ビジネス会議室で、低予算で同人ジャンル単独オンリーイベントをした時の記録(2023年)
単独オンリーっていいよね…
※注意※
①
ここから先、尋常ではない文字数(※約5万4千文字)が続くので、
同人文化にご理解があり、なおかつ時間のある人、低予算個人主催ジャンルオンリーに興味のある方のみお進みいただきたい。
また、主な内容としてはイベントの立ち上げから準備段階の事細かな記憶が中心だが、イベント当日の運営や、はたまた同人イベントに対する考え方など、個人的な思想も多く含まれた備忘録になっている。
実用に特化しているわけではないので、この辺りもご注意願いたい。
②(2024年7月追記※)
この記事は2023年の6月の頃のお話である。
現実にはこの年の夏、
オンラインイベントを取り仕切る某巨大Webイベント会社が個人情報漏えい事件を引き起こした。
そして事件を前後するように、同人印刷所がパンクするほど、世にはリアルイベントでのカプオンリーブームが到来していて、
2023年の夏を境に世界が一変するのであるが、
その一変する前、
ちょうどコロナ禍の爪痕を引きずる閉塞感ただよう頃のお話である。
③
この記事は、「25周年を迎えたプレイステーションのゲームを原作とし、その関連作を含めた割りと息の長いジャンル」で行ったオンリーイベントの話である。今が旬のジャンルとはかなり勝手が違う思われるのでその点についてもご了承いただきたい。
原作ゲームについてはこちらを参照(ウィキペディア)→
(はじめに)
同人サークル活動をしていると、一度は憧れるジャンル単独オンリー。
見渡す限り壁から壁まで自ジャンルのサークルしかいない…自ジャンルだけの空間に、自ジャンルを愛する者が集まる…
まさに究極の贅沢空間。
個人主催の単独オンリーには
個人主催単独オンリーにしかない独特の熱気があり、
企業イベント内で行うヤドカリイベントでも味わえない…まるで家にいるような安心感と一体感がそこにはある…!
あれを一度味わってしまうと、正直それを知る前には戻れないかもしれない。
かくいう私も同人始めたての頃からそんな個人主催オンリーに魅せられた者の一人だ。
それぐらい個人主催単独オンリーには他には代えがたい思い出ができる。
しかし現在、コロナ禍明けの令和5年。
個人主催のリアルオンリーは絶滅危惧の趣すらある。
昔、同人文化の中で盛んに催された単独オンリーではあるが、現在それらは男性向けの一部の界隈を除いてほとんどはオンライン上のイベントに吸い込まれ、
オンリーイベントはオンライン上では毎週末ひらかれているものの、
オフラインの方に目を転じると(企業オンリーは数あれど)とにかく激減してしまったと思われる。
今はコロナ禍明けという時節柄、
あのリアルでしか味わえない楽しさはもう体験できないのだろうか?
何となく個人主催オンリーを主催する側に興味があって調べてみたことがある。
しかしいざ、やるとなるととにかく大変そうだ。断片的にネットに上がっている情報を拾い読みしても、コロナ禍での換気や消毒の問題は別として、
まずお金の問題がある。
検索すると出てくる情報にはとにかくリアル個人主催のイベントにはお金がかかると書いてある。
そして、運営する際の様々な雑務・スタッフの話…会場側とのやり取り…複雑な人間関係の話など…
多分大所帯ジャンルになればなるほど大変さは膨れ上がって行くことは想像に固くない。
特に昔はインターネットもそれほど発達していなかったので、
相当前々から告知のチラシを作って主催者は配っていたらしいし、個人宅へサークルチケットを郵送したりもしていて手間暇がかかっている。
しかし、今の時代はどうだろうか?
インターネットが発達したので広報はネットだけでできるし、
チケット郵送もペーパーレスでオンライン上で解決できそうなものだが、どうなのだろうか。
そこまで大きくないジャンルだったら、
割りと低予算で、しかもワンオペレーションで主催しても単独オンリーが実はひらけるのではないか??…そう、ふと思った。
折しも、歴史ジャンルにも片足を突っ込み、都内で行われるビジネス会議室の講習を聴きに足を運んだりしているうちに
企業だけでなく、個人でも今はビジネス会議室を借りる事ができる時代になった事を知った。
そうだ、ビジネス会議室があるじゃないか。
人が集まるには便利な空間。
もしビジネス会議室であれば主要な都市、あるいは主要な駅から近いところにいっぱい存在する。
駅からものすごく遠いとか、アクセスが不便とかもない。
しかも部屋を借りる室料も自分のポケットマネーでなんとかできそうな気もする。
これをなんとか同人イベントに転用する手はないだろうか…?
元々、オンラインイベントをやったあと「いつかオフ会やりたいですね〜」なんて話はしていて、そこに即売会をくっつけ、
オフ会に毛の生えたようなこじんまりとした即売会をやりたいと思ったのだ。
できそうな気はする。
ものは試しと、自分のTwitterのアカウントで一回アンケートを興味本位で取ってみたことがある⇩
この時はまだ夢物語だったが、
いざ年が明けて自由になるとまずビジネス会議室を借りられる一覧サイトに登録し、
あれこれ妄想しながらスマホでイベントができる会場を探す日々が始まった。
そして準備して告知して当日を迎えて行くわけだが…。
結論から先に言うと、
今回実際に会議室でイベントをやってみたが本当に最高の思い出になった。
やってみて本当に良かった。
その当日の様子は先に知りたい方はこちらから↓
オフラインオンリーイベントお疲れ様でした!!!!!!!|黄昏刻に龍ぞ棲む (note.com)
しかしここに至るまでに想定外の誤算もいっぱいあり、悩み苦しんだ部分や挫折しかけた事もあったりするので、
そういったことも記事にありったけ書こうと思う。
準備期間
主催者について
まず、オフラインイベントをやりたい!と動きだす前に、自分自身の事を少し書こうと思う。
同人歴はそこそこ。(これまで出した本は多分40冊前後だと思う。どれも漫画)
今いるジャンルの原作ゲームには昔からちょこちょこ触れていたものの、コロナ禍でどっぷり沼って同人活動を活発にしている感じ。
ここ近年はオフラインイベントは多忙のためお休みしていて、
このコロナ禍の2年間のうち、ジャンル内でオンラインオンリーイベントの主催を4、5回している。(1回目だけエアブー内のヤドカリイベントで、2回目以降はピクスクへ移行)
オフイベントはお休みしていると書いたが、
オフイベントを主催した経験自体はないものの、
学生時代の先輩が別ジャンルのオンリーをリアルで主催していたので、
待機列の整理とかそういう小さいものを1回手伝った事がある。
(声がよく通るから…という理由の配備らしい^^;)
またヲタクの活動ではないが、ちょっと前まで例年同窓会の幹事とかもやっていたので、
場所を予約し、当日含めて参加者とやり取りをするのは元からあまり苦ではないタイプかもしれない。
よく、リアルイベントをやりたいならリアルイベントの主催経験が必要だと
ネットには必ず書いてあるが、誰だって最初は何もない未経験からのスタートの筈だ。
身近な所に運よく主催者がいて手伝いの経験が積めればいいが、
世の中の全員が全員そういう訳にもいかないだろう。
むしろ同人のイベントの主催も社会人経験の中で得て培ったもので十分カバーできるのではないか。
(参加者への連絡もビジネスメールに近いと感じる。)
今回実施しようと思っているイベントは
オンラインイベントを複数回やった経験から
とりあえず、学校の教室1クラス単位(30人前後)の規模だったら
ギリギリ1人で回せるそうな感じだったので、これまでのオンラインイベントの主催経験と、社会人スキルの転用でなんとかチャレンジできそうな気がした。
当日のスタッフも設営が早く終わったサークル参加者の誰かに手伝ってもらう事にして、
もし他にデザイン力に優れた友人・知人がいれば頼ってもいいかもしれないが、
それ以外のもろもろ…広報・準備・デザインなどは一人でワンオペで行う事にした。
大事なのは、当日まで「何が必要で、いつまでにその準備に動けばいいか?」というシミュレーションを何回も何回も頭の中に思い浮かべて、
それを実行に移す事を惜しまないことだと思う。
アンケートと告知
とりあえず、まずはオンラインイベントの告知アカウントで
「今度オンラインイベントをやりたいんですが、参加してみたいですか…?」
というアンケート調査を行う事にした。
このアンケートを行ったのは2023年1月。
本番は2023年6月にやろうと思っていたので、実は半年を切った状態からのスタートだった。
普通だったらもっと早く1年以上前からオフラインイベントは動きだすのかもしれないのだが、
今回は年の瀬まで別の事にかかりきりで身動きがまったく取れなかったので、必然的に年明けからのスタートになった。
あとあとから知ったのだが、ビジネス会議室によっては1年も前から予約で会場を押さえるという事は会社によってはあまりやっていないらしく、
半年ぐらい前の予約でむしろちょうど良かったものだったらしい。(もしかしたら各会社により異なるかもしれない)
元々ここ2年ぐらいやっていたオンラインイベントも、
平均すると半年に1回くらいのペース(もしくは2ヶ月に1回だった事も2回ぐらいある)でやっていたので、今回の募集スパンは特別短いという事はない。
このあたりの募集スパンはジャンルや主催者にもよるだろう。
ところで何故イベントを6月のこの時期にやるのかというと、ジャンル的に25年前の6月18日に発売されたプレイステーションのゲームがシリーズの発端であり、
6月はその記念月に当たるので誰しも何かやりたい記念月だったのため、前から念願だったオフラインイベントをやろうと思ったのだ。
事前アンケートにはさらに重要な意味がある。
今回はワンオペかつ、会議室でイベントをひらくと想定しているので、
部屋を借りるために収容人数の事前の把握がどうしても必要だったのだ。
会議室の予約サイトに行くと、参加人数がおおよそ決まっていないと部屋もなにも決められない事がわかる。
できるだけ当日来てくれる人だけを前もって知っておきたい。
だからアンケートは恐縮ながら最初から「行けますか?行けませんか?」とは聞かず
イベントに出る事を前向きに検討してくださる人向けの内容にした。
こうしておかないと、
「私は地方に住んでいるのでイベントには出られません><」
「6月の予定が今わからないので出られません;」という会議室の予約には関わってこない内容の回答まで寄せられてしまう可能性があったからだ。
今回はあらかじめそういった「行けない」という声があがるのを見越して
あとでオンラインイベントもやりますと伝えて、オンオフ二段構えでイベントをやる旨を告知した。
(そうすると最初からオンラインだけ出られる人はオンラインに出ますとTwitterで宣言できる)
さて、アンケートを取った結果、
普段のオンラインイベントの時よりも数は若干減るものの、
オフラインイベントを前向きに検討してくださる回答を30人強からいただくことができた(その節は感謝!)
そうして、
サークル参加検討者数= 会場で必要な机の数
サークル&一般参加検討者数= 収容人数
という具体的な数が算出可能となり、
それらを元にいざ会議室を借りる段階に入っていける事になった。⇩
会議室もピンキリ。(とにかく禁止ルールが多い!!)
まず、そもそもビジネス会議室で同人誌即売会ができるのか?という問題から。
まず一番最初に考えないといけないのは
即売会の肝である金銭のやり取りをしていいかどうか?である。
(注※普通ヲタク用語では販売のことを「頒布※はんぷ」と置き換えて呼ぶが、ここではビジネス会議室に合わせ販売という用語を使っていく)
初手で販売行為をしてOKか否かの確認は重要である。もしNGだったら場所だけ借りても無意味になるからだ。
①販売できるかどうか
実は世の中の貸し会議室・貸しホールには販売行為を禁止しているものがとても多い。
なぜダメなのか理由は申込みのページには書かれていないものの、
過去、セミナーと銘打って怪しいものを売って設けていた人たちが多くいた時代に問題になっていたようだ。(マルチ商法など)
だから安く借りられる公共施設は特に販売行為目的の利用の一切を禁止し、
ビジネス会議室においてもそれに倣っていることがある。
世の中にビジネス会議室は数多いが、実は同人誌即売会に必要な「販売ができる」という項目を追っていくと極端に借りられる会議室の数は一気に減ってしまう。
それぐらい販売行為が可能な会議室は希少だ。
そして次に考えるのは、音とか声の問題。
②声出し・音出しOKな部屋かどうか
ヲタクというものはとかく、何かと奇声をあげがちな生き物だ。
何か見れば叫ぶ。
特に自制心というブレーキはイベントに来ると、いつも以上に壊れてしまう。
普段出さないような声がイベント会場では簡単に出る。
そうなった時、大声を出していい会議室かどうかは重要な項目になってく。
そして意外と、大声がダメな会議室は多い。
なぜなら、お仕事をしているビジネスマンはふつう部屋の中で叫ばない。
叫ぶ会議がある方がおかしいからだ。
また、会場で何かちょっとした音楽やSEを鳴らしたいとき、音楽をかけていい会場かどうかも確認事項に入ってくる。
…単独オンリーでまず何を想像するかというと、やはり会場BGMだろう。
普段耳にしている音楽がガンガンかけられている中で、購買意欲を刺激されながら買う…
何しろこれがすごくいい。
それができるかどうかも確認事項となるので確認する必要がある。
意外と音楽もダメな会議室は多い。
なぜなら普通は会議中に音楽を流して会議しないからだ。
…という訳で、①と②だけでも条件を満たす会議室は相当少なくなってしまう。
しかも今回はゲームの聖地・新宿でやりたかったので、
新宿の中で候補を絞っていくと、
なんとその中でもわずか4件くらいしか検索に残らなくなってしまった。
③窓があって換気できるか
残った件数から、写真と交通アクセスの良さから見て選んでいくのだが、やはりコロナ禍明けで気になるのは
窓がついて十分な換気ができる会議室かどうかだ。
クラスターの発生だけは避けなければならない。
中には写真で見る限りとても狭い会議室もあり、ある程度の人数も収容しつつ、ソーシャルディスタンスもとれる空間となると、広さがある程度ほしいと思った。
となると、最終的におのずと会議室は決まってくる。
今回すべての項目を満たしていたのは
スタンダード会議室(運営:スペースユース株式会社)様の所だった。
問い合わせの段
コスプレはして大丈夫なのか?
ここで予約を取りたい!と思い、
次は問い合わせの段階になるのだが、その前にもいろいろ確認しなければならない事がある。
この会場でコスプレが可能かどうかだ。
オフラインイベントの醍醐味はなんといっても、リアルで人と人とが対面する事にあり、その中にはコスプレも含まれる。
(コスプレ不可は相当困る!!!)
