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卵白の起泡性 ①

卵白を泡立て器で激しく攪拌するとしっかりとしたツヤのあるメレンゲ状に泡立つのはなぜでしょう。

液状の卵白が泡立つことにより、
安定した細かい泡の状態を保つことができるのは
「起泡性」「空気変性」という2つの性質が関係してきます。


⚫︎卵白の起泡性

卵白の中に含まれるタンパク質には「表面張力」を弱め、
強い起泡性を示すものが含まれています。
この表面張力が弱くなる現象を分かりやすい例で言うと、
純粋な水はいくら泡立てても泡立つことはありません。ですが、石鹸を加えると空気を抱えこみ泡立ちます。これは石鹸が水の「表面張力」を弱め、泡立ちをよくする作用を持っているからです。
卵白も同じく、タンパク質の中の成分が表面張力を弱め泡立っているのです。

⚫︎卵白の空気変性

石鹸水は石鹸が表面張力を弱めよく泡立ってくれますが、長いこと泡の状態を保つことはできません。これは、石鹸には泡を保持する力が弱いからです。
一方、卵白は一度泡立てると最初はとろっと粗い泡ができ、徐々に気泡の細かいしっかりとしたメレンゲが出来上がります。
卵白の中には空気に触れると様々な原因により、
タンパク質の立体構造が崩れる「変性」という現象がおきます。
そしてこの「変性」が起きると、空気と卵白の接続面が次々とつながり、
膜状の構造を作るタンパク質がしっかりと安定したメレンゲを作ってくれます。

ただし、この変性も過剰に衝撃を与えすぎると膜の構造が崩れてしまい、ボソボソになり、離水が起きてしまいます。
メレンゲの立て具合はレシピごとで様々ですが、
くれぐれも立てすぎには注意しましょう。


※bitesjapansquadの投稿:kanade_mt

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