き夢」 各地から桜の便りが届き始める3月は、花見の季節に入りま…

Oval Design
2か月前
6

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第50話「招き猫」

猫の恩返しに救われた、第2代 彦根藩主猫の恋止むとき閏の朧月(芭蕉)───更に衣を着込むほ…

Oval Design
3か月前
10

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第49話「割粥」

ひと碗に込められた、忖度の粥1月も終わりに近づき、年始の行事や新年会なども済み、そろそろ…

Oval Design
4か月前
7

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第48話「煤払い」

一年の厄も落とした、大奥での胴上げ我が家は団で煤をはらひけり(一茶)。12月に入り、そろそ…

Oval Design
5か月前
5

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第47話「蜜柑」

武将も待ち望んだ、暮れの贈答品「下積みの蜜柑ちいさき年の暮れ」(浪化)── “こたつ蜜柑”などというように、蜜柑(みかん)は手軽に食べられる冬の果物ですが、物流が発達していなかった昔は現在のように豊富に手に入るものではなく、子どもたちはお歳暮で届く木箱などに入った贈答用蜜柑を楽しみにしていたものでした。   贈答品としての蜜柑の歴史は古く、すでに江戸時代にもありましたが、当時は武家や裕福な商家など限られた人たちの間での高級品でした。あの食通の徳川家康も蜜柑を好み、親しい大名な

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第46話「献立」

閑所で考えた、食へのこだわり紅葉も深まり、田畑に霜も降りる11月。その異称は「霜月(しもつ…

Oval Design
6か月前
4

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第45話「席画」

将軍を楽しませた、御用絵師の遊び心11月は学校では学芸会や文化祭が開かれ、美術館などでもさ…

Oval Design
6か月前
5

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第44話「温泉」

将軍の実力を示した、温泉の力10月は、温泉旅行なども楽しい行楽の秋。その昔、江戸時代の将軍…

Oval Design
7か月前
5

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 「握り飯」第43話 

腹ごしらえに頬張るおにぎりは、勝利を願う力飯「焼飯をほうばりながらゑさをさし」───さっ…

Oval Design
7か月前
5

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第42話「敬老」

家長が支えた、武家の介護9月は敬老の日がありますが、海外でもお年寄りを敬う日や行事は気候…

Oval Design
8か月前
8

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第41話「お救い小屋」

官民が力を合わせた、復興の拠点づくり「地震、雷、火事、親父」とは、この世で怖いもの順に並…

Oval Design
9か月前
2

ビジネス歳時記 武士のおもてなし 第40話「夏の氷」 

平和な夏の涼感を楽しむ、氷のごちそう「鶯も番をして鳴く氷室かな」(一茶)――暑さも極まる8月上旬までの厳しい気候を、「極暑(ごくしょ)」や「酷暑(こくしょ)」と言いますが、店先に揺れる氷の文字が恋しくなるころでもあります。 今でこそ冷蔵庫や製氷機のおかげで、一年中ふんだんに氷を身近なものとしています。しかし、近代以前は山の洞窟などに設けた氷室)※という“自然の冷蔵庫”に、冬の氷を保存して使っていました。   夏に氷室から運び出した氷を口にできるのは、天皇や公家、武士でも将軍