なので、これについてはおそるおそる問い合わせすることになった。
すべての改行が消えているので読みにくいかもしれないが
問い合わせた内容がこちら↓
すると、
スタンダード会議室様からは非常に丁寧に「内見も、コスプレも大声も大丈夫ですよ」というお返事をいただいた。(※ありがたい)
そこから会議室の内見の話に進んでいく事になるのだが、結構、その先の内見の候補日だけはなかなか決まらなかった記憶がある。
平日だと普通にどこかの企業さんが会議で使用していて空いている部屋自体がない日があったり、
土日は内見不可だったりしたからだったと思う。
(該当の建物が土日は常駐しているスタッフさんがいない建物)
とりあえずようやく内見できる日が決まって、
イベント会場になる会議室を見に行った。
会議室を実際に見に行った感想
1、ネット上に掲載されていた情報だけでは分からないこと
さっそくご担当者様と待ち合わせて会議室を見せてもらう事に。
(すごく気さくで優しい担当者さんだった)
今回入らせてもらったのはこちら↓(筆者撮影)(イベント広報アカウントより)
現地に行くと、実はネット上で見て一番いいな・使いたいなと思う一番大きなホールの方は
現在企業が長期に渡って研修で使用しているといい、今回は借りる事は叶わなかった。
時期によって(特に4月~6月)は企業説明会とか、企業研修が集中してしまうので、
連日使用中の部屋には企業さん所有の物品が置かれており、容易に外部の人間が出入りしたり、覗き見ることはできないようになっていた。
春先の繁忙期シーズンは室料も10%割り増しとなり、
この時期に会議室を借りたいと思っても期待に添えない場合があるらしい。
(特に今回は新宿という立地を希望したために、企業ビルも多く、10%割り増し期でも長期で借りる企業は複数ある感じだった。)
ネット上の情報も、掲載のタイミングなども色々あると思うのでなんとも言えないが、
見かけは空いているが問い合わせを実際してみると実は埋まっていたという事もあるかもしれない。
個人で借りたい時は前もってこまかく問い合わせする事は重要だと感じた。
なお、今回はたまたま会議をやっていない中規模の部屋を見せて頂けた。
2、実際の会議室
実際の会議室に入らせてもらうと、
本当に学校の教室1部屋分だなという感じで少し懐かしさがこみあげてきた。
会議室の広さもピンからキリまであるだろうが、今回は30人分のwebアンケートを取っていたので、広さ的にはジャストサイズだった。
學園系のジャンルだったので収まりもいい。
机はビッグサイトなんかで見かける机よりも軽量で、女性が一人でも持って歩けそうな感じの長机が置かれていた。
椅子も軽量。クッションまでついていて至れり尽くせりという感じだった。(特にクッションは気に入ってしまった)
やはりビッグサイトで思い出すあの固いパイプ椅子より、会議室は室内で長時間座ることを意識してくれているのがたまらない。
なお、机と椅子は収容数に上限があるらしく、
しかも会議室ならではの決まった定形パターンの配置があるようだった。(教室型とか、囲い型とか)
じつは今回の会議室はイベント主催者が会場をセッティングするのではなく、会議室様側がスタッフの皆さんで会場を全部セッティングしてくれ、当日の後片付けまでやってくれるという至れり尽くせりな感じのご案内をいただいた。
そこで「まず初めにどんな風な配置でお考えですか?」と尋ねられたので、
とりあえず会場の椅子の置き方とか机の並べ方のイメージをするところから始めた。
イベントのあの独特の配置の説明は
いまいち難しい。
とりあえず机を一旦ご担当者様と二人で持ち上げて、縦に並べてみようという事になった。
「机はこの長さだから縦にマックスだと3つ入りますね、横は人が通ることを考えたらいくつまでですね…」
とか数を相談しながら数え、
当日必要な机と椅子の数を割り出した上で、
メモ帳にメモし、さらにどんな風に配置をしてほしいかその場で手で描き、
それを担当者様に渡し、後日、エクセルで清書されたものを送って下さる事になった↓
じつは今回は途中でいろいろ変更になったりしたので、最終に決まるまで5往復くらいはやり取りがあったと思う。
(本当に細かい修正にもその都度対応して下さってスタンダード会議室様には感謝…!)
こんな感じで会場レイアウトは決まっていった。
次に会議室内のオプションの話もしようと思う。
椅子と机、ホワイトボード1台に関しては会議室のレンタル代に含まれているのだが、その他のものに関してはオプション料が発生する。
・演台
・マイク1本とその周辺の音響機材
・追加ホワイトボード
・パーテーション
・映像を映すスクリーン機材
↑
これらをレンタルする場合一つ一つの値段が異なっており、自分で必要なものを選ぶ事ができる。
(この中で一番高いのはスクリーン機材だったような気がする。マイクが約9000円弱で、他は1枚につき3000円くらいだっただろうか。詳しくはホームページ参照。)
今回はこれらの中からマイクと、ホワイトボードと、パーテーションのオプションを付けることにした。
もし、できるだけ予算を安くしたかったらホワイトボードを我慢したり、拡声器を持ち込む…とかもアリだとは思うが、
一応当日やってみた感じこれらのセットはやはり頼んでおいてよかった。
(ホワイトボードも余分だったかなと思いつつ、なんだかんだレクリエーション企画で役に立ってたし、壁作りにも最適だった)
パーテーションに関しては、
コスプレの着替えルームを作る際に使う。
パーテーションは2枚頼み、屏風のように広げて囲いを作ることができるのだ。
だがパーテーションをつけたのに万が一、当日コスプレイヤーが一人も来なかった時、このパーテーションレンタル代6000円+外税を捨てることになる。
(それには何としても来て頂くよりほかないが…!)
もし最初から予算を浮かせるためだけにパーテーションを頼まずコスプレ禁止にするような事はいかにも寂しい。
例え、誰もこなかったとしても、そこを救護室にする…というアイデアもアリだと思う。
床にはビニールシート敷き、大人一人横たわれる空間を作る訳だ。
一石二鳥の空間になるだろう。
余談。リアルイベントでよくコスプレイヤーからお金を余分に取るのだろう?と常々疑問に思っていたが、
部屋の中にまた着替え部屋を作るとしたら、企業イベント会場もまさにそんな感じで場所のレンタル代を含めているんだなぁ…というのは実際やってみて勉強になった。
3、飲食禁止のあれこれ
床はカーペットが一面敷かれている。走っても響かなそうだが、
ジュースをこぼしたらシミになりそうだった。
じつはこの会議室は基本的に飲食持ち込みが禁止との事だった。
じつはペットボトルの持ち込みぐらいであれば可との事だが、
それすらも持ち込み料が発生するらしい。
(なお、利用者が床にこぼしてできたシミについてはクリーニング代が別途発生するとの事)
けっこうここら辺の話はビジネス会議室ならではなのかもしれない。
まぁ飲み食いするような場所じゃないと考えれば少し納得はする。
一応会議室と提携しているお弁当屋さんがあって、そこのお弁当ならば持ち込んでもいいが、
普通の同人イベントのようにおにぎりやサンドイッチを持ち込んでサークルさんが自席で食べるという光景をやりたかったら
持ち込み料を主催者が会議室側へ支払う必要があるとの事だった。
ホームページの料金表に少し載っていたので貼り付けてみる。
(2023年上半期の情報なので、また変わるかもしれない。そこら辺はご了承いただきたい)
主催自身は食べなくても、参加者が会場に向かう道すがら駅やコンビニで何か買ってきたら、それがグミやクッキーであっても一人につき持ち込み料が発生するという事らしい。
それを主催者が事前支払いにて、会議室へと振り込む。
…となると、ふと考えてしまう。
この自己申告制では、いくらなんでも簡単にズルができてしまうのではないか??
本当は当日持ち込みしている人が沢山いるのに、主催者が支払わなければ
持ち込みは無かった事になってしまうのではなかろうか?
そこら辺を担当者さんに聞くと、担当者さんいわく
<食べ物も飲み物も、無断で持ち込んで中で飲食しても外からは確かに分からないです。
「水分補給」が当たり前のこの時代に、カバンにペットボトルを持っていない人の方が少なく、少なくともペットボトルは皆さん持ち込んでいらっしゃいます。
それをいちいちこちらから咎めることは絶対にないです。
ただ、会議室でお茶出しするとなったら、
会議室で販売しているお茶・お水も注文する事もできます。(110円~130円位)
ぜひ検討してほしいです>
との事だった。
要するに、飲料持ち込み料に関しては主催者の気持ちの問題になってくるのではないかと思う。
人体の生命維持のために水分は欠かせない。
その生命維持に欠かせないペットボトルを参加者が持ち込むのは当たり前で、
そこでお金を取る…と考えるのではなく、
会議室さん側はわざわざ、
こちらで水やお茶を用意できるから主催者さんは検討してほしいと言い添えている。
つまりここが大事なポイントで、
主催者が参加者に生命維持に必要な水やお茶を、来てくれた参加者におもてなしとして
出してお迎えしたいかどうか?
それとも何も出さずに人を迎えたいか?
そういった主催者側から参加者側への思いやりがこの飲食持ち込み料の背後にあるものであり、
もちろんお茶はタダで出すものだから、
お金など会議室に余計に支払う必要ないと思えばそれまでだし、参加者が勝手に買って持ってきた飲み物にお金を払ういわれはない、と突っぱねる事も十分できるが、
ただ、ふつう会議で人が集まるとき、
大概テーブルにお水とかお茶は用意されているものだ…そういうイメージがある。
当然これは主催者側が支払っていいものだと思う。
お金はもちろんかかるが、何か来てくれてありがとうという心は伝わると思う。
コーヒーとかでも出されたらすごく嬉しい。
逆に水もお茶も何も出して貰えない会議を想像してほしい。
何となく別に変じゃないが、寂しくはないか?
丁寧な主催者だと、自前で飲み物を買って、飲料持ち込み料も支払って会議室へ持ってきているのかもしれない。
ここは出し惜しみせず、(たとえやろうとしている事が即売会であろうとも)
会議室で飲み物をオーダーするか、自分で買って参加者へ飲み物を配り、持ち込み料も払った方がきっといい。
会議室を借りるという事においてのこれがマナー…というか真心ではないかと自分は感じた。
(もちろんそんな事はすぐに理解できた訳ではないのだが…。)
さて、飲み物の次は会議室での食事に関しても先にいろいろ書いておきたい。
これも会議室を借りるにあたり大事な事だからだ。
(昼食に関して…)
①会議室側が提携しているお弁当屋に頼むか、
②主催者が外部で買ってきたものに持ち込み料を払って配るか
③各参加者に自分で買ってきてもらって主催者が持ち込み料を払うか
という3択から選ぶ事になる。
(あくまでもこれはスタンダード会議室の話で、他の会議室の話はまた別かもしれない。)
とにかく当日のお昼ご飯をなんとかしなければならない。
もし主催者側が費用を徹底的に安く抑えたいなら、
参加者さんに自分で低予算で買ってきてもらって、主催者が(食べ物+飲み物持ち込み)440円×人数分を払った方がもちろんいい。
しかし、飲み物は別として
食べ物に関して……過去様々な同人イベントに参加したが正直昼食が楽しかった記憶はない。
席を長時間あける事はできないので、基本的には会場への行きがけに買ったコンビニのおにぎり1個とか2個とかを一人でサークルの席で食べるほかなく、
なんというか、忙しい・寂しい・ひもじいという記憶しかない。
目的が閉会までの時間その場で食い繋ぐ事だったので、食事らしいはアフターでしか食べられなかった。
だからもし自分がイベントをやるんだったら、
コンビニのおにぎり・サンドイッチで寂しく孤食するのではなく、
みんなでお弁当が食べてみたかった。
みんなで同じものを食べた方が絶対思い出になるし、たのしい。
しかも、今回はイベントの後、そのまま周辺の聖地巡礼ツアーをやろうと思っていたので、
おにぎり1個や2個ではとても持たないし、途中でエネルギー補給もできなかった。
参加者にはちゃんとお弁当を食べてもらいたい。
地方から参加するという人もいるだろうし、
当日は寂しい昼食ではなく、楽しく満腹になれるイベントにしたい。
だから今回会議室で提携しているお弁当屋で頼むことにしたが、こういった事情は人それぞれだと思う。
特に今回はお弁当を頼んだ分、参加費に関するお値段がやはりちょっと上がってしまった。
しかも今こうやって書いてきたような細かい事情は事前の申し込みページでは説明していなかったので、
イベントに申し込みしようとした人のハードルが少しあがってしまったかもしれない。(この辺の事はあとで書けたらいいなと思う)
あと、さらに会場規約の関係で一般参加者も事前申し込み制となったため、
お弁当の事も含めてこれまでの同人誌即売会とは異なるやり方になってしまった。
この辺の事もあとで少し書けたらいいなと思う。
〇お弁当と飲食持ち込みのその他の教訓
さて、お弁当の注文と、飲食持ち込みについて他にももう少し書いておきたい事がある。
イベントの準備の話から少し外れてしまうがお付き合い願いたい。
一つ目はお弁当を頼む時について。
今回は会議室と提携しているお弁当屋さんに頼む事となったが、
チラシを見るにスーパーやコンビニの価格帯と比べるとお値段は少しお高めで、
最低料金は900円前後からのスタートで、一番高いお弁当だと4000円以上する懐石料理のようなレベルのものがあったと思う。
(もちろんお弁当を頼む以外にも昼食の方法はあるが、自分で別の業者に昼食を変えると、ケータリング持ち込み料1人あたり550円が発生する可能性がある。)
普通会議は平日にやっている事が多く、
お弁当屋もそれに合わせて平日営業となる。
今回のような土曜日というイレギュラーな日に開催する運びとなると、土休日には弁当配達をやっていない業者もあったりする。
また、例えばピザの配達もそうだが「最低〇〇円以上の注文が入らなければ配達には行けません」という具合に、お弁当を頼むにも実は最低注文金額というのが決まっていて、各お弁当業者もこれをまず満たしていないと配達してもらえない。
しかも当日注文するのではなく、少なくとも1週間前には注文数を確定して予約する必要がある。
お弁当の注文を入れるにはまとまった数が必要で、その金額のラインも各お弁当業者によってもかなり異なる。
とにかく注文数と料金が規定を満たしているかどうかは非常に気にしなければならない。
今回もし配達できない金額のままだったら、その時は自分の弁当だけ懐石料理のような高額弁当に変更して発注し支払うしかない…
だが自分だけ豪華なお弁当なんて…当日絶対嫌で恥ずかしい。
そんな時のため、お弁当屋でも実はお茶屋やお水を買う事ができるので、
例えお弁当だけでは規定の金額に満たない場合でも、全員の飲み物代も含めて合計金額を上回っていれば予約注文ができる。
(ここでの発注で買った飲み物に関しては確か持ち込み料はかからなかったと記憶している。)
また、お弁当は頼むとしても当日会場へのお届けと、それから回収までがセットになっている。
お弁当の業者が後で車で回収にも来てくれるが、もちろんこれも無料ではなく、回収費用はかかる。(3千円+税を自腹でお支払いする事になる)
ただ沢山の注文がある時はこの回収費は無料になる。
このようにお弁当を会議室で頼んで食べる…となると、ざっと計算しただけでも、
業者によって15人〜30人ぐらいはお弁当を注文してもらわなければならなくなる。
つまりこの人数のラインが、イベントでの最低催行人数にもあとで深く関わってくる。
一番いいのは沢山の人が申し込んでくれることだが、リスクの面も深く考えずにただお弁当を食べたい!と考えてしまうと、後でとんでもない事にもなりかねない。(今回ちょっとだけなりかけた。)
本当に超少数精鋭でやりたいならお弁当の道は諦めて、素直に外で買ってきて持ち込み料をきちんとお支払いした方が良い。
ただ、それでもあえて書きたいが、
当日、本当に、お弁当が届いて、それを取り出して、全員に配って、みんなで談笑しながら食べて、(お弁当も美味しい業者さんで舌もうれしかった。)
最後ダンボールにお弁当の空箱を入れるところまで全部、給食みたいで本当に楽しかった!
