脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて…

脱臼(outofjoint)

好きなことを書いています。生来の「生きづらさ」を克服どころか、年を重ねる毎に悪化させて慢性化してます。その割に長生きしているのは「生きづら」くても「生きる」ことに固執しているからなのかもしれません。文学、哲学、音楽、映画を好みます。素人の戯れ言を超主観的に書きます。

記事一覧

【散文詩】会いたくない人々に

被害妄想と強迫観念が薄っすら積もる 冷えきった部屋に軋む塒 曝け出した月のように 淡く煌く命が耐える喫水線 天国も地獄も着地点ではなかった 定住は強者の妄想だ痛感…

脱臼(outofjoint)
1時間前

【散文詩】長き碧い影

夕陽の横顔に碧い影 重なり濃くなる蜜柑色 逆さに照らす黒き影に 異名の真贋溌溂と 激流の岩窟を踏む 叩きつける松明 燦々と散る飛火栄える 吝嗇の地平に 散財と蕩尽の浅…

7

【散文】剣呑なねこ舌

匙で揺れる目玉に 練乳を滴らす 苺を匙で摺り潰し ピンクが油彩の凹凸を塗る 発狂した高偏差値の女が 前頭葉をカットされ河川敷に遺棄される 学歴コンプレックスの男は吐…

9

【散文詩】借り物

自己表現にはご苦労さま 誰も求めていない君の詩は 世界に拡張するヒトリゴト 迷惑にすらならない イカれた目玉の眼圧を 叫んで暴れて怪我しても 誰の心も痛まないのは 君…

6

【散文詩】君の瞳のリップルに

別れ際に さよならのリップル かさなるバタフライ 離れるふたりが結ぶ茜色 明日の朝 新しい空気に おはようがやってくる 遠い気持ちが くり返されるのに 交差する螺旋…

4

【散文詩】岩窟の壁に掘られた借用書(文字と貨幣の同時発生)

縊れた遺体は正体不明で 逸らす視線の先も死屍累々として 罪悪感が脳幹に絡まる午後四時 放り出され轢き潰された幽体離脱の灼熱を鳥のように 決意したのは自分で踏み出し…

7

【散文詩】やけに妬ける

三白眼の行方を 明日の天気で決めるなんて 仮初めの罠だけど たかまるタナトスは一蓮托生の涙 好きとか嫌いとか 甘やかな戯言で終われない 時間を差し出すのは 見返りで…

5

【散文詩】蛇蝎の如き愛を捧げる

空を舞う偶像はマスキングされた破壊の象徴 黄昏れの駿馬が森の木々を駆け抜ける 雷鳴が杜を割り 神々の連綿たる心拍を刻む 大いなる意志が雲となってひがしに針路をと…

脱臼(outofjoint)
3週間前
4

【散文詩】湿度零パーセントの逆夢

掠れた頬に五月の緑色の汗が墜ちる 赤く色づく整数に挟まれた黒い整数が裏がえる アスファルトに干乾びた両棲類の天麩羅が黒塩の皿 愛も絆も後ろ手に兇器を潜める 見過…

脱臼(outofjoint)
3週間前
14

【散文詩】墓碑銘

涸れたのは命 泪はとめどなく 価値なき夢に溺れる日々 当てのない白い地図 黄泉に還るその日は 恐怖かそれとも成就か 吐露することで後付の思い出は 吹き上がった感情至…

脱臼(outofjoint)
1か月前
8

【散文詩】好きではなくても

好きですといった。好きではないといわれた。 次の日も手を繋いで家路を歩いた。 二ヶ月後に好きだといった。好きですといわれた。 反復を反復して、手を離し、さような…

脱臼(outofjoint)
1か月前
11

【散文詩】敵はいますか

単刀直入な憎悪で刺す 言質の取り合いは 身柄を攫って埋めればいい 瞬間に気化する衝撃と 簀巻きの海底で喰われるか 思い通りにさせないことが肝要 誰かを褒めると背後か…

脱臼(outofjoint)
1か月前
12

【散文詩】赤色の霧雨

雨降りにまた逢えるかな 似合わない心模様 赤いパラソル くるくると 名前も知らない 揺れ動く心の居場所に スキップは虹色 水たまり避けて まっすぐな瞳に 揃えた前髪が…

