多様性を活かす
新年度が始まりました。
所属する組織に新しいメンバーが加わったり、取引先の担当者が異動したりと、関わる人たちが変わるだけで気分も変わります。
支援機関やスクールで仕事をしていると、おのずと関わる方々が変化していきます。毎日会うメンバーを固定化させないことは、飽きずに仕事を続ける最も有効な方法のひとつだと思います。
一方で、弊社のような小規模事業者では、転勤や異動などによる人の入れ替わりがないため、どうしてもメンバーが固定化しがちです。
今回は、そんな小さな組織において、スタッフ間の人間関係を良好に保つために工夫していることについて書いていきます。
たまに会うぐらいがちょうどいい
手前味噌ですが、弊社は離職率が低くスタッフ同士の関係は良好です。
詳しくは把握していませんが、業務中にオンラインで会話をしたり、休日に一緒に食事に出掛けたりと、公私ともに交流しているようです。
今月などは、土日を返上して一緒にマルシェに出店するそうです。私から促したわけでもないのに、率先して自社のPRをしてくれています。
何かを創るのが好きという共通点はあれど、入社するまでは他人同士だった人たちが、良い関係を保てる秘訣はどこにあるのでしょうか?
ひとつの仮説として、リモートワークと週休3日制によって、たまにしか顔を合わせないのが良いのではないかと考えています。
毎日同じ職場で同じ顔ぶれと仕事をしていると、対人関係が煮詰まっていきがちです。お互いに相手の些細な行動にもいらだちを覚えるようになり、しだいに関係性が悪化していきます。
こうした状況が長く続けば、心的な消耗感が高まり、仕事へのモチベーションも下がってしまいます。
たまに顔を合わせるぐらいのほうが、お互いに干渉し過ぎることなく、適度に新鮮さを保ちながら、程よい距離間でコミュニケーションを取ることができるのではないでしょうか。
自分でコントロールできる余地を増やす
また、弊社はどこで仕事をするのか、いつ休みを取るのか、いずれも自己申告制にしています。
家庭の用事がある人は在宅勤務、遠征先で仕事をしたい人はリモートワーク、自宅に居ないほうが捗る人は出社と、自分で働く場所を選べます。
また、平日の休みをどこで取るのかも自分で決められるので、お子さんの急な発熱などに対応しやすく、連休も取りやすいです。
いずれも、スタッフさんが自分の裁量でコントロールできるというところがポイントです。自分でコントロールする余地があると、おのずと仕事の組み立て方を自分で考えるようになります。
組織での仕事には、会社から指示された業務をこなしていくタイプのものと、自分で見つけて創り出していくタイプのものがあります。
弊社のようなクリエイティブを生業にする会社は、定められた正解があることのほうが少なく、主体的に考えて決めることが求められます。
裁量と主体性は、密接に関わっています。自分でコントロールできる余地が多い環境は、主体性を育むのに有効です。
どのようなかたちであれ、自分で考えて決めるという経験を多くこなしたほうが、意思決定が上達すると考えています。
異なる属性と専門分野を混在させる
さらに、これは意図せずそうなっているのですが、年功序列ではなく社歴と年齢構成がバラバラです。そのうえ、担当している業務が各々異なるので、結果として社内の上下関係が曖昧です。
全員の境遇が違いすぎるため、競い合ったり比較されたりといったことが、起こりにくい構造になっています。
組織構造がピラミッド型ではなくフラットであり、組織に属するメンバーの自主性・主体性によって運営される、このような組織にフレデリック・ラルーはティール組織と名付けました。
ティール組織に至るまでには5つの成長段階があります。
この定義に当てはめてみると、弊社はオレンジとグリーンの間ぐらいでしょうか。ティール組織を目指しているわけではありませんが、「実装力」と題して掲げている経営方針には合致しています。
みんなちがって、みんないい
組織とは異なる個性の集合体なので、完全な調和を求めるのは難しいです。むしろ多様性を受け入れ、お互いの違いを尊重し合うことが、良好な関係性を築く秘訣ではないでしょうか。
異なる価値観や行動様式を持つ人々が集まるからこそ、新しいアイデアが生まれ、共に進化していくことができます。多様性を活かすことこそが、チームで仕事をする醍醐味だと考えています。
わたしは凡人でも、「わたしたち」なら特別な存在を目指せるのです。
では。
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