そしてすごく思い出に残った。
金額的条件は厳しくとも、これはやってよかったと思う。
二つ目の教訓。お菓子の差し入れについて
今回当日のお昼のことだけを考えて飲食持ち込みは禁止…としたのだが、今回、自分はある同人文化のことをうっかり失念していた事に気がついた。
それは「差し入れ」の文化の事だった。
とある一般参加者の方から、「当日差し入れしてもいいですか?」と後日問い合わせを受けた。そのとき、自分自身オフラインイベントが久しぶり過ぎて
女性向けの同人イベントにおいて、お菓子交換(差し入れ)は
抜き差しならない大事な【交流の一端】をになっていることをうっかり忘れていた。
女性向け同人イベントは、
「お菓子を配りに会場に行く」…と言っても過言ではないほどお菓子はとても大事な大事なマストアイテムだ。
男性向けのイベントでは互いに名刺を交換すると聞いたが、
女性向けイベントはお名刺の代わりにお菓子を渡す。
お菓子は相手と特別親しくても、親しくなくても関係なく渡すし、
「私はこういう者です。」というのをチョイスされたお菓子が語ってくれるので、むしろお菓子は創作しない創作活動ともいえるし、それで相手と心が一気に近づくのだ。
そういう「この日のためにこの人が選んだ」というものが目の前にあるだけで、心の通い方も全然違うし、やはり気遣いの文化を感じる。
今回のイベントは最初こそ本番直前まで当日お弁当があるから食事の持ち込みはNGとしていたのだが、
差し入れの問い合わせをしてくださったおかげですぐに会議室へ問い合わせもできたし、
うっかりそういうお菓子交換の交流文化を自分が断ってしまうところだった。
(なお、会議室側からは食べないプレゼント交換はオッケーという事で、快く承諾をいただけた。)
ちなみにこの問い合わせをきっかけに、広報Twitterでも差し入れOKですよ!と大々的に周知した結果、
当日は参加者同士、みんなで大量の差し入れを交換した。
私も沢山のお菓子を頂戴して、イベントが終わってしばらくたった今でもいまだ消化しきれず休みの日にちょっとずつ頂いている。
「これは誰誰さんが地元のお菓子だ」などと当時の事を思い出しながら食べられるのはありがたい事だ。
4、最終的な会場予算
お弁当やら飲食持ち込みの話も含めて
とりあえず、ここまで会議室を借りる…となった時に発生するオプションの話をしてきた。
昔の個人主催オンリーの主催者向け準備サイトには「主催は20万の赤字を覚悟しろ!」と書いてあったような記憶があるのだが、
最後に、まだ書いていないオプションの話をしたいと思う。
会議室を借りると決めた時点でまずどれぐらいかかるのだろうか?
まず土日無人の会議室を借りる…となると
平日料金とは異なる土日料金がかかったり、スタッフ不在の店舗だと誰かに鍵を開けてもらったり、閉めてもらったりする必要がある。
その人件費(A)、
そして繁忙期シーズンに割り増し料金(B)が発生するので、
とりあえず今回は計算を出してもらったところ、
土日料金の室料×6時間、(A)と(B)、さらにお弁当代が加わって、
とりあえず10万円は軽く超えていったと思う。
もちろん、これよりも安く削りたかったら、開催時期をズラし、あるいは平日開催、もしくは有人店舗、お弁当は各自持ち込み…など
やろうと思えばできるのだが、
どうしてもこだわりたい部分があると想定した予算よりもオーバーしていく事は考えられる。
もしかしたら各会議室ごとの独自のルールみたいなのがあって、当初予定していた予算は後から変わっていくかもしれない。
予算は常にオーバーするものと肝に命じなければならない。
今回のこの時点でサークル申し込みは始まっていないが、とりあえず初期費用としては10万円ぐらいかかるという事はわかった。
なお、これ以外のもの…
主催者が当日参加者に配る印刷物の料金はまた別途払いになるので、出費はこのあとさらに未知数で増えていく事になる。(後述)
とりあえず現時点でのこの金額は誰かの参考になる数字だとは思う。
ここまで書いたことについて大体サイトに掲載してあるので、
詳しくはホームページを参照↓
https://www.spaceuse.co.jp/
追記)
今回はとにかく当日に沢山賑やかに騒いでもいいように、なるべく企業さんが借りている部屋とは隣接しないようにお願いをした。
また、繁忙期の土曜日なので新たな予約が入る可能性はあったのだが、その際もあとから借りる人に、こちらの部屋が大きな声を出したり音楽をかけてお邪魔するかもしれない旨を宜しく伝えてくださいとお願いした。
なお、結局当日は両サイドならびに、下の階の部屋も誰もおらず、貸し切り状態でのびのびと過ごす事ができた。感謝したい。
いざ、サークル募集開始…
①サークル募集開始と支払い方法
会場のことが大まかに決まり、いよいよ大々的に告知するターンに入っていく。
告知サイトは今使っているこのnoteにした。
https://note.com/ounira/n/n7b3979b752c1
(この時イベント開催の4か月前)
今回は個人主催で、あまり広いキャパでもないし、
そんなに多くの参加者がいらっしゃらない事も事前にアンケートで知っていたので、とりあえずキャパの関係で18サークルの募集とした。
(これ以上募集するとこの会場規模だと机も入らず人の動線がキツくなる)
募集締め切りも、6月中旬開催に対し5月下旬とかなりユルめに設定。
一般参加に至っては6月上旬の締め切りとした。
ただ、サークル参加および一般参加者の参加費の計算はけっこう悩んだ覚えがある。
前述のお弁当があったのと、場所やオプションのレンタル代と…それからまだこれからどれだけ雑費や印刷代が上乗せされるか未知数だった。
大所帯ジャンルだったらもうちょっと費用は安くできたと思うが、
いかんせんそこまで大きなジャンルではない。
結局価格はそれぞれ
サークル参加…5000円前後
一般参加…2000円前後
という値段設定にした。
これらには入場料・お弁当・それから当日配る会場図などの配付物代も含まれている。
(ちなみに参考価格として、ビッグサイトで行われる企業オンリーのサークル参加相場は7000円、一般は2000円。
流通センターだと4500円以内、一般は1000円前後。※いずれも昼食なし。)
今回注文するお弁当はせめて購入者側で最初に2~3種類の中から選べる形にした。
(その2~3種類は主催者がお弁当屋のチラシの中から原作ゲームっぽいものを探して厳選したもの)
・支払い方法について
支払い方法については
誰でもオンライン決済のできるメンバーペイさんを利用する事にした。
支払い方法をメンバーペイさんにしたい!と思った決め手↓↓
(主催者側メリット)
・登録が簡単
・操作や編集が簡単
・全員面倒なアプリのダウンロードが要らない
・スマホでいつでも入金確認ができる
・手数料は多少引かれるものの、他サービスのようにガッポリと取られずダメージがとても少ない
・購入者だけがダウンロードできるコンテンツを用意する事ができ、そこにサークル参加者にしか配布しない画像コンテンツなども用意できる(サークルチケットとか、サークルカットとか)
(参加者側メリット)
・振込方法が現金払い(コンビニ支払い)、クレジットカードか選べる
・本名を知られたくない人でもゲスト購入(HNやPN)で買う事ができる
・手数料が100円
・メールアドレスは必須だが住所記入不要。
デメリット)
・PC環境によってダウンロードコンテンツとしてPNG画像はすんなり表示されないらしい。(約2名問い合わせアリ)
※ただしメンバーペイのページに画像が見れない場合はここをクリックして
とすぐ下に案内が出ているので、ご本人たちが自ら気づくことができている。
ちなみに今回は郵送を介さないデジタルチケットを発行しようという事で、
サークル参加者と一般参加者にはこんなものをダウンロードコンテンツで渡していた。
サークルチケット(お弁当込み)⇩
※写真著作権問題あったらすみません。
これらはアレルギーの確認と共に、
それぞれがメンバーペイさんで購入したよ、と言う証になるので
一応スマホに保存してもらい、会場に来たら見せてもらう…という約束にした。
しかもこれらの画像は未購入者が画像だけ拾って、当日さも払ったように見せかけるのを防ぐため、SNSにまるごとアップしないでくれという風にお願いをした。
今はもうイベントも終了しているので、こんな感じでやっていたよ、というサンプルとしてアップしてしまうが、チラッとても見てくれたら嬉しい。
その他のチケットはこんな感じ⇩
これらを全部で7~8種類1日がかりで作る。
しかし悲しい哉、デジタルで作ったものは特に形には残らない。
たが、なんとなくイベントっぽい感じはするので作って良い経験になったなぁと思う。
あと、お弁当の説明文なども無駄にこだわっていたので勿体ない精神で掲載↓^^;
●会場規約(※大事なこと)
今回、一般参加の人も事前申し込み制にしているのはお弁当の発注も理由の一つではあるのだが、
ビジネス会議室の規約の一つとして
「不特定多数の出入りはできない」というものがある。
これは不特定な人…つまり
「主催者が把握できない人は
会場に入れることはできませんよ」=誰だかわからない人が当日いきなりやってきてイベントに参加することはできませんよ
という事でもある。
実は会議室を見学しに行った日、担当者様にこんな事を言われた。
「ここを当日借りる人は、主催者さん側でどんな人が来るか、例えば会員さまであったり皆さんの事は把握されるんですよね?」と。
つまり、今まで昔ながらの同人イベントでは
当日ふらっと会場に来ればパンフレットを購入して、名前も何も明かさずに参加できたのだが、
このビジネス会議室を借りたオフ会形式のイベントをする上では
名前と連絡先を全員主催者が把握する事が必須事項になってくるそうだ。
ここが今までの個人主催オンリーと会議室でやるオンリーの一番決定的に違う所ではないだろうか。
つまり、一般参加を希望したとしても不特定の人間の出入りはできない……自分を明かさない秘匿状態での参加ができない。
ネガティブに考えると、
主催者に身元を把握されるのが嫌な人は、会場には行けなくなってしまう。
欲しい本があっても身バレなくしては買いに行けなくなるのだ。
そうなると必然的に土曜日がヒマだったとしても、欲しい本はオンラインイベントで通販する事になる。
今回そういった人が全体で何人いるか統計を取ってはいないのでわからないが、
とにかく事前申し込み+Twitterネーム開示+お弁当
という、ハードルが積み重なった事で、
身バレしつつ、長時間滞在の縛りが出来てしまった事は確かだろう。
(逆にお昼はいらない、短期滞在でいいという人の為に、のちに当日券も検討。)
今回こういった身バレスタイルは初めてだったので、戸惑った人ももしかしたらいたかもしれない。
とにかくビジネス会議室でイベントをやる時は、このように最初から最後まで身バレなしで帰る事はできない事は覚えておいてほしい。
だから一般参加者であっても事前申込が必須になるのだ…。
②サークルカットの記入と提出
さて、サークル参加者希望者には、メンバーペイのダウンロードボタンからサークルカット記入用紙を配る事になっていた。
普通、昔のオンリーイベントだったら
サークルカットと申し込用紙を一緒に提出するのが当たり前だが、
記入しようにも申し込の時点である程度どんな本・グッズを出すのかを先に決めていないといけないという、長期的な見通しが必要だった。
しかしここ2、3年で発達したオンラインイベントの方では、結構申し込みだけは先にしてしまい、
イベントのギリギリまでサークルカットの用意を後回しに出来ていた。
ここ最近はむしろその形式に慣れていたので、
今回の 個人主催イベントでもその方法を輸入して採用する事にした。
サークルカットだけ締め切りは後ろの方にズラし、先にサークル参加希望者の方々には頒布物の制作に専念してもらった。
これのおかげで今回、自分もかなり助かった。
ちなみにサークルカット台紙はこんな感じ。
一応PNGかPDFでの提出で頼み、PNGでの画像編集が困難な方のご案内なども少し書いた。
ちなみにカットの提出先は…昔なつかしの掲示板!
じつは今回各サークルからサークルカットを集める事において、どのような方法がいいか悩んでいた。
twitterだとツイートもダイレクトメールも画像が縮小されてしまう。
メールのやり取りでは添付ファイル付きのメールはブロックされる可能性や容量オーバーで戻される可能性もあった。
また、ギガファイル便など、外部にアップロードしてURLを添付する方法もあったのだが…
もっと良い方法がないか探していた。
じつは何気なくある日、サークルの連絡のやり取りのために掲示板をレンタルしようとアクセスした時、
投稿した画像が縮尺変更なし100%サイズでアップロードが可能で、かつ画像保存ができる事がわかり、
主催者にとって大変都合の良い画像提出先がこれだと分かったのだ。
しかもこのページは、サークル参加者にしか教えなければ、外部の人に見られる心配もなかった。
なので、こちらの掲示板ににサークルの皆さんにサークルカットを投稿してもらう事にした。
そしてカットに修正があればその都度返信欄に書き込みをして、再投稿してもらったりできたので、やり取りもスムーズですごく助かった。
ただ、サークル同士では先にお互いのサークルカットを当日を迎える前に見れてしまうメリット&デメリットはあるが、
誰かが投稿しているのを見て、それを参考にカットを描く事もできるし、
まだ修羅場の只中にいる人にとっては、当日こんな皆さんが参加されるんだ…!とスレッドを見て元気も貰える。
ちなみにサークルカット台紙には思いっきりペーパーラリーをやりますと書いていたが、結局やっていない。
今回はカット内にいっぱい文字を書いてしまう人もいなかった。よかった。
結局今回全員カラーイラストにてカットを提出いただいた。
ご協力に感謝をしたい。
(次回があったらまたこのBBSを使いたい。 便利!)
③アフター、二次会、三次会の企画立て。
今回はイベントだけ企画して終わり…ではなく、聖地巡礼ツアーと二次会三次会の企画も行った。
せっかく都心まで行ってイベントへ出るなら一日最後まで遊び尽くしたいと思ったからだ。
ちなみに詳細はこんな感じ…!↓
詳しくはリンク先を参照してほしいのだが、
主催の方では街歩きのルート選定、レストラン探し&予約、カラオケボックス探し&予約…
などをそれぞれ行った。
三次会のカラオケボックス内の企画だけは自分が考えたのではなく、
とある参加者から
「自分が持っている古(いにしえ)のお宝同人誌を是非読んでもらいたい。
他の参加者のも読んでみたい。みんなで持ち寄って古の同人誌読書大会がしたい」
という声が寄せられ、それによってこの「三次会=古の同人誌読書大会」企画が誕生した。
さっそく広報Twitterでお知らせしたところ、かなり反響があった企画と思う。
私自身も今は手に入らないお宝同人誌がすごく読んでみたかったし、ジャンルは25年の歴史があるので一番ピークの頃の…
今から20年近く昔の頃の同人誌をリアルタイムで買って持っている人も今やレアである。
(捨ててしまったり売ってしまった人も中にはいる。)
特に今も現役で走る古参はまだしも、
途中から入った新規勢にとって今はジャンルは下火…(あったか保温状態??)なので、
どうしても読みたければ同人ショップで血眼になって探して買いそろえるしかなかった。
そんなお宝同人誌の数々を拝む機会は滅多にない。
ありがたい!楽しみ…!
