見出し画像

デスゲームはほどほどに(2024.01.28)

・『オモコロデスゲーム』を観た。配信開始してすぐ、ハッシュタグつきで感想を共有し宣伝するのがファンとしての正しい行動だと思うけれど、今日がアーカイブ視聴の最終日、この日記を書き始めた時点でもうチケットを買うことすらできない。ギリギリまで腰が重く、どうしても観たくなって慌てて駆け込むようなファンで申し訳ない。


・スクショを何枚も撮ったけれど、載せちゃダメらしいから共有できなくて残念だ。体を張るオモコロメンバーに腹を抱えて笑わせてもらいました。張りすぎて観ていてちょっと怖くなるようなところもあったけれど、総じて最高だった。


・みくのしんが書き下ろした記事を使ったクイズで出た「オリオン座の蝶番」というワードに脱帽してしまった。彼の中には、あの3つ並んだ二等星で半分にオリオン座が折りたためるようなイメージがあるということだ。折りたためたところで何?という感じだけれど、とにかく詩的だ。何かを語るための作為を感じさせず、ろ過された純粋なメタファーがただそこに置いてあるみたいな感じ。自由な語彙だ…。


・映像作品に限らず、デスゲームを扱ったコンテンツに触れたことがあんまりない(最後に観たのはネトフリの『今際の国のアリス』)。しかし子どもの頃はなんとなく自分のことを最後に生き残る側の人間だと思っていた。今は序盤で情けなく喚き散らしながら脱落する自分の姿しか思い浮かべられない。生き残るために十分な知力と体力を持ち合わせていないことは、誰よりも自分が知っている。


・大人になるってそういうことだな。根拠のない自信とか、自分が特別な人間である自負を徐々にこそぎ取られながら生きてきた。こんなことを書くとひどく寂しい印象がすると思うけれど、それは世界の中に自分を正しく位置づけようとし続けた結果でもある。だから善し悪しのスケールを持ち出して語ることではない。



・今日の23キル。XPも2000付近をうろうろできているし、天井が見えつつも、僕は確実に成長している。悲しむことはないのだ。


・彼女の故郷の過疎化が深刻らしく、託児所も学校も壊滅寸前だという話を聞いた。何年か前の大雨でやられた鉄道も未だに復旧できていないらしい。町おこしのために、マダミス風の脱出ゲームに力を入れたらどうだろうと2人で話した。


・とんでもなく辺鄙なところで、気味の悪い伝承や風習もたくさん残っているみたいだし、見渡す限りを山に囲まれていて、冬は家から出られないくらいの大雪が降るのでクローズド・サークルとしての雰囲気は抜群だ。隠れキリシタンの骨が大量に出土したりもしている。


・バスツアーを組み、旅館かロッジを手配して、町の人みんなにエキストラをやってもらう。井戸端会議する老人たちの近くを通り過ぎると、彼らは話すのをぱたりとやめ、じっとこちらを見つめてくる。コミュニティでも鼻つまみ者の孤立した老人だけが「悪いことは言わん。早くこの町を出ろ」と、血相を変えて訴えかけてくる。1日目は不吉な空気をたっぷりと感じ、2日目の早朝に事件が起こる。忠告してくれた老人の死体が見つかったのだった。


・みたいなベタなミステリに探偵役として参加できるツアーを催したらどうかという話で盛り上がったけれど、けっこう無理があるな。被験者を看守役と囚人役に分け、架空の刑務所を再現したら本当の囚人と看守のような関係ができあがってしまった「スタンフォード監獄実験」のようになりかねない。いや、きっとなってしまうだろうな。僕がエキストラだったら早めに気が狂ってしまうと思う。殺人事件をモチーフにしたら洒落にならない。廃村になってしまう。


・それでも僕には、山荘やロッジで人狼やマダミスをやってみたいという夢がある。彼女の故郷に一肌脱いでもらえないだろうか。ほどほどな感じでいいので。


・また明日〜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?