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 読書日記|おじさん酒場

 おじさん酒場という本を現在読んでいます。酒場にいる愛すべきおじさんにスポットを当てるという何とも斬新な企画。女性の書き手が書いた本ですが、これまで読んだ本とひと味違って面白い。心なしか寝る前に読むと、睡眠に入りやすいような気が・・・。


 酒場に行かずに、しっとりと酒場のいいところだけ味わえますよ。本書でお店の事を書きながらも、お店のお客さんをしっかり書いているところが好き。「このおじさんはどういう人なんだろう?」そういう疑問を持つと、話すきっかけにもなります。


 あちこちにでてくる味わい深いおじさん達との軽い交流が心地よい。べたべたした関係性というより、さらっとした関係。どこかふわふわしている空気感もたまらない。この店に行けばこの人に会えるくらいの方が、いい距離感かも。名店には素敵なおじ様たちがたくさんいらっしゃるのですね。


 男性の書き手が書いた酒場本には、すっと本の中に入っていける空気感が漂っています。まるで自分もその店にふらりと立ち寄った感覚。あえて意識して書かれている部分もあると思います。


 本書はもうちょっと冷静に俯瞰した気分で、酒場全体を眺められます。外からこの店どうかな?と迷っている段階というか、外から見た酒場っぽくもあるかな。店内の広いエリアに、アンテナを張っている描写が多くみられました。探せばあちこちに味わい深いお客さんがいるではありませんか。


 読んでいくと本に出てくるこの店に行きたいと思う人もいるでしょうし、身近なところでこんなお店探そうか。そんな気分にさせてくれる本でもありますよ。名店は意外とすぐそこにあるのかもしれませんね。


 今宵もこの本読んで、ほろ酔い気分で布団の中に入ります。何となく良い夢が見れそうな予感。


 


 

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