投機家 2017.8.7

※2017年7月15日付東京新聞に、「公益資本主義」を提唱する原丈人氏のインタビューが載っていた。ROE(株主資本利益率、Return On Equity)からROC(return on company)への転換を訴えていて興味深い。

会社の資産を吐き出させるだけのもの言う株主や、巨額資金で投機的な金融を操る者を、私は現代の奴隷商人だと思っています。奴隷貿易は今は違法ですが、当時は英国の綿布などをアフリカで奴隷と交換し、奴隷を米国で綿花や砂糖と交換する三角貿易で、とてももうかる最先端ビジネスでした。彼らはそれを誇っていて、その証拠に、奴隷貿易で栄えた英国リバプールの建物には、足かせをした奴隷のレリーフが今もあります。投機家の連中がやっていることは、奴隷商人と同じで今は合法かもしれませんが、百年後の人類の英知や倫理観からすれば違法になると思います。

※この投機家の定義に同意する。奴隷貿易は現代人の想像を絶する一大産業だった。この、かつての「とてももうかる最先端ビジネス」を視覚化した本が『環大西洋奴隷貿易歴史地図』である。(デイヴィッド・エルティス、デイヴィッド・リチャードソン著、東洋書林、2012年)

発売当時、たまたま本屋で見かけ、約10000円の高額な本だが思わず買ってしまった。奴隷貿易が「とてももうかる最先端ビジネス」だったことが、誰でもわかるように視覚化されている画期的な本だ。図書館ででも、パラパラとめくってみてほしい。

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