脱臼(outofjoint)
1か月前
4

【散文詩】指で刺す

後ろからではなく 正面から指で刺す 向けた悪意の 代償は正々堂々と 生き馬の目を抜くのは 技巧派の悪巧み 小賢しさには 立てるのではなく 指で刺す

脱臼(outofjoint)
1か月前
8

【散文詩】空飛ぶ好奇心

団栗眼で見入る先には大きな空が広がって、ぼくの手元を飛び去るのは夢を掴むために地を蹴り翼を羽ばたき上昇気流に乗るだろう。 小さな身体の密度は可能性の塊でどこにで…

脱臼(outofjoint)
2か月前
13

雨はいまだやまず濡れる

枯れ葉を踏む音でわかるほど何もかもわかっていたのは独り善がりの自己愛だった。 どんなに抱きしめても心まで掴めないこと。 終わったのは愛でも恋でもなく生命の鼓動。…

脱臼(outofjoint)
2か月前
13

【散文詩】会いたくない人々に

被害妄想と強迫観念が薄っすら積もる
冷えきった部屋に軋む塒

曝け出した月のように
淡く煌く命が耐える喫水線

天国も地獄も着地点ではなかった
定住は強者の妄想だ痛感して

【散文詩】長き碧い影

夕陽の横顔に碧い影
重なり濃くなる蜜柑色
逆さに照らす黒き影に

異名の真贋溌溂と
激流の岩窟を踏む
叩きつける松明
燦々と散る飛火栄える

吝嗇の地平に
散財と蕩尽の浅薄さ
直交する目力で圧す気迫
心の優しさの維持に如く

【散文】剣呑なねこ舌

匙で揺れる目玉に
練乳を滴らす
苺を匙で摺り潰し
ピンクが油彩の凹凸を塗る

発狂した高偏差値の女が
前頭葉をカットされ河川敷に遺棄される
学歴コンプレックスの男は吐瀉物を避けるように女を避ける

建前にさようならを宣言したお巡りさんは三発発射し頭蓋骨を粉砕した
白濁した脳漿が制服の裾に大量に跳ね付く

「ハラスメント」と老婆が叫ぶ
野次馬の中から野球少年が周囲を気にすることなく金属バットを素振り

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【散文詩】借り物

自己表現にはご苦労さま
誰も求めていない君の詩は
世界に拡張するヒトリゴト
迷惑にすらならない

イカれた目玉の眼圧を
叫んで暴れて怪我しても
誰の心も痛まないのは
君の詩を聴きに来たからではないから

初期衝動もなかったし
好きでもない音楽を
ヤバいと思い込むだけの
大袈裟で残酷な言葉たち

滂沱と会場を飛び出す
君がボッチでないこと
物販とチェキと
諦めないなら
会いにいくから

【散文詩】君の瞳のリップルに

別れ際に
さよならのリップル

かさなるバタフライ

離れるふたりが結ぶ茜色

明日の朝
新しい空気に
おはようがやってくる

遠い気持ちが
くり返されるのに
交差する螺旋階段

合図はふたりでリップル

【散文詩】岩窟の壁に掘られた借用書(文字と貨幣の同時発生)

