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能登半島と盲腸(虫垂)

私は、昭和27年11月8日に能登半島に生を享けた。能登半島は石川県の約半分の面積を占めている。しかし、人口は約1/9であり、20万人にも満たない。
日本列島が人間の身体だとしたら、能登半島は盲腸のような存在だと幼い頃からそう思っていた。能登半島に誇りを持っていたが、田舎は田舎、ど田舎だ。

盲腸は何にも役には立たないのに、盲腸の先端に付いている虫垂は炎症を起こしやすい。炎症を起こすと発熱するし、痛い。場合によっては破裂して命に関わるケースもある。それでは切ってしまおう。それが常識だった。

しかし近年、虫垂はとても大事な働きをしている重要な器官であることが認められるようになってきたそうな。
1)虫垂で日々大量のグロブリンA(IgA抗体)を作っている。このIgA抗体によって、大腸の常在菌のバランスを維持して病原性微生物に即座に対応したり、腸の炎症を防いでいる。腸内免疫力の要の役割を
果たしているのだ。
2)虫垂は善玉微生物たちのシェルターだ。病原性微生物のバランスが
腸内で優勢になったり、風邪や食中毒などで大量に下痢を起こすなど、
腸内に緊急事態が起こった時、一時的に善玉微生物が避難する場所に
なっている。避難している間に、IgA抗体が、病原性微生物に対応する。安全が確認できたら再び虫垂から飛び出して、腸での仕事を再開するのだ。
3)虫垂のリンパ組織は善玉微生物たちの先生だ。善玉微生物たちの免疫力を指導し、訓練する場にもなっている。より賢くなった善玉微生物たちが、病原性微生物の繁殖を抑え
腸の健康を維持しているのだ。
4)胎児期には虫垂で生命維持に必要なアミノ酸や、ホルモンを作って

赤ちゃんの体の発達を支えている。

近年までは、「早めに切ってしまう」という扱いだったが、今は、
「できるだけ残そう」という方針になっているのだとか。

私は、能登半島は日本列島の盲腸のようなものだと思っているが、能登半島も、本家の盲腸のように存外役に立つ存在なのだ。日本全国から「能登半島は日本のリーダーだ」と思ってもらえるような存在になってもらいたいものだと思う(私は能登の田舎者だが、幼少から能登半島を誇りに思っている。勿論、東京には憧れていたが。鄙びた田舎と花の東京の両極端を併せ持つことがバランスがよい人間になることだ。今は心からそう思うようになってきた)。

昨日は、能登の田舎っぺが銀座の順で高級鮨のランチに預かった。
MYパートナーズの阿部さんと永田さんのお誘いで、安藤裕美さん(日欧フーズ副社長)と私がご馳走に預かったのだ。

ロス・プリモスの"たそがれの銀座"ならぬ、"憧れの銀座"だ。
やはり、銀座は東京のどの街とも違う別格な街だ。どんなお店も一度は銀座に出てみたいと思うのが人情だろう。新宿や渋谷、青山とも違う。別次元の街だと思う。能登の田舎っぺが憧れる街だ。

安藤裕美さんとの出会いも、初対面は銀座のイタリアンレストランだった。私とは親子ほど歳の差はあるが、裕美ちゃんの、それは温かい人柄に一瞬のうちに惹きつけられた。それから彼女が経営する大安くらぶ(丸の内ホテル)や西櫻亭(伊勢丹新宿店)に足を運ぶようになった。
私も彼女にいろいろな人たち、私が信頼している人たちをご紹介している。
人間同士の付き合いとは、心の繋がりがないと殺伐としたものになる。これはビジネスでもプライベートでも同じことだ。

私は、ビジネス≒ボランティアが一番のビジネスであり、長続きするボランティアだと思っている。そんなビジネスができればいい。そんなボランティアでないと長期戦は戦えないと思う。

阿部さんも永田さんも裕美ちゃんもそんな温かい心根の人たちだ。
皆さんには、これからの能登の復興応援にも是非とも関わっていただきたいと思う。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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