ちなみにこの三次会の様子はアフターレポートに書いたが、サークル参加者の半数近くが参加してくださった。
中には段ボール一箱分持ってきた猛者までおり、「これでも厳選したんですよ」とのなかなかのコメントを残した。(ありがたい)
夜遅い時間(21時~23時)での開催だったので、残りの半数は参加したいけど明日のために帰らなきゃ…と残念そうだった。
最古参のサークルの方も読書会に参加できなかった組であり、
「後日別開催してくだされば、一人で大量に持って行きます」との事だった^^;
古の読書会は正直これだけで半日余裕で消費できる企画だったので、
もし次回イベントがあった時、街歩きがなければ読書会メインで企画立て&検討してみるのもいいかもしれないと思う。
ただ、部屋の広さ、人数的にはカラオケボックスでちょうど良かった気がする。
ドリンクバーもあったのでヘビロテできて助かった。
(申込時の反省点)
二次会、三次会については事前申し込み制としてグーグルフォームを設置していたのだが、
他にいくつもグーグルフォームを使っていたせいで
途中で管理が行き渡らなくなってしまい、
せっかく各種回答を送ってくれた方にも迷惑がかかってしまったので、
最初からTwitterのダイレクトメールに連絡を絞るなどした方が良かったなと思った。反省。
●聖地巡礼街歩きの舞台裏
イベント終了後出発した聖地巡礼ツアーの企画の事も書こうと思う。
イベント(即売会)の準備の話からまた少しまた遠のいてしまうがお付き合いいただきたい。
ジュヴナイル伝奇には新宿を舞台にしたものがいっぱい出てくる。
なぜ新宿が舞台なのか?については公式書籍をご参照、といきたいところだが、
ざっくり書くと、新宿という土地は日本に流れる込む龍脈の咢(あぎと)の部分にあたるとも言われ、
江戸時代の頃から様々なもの(人や物資)が集まる場所でもあった。
そういうオカルティックな事を扱っているゲームであるがゆえに新宿は特に聖地となっている。
その当時のファンならいざ知らず、
ここ近年でどっぷり沼った人間にとって、新宿は様変わりした街だと思う。
仕事でよく新宿は通るのであちこち歩いてはいるのだが、ゲームの中に収録された当時の様子と今の様子は背景も大分異なっている。
ただ各所に散らばっている聖地を一日で見て回った事はなく、
街歩きに関しては、数か月前から仕事の合間をぬって実地を歩き、より効率的なルートはないかリサーチする事にした。
また、ゲーム内で見た事はあるんだけど今はあまりに様変わりしすぎて
イマイチどこだかわかりづらい&特定しなければならない所がいくつかあったので、
そういった所もスッキリさせるために重点を置いて調べる事にした。
ちなみに昔だったらそういう聖地巡礼好きのファンが個人サイトに情報を載せてくれていたりしたものだが、探せど探せど
いまや古のサイトはもうほとんどが死に絶えていて参考にできない…。
自力で探すほかなかったのである…。
とりあえず自分の足で探してここではないか?と思った場所の写真を載せたいと思う。
この周辺の場所もゲームリリース当初から25年が経過し、景色はすっかり変わっている。
店の様子も相当違っていふ。
もしかしたら昔の古いファンなら「当時の現地の写真」なども持っていて、場所はすぐわかったかもしれないが、とりあえず今探すとなった時、一番奥に見える区役所を目印とさせてもらった。
周辺の景色を何枚も写真撮影したが、ゲーム画面にわずかに見える奥に窓のある建物が写るのはこの区役所が見える通りのみだった。
(他にはこれと似たような外観のラブホテルが映る通りがあるくらい)
区役所であれば、おそらく25年前とそう建物も変わらないと思うので、何度も歩いた末に恐らくこの通りだと見切りをつけさせてもらっている。
(もし公式スタッフさんがいたら「ここじゃないよ」という声があるかもしれないが…)
とりあえず令和の資料として残しておきたいと思う。
そうしていくつかの場所を特定していき、それらの聖地を最短ルートで結び、一気に歩けるよう何度かシミュレーションをした。
ちなみに今回聖地巡礼で回った箇所は全部で10~15箇所だったと思う。(所要時間3時間)
実際この聖地巡礼のためには何か月も前から準備を始めたが、こういう体力勝負の事は時間のある時に進めるに限るので準備期間に関しては正解だった。
(間際になると忙しくなってしまい、歩きに行く時間すら取れなかった。)
ちなみに後日古参ファンのある人が
「新宿は広いし、まさかあれを全部一日で歩いたなんて参加者の皆さんが信じられない…」と言っていた。
自分でも確かに通しでフルに全部回ったのは当日一回きりだったので、
精神的にも体力的にもツライ…文字通りの聖地巡礼を一緒に歩んだ。参加者にはただただ感謝をしたい。御礼申し上げる。
一緒に「ここで◯◯は××してたのか…」とかワイワイ妄想をしながら街の中をおしゃべりしながら歩いたのはとても楽しい思い出になった…!
●ハンディキャップをもつ人
サークル参加募集とそれから一般参加募集が始まって間もない頃、
さっそく数名の方がお申込みをしてくださり、その時とある参加者から相談を受けた。
じつはイベントでは二次回三次会街歩きの他にも、イベントの会場内でも当日企画でレクリエーションをやると決めていたのだが、
その具体的な内容は当日明かそうと思っていたので、告知サイトでは特に書かずに伏せていた。
その企画について、ハンディキャップを持つ人間でも参加できるのか?という問い合わせを頂いたのだ。
ちなみに当日企画は「ジュヴナイル伝奇版あるあるフルーツバスケット※ゲーム内のあるあるを話してフルーツバスケットする」というゲーム企画だった。
実は自分は今までサークル参加してきて、イベント会場ではそれこそ…目が見え、耳が聞こえ、話すことができ、歩くことができて、手を動かして描く事ができる…
そういういわゆる「健常者」としか出会ったことがなかった。
今回の企画も全て、そのいわゆる「健常者」を基準に全ての物事を考えていた。
だから最初問い合わせが来たときものすごくびっくりしたのを覚えている。
ハンディキャップを持つヲタクと人生初めて話したし、それが自分の主催するイベントだった事にびっくりした。
しかも今回自分でも初めてのオフラインイベントの主催でドキドキしている所にその問い合わせが来たので、色々な事を考えさせられたし、正直プレッシャーも感じた。
それとどう向き合い乗り越えたのか、なるべく自分の事だけ少し書き残したいと思う。
ところで今までのイベント参加では、何故ハンディキャップを持つ方とそもそも会場で出会った事がなかったのだろう…?
おそらくだが、昔のイベントでは、そういった場にうかつに遊びに行けない雰囲気があったのではないだろうか。
もちろんその中で努力している人は沢山いたことだろうが、今より参加に難しい一面があり、見かけなかったのではないだろうかと想像する。
しかし今は多様化が進み、どんな人もどんな事でも気軽に何でも楽しんでいい時代だ。
しかも今はスマホのアプリがものすごく発達した時代で、そういうものが生活を補助してくれる場面がいっぱいある。
問い合わせてくれた彼女は、そんな時代のなかで、自分が楽しむために、自分が努力するタイプの人のように感じた。
むしろ私は新しい人に出会ったような気がした。
とりあえずレクリエーション企画の内容をすぐ説明し、それからその人でも参加できるようにレクリエーション企画を作り替える必要が出てきて、
その場でこういう風に変えたいと思うがどうか?という風にいくつか提案した。
お互い意見を出し合い、当日の設営の手伝いなどもなるべく自分のサークルだけに専念できるよう話し合い、とりあえず当日なんとかできるよう調整した。
そして、後日100円ショップへ出かけ、その人がイベントで少しでも過ごしやすく感じてもらえるようなグッズは何かないか色々探しに向かった。
だが、やはりそういう人と普段接した事のない未経験の不安や緊張・プレッシャーも傍らには感じていた。
何しろ普段の生活でもそういうタイプの人がいなかったので、どう対処して接すればいいのかわからなかった。
彼女の力になりたいけど正直初のイベント主催をしながら細かいケアまでできるのだろうか…?
焦りと不安がだんだんとのしかかって苦しくなってしまった。
一人で誰にも相談できず、長い間悩みを抱え込んでしまい、ついにある日実家に帰ったおり、同じく最近、重度のハンディキャップを背負う事になった父親に相談する事にした。
「今度、自分が企画するオフ会にハンディキャップを持つ人が地方から参加してくれる事になったのだけどどうしたらいいの…?」と尋ねると、
父は嬉しそうな顔でこう言った。
「いやぁ、ハンディキャップを持つ人が東京のど真ん中に出てきて、
お友達に会って、趣味を思いっきり楽しみたい…
本当に素晴らしい時代になったじゃないか。
ものすごく大変な事なんだぞ、東京に出かけるってのは。
人もものすごく多いし。
駅の構内を歩いて乗り換えなんか特に大変だ。
でもその大変さを乗り越える熱意と覚悟で、申し込んでくれたんだろ?その人は。
なんて前のめりな姿勢だと思わないか。
よほどそのオフ会が楽しみなんだよ。
…わかるか?
その楽しみな事のために生きることがどれだけ大切な事か。
その気持ちを主催者が応援してやれないでどうする?
大丈夫、その人だって自分で沢山準備してくるさ。
だからくれぐれもその人の事を絶対に邪険に扱ったりなんかしちゃだめだぞ。
楽しみだという気持ちをそのまま受け入れてやる事が大切だ」
とアドバイスをもらった。
何かハッとした。
それから、一人で抱え込むのをやめて、
ハンディキャップを持つ人が身近にいる人、
それから当日のイベントの中でも特にベテランの人にどうしたら良いだろうかと相談したりした。
すると、当日はそのベテランの人が本当に色々助けてくれた。
まるで親密な姉妹のように、彼女と積極的に接してくれ、彼女が過ごしやすいようにしてくれた。おかげで彼女もすごく楽しそうだった。
なお、彼女は二次会のお食事の際、いろんな人にお皿を配ってくれたり、盛り付けをしたりしながら積極的に行動し、あるいは周囲とコミュニケーションをとってくれた。
本当に沢山の事が勉強になった。
いろんな人に感謝しなくてはいけないイベントになった。
(↑今書いてきたような事は、触れちゃいけないことだから書くな!という人も勿論いるだろうと思うが、これらを逆に最初からなかった事にもしたくない…。ただ、もし本人から消すよう言われた場合は消すつもりである。)
④当日の配付物の作成
さて、少し時系列が前後するが、
即売会準備の話に戻っていきたい。
その他、主催側で準備したものの話を書こうと思う。
まず、当日の会場での配付物。
各サークルに掲示板にて提出いただいたサークルカットを集めたぺーパーフォルダーを企画していた。
いまはもう印刷所と提携したパンフレットもあまり流行らないというか、
企業オンリーでもパンフレットがどんどん軽量化していき…最終的には紙1枚…
なんて事もあったりなかったりするので、
この際時代の流れから思い切ってパンフレットは廃止しようと決めていた。
また、自分の中では当日の会場では分厚い厚紙のキラキラのホログラムをあしらった【特注のぺーパーフォルダー】があったら良いなと思っていた。
・当日の注意書き
・各サークルさんのコメント
・各サークルさんが配っているぺーパー
↑これらを挟んでもらったら実用的でいいのではないか。
ちなみに入稿させていただいたものはこんな感じのイメージ⇩
…ところが…じつはこういったグッズ入稿は、けっこう時間がかかるらしく
(※本の入稿よりもはるかに時間がかかる)
先にこういったものを優先的に片付けなければならなかったのを、その辺の徹底的なリサーチが甘かったせいで、
厚紙フォルダーをいざ入稿しようと思ったら、なんと既に締め切りを半日も過ぎていたのだ…(※しかも特急入稿不可!)