縊れた遺体は正体不明で
逸らす視線の先も死屍累々として
罪悪感が脳幹に絡まる午後四時
放り出され轢き潰された幽体離脱の灼熱を鳥のように

決意したのは自分で踏み出した瞬間の後悔は取り返しのつかない結果に着地する
雁字搦めの運命に選択肢はないから決意も試行錯誤も自然法則に委ねる

現実は厳しくて努力では届かない場所がある
だからどうしたと超然といってのける頬が強張るのは恐怖心ではなく自分すら信じられ

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【散文詩】やけに妬ける

三白眼の行方を
明日の天気で決めるなんて
仮初めの罠だけど

たかまるタナトスは一蓮托生の涙
好きとか嫌いとか
甘やかな戯言で終われない

時間を差し出すのは
見返りではなく
ポトラッチの果てに
きゅうきょくの混淆領域へと

エントロピーに容喙はできないから
隙間だけの宇宙に放擲された
楔形の痕跡は生きていた過去形

【散文詩】蛇蝎の如き愛を捧げる

空を舞う偶像はマスキングされた破壊の象徴

黄昏れの駿馬が森の木々を駆け抜ける

雷鳴が杜を割り

神々の連綿たる心拍を刻む

大いなる意志が雲となってひがしに針路をとる

潮目は還流し復讐ではなく棚びく亀裂が空を割りドロリと目玉が大地を俯瞰する

垢にまみれた子どもらの目玉と交差する分断された凱歌を血潮に託す

余命宣告を誰に問う

【散文詩】湿度零パーセントの逆夢

掠れた頬に五月の緑色の汗が墜ちる

赤く色づく整数に挟まれた黒い整数が裏がえる

アスファルトに干乾びた両棲類の天麩羅が黒塩の皿

愛も絆も後ろ手に兇器を潜める

見過ごされる薄色の痣を隠すように角度をつける

丸ごと愛しく包み込む絡みつく表層の皮膚の接触は月蝕に飛び出す骨

甘美な唯物論に現実界が命の灼熱

行為主体を越える構造的暴力は止揚を拒絶する

不貞腐れた幸福は偽善に充ちる水銀灯下に佇む

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【散文詩】墓碑銘

涸れたのは命
泪はとめどなく

価値なき夢に溺れる日々
当てのない白い地図

黄泉に還るその日は
恐怖かそれとも成就か

吐露することで後付の思い出は
吹き上がった感情至極

分かってないのは他人ではなく
自己愛を隠さない素朴な屍

自己を知ることの不可能性にガクガクと鳴る
遠吠えできるなら負けではないし
勝ち負けへの執念に染まるなら
鴻毛たることに執着せよ

はぐれ者は無銘のままに永眠

【散文詩】好きではなくても

好きですといった。好きではないといわれた。
次の日も手を繋いで家路を歩いた。

二ヶ月後に好きだといった。好きですといわれた。

反復を反復して、手を離し、さようならと。
さようならといわれた。

好きではなくて怖かったのだ。本当は。

【散文詩】敵はいますか

単刀直入な憎悪で刺す
言質の取り合いは
身柄を攫って埋めればいい

瞬間に気化する衝撃と
簀巻きの海底で喰われるか
思い通りにさせないことが肝要

誰かを褒めると背後から刺突
夜襲にそぐわない態度表明
潮の干満に砂浜の首が頬にかかる

命乞いをする相手も去り
闇夜の波音に混入する呼気

【散文詩】赤色の霧雨

雨降りにまた逢えるかな
似合わない心模様
赤いパラソル
くるくると

名前も知らない
揺れ動く心の居場所に
スキップは虹色
水たまり避けて

まっすぐな瞳に
揃えた前髪が揺れて
いきをのむ
どうすればせいかい
なにがまちがい
本気で死にたくなるほどに抱きしめたとしても
夢のなかの亡霊

【散文詩】指で刺す

後ろからではなく
正面から指で刺す

向けた悪意の
代償は正々堂々と

生き馬の目を抜くのは
技巧派の悪巧み

小賢しさには
立てるのではなく
指で刺す

【散文詩】空飛ぶ好奇心

団栗眼で見入る先には大きな空が広がって、ぼくの手元を飛び去るのは夢を掴むために地を蹴り翼を羽ばたき上昇気流に乗るだろう。

小さな身体の密度は可能性の塊でどこにでも行ける。
だから、いっしょに飛べる。
人生の主役を降板しても苦にならない「人」がいなかったのに二人目が君だった。

河川敷で空を駆ける飛行機雲を指差し振り向く君を肩車して帰り道。
橙色の西の空に「空斗」の顔が染まって迎えに駅によって三人

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雨はいまだやまず濡れる

枯れ葉を踏む音でわかるほど何もかもわかっていたのは独り善がりの自己愛だった。

どんなに抱きしめても心まで掴めないこと。

終わったのは愛でも恋でもなく生命の鼓動。

人生の選択肢はないんだと、思い通りに喜怒哀楽をみせるのが思いやりだと勘違いしていたと今更の後悔。

立ち上がるのは誰のため。
負い目は弱さか、謙虚さか、それとも思い上がり。

苦しまなくてもいいことに打ちのめされては傷が増えて、愛さ

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