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聞いて、涙 独占欲 当たり前だと言って


「聞いて、涙」



沢山の悲しい事があったら
私し、如何したら良いものか
迷ってしまったのです
貴方に何時も真っ直ぐでいられれば
其れだけで構わなかったの

貴方と大事に磨いてきたビー玉が
燻んで汚れが取れないの
これが挑まれた事ならば
私しはどんな物からでも守れるわ

けれど大きな悲しみで濁ったの

どんなに拭いても
私しの文字は穢れたままですか?

良く眠る貴方……
私しもそっと隣で丸くなって良いですか?

何も知らないでいて下さい
貴方に悲しみなんて似合わないの
だから私が打ち消すわ
貴方の温かさで
きっと涙を流し
目が覚めた頃には
悲しみの澱みも流れ消えるでしょう

静かな夜……
独り泣く私しを
お赦し下さい

「聞いて、涙」

「独占欲」

結婚なんてしませんわ
あんな紙切れ一枚の約束
指輪程の価値にもなりませんもの

そんな考えを知っていたのに
貴方は何でも常識を覆してくる

私しは誰かを一生愛するなんて出来ません
そんな言葉にも怯まず

貴方だけよ
そんな私しに真っ直ぐ向き合おうとしたのは

その瞳から
逃れられないと知った時
その瞳の中にいられる事が
如何に心地良い事か知りました

貴方がくれる沢山の優しさ
貴方がくれる沢山の愛
貴方がくれる甘えるだけの時間
貴方がいる……安らぎの生活

其の大きな愛に
私しの一生を掛けても返す事も出来ない
其の形の無い確かな物に
私しの一生を掛けて応えていけるのならば
此れ以上の幸せなど御座いません

貴方……難しい仕事を終えてきましたわ
とても悩み苦しかったの
貴方を危険に晒してしまったかも知れません

其れでも貴方はご自分では無く
私しを必死に守ろうと
何よりも強い愛で包んで下さる

私しを叱る事も無く
貴方はその日から
大して必要も無い買い出しに
連日出掛けた

無言で仰りたかったのでしょう?
……ほら、大丈夫
何も気にするなと

私しが一人過呼吸を起こしていると
貴方は帰って直ぐに荷物を放り投げ
私しを強く抱き締めて
何度も留守にした事を謝るの

……違うわ
知っているのよ
貴方が私しを安心させる為だって

貴方は言ったわ

……外出しても君の事ばかり
君の好きな物を気付けば探してしまう

と。

白状なさい
本当は大して行く宛ても決めず出掛けたと
だから頭が私しの事でいっぱいだったと

本当は心配していらしたのでしょう?

あれから良く眠る貴方は
決まった時間では無く
何度も数時間毎に起きて
私しを見に来る

如何したの?眠れない?

私しがそう聞いても返事も適当に
珈琲を淹れて
少し飲んだかと思うと寝室に戻っていく

そうね……
若くも無いのに
私しが死にたいなどと言ったのは
久々でしたものね

言いましたでしょう?
そう思ったところで何もしません
思春期でもあるまいしと

心配症な貴方が好き
次に起きたら
私しが貴方の珈琲を淹れて差し上げるわ
そして二人の不安を消す程
熱い口付けを交わしましょう

貴方の為ならば
生きられると思った時
此の一生分の愛を捧げても敵わないと
気付いた時

私し……結婚すると決めました
どんなに高価な指輪やプレゼントより
貴方が見せてくれる世界の方が美しい

貴方に尽くして生きてゆけるのならば
そんな誉れな一生は御座いません

死にたくなる程貴方が好きです
溺れていたい程貴方の愛は心地良く

私しは我慢を強いられ
貴方への愛すら語れなくなった
私し自身を呪いました

如何か貴方……
私しの悪夢を終わらせて
何度でも愛していると心から言えるから

貴方が次に起きた時……
貴方の優しい独占欲で
どんな醜い独占欲よりも
貴方の独占欲は美しいと
証明して下さい

今夜はきっと貴方だけに咲く薔薇
熱く燃える悲しみも
此の狂おしい程の抑圧された愛も
貴方だけに捧げるわ

強さも……弱さも全てを愛して下さる貴方に
此の一生……捧げると
とっくに決めているのです
貴方と生きている今を
貴方が眠っていても
幸せだと感じています

此れ以上に無い愛を沢山ありがとう
優し過ぎる貴方だから
きっと遠慮がちに心配するのだわ

私しを愛すると仰いましたね?
ですから
神妙に薔薇の毒牙も愛して下さい
何よりも優しく強い独占欲に
二人沈んで眠りましょう

「独占欲」

「当たり前」

如何しましょう
皆さん優しくて
待っていて下さるわ

嬉しい話しで
私しは少しだけ
苦手になってしまった場所にいられる
私しにとって大事な場所だったと
気付いていらっしゃるのね

追われて逃げた私しは
臆病ですか?
誰か…正しさを教えて

……また眩暈が致します
貴方……私し何時直るのかしらん?

……あれだけ辛い事が重なったのですから
休んで良いのですよ

仕事人間だった私しに貴方はそう言うの

……当たり前

誰だって同じ事が起これば休みます

貴方はそう言うだけ
……当たり前?そうかしらん?
私しは何時だって当たり前を疑うの

何度でも貴方の口から聞きたいの
当たり前だと何度も言って
それで良いのだと
貴方だけは私しを肯定して
そして
子供の様に泣く私しの髪を
何時も通りに優しく撫でて

貴方の当たり前はその他と時々違う
私しを優先に考えた
特別な当たり前
貴方だけが甘やかす
其の当たり前が大好きだわ

「当たり前」

お賽銭箱と言う名の実は骸骨の手が出てくるびっくり箱。 著者の執筆の酒代か当てになる。若しくは珈琲代。 なんてなぁ〜要らないよ。大事なお金なんだ。自分の為に投資しなね。 今を良くする為、未来を良くする為に…てな。 如何してもなら、薔薇買って写メって皆で癒されるかな。