一瞬天を仰ぎ、頼みたかった印刷所は諦めて何社も駆けずり回るようにサイトを見て回ったが、結果は変わらずだった。
ただ、クリアファイルへの変更であればまだ 数日余裕をもって間に合うというので、泣く泣く厚紙ではなくクリアファイルに変更し、オプション乗せでお願いする事にした…。
ちなみに、材質をクリアファイルに変更した事によって、のちに、オンラインイベントの通販でこれを送る時にものすごく助けられた。
厚紙ファイルのままだとたぶん…ネコポスの発送袋におそらく入れることはできなかったと思う。
クリアファイルにしたからこそ遠方の人にも送れた…
まさに怪我の功名だった。
通販の事までさすがにこの準備期間中には頭に描けなかった。
ちなみに完成したファイルと、当日ファイルに挟み込んでいた紙はこんな感じ。
写真には写っていないが、
この配布資料には各サークルの25周年の叫び・コメントなども収録されている。
それからタイムテーブル、ゲームに出てくる学校の校歌の歌詞カード、
1998年の新宿と2004年の新宿の比較写真など、ちょっとしたものが詰め込まれていた。
なお、個人主催オンリーイベント定番の当日の注意書き…(走るな!とか人に迷惑かけるな!とかコミカルな漫画スタイルで書かれたもの)はちょっと用意できなかったので、
注意書きに関しては当日ホワイトボードに手書きして掲示することにした。
今回はこのように従来のパンフレットを廃止した分、なるべく良い紙に印刷をしたいと考えたので、色紙を用意した。
パッと見、内容物はヲタっぽくなかったので、家の近所の印刷屋さんでこれらを印刷させてもらう事にした。
ただ色紙が厚かったせいでめちゃくちゃ紙詰まりし、おじいちゃん店主がキレそうだった…^^;(もうあまりに強烈な思い出だったので書こうと思う。おじいちゃんごめんよ…。)
こういうちょっとした印刷ももし時間があったら印刷所に頼んでもいいかもしれない。
今回こういうお絵描きソフトを使って主催が用意したのものは
このクリアファイル資料一式と、
当日の入り口に貼る看板と、
フォトスポット用のポスターづくり(ネットプリントに登録すればコンビニで作れる)
告知用のnoteの記事に貼り付けるキャライラスト、
告知用のサークル配置図づくりぐらいだったかなと思う。
結構ノベルティ配布に力を入れるイベントだと、ロゴ作りから何まで豪華グッズを沢山用意したりすると思うのだが、
(暇つぶしのピクロス、クロスワードパズルまで用意するイベントもあった気がするが…)
今回はこじんまりとしたワンオペイベントでもあったので、こんな感じでユルユルの必要最低限の準備だけでもできるよ〜〜という事で参考になれば幸いだ。
⑤その他用意したもの
今回のイベントは不特定多数の人を入れることができない関係で、各参加者の名前を主催者側で把握する必要があり、
規約を満たすためにもネームタグをつけてもらおうと考えた。
事前にネット通販でネームタグを注文。
当日は各自自分が選んだお弁当を食べる事になるので、グループ分けできるよう、あらかじめひもの色でお弁当がわかるように色を2種類頼んだ。
透明のカードスリーブ部分には各自、白いカードに名前を書いてもらって入れてもらう形だ。
その他主に100円ショップで用意したのは…
・名前を書く白い名刺大のカード
・名前を書くための黒マジック×3本
・ネームタグを装飾するためのカラーペン12色
・コスプレ着替え所のためのビニルシート
・当日の会場を飾る花
・金銭授受トレー
・除菌ウェットティッシュ(当日参加サークルへ配布物)
・ごみ袋(本部席と、それから当日参加サークルへ配布物)
・使い捨てマスク(当日参加サークルへ配布物)
その他ネット注文
→一般参加者サークル参加者のための手さげ袋
(中身が見えない黒いビニール手さげ袋)
この辺りだろうか。
こういった物の発注や買い出しは
準備段階ですぐとんとん拍子で進む訳ではなく、
一旦参加者の各種申し込み締め切りが終わらないと数が確定できず作業が進まないものもあった。
(全部にとりかかれたのはイベント間際だったと思う。)
今回、会場規約とお弁当を事前発注する関係で一般参加者も含めて事前に全収容人数がわかっていたのがすごく大きく、
どの程度発注すればいいかあらかじめ主催者には全部わかるのもありがたい側面だと感じた。
(もちろん当日飛び入り参加者枠もあるので予備は少し用意する)
会場で配ったクリアファイルはきちんとお持ち帰りできるようにしたかったので、
A4サイズの黒いビニール手さげ袋も頼んだが当日とても好評だった。
買った物の中身が見えない黒い袋は、物が隠せてありがたい^^
あと、今回はサークル参加者の中には朝早くから夜23時近くまで企画でご一緒する方もいるので、衛生面のノベルティ(マスク、ウエットティッシュ)はお配りしたいなと思っていた。
逆に買ったけど全く使わなかったのは電子機器類。
会場BGMを聴かせるためのスピーカー、延長ケーブルは逆にまったく使う暇も機会もなかった…;(開封してる時間もなかった)
また次回があったら使うチャンスが巡ってくるだろうが…。
さらに参加者の手持ち無沙汰な時間帯がないように、特典DVDもどこかで見ようと思って家から視聴機器を一式持っていったのだが、そんなヒマも全くなかった…。
意外とイベント当日は暇な時間はどこにも無いのかもしれない。
●費用回収のよもやま話
以上もろもろ、会場費の他の雑費を入れて(使わなかったスピーカーなどは除く)
出費は15万前後ぐらいになったと思う。
今回のイベントでは、これをサークル&一般参加の参加費と、
それから後日開催するオンラインイベントの参加費で回収する事を目標としていた。
(完全個人主催オンリーの場合、ピクスクのオンラインイベントの告知は問題なくできる。)
一応オフラインの方もサークルが満了した場合や、或いは一般参加の方が集まれば、ある程度のところまでは回収できる計算にはなっている。
ところで、この費用回収については昔の(今もそうかもしれないが)同人オンリーで、
イベント主催者がイベント記念アンソロジーを作り、それを頒布する事によってイベントの出費回収を兼ねている事が多いのだそうだ。
そういえば…とふと思い出されるのは、少し前のTwitterでの出来事で、
別ジャンルの主催者がイベント記念アンソロを出そうとしているのと並んで
他の参加者も記念アンソロ出そうとして第三者介入で揉めたというウワサ話である。
その当時その話題でなぜそれがそんなに問題になるのかがイマイチぴんとこなかったのだが、
今になってみると、確かにイベントの主催者が出費をアンソロの売上で回収しようとした折、
横で豪華で派手な記念アンソロを誰かが企画してしまったら、
執筆者も購入者もそちらに流れてしまい、費用回収のアテが外れ大損害を被る事になるだろうな…と考えると、確かに大変な事のような気もしてくる。
(別ジャンルの噂話なので詳しく知らず申し訳ない)
むしろいまも、記念アンソロジーによって費用を回収するしくみは現役で、他のオンラインイベントでもその形式を見かけたのでつい感心してしまうくらいだった。
主催者の裁量によっては多忙の中でもきっと発行可能はだろう。
残念な事に自分はアンソロジーの主催経験は無く、しかも今回はイベントの立ち上げから本番まで4か月ぐらいだったため、
アンソロの為の独立した予算をつくるのも難しかった。
おのおのサークル参加者もおそらく自分の原稿で手一杯だったと思う。
後日開催したオンラインイベントの方にはアンソロジーを出しているサークルは2サークルぐらいあった。
それらを含めて思うに…
最近の世の中に出回るアンソロはけっこうテーマが細分化していて、ノリも含めて良い意味での大喜利大会に近いと個人的に感じる。
お題が出て、それに対する書き手のレスポンスを集めてできていて、
面白いアンソロ=お題が面白い=参加者の返しが面白い
…こんなイメージがある。
だから、ただ普通に作家さんを集めてアンソロを作っても、何かテーマが明確にできなければ無個性な集合体になりそうな感じがするので、
記念アンソロジーと銘打っただけでは自分自身ではきっとパンチが足りないものしかできないなと感じるのだ。(個人の意見)
あと主催の性格もあるだろう。
自分の場合は企画はイベントの方に全部注ぎ込みたいタイプだし、個人誌もちょっと分厚いタイプなので、
そこに並行して面白アンソロもやるというのはかなり難しい。
必然的にアンソロ作りに頼らない費用回収手段を取る事になる。
今回は後日開催したオンラインイベントの方で
非常に多くの方にサポートプラスによる援助をしていただいた。
オフライン+オンライン参加費だけでなんと出費の3分の2ぐらい迄まかなうことができた。
全てを黒字にする事は叶わなくても、少ない赤字で済んだ事は本当にありがたい事だ。
それぞれに参加いただいた参加者に改めて感謝したい。
●個人主催で、個人誌を会場へ直接搬入したい時の事
今回、主催をしながら個人誌を出したのでその時にドキリとした事を書こうと思う。
今回は恥ずかしながら超ギリギリの特急入稿をし、会場である会議室にそのまま直接搬入しようとしていたのである…。
そして印刷所さんに搬入に際して電話したおり、こんなことを指摘された。
(今回は特に会議室で行うイベントでだと伝えて…↓)
・このイベントはビッグサイトなどで行われるイベントではないのですね?
都内の場所に搬入することはできますけど、まず、この場所のイベント主催者さんから
最低限全国各地から搬入物を集めるために、
「いついつまでに搬出を済ませて欲しい」
という通知は来ていますか?
・それから、主催者さんから「水濡厳禁」「下積み禁止」などダンボールに記載すべき注書きの指定はありますか?
主催者さんは何と言っていますか??
…と。
まさか入稿しようとしているのが主催者自身であり、現物を搬入をしたくて尋ねているとはつゆ知らず、印刷所さんは確認事項を色々とお尋ねになったのだ。
こちらも、まさかそんな風にイベント搬入物には細かいルールがそもそもあるとは知らず、この時の電話で知った…。
えっ…;搬出日指定…注意書き指定…??
そういえば、過去参加した同人イベントを思い返すと…確かにイベントチケットと共に、搬入用のスペースナンバーを書き込めるシートを一緒に同封されていた事がある。
しかも○日前には搬出を完了させてくださいなど…うっすら書いてあった気もする…。
そうか、あれらはそういう意味だったのか…
イベントとは一回主催してみるものである。
どれも参加者への通達事項として必要な事だったとは…。
改めて戦々恐々となりながら備考欄に「水濡厳禁」でお願いします…と書いたような気がする。
(もちろん会議室の詳しい住所も添えて※)
しかも前々日に前日の当日搬入のお願いをしてしまったので
「この宅急便の忙しいご時世、翌日の午前に届くかどうかわかりませんよ」と念を押された。
確かにギリギリのギリギリ入稿をしてしまった場合、当日会場に荷物が届くかどうかすらわからないとなると…
もし指定された時間に届かなかった場合、その荷物を巡って、当日はきっと荷物の再配達を巡って、会場その他に多大な迷惑がかかるのは必定だ。
だから主催者は前もって沖縄、北海道からの参加者から届く場合も考え、
発送完了日の指定をイベント全体で事前に周知する。その事は非常に大事な事だと感じた。
次回もし会議室でイベントをひらく事があったらこの辺りの事は気に留めたいと思う。
今回は勉強になったとはいえ、印刷所には多大なるご迷惑をおかけしてしまった。(新刊はページ数が560ぺージぐらい。もっと10分の1ぐらい薄ければこんな事にはならなかったはず…。4ヶ月の間オンオフ主催をしつつ、この本もゼロからどうしても描きたかったので遅くなってしまった…)
電話で沢山お叱りを受けつつ、それでも印刷所側が本当に本当にがんばってくださって、
当日午前11時ごろ、新刊が会議室に到着した時は奇跡過ぎて涙が出かけた。
(ちなみにこの神対応をしてくださったのは関西のK社さん。)
次回イベントは何としても宅急便の日数の周知をできるよう自分でも気をつけたい。
ともかく「水濡れ厳禁」と書かれた段ボールの現物と対面できて本当に本当にありがたかった。
・イベント会場と荷物搬入
イベント会場に荷物を送るにしても、
会場のどこかで荷物を溜めておく場所があればいいが、会場側にそういった場所が無ければ、午前中に荷物を指定した上で、本人が受け取りをしなければならない。
しかも宅急便の受け取りが午前指定の場合、
朝8時に荷物が届いてしまう可能性もある。
この時置き配が不可の荷物の場合、
宅急便の指定到着時刻に合わせて、受け取り手も早く会場へ行かなければならない。
その事については会議室のご担当者様にも事前にいろいろ相談したりなどした。
企業イベントや、同人イベントをよく行っている会場ならともかく、
会議室での個人主催の場合、送る以前の段階で色々相談しておかなければならない。
(今回はものすごく親身に相談に乗っていただいた)
それでなくとも同人イベントの主催者たちが当日の朝とても早起きして会場につめかけているのも、早く行けば当日に届く荷物の受け取りを損なう心配をしなくいいからだろう。
とにかく事前相談をしてみる事が大切だ。
今回は会議室の担当者さんが当日の朝わざわざ会場に来てくださりかなり協力してくださった。(サークル参加者が来る前にお帰りになったので、たぶんサークル参加者の方は見ていないと思われるが)
なんというか早朝は主催者しかいない時間だったので、寄り添ってくれてありがたい限りだった。
皆でオンリーを
◆コロナ禍の爪痕
ここからはサークル募集と一般参加の申し込み数で生じた誤算についての話を書こうと思う。
今回サークル募集は事前アンケートの結果から、MAX18サークルぐらいが参加を検討していると想定し、上限を18サークルとしたのだが、実際参加申し込みがあったのは半数の9サークルだった。
この9人という数字をどう見るか─?
多いと見るか、あるいは少ないと見るか。
このジャンルはおそらく2000年代がピークだったであろう長いジャンルで、しかも今回はコロナ禍明け、コロナが五類の指定になってから1ヶ月後のオフラインイベントである。
自分自身はこの9人という数は少ないと感じてしまい、もっといてもいいのに、と募集締め切り当時は思っていた。
それは普段、オンラインのサークル参加数を見てそちらに慣れていたからだと思う。
(オンラインだとこの3倍から4倍の参加があったりする)
オンラインがオフラインに転じても、正直さほど大きく変わらないと勝手に思い込んでいたのである。
なお、実は現実のリアルイベントは現在相当苦戦を強いられているらしい。
企業オンリーでさえ、オンリーを企画したものの1サークルも集まらずに中止で取り下げざるを得ないほどに追い込まれているものもある。
今回そういった企業オンリーの惨状と切り離して個人主催で考えていたので、
どうしても普段やっているオンラインとの比較になりがちなのだが、
オフラインが少ない背景について少し書きたいと思う。
オフラインが少ない理由…
まずおおまかに挙げられるのはコロナの感染の影響。
正直オフラインイベントに行くどころではない。
そして物価の高騰。
年々参加費は上がっていて、もはやサークル参加しても回収不能の赤字が目に見える。
そしてオンラインが便利になりすぎたこと。
来てくれる人も少ないのにわざわざ出費をしに行く必要が見いだせない。
この辺りではないだろうか。
ただ、こういった事は定期開催されている企業イベントの話で、
今回のような単発個人主催オンリーには当てはまる部分と完全には当てはまらない部分はある。
さて、次にジャンル特有の話に移りたい。
一応ジャンル内でオフラインに今もそこそこ出ているのは、3年前にSwitchでリメイクされた作品を扱うサークルが多いイメージがある。
自分がやっているオンラインイベントを見ている限りでも、一番人が多いのはこのSwitchでリメイクされた作品を扱うサークルだ。
なお、今回25周年を迎える方のプレステのゲームの方とは世界線は共有しているものの、一応は独立した違うゲーム同士であり、
来年が丁度20周年に当たるのだが、いまは特に盛り上がっている訳ではない。
今回主催したオンリーにこのリメイク作品中心で参加したサークルは3サークルほどで、
いつもオフラインに出ている層とも違っていた。
このSwitchのリメイク作品は、アフターで行う聖地巡礼コースにもここ!という聖地は一つしかない(番外小説の花園神社しかない)ので、
Switchリメイク作品だけを扱うサークルにとって、わざわざ新宿の個人主催オンリーに出る事に大きな旨味はない。
さらにこの作品はSwitchリメイク前にも別会社からゲームが販売されているので、
そちらの方だと企業で今でもオンリーが定期開催されており、そもそもオフラインイベント探しにまったく困っていない。
以上の理由で同じ個人主催であってもオンラインの時と同じように同じ層が来てもらう事は難しかった。
さらに、今回は土曜日の開催というのもある。
中には休日出勤があるから土曜日は出られないとサークル参加を辞退する人もおられた。
オンラインイベントをやっていた感じでも土日両方あると、日曜日の方が出席率は高い気は確かにするので、
リアル開催だと余計に土曜日の都合がつきにくいのかもしれない。
今回はどうしても日曜日が発売の記念日だったので開催を避けたが、やはり日曜日の方がいいのではないかという風に思った。(夜遅くまで何か企画をするのは難しくなるが…。)
ジャンル特有の難しさは他にもある。
このジャンルの全盛期はおそらく2000年代だと度々書いて来たが、
その頃であれば公式から新作ゲームが出て、関連書籍も沢山出版されている。
その時代にオンリーイベントをひらくのと、
今の時代にオンリーイベントをひらくのではやはり集まり方も全然違ってくる。
2000年代の全盛期に活躍した同人戦士も2023年では軒並み引退をされているだろう。
あとで聞いた話だが、このジャンルの特に魔人シリーズでコロナ禍にもめげずオフラインイベントの第一線に出続けているサークルは、
もはや関東で1〜2、関西では1サークルしかいないのだそうだ。時の流れを感じる。
途中からジャンルに沼った私はそこまで知らなかったが、20年以上孤独な戦い続ける戦士と実際会ってみると、なかなか…ある種の絶望感を感じるものだ。(自分だったら20年以上一人で戦えるだろうか…。)
そして2020年のコロナ禍に入るまではジャンルにもまだ数サークル、オフライン専門の人たちが魔人でサークル活動を行っていた形跡を見て取れるのだが、
コロナ以降、そういったサークルも軒並みリアルイベントから遠のいてしまっている。
今回、このオフラインイベントで、
「ひょっとしたらこういうコロナ直前までオフをメインにやっていた方々が、久しぶりにまたサークルとして復活して出てくれるのではなかろうか?」
そんな期待を抱きつつ
約数名にそれぞれメールやリプライを送って「既刊だけでも構いませんのでいかがですか」とお願いしてまわったが、
なんと今回そういった方々からの申込みはゼロだった。
(ちなみに補足しておくが、今回は近年までオフラインがメインで、かつ、ここ2年当方で主催するオンラインイベントにもご参加されていた人、現在も同人活動にご興味がありそうな方に絞ってこちらからお声がけのメッセージを送らせてもらった。)
それにしても少し驚いた。
勿論ギリギリまで悩んでくださった方もいたが…
なぜこんな事が起きたのだろうか?
頂いたお返事には、どの人もコロナ禍以降ライフスタイルが変化しており、サークル活動ができないほど忙しくなったり、あるいは体調面を理由に辞退されたり様々な理由を抱えていらっしゃる事がわかった。
気持ちと現実は違うのだろうか?
2000年代をピークに年々ジャンルも先細りし、需要と供給も減っていくなかでオフライン活動をしていくと、どうしても時間と労力ばかりがかかり出費も馬鹿にならない。
先ほど企業イベントの話を書いたが、出てくれる人自体が集まらないので中止になっている。
しかもここ最近は、BOOTHやピクトスペースで自家通販できるので、
わざわざイベントに持って出かけなくとも、本は売ったり買えたりが出来てしまう。
東京へ行けば感染リスクも上がるというのでは、なおさら本を持ってサークル参加する気はますます薄くなるだろう。
時期が合えばこれらの人はまたいずれかのイベントで出会える可能性はあるかもしれないが、
とにかく今回こういったサークル参加者として一番有力そうな層の方々とも今回ご縁がなかったのだった。
では一方で、そんな中でも今回このイベントに出てくださったのは一体どのような方たちなのだろうか?逆に興味が沸いて来る。
まず申し込んだ9人の内、2人は20年以上第一戦で走り続けている関東・関西からの人たちがそれぞれ申し込みしている。
特に関西から遠征してきた人は、まるで会場で砂漠の中のオアシスに出会った人かのような…満面の笑みでご参加されていた。
そして残り7人は同ジャンル内のそれぞれ別作品で活動し、大体はいつもオンラインをメインに活動していたが、たまたま今回を機に熱が高じてオフラインに集まった形となった。
つまり端的に書くと、
①25年間ずっと狂い続けてる人か
②あるいは今まさに狂いまくっていて、
オンラインだけでは物足りなくなった人
この2タイプのどちらかに属した人間が、たまたま今回サークル参加申込みしたといえる。
ちなみにその関西からいらっしゃった砂漠の人は、
前後左右同ジャンルのオフラインのサークルがいる事だけで奇跡だ…と言っておられた。
その方いわく、9人はめちゃくちゃ多い数との事だ。推して知るべし…。
逆にもっと苦戦したのは実は一般参加者の募集の方だ。
実は、今回一般参加の申し込みも、会議室で行う関係上、お弁当がついていたり事前申込み制など変則的な募集なのも相まって、
途中まで参加希望者が一人だけという相当ヤバくて大変な時期があったのだ。
(もしかしたら告知に方法にも問題があったかもしれないが…)
折しもイベントの一週間後に、オンラインイベントも控えていたので
本が欲しいだけの人であればわざわざ東京に来なくても一週間近く我慢すれば通販で本は買えてしまう。
本が目当てならわざわざ出かけなくて良いのだ。
中にはギリギリまで参加を検討してくれた人もいたのだが、
ただでさえリアルイベントがすっかり遠のいてしまったこの世界線で、しかもオンラインが便利だという事が行き渡った状態で
どうやってオフラインイベントの良さや楽しさを伝えればいいのだろう…?はたまた現地に行きたいと思ってくれるのだろう…?
楽しいよとどれだけ口で言っても現実問題、想像するのが難しい。
そして、募集期間中一向に一般参加者は増えずこのままでは最低催行人数に満たないという最大最悪のピンチを迎えそうだったので、
今回サークル参加してくださる方々へ一斉に個別DMを送り、この苦境をハッキリと書いて、協力をお願いする事にしたのである。
ダイレクトメールには、サークル参加だけでなく一般参加者の申し込みが相当苦戦していること、(特に一週間後にあるオンラインイベントの存在がとにかくデカい)
ここでほ参加者がなぜ少ないのか自分なりに考えた上で、
こうしてはもらえないだろうか?というおねがいなどを色々書かせてもらった。
現地に行って買い物をする意味を参加者が見出せなければ、
オフラインは今後、どんどん消え失せ、
本もグッズも全部オンラインイベントで通販すればいいやになってしまう。
なんとかオフラインイベントを、あの頃の熱気や感動を思い出せないものだろうか…
今回のイベントはコロナ禍の爪痕、そして便利になり過ぎてしまったオンライン同人界との闘いでもあるような気がしてきた。
すると8人の中から「じゃあ私は当日に向けて〇〇を作りますね!」「原画を展示します」「無配できるかわかりませんががんばります!」
というお返事をしてくれる人が現れ、
twitterでも各自一般参加の人が来てみたくなるようにお品書きを早めにアップしてくださったり、
当日の展示物の写真を上げる人など、早速行動に移してくださる方々が現われた。
するとそれに呼応するように、徐々に、一般参加のお申込みも入ってきた。
(最終的には最低催行人数をクリアして大丈夫になった!)
本当に一時は本当に危なかったので、ほっと胸をなでおろしたのを覚えている。
今回のイベントは正直、全員で挑んだチャレンジだったと思う。
参加を決めた人も、参加をしたいけど迷っていた人も、
きっと当日どういうイベントが行われるのか半信半疑の人もいたと思う。
というか、主催者ですら成功できるか一時は危うく思っていたからだ。
だが参加を決めてくださった皆様はこちらが想像する以上に、
今回のイベントを心から楽しみにしてくださっていた。だから様々な協力を惜しみなくしてくださった。
当日、蓋をあけてみたら当日は各サークル、
粋を利かせた沢山の見世物…水彩が展示・ぬいぐるみ・手作りフィギュア・写真撮影ゾーン・ミニゲーム・各種無料配布をテーブルに出してくれており、写真映えがバシバシの、
令和の新しいイベントを展開してくださったのだ。
これはある種とても感動を覚えた。
コロナ禍で一度オンラインイベントを経由して、オフラインイベントはまた一歩違う形で生まれ変わっていたのだ。
(その模様はアフターレポートに書いてある)
これは当日ご一緒した一般参加の皆さんも本当に喜んでくれたし、
そして当日沢山の方と交流ができた事により、やはり当初の目的であった
単独オンリーにしか味わえない人のぬくもりも、
どんなに時代を経ても、環境が変わろうとも、
ちゃんと残っているということが分かったのである。
嬉しかった。
◆全員がスタッフ
今回、こんな感じで全員で苦境を乗り越えようとアイディアを出して試行錯誤したり、
元々がワンオペイベントだったので、当日手の空いた人にスタッフをお願いしつつ、皆で当日の会場を作っていったので、
当日の会場全体の一体感はすさまじかった。
しかも今回、直近に台風が来て一時交通網が麻痺していたりしたので
主催や参加者の誰かが、荒天やコロナで当日たどり着けなかった場合どうするべきか、
ワンオペのイベントであるゆえに主催がいなくなったら大変な事になるので、
当日の緊急連絡先含めて、全てのサークルの皆さんにあらかじめ数日前から当日のイベントの運営に関する全ての事を共有させてもらう事にした。
特に主催者しか知らない情報は極力少なく
…せいぜいイベント当日企画のレクリエーションの内容ぐらいまでが秘密の内容で、
あとそれ以外の事は全部主催者が不在でも回るよう情報を書き、
二次会、三次会、街歩きも、主催者がいない場合を想定して、どうすればいいか事細かに時系列順にマニュアルを書いて、twitterに二回に分けてダイレクトメールを送った。
また、当日主催が会場に行けた場合も、当日に手伝ってくださる方々が一体何をすればいいのかスムーズに把握できるように、
前日の夜に「一体何を手伝ってほしいのか」のリストを全部作って当日持って行った。
当日になると、参加者全員があらかじめ事前に
「もしかしたら自分たちで主催をするかもしれない」という危機意識を共有していたことで、それぞれの当事者意識が呼び起こされ、
当日の朝はこちらもびっくりするぐらい沢山の方が手伝いを買って出てくださり、自主的にチームを組んで動いてくださり、大変ありがたいことが起きた。
まさに全員がスタッフの様相だった。
チーム一丸となって当日の雰囲気ができていった。
中には「こ、この人は有能すぎる…!」と心震える人もいた。実際、普段ネット上のメッセージだけのやり取りしている時に感じる印象と、現実に会ってみた時の人の印象は、どちらも同じ人であるにも関わらず全く印象は異なる。
実は密かに冷たそうな印象の人だな…こわそうだな…と感じるタイプの人ほど、当日、スタッフになった時、八面六臂の大活躍をしたりする。
他にもtwitterなどを拝見すると、ちょっとおっちょこちょいなイメージを持つ人もいたのだが、
実際会ってみると、仕事があまりにも出来過ぎるスーパーキャリアウーマンで度肝を抜かれた事もある。
まさに百聞は一見にしかず。頼もしいの一言しかない。
これはリアルイベントで初めて知る人々の一面である。
不思議なもので、ネット上では相手の外見まではさすがにわからない。分からないからこそ勝手に「この人はきっとこうだ」と断じてしまうのだが、
今回サークル参加された何人かは音声チャットで話したこともあったのにも関わらず、
リアルで会って受けた印象はネット&音声の情報の遥か上を行っていた。
例えばこちらが普段冷たい印象を勝手に受けていた人は、
ふだんメッセージから余計な装飾文やお世辞を一切書かないので、一見冷たく見えてしまったのだが、
現実世界ではやるべきことに集中してどんどんタスクをこなすタイプの人で、むしろ普段の生活から周囲に頼りにされる存在だと思った。
また、おっちょこちょいなイメージの人も、普段仕事が出来すぎるせいで家に帰ってほっとしている時ほど、小さなミスが出てくるのではないか。
その分、現実世界では相当視野が広く、様々な物事を常に現場で考えられる人であり、そういう人がいるだけでもイベントはまるで違った。
本当にありがたい存在だった。
オフラインイベントをやって一番強く感じたのは、やはりオンラインだけで見えるものは不完全だという事だ。
twitterをやっているとその人を知った気になるが、まったく実は知らなかった事を知った。
それぞれの一面は、(私個人の感想になってしまって恐縮なのだが)どれもネット上のやり取りだけしていたのでは知る事がなかった一面だったし、オフイベをやって本当に良かった。
これまでオンラインイベントさえあればいいと思っていた自分がもしいたら、それはハッキリと間違いである事をつきつけられる。
対人交流において、リアルはネットを凌駕する。
この辺はリアルイベントの方が圧倒的に強いという風に感じた。
結局当日のは、誰一人欠席することなく、
一般参加者の方でも片付けに協力してくださったり、お弁当や飲み物のごみを率先して集めてくれたサークル参加者がいたり、
看板・ポスターをはがしてくれた人、シートをたたんでくれた人…
サークル参加・一般参加問わず最後は皆で協力して閉会まで辿りつく事ができた。
今回のイベントに参加してくださった皆様に本当にそれぞれに感謝を送りたい。ご助力いただき心からありがとうございます!
◆当日のこと(その他)
以下、ここまでまだ書いていなかった当日の主催者の覚書を少し書きたい。
・広報係を誰か…
今やSNS時代。写真はあとであればあるだけいい。
(勿論撮る時は参加者に配慮しつつ…)
今回はワンオペのため、当日の写真はほとんど朝の時間の合間にしか取れなかった。
スマホ撮りでいいのでカメラマンを誰かにお願いすると、あとあとアフターレポートを書く時、血眼にならずに済むなと思った。
もし次回があるなら自分へ、広報係を一人設けるべきと伝えたい。
・頒布物チェック
今回会場を隅々まで頒布物チェックできなかった。
おそらく成人向けなどは特に注意して見なければならなかったのが…なんと今回は一冊も成人向けを見かけなかった気がする…。
なんと中学生が来ても大丈夫なレベルの、誰もエッチ本を出さないきわめて健全なイベントが開催されてしまった…!(なんという事だ)
ただ、他のイベントでは見本誌を提出したり全部チェックしたりするものらしい。
次回イベントがあったら朝の時間の内に、主催者が各サークルの頒布物をチェックする時間を設けていきたいと思う。
余談)ところでこのチェック…欲しいサークルさんの新刊も当日誰よりもフライングで一気にパラパラ見なきゃいけないという事なんだろうか…?主催というものも少し複雑なものだ。
・布
イベント前日、「当日机に敷く布がない!」と仰る参加者がいた。
もともと本部席にも布を使おうと思って準備していた布が数種類あったので、お声がけして、布を1枚選んでもらった。
その甲斐あって当日そのサークルさんも、朝にわざわざユザワヤへ布を買いに走らずに済んだし、もし本部席で予備の布を1枚持っておくと、こうして当日はサークルさんに貸せるんだという事が分かった。
(あと展示用のスタンドも予備で持っていたので貸してあげられた)
せっかくのイベントだし、よほど売れまくる強いサークルは別として更地の机の上にポツンと直置きは悲しいので、協力できる事があったらどんどん協力していきたい。
・コスプレイヤーさんへ鏡を
当日、コスプレイヤーさんがありがたくも参戦してくださったのだが、
その時にはレイヤーさん用に鏡を用意した方が良いと感じた。
同人イベントに特化した会場であれば大きな鏡もあっただろうが、
ビジネス会議室に大きな鏡は残念ながら無い。
さすがにコスプレイヤーさんの持っている手鏡で全身を確認するのは難しい。
なるべく大きめサイズの鏡を主催が準備できたらいいなと思う。
もしくはスタッフがレイヤーさんをスマホで試しに撮って、どうなっているか見た目を確認してあげるなど人の手が必要だと感じた。
その役目を広報係が担っても良い。次回があれば活かしたい。
・地声が死んだ
当日会場ではマイクも使うが、地声を張り上げたりしたので、
普段わりと声をだししている職業のつもりだったが、意外と一日の最後の方は声がガラガラになった。
おそらく聖地巡礼ツアーでも声を張り、二次会でお酒を飲んだりもしたのでこの日は相当、喉を酷使したに違いない。
もし今度、どこかでリアルオンリーがあって、主催さんに何か差し入れしたい時は、のど飴を持って行こうと思うぐらいのど飴は必要だと感じた。
・救急箱の用意
イベント中にカッターで皮膚に傷がついてしまったなど、
不足の事態が起きる事もあるかもしれない。
あるいは寝不足・緊張による胃腸の不調など…
主催者は不足の事態を想定して救急箱を用意する必要があると思う。
おそらく参加者一人一人絆創膏くらいは持参しているとは思うが、本部席の常に取り出せるところにあった方がいいだろうなとは思った。
今回聖地巡礼ツアーをやった時、足の不調を訴えられた方がおり、その時他の参加者が湿布や痛み止めを出そうとしてくださった。
こういう時何が必要になるかわからない。参加者には御礼申し上げるとともに、
本部席・主催で用意できるものがあったら用意しておくべきだと感じた出来事だった。
・後片付けと机の移動と退室
最後の後片付けは全部スタンダード会議室様の方でやってもらえるとの事で、
会場の飾りつけの撤去、レクリエーション企画の際の机の移動だけ参加者の皆さんがやってくれた形で、机や椅子は使ったまましてよく、
自分のところのサークルと本部席の片付けのみで済んだのはありがたかった。
そのあとは空調をオフにし、電気を消すだけで退室できた。とても楽で気持ちよく退室できたので書き記しておきたい。
以上が当日の備忘録だ。
昔と今
ここまで書いた事と、アフターレポートの中から昔のイベントと今のイベントは何が違うだろうか断片的に拾って書いてまとめていきたい
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(会場)
・コロナ対策として換気や衛生管理が必要(主催)
・パンフレットはどんどん薄くなり代替品に変わっていっている(主催)
・各サークルが写真映えを意識したディスプレイ作りに力を入れるようになっている(サークル)
(ビジネス会議室ならでは?)
・机と椅子の配置を考え、借りる物を当日の企画から考える。
・事前に会場に来る人の名前と連絡先を把握する必要がある
・飲み物と昼食の手配を考える必要がある
・荷物の搬入についてはよく相談する
(全体)
・コロナ禍以降、オフライン同人についてサークル参加しよう、一般参加で行こうという人が少なくなっている。
・チラシも手に取ってもらいづらくなり宣伝効果が薄くなり、オンライン上の告知だけでも事足りるようになってきた。
・郵送のチケットでなくとも、オンライン決済とオンライン申し込みができるようになった。
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このような感じだろうか?
最後にこれらを踏まえて、昔と今とでは精神的に何が違うのか?
オンラインイベントとリアルオフラインイベントは何が違うのか?
個人的な持論中心で申し訳ないが、書き連ねて終えたいと思う。
オンラインイベントとオフラインイベント
じつは前回のnoteでも似たような事を書いているので、前回のnoteを読んでいる人はこの話題は特に読まなくてもいい。
オンラインイベントとオフラインイベントの乖離について
今回オフラインイベントを催した際に改めて考え込んだ話題なのでもう一度書きたいと思う。
現在オフラインイベントは軒並み一部のお化けジャンルを除いて苦境であり、コロナ禍にもオフラインイベントが相次いで中止となると、
オンラインイベント…ピクスク・エアブー・オペブイなどのサービスでオンライン上でのイベントが各種盛んになっている。
特にピクスクに絞って書けば、
どのイベントもハードルを低く低く…を合言葉に、
沢山の人を呼び込むようにした結果、低いハードルは当たり前になり、
逆に高いハードルを拒むようになって、
その結果オフラインイベントに戻るのが困難になっているのではないか?
という事をよく思う。
参加費とか集客とかの話は先ほど書いたので、
ここではイベントに参加する側のハードル高さという所に焦点を当てて考えてみたい。
まずヲタクにも「バリバリに創作するタイプ」もいれば、
「たまに絵(文)を描くタイプの人」もいれば、
「何も創作しない人」もいる。
昔は、イベントに出るにはコピー本作りにしろなんにしろ、専用の知識が必要で、それを乗り越えて出るしかなかった。
絵が少し描ける程度では、せいぜい誰かの本のゲスト原稿に寄稿するかペーパーに寄稿するぐらいがやっとで、本やグッズが出せなければ基本的にサークル参加自体が難しかった。
ところが今は、特別な知識を必要とせず、
誰でもデジタルイラスト1枚用意できれば、主催者の裁量でオンラインイベントに展示参加できるようになっている。
むしろこれまで創作の機会の無かった人間にとっても、
これぐらいのイラスト1枚での気軽さだったらやってみようかな…という具合に、新しく創作を始めるきっかけになったり、
既に同人を引退した戦士も、少ない時間のなかから、絵や文のリハビリとして展示参加…という場になったりしている。
これら「1枚2枚のイラストだったら用意できる」…という層は、
これまでオフラインイベント側が取りこぼし、顧みなかった層でもあり、
中には今まで創作もしていなかった人が新たな一歩を踏み出すという点で
創作の新たな裾野を広げるのにオンラインイベントはひと役買っていることは間違いない。
<オンラインイベント=展示会の中で物を売る場所>
2000年代後半以降Twitter・pixiv・ポイピク・プライベッターが発達してきて、そこに絵や文は投稿するが、本やグッズは作らない(あるいは作ったことがない)という層はものすごく多いらしい。
そういう層が元々多かったところに、オンラインイベントが登場し、
特定の決まった日に一堂に会して新作を出すようになった。
(これらはそれぞれサークル参加した場合は参加費を払う事になるが、それぞれ作品は無料で享受できる。)
こういったpixiv・ポイピクの展示を中心とするオンラインイベントはいわば内情は「展示会」に近く、
中には通販を扱う人もいるが、数で言えば少なく、
「同人誌即売会」の中に展示があるのではなく、
「展示会」の中に物を頒布している人がいるという具合にある意味、逆転現象が起きている。
むしろそれら展示会の中に即売会が入っているのを指して「オンラインイベント」と言っているような気もする。
むしろここ2,3年でオンラインイベントは「展示参加」が当たり前になりすぎて純粋な同人誌即売会の方が珍しくなっている。
ちなみに自分がいつもやっているオンラインイベントは今どき珍しい
「オンラインの即売会」形式をいまだにやっていて、
展示参加は本が作れる最低ページ数の6枚…
表紙①裏表紙②本文④枚=合計6枚を満たさないと参加できない…というハードルがあったりする。
<売りたくない>
ネット上ならだれでも無料で作品を楽しめて、制限がない。
そんなところで同人誌即売会をすると、「どうして自分の作品をわざわざ本にして売らなきゃいけないの…?」「自分の作品をお金で人に売りたくない…」「自分の作品には需要がないから本にもグッズにもしなくていい…」という声があがる。
自分の作品は無料で見せるのが当たり前なので、金銭授受が発生するのが嫌だという人はけっこういらっしゃる。
なお、あなたの作品に対価を払いたいという気持ちを伝えた際、それが別に嫌ではない人は多い。
(贈答はいいけど、頒布は嫌だという具合で)ものを頒布する側の意識に昔と変化があることは確かだ。
<手元に何も残らない>
イベントで展示参加を決めた人が普段使っているTwitter・pixiv・ポイピク・プライベッターに作品を上げることは、この日のために新作を用意するという意義はあるかもしれないが、
普段活動と差別化があまりないように見える時もある。
(イベントに出れば店舗外観を設定してお店を構えてリンクを貼るという違いは勿論あるが…)
これら4種(Twitter・pixiv・ポイピク・プライベッター)は
いつでも気軽に投稿できるし、逆にいつでも気軽に削除できる。
例えばイベント合わせで、ものすごい展示作品を見かけたとしても、
展示だからこそ生まれた傑作は、展示だからこそ手元に何も残らないというジレンマがある。
それらは持ち主に断りを入れるか勝手にスクショしてでも保存する以外持って帰る手段がない。
しかもサークル主はいつでもそれを非公開にもできるので、
気が付くと作品が見れないことはザラにある。
そして非公開になったその作品はいつか消えてしまう電子の海に沈められてただ漂っている。
描いた本人に「本にするつもりはありません、展示で十分です」と言われたら何も言えないし、しかもそれをいざ本にしてもらうにしても、小説サークルならまだよくて、
漫画・イラストサークルではweb用から印刷用にするには多大な労力がかかる。
しかも本にする費用・手間暇は全てサークル持ちになってしまう。そんな図々しい事は頼めない。
結果素晴らしい展示作品は手元に何も残せない。
<本を作るひとは、なぜつくるのか>
今の時代、絵や文をアップロードすればすぐにいいねやリツイートで、自己承認欲求は容易に満たされる。
より多くの人に見てもらいたいなら確かにpixivなどへのアップロードが近道で、
見る方も手軽で、見てもらう方もより多くの人に見てもらえればそれで満足だ!としてしまうのであれば、
展示参加で十分…となり、苦しいことはわざわざしなくていいよね、という結論で落ち着いてしまう。
逆に本を作る人が何故本を作るかと言うと、人によって様々理由はあるにせよ、本にしてまでも残したい熱い思いがあるからで、
しかもそれが即物的ないいねだけでは満たされることのないような熱き想い(これを描き残したいという想い)を孕んでいる。
別に全ての本がアツいメッセージ性を含んでいる訳でもないが、
この世に何か「物」が残るというのはすごく大きな業だと思う。表現する事において、本も展示も確かにあまり差はないように見えるのだが、形に残そうとするかしないかで大きな違いがあると思う。
中にはオンラインイベントの展示で手ごたえを感じ、本作りに手を出す人もいるかもしれない。何でそこまで本を作る事にこだわるのか?というと勿論苦しいけどやりがいがあるからだ。
自分の周りには今度〇〇オフのイベントに出よう!という人は残念ながらあまり見かけないが、
今度△△の本を作りたい!という人は何人か見かける。その事にまだ救いを見る。
<乖離していくオンラインとオフライン>
本来、オンラインイベントはオフラインイベントが開催中止になっている間の繋ぎ的役目があった筈だが、
当のオンラインイベントを利用する主催者たちが
「苦しいことはしなくていいよ」と、「みんなで楽しもう、交流しよう」と、低いハードルと手軽さにで人をどんどん招いていった結果、オンラインイベントは展示のための文化祭に作り替えられていった。
しかし現実のイベント(即売会)は本とグッズが無ければ出られないという高いハードルを維持したまま下げることができない。
展示がいかに盛んになろうと、現実との同人誌即売会とは互換性がない。
オンラインイベントが盛んになろうとも低いハードルと高いハードルでは高低差があり過ぎて現実のイベントにはなかなか結びつかない。
コロナで一気に下火になったオフラインイベントだが、印刷所や企業イベントが期待するほどコロナ禍があけてもあの頃の熱気と人が完全に戻ってくる気配は少ないのではないか。
(中止に追い込まれる企業オンリーを見てそう感じる)
気が付けば物価…印刷所の紙の値段も上がり、倒産した会社も複数ある。
<アンソロジーが流行る訳>
ネット上に創作する人は多いが、無料で作品を見て、無料で見てもらうのが当たり前という価値観の中で
本を作った事がある人はそもそも少ないという話は先ほど書いた。
そんな時代に密かにアンソロジー発行が流行っているが、なぜ流行っているのか?というと、
今まで本を出したことがない層が、原稿の描き方を教わりながら、
数ページ頑張って描けば、主催者が全部そのあとの事は完成までまとめてやってくれるからである。
表紙も、費用も在庫管理も全部肩代わりしてもらえる点で創作初心者にも安心だからだと思う。
単純に福利厚生が手厚い。
さらに参加者は献本も送ってもらえる。
この先もアンソロジーは安泰ではないかと密かに感じる。
(その内個人誌発行に手を出す人も出てくるかもしれない。)
<できる人に合わせて「できるようになれ」と
強いるのがオフライン、
できない人に合わせて「できなくていいよ」
と言うのがオンライン>
時代の時流としては全体的に「できない人に合わせ、できない人も楽しめるようにしなければならない」という時流を感じる。
いま、オンラインの方は特に全体的にどんどんハードルをますます低く低くどこまでも下げていっているが、それはひとえに
地方にいる人でも、忙しくて時間のない人でも、専門知識のない人でも、絵や文があまり得意でない人も、お金が今はあまりない人でも、人前で話すことが苦手な人でも、健康じゃない人でも参加できるように配慮しているからだと思う。
逆にオフラインイベントは全部が逆で、
都心に出てこられ、財力があり、原稿をする時間を捻出でき、絵や文が達者で、それらを形にする専門知識と元手があり、人と話すことが苦ではなく、長時間出かけられるほどには健康である…
という事を前提としているのかもしれない。
人々がなぜオンラインには出て、オフラインには出たがらないのかなんとなくわかる。
どちらが人々に寄り添ってくれるのか?という話だ。
同人文化は豊かさに比例すると言う人までいる。
オンオフのこの高低差はますます広がるばかりになっている。
そしてリアルイベントは高齢化が進み、若い人がいなくなる。
<一方低く下げたハードルは再び上げる事が難しい>
数年前のコロナ以前まではオフラインイベントに出る事はさほど珍しくない世界だったかもしれないが、今は極端に難しい。
本をそもそも作る人が少数に転落した。
今、主な創作の場はネット上だ。
だがそのネット上で創作する世界のハードルを低くなり、
そこで安定してしまった場合、そのハードルを再び元の位置に戻す事はなかなかできない。
人間、一度ラクする事を覚えたら、もうツライ事は二度とやりたいとは思わない。
安売りされたものを元の値段で買いたいとは思わないのと同じように、
作品作りにしろイベントでも何にしろ低いハードルこそ当たり前だと享受すると、やがてもともとあった同人文化を徐々にじわじわと衰退の方向へ推し進めていくのではないか。
というか、ここまで書いておいてなんだが、本作りはともかく、
もともとあった同人誌即売会文化は今では嫌悪され忌避されている気配すらないか。
今回、オフラインイベントを企画した時、
じつはこれらのハードルの高低差の壁に阻まれていた可能性はないか?という事を考える。
お金をかけて移動するという物理の壁がクリアできれば確かに問題はない。
ちなみにそもそもリアル同人イベントはそもそも本やグッズを作らなければ参加できない。
なお、自分が元々やっていたオンラインイベントはこの部分においては
最初からそれを求めていたのでオフラインイベントとの互換性があった事になる。
むしろこのオンラインイベントに出るために本づくりを覚えた…という人もいて、今回のオフラインイベントにも参加をされている。
それでも今回はジャンル的に地方に住んでいる人も多いらしく、
物理的な交通手段と、その日のスケジュールを確保して人が集まれるかどうかが鍵となっていたが、
今回オンラインの時の3分の1という人数となった。
なかなかオフラインイベントは楽しいですよ、と今言っても伝わりづらくなっているのは確かかもしれない。
今回を機にまた良い変化があればいいなと思っている。
~昔と今の精神的な違い~
イベント主催者に投げかけられる「敵を作るな」という言葉
ここからはイベントを主催したいと思っている人・あるいは主催したことがある人に主に関わる話題を進めたいと思う。
もちろん多くの人には関係ないこともあると思うので読み飛ばしてほしい。
オフラインイベントでもオンラインイベントでもどちらでもいいが、
主催をやりたいと思った人はまず、先人達の書き子残したものを探して色々読むところから始めると思うが、
よく書かれているのは「主催したかったら、敵を作るな」という言葉であると思う。
この敵を作るな…の「敵」とは一体何なのか?
イベントを主催する上で気になる事だと思うので、それについて昔と今の違いを考えていきたい。
今回、オフラインイベントは準備期間中に、
20年以上サークル活動しているベテラン先輩とイベント準備期間中に音声チャットで話す機会があった。
そこでこの「敵を作るな」という話題について話していると、
端的に敵を作るな…の敵というのは
「足を引っぱる人のこと」を差しているらしい。
足を引っ張る人というのは、例えばイベント主催者側に対して
当日イベントを成功させないように影で不利益な行動する人間の事を指す。
そして今と昔では、敵の概念は若干異なっているともいう。
昔で言う「敵」というのは、
主に2ちゃんねるが大変流行っていた時代の折のことで、
匿名掲示板でジャンル内の気に入らないサイト・企画・祭を列挙し、
それを運営している人間を叩く人達が無数にいた。
日々、叩くネタを求めて対象を監視し、もし該当の人間が何か催そうものなら検索で目につくレベルで悪評を流し、
参加しようと思っている人を躊躇わせるレベルで不参加を促し、イベントを失敗に追いやるというのだ。
(実際自分の身近な人がこの被害に遭ったことがある。事実とかけ離れた根も葉もないことを沢山書かれていた。)
こういった陰湿な行為は、
インターネットが徐々に普及し、様々な人が繋がりを持つようになったサイト全盛期時代(2000年代)に特に行われていた。
何故そんな陰湿な事が可能だったか?というと、
匿名掲示板という安全圏から匿名によって言いたい放題言えた事によって、
人を叩く事に一生懸命になりエスカレートしていったからだという。
(今思うと変な時代だったと誰もが思うと思う。)
匿名掲示板に晒された同人イベント主催者は一様に叩かれまくった挙句、
足を引っ張られイベントの成否にまで影響が及ぶので、先人たちは口を酸っぱくして
「敵を作るな」と主催者マニュアルに書き残していたのではないか。
だからこの時代にイベントをひらくという事は、活発に人も多く集まるが、裏で足を引っ張ろうとする人も沢山いたと思われる。
一方、今の時代に目を転じると、
匿名掲示板は残っているのものの、他人を寄ってたかって叩いて扇動するムードは一応は感じられない。
たまにTwitterでは炎上という形でそれが起きたりするが、
物事に対して「これはどうかと思う」という怒りの同調であったりするので、
他人の足を引っ張ってやろうという性質と似ているか?というと違う気がする。
今はSNS上でそれぞれ仮の名前を用いて、日々自分の想いを綴っている。
何かの発言は「この人の発言」という認識で、匿名性を排して認識されるようになった。
だからあまり毒毒しいことを自分から吐いているとむしろどんどん人が離れていく。そういった意味で非常に穏やかで過ごしやすい時代に突入したのではないかと思う。
逆に、今のこのSNS時代における敵とは何なのか?
じつはオンラインイベントの主催向けマニュアルにも「敵を作るな」という言葉が出てくる。
おそらく「敵=足をひっぱる」という概念自体はそう昔と変わらないと思うのだが、
匿名掲示板を使って匿名で分かりやすく悪評を流したり、不参加を呼び掛けたりと拡散型ではなくなっただけで、
動きとしては逆の動き(拡散の反対=スルー=無視)に移行したのではないかと思う。
ここからは少しオフラインイベントではなく、少しオンラインイベントベースで話をしていきたい。
まず、いま目の前に気に入らないイベント・企画があったとして
誰でも「私は参加しない(気に入らない)」と言う意思表示をSNS上で周囲に示すことはできる。
或いはミュート・ブロックすることで情報をシャットダウンできる。
それに賛同するかしないかはまた、それを見た個人にもよるが
仮に、女性ジャンルで日々のSNSの中のAさんが敵になった場合を想定する。
Aさんがある日「私はこの企画・イベントに参加しない」という意思表示を示した時、
それを見た仲良しのBさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんが同調した場合、一気にこの企画・イベントへ不参加の人間は6人に増えたことになる。
あるいはB~Fさんのタイムライン上の情報源がいつもAさんだった場合、
Aさんがその情報を見て、どう処理したかを判断を見ている時がある。
仮にBさん、Cさんが後から企画・イベントの事を知って参加したかったとしても
Aさんが参加しないと意思表示・ミュートブロックによりその情報を無視している事が分かっていると、だんだん「私も参加しなくていいや」という空気になってくる場合がある。
Aさんに配慮したり、あるいはAさんが出ていないなら私は別に参加しなくていいや…という具合になっていく。
SNSも個人主義ではあるものの、相互さんによる親密な仲良しグループというものは存在する。
例えばそのグループのリーダーみたいな存在が敵になると、
リーダーを含めてそのグループ全体が企画・イベントの情報をシャットダウンしにかかり、あるものはないものという扱いになっていく。
例えば逆カプオンリーなどがあったとしたら、集団でそれを目にしないように自衛(ミュート・ブロック)にかかると思うが、それを普通のイベント・企画に対しても行使する形だ。
そういう空気になるとジャンル内のある一定の層のところで情報が行き止まりになり、拡散が阻害され、届いてほしいところに届かなくなる恐れが出てくる。
これが昔の匿名掲示板時代の「敵」ではなく、今のSNS時代の「敵」ではないかと(個人的には)思っている。
ただこれも「足をひっぱるほどの行為に該当するのか?」というと疑問はあると思う。だから「敵」の定義自体が昔と変わってきている可能性はある。
一様に言える事は「敵」が増えれば増えるほどイベントに来てくれる参加者は減る、という事はイベント主催者にとって、
自分のイベントに参加してくださっているサークル参加者がもし素晴らしい作品を世に出そうとも、楽しい企画を考えようとも、
見てくれる人は減るという機会損失を生む。
最悪お祭りは盛り上がらず、閑散とし、参加者にとっても寂しい結果になるかもしれない。
イベント主催者も参加者が減ればその分収益が集まらず、損害を被る。
そしてもし、イベントが壊滅的な失敗に終わってしまうと、その後ジャンル内で冷たい目で見られる可能性があり、日々のSNSで居心地が悪くなる恐れもあるのだ。
ああなんと恐ろしい。
それを指して「主催者は敵を作るな」と今時の先人達もそう言っておられたのではないか。
そしてこの「敵をつくるな」にもう少し踏み込むと2パターンの意味があるようにも思う。
ひとつは「敵の多い人は主催者をやるな」(企画立案前)
ひとつは「主催をする以上敵をつくるな・増やすな」(企画立案後)である。
そもそも敵だらけの人が入り口に立った時点でイベントをやっても賛同してする人が少くて失敗しそうなのは容易に想像がつくとして…
それ以外の事をもう少し考えてみたいと思う。
まず、前提として、敵を作るなという言葉は
その言葉を発した人間が既に
敵ができているシチュエーションを味わっているか、敵を既に視認している可能性がある。
(自分には敵が出来てしまったが、どうかあなたは作ってはいけないよ、という教訓的なニュアンスが含まれているのではないか)
しかし、そもそも全ての人が「敵ゼロ」の状態で主催ができるとは思えない。
仮にジャンルに入ったばかりだったり、それまでジャンル内で当たり障りなく過ごして来た人が周囲に敵ゼロの状態でイベントを始めても、
実績なく信用されていなければスタート時点で敵ができるし、
すでにジャンル内で地位を確立した人が何かやっても、それが気に入らない人は敵対する。
もしマニュアルに穴があると運営手腕にもケチをつけられるとあらば、
何もかも結局敵ゼロの境地は思い描けない。
さらにせっかくイベントが軌道に乗っても敵ができる場合がある。
人が敵になる行為でパッと思い浮かぶのは…①誰かを除け者にする
②特定のものを特別扱いする③特定のものをあげつらい悪口を言う
④連絡を無視する⑤正義感をふりかざす⑥公式と少しでも違うことを是とする
↑この辺だろうか。
これらの事をすると「敵」はできる。
①~④は大体同じ。誰かを傷つけ除外する行為は「敵」を生み、また、自分が誰かを「敵」と認識すれば、相手もまた「敵」になるという具合だ。
⑤には主催者の主義主張も含まれる。これが大きければ大きい程、合わない人が出てくる。
⑥については、公式には無いが二次界隈で非常に多くの人が間違って認識しているものを意図せず是としていた場合、公式をちゃんと尊重しろという人が出てくる。
愛するが正しいことを言っていただいたとしても、程度によってはイベント自体に大きく水を差されることもある。
告知サイトのたった一つの一文にしろ、こういった事はよほど気をつけていたとしても、よく起きうる出来事。
敵を作るなというのは、身から出た錆…
ひとつひとつが自分の行動によって生じる結果であり、人を傷つけた分だけ因果応報として自分自身にかえる。
そして相手(参加者)の行動によって自分が傷つけられ、その人を「敵」と思わざるを得ない場面も往々にしてある。
そして、この「敵を作るな」の一言は真っ当な理想を語っているが、
実現不可能な無茶ぶりでもある。
この世の中に生きる人全員と仲良くなんかできるだろうか?
敵を作るなの言葉の裏には主催者に「八方美人であれ」=嫌なことも我慢して人に接しよう
という意味も背後に含まれていると思っている。
そしてこれから後続のイベントの主催をやろうとしている人間の首を締めていると思いに思ってしまった。
そもそも人間には合う・合わないがあるのに
全て当たり障りなく、うまくやらなくてはならないとなると多大なストレスが生まれる。
勿論人間関係をうまくやれる人なら問題ないし、そうであることに越したことはないが
どんなに八方美人に振る舞っても、足を引っ張る人は必ず出てくる。
しかも「全てはイベントを成功させるため…参加者は減らしたくないから嫌なことも我慢しよう…」と格好良く踏みとどまれるのは
おそらく初回の1回か2回までで、3回以上はさすがに限界が来る。
(それはお互いそうかもしれない)
もしこれから何かしらイベントをやりたいと思っている人がいるとしたら、
己の人格を殺すくらいのいい人になれば、
参加者を減らすことなくある程度イベントは成功できると思う。
しかし先人のお題目通りに敵を作らない事を第一目的にしてしまってもいけないと思う。
敵を作るなは、あくまでも努力目標であり、何をしても敵はできる。
参加者をのべつ幕なしに受け入れているということは、
先ほどの2000年代の話ではないが、足を引っ張る人も混じってくる。
自分の中にやりたい形式・企画が明確にはっきりできてくるとき、
逆にそれが合わない人と摩擦が起きやすくなり、敵はできやすい。
今の時代は揉め事を起こさない優等生が歓迎される時代でもあると思うので、ゆるくて広い繋がりを持てるルールを設けて厳しくしない方がおそらく賢いのだろう。
あと、特に匿名掲示板時代のような、匿名メッセージサービスの設置は人を攻撃的にさせる関係でできる限り早い段階で撤去しなければならない。
参加者の声に耳を傾けつつも自分のやりやすいように整備していく必要がある。
しかし仮に…もし敵がいっぱいできてしまったとしよう…!!
それでも取り返しがつかないかというと、完全に悪い事ばかりではない。
ちなみに先人達の「敵を作るな」の言葉に逆らう形で、
逆に敵がものすごく増えた状態でイベントをしたらどうなるか?
その事についてもシミュレートして触れていきたい。
1回こっきりのイベントではまずこんな事にはならないが、
第2回、3回と継続していく内
どんどん敵も増え、それだけ情報を拡散してもらえなくなり、参加者も少なくなる…そんなイベントの状態をおそらくどの主催者も恐れ、避けたい事態であろうと思う。
そうなる可能性はある。
だがそれでもおそらく開催はできる。
(そこまでしてやりたいのか?そういうツッコミはあるとしても)
まず、敵が多いという事は、自分を傷つける人間はイベントには一切出てこなくなる。
主催者側もある程度情報の自衛さえできれば、
開催していてもストレスがものすごく少ないということでもある。
実際、肌の合わない人たちに我慢して接しようとすると
イベントが終わったあとの徒労感が天国と地獄ぐらい違ってくる。
逆に参加者が多い状態という事は玉石混交でもあり、自分に敵対心を持っている人間も混じっているという事になる。
昔だったら悪評を流され、不参加運動もされるが、今はそれが目に見えて行われることはない。
今の時代はもしかしたら2つ3つのグループからスルーされる事になるかもしれないが、
一方で、また違う考えの新しい人も増え、その中で合う人とも出会えるかもしれない。絶望する事ばかりではない。
自分が過ごしやすい気心の知れた仲間と楽しく過ごすのも健康に良いのではないか?
以上、最悪のシミュレートから希望を拾ってみた。
以上、ここまで長々と書いてしまったが、
これまでイベント主催者にたびたび向けられた「敵を作るな」という言葉について「敵」の具体例がなく、
妙に萎縮させられるばかりで、「敵ができたらどうしようもないのか?」という、
イベントをやってみたい人に対してのアフターフォローの言葉が世の中に少ないと思ったのでこの機会に少し考えてみた。
世の主催者もお互い気苦労が絶えないと思うが、
こんな主催者もいるんだな、あんな主催者もいるんだ、とご自身の糧にしてほしい。
最後に
なぜひと昔前、あれほど熱狂的に繰り返し個人主催オンリーイベントは開催されたのだろうか?と考えると、
苦しい分、とっても楽しかったからであろう。
今回、規模こそこじんまりとしたイベントだったかもしれないが開催する事ができ、
メジャーなジャンルでもないのに本当によく9人の人が集まり、
また一般参加の皆様が新宿に集まってくれたと思う。
正直、自分の想像以上に今回の参加者がオフラインイベントを待ち望み、
前のめりに楽しんでくれたように思う。
正直、自分よりも参加者の方が数倍楽しそうだった。(見習わねば…!)
今回会場で目にしたものは、なんというかチャレンジ精神にあふれていた。
皆がそれぞれ知恵を出し、新しい事に挑戦しようとしていた。
そういうチャレンジ精神…何かを「やってみたい」という気持ちは
ハードルの高い低いに左右されるものではないのではないか。
今回の参加者の姿から、同人活動についてまた新たな一面を考えさせられたような思いだ。
今後の事
さて、ここまで相当長くなってしまったが、
オフラインオンリーイベントの備忘録はいかがだっただろうか。
今回参加した中には
「今回の思い出が忘れられず、何年後かにご自分でもオフラインイベントを単独で主催する人がこの中から出てくるかもしれませんね。
そうやって楽しかった思い出をまた次の世代へ伝えて…。
こんな風に数年おきに同人文化が循環して続いていくのかもしれませんね…」
なんて言っていた人もいた。
(今回のオンリーに未来の主催者がいるのかも…?)
でもここ数年忘れ去られようとしているものが、まだちゃんと残っている事に今回改めてほっとした。
本当に今回は令和版の思い出に残るイベントとなった。
またオフラインイベントは次世代へ向けてゆるやかに形を変えていくかもしれないが、このオフラインイベントでしか味わえない…この濃くて楽しい思い出は、これからも絶やさないようにしていきたいなぁと思う。
なお、家に帰ってメールボックスを開けたら(まだ影も形も無いのに)
「次回のイベントに参加します!」という未来予知を書いてくる人がいた。(こわいよ!!)
さて、実は、前のnoteでお知らせしているのだが、
今回の会議室イベントで大変親身に面倒を見てくださったスタンダード会議室さまが、なんと「次回もいかがですか?」と言ってくださり、
来年の晩夏、また同じように、会議室でのオフラインイベントをひらく事が決まった!!!!めでたい!!(ドンドンパフパフ)
次回は今回より手厚いサポートをしてくださるというので
こちらがヲタクだと悟られているのではないか?大丈夫なのか?と冷や汗が止まらないのだが、
「大丈夫ですよ!こういうイベント…なんとなく想像つきますし、
どういう方々が来るかもわかっているつもりですので大丈夫ですよ!」
とにこやかに言われたので、
逆に清々しくなり、ご厚意に思いっきり甘えたいと思っている。
ここまで本当に長々と書いてきて、読んでくださった方に御礼申し上げるとともに、
もしこのnoteを読み、会議室でのイベント開催に興味がわいた方がいたら、
ぜひ気軽に個人イベントはひらけるものとして前向きに進んでいってもらいたい。
長時間お読みください感謝申し上げる。
(これまで書いたnoteの最長記録かもしれない…)
本当にありがとうございました。
2023年7月ジュヴナイル伝奇シリーズオンリーイベント
黄昏刻に龍ぞ棲む主催
もぎ
※有料記事は公開終了(2024年7月)
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