見出し画像

「西ノ島の未来を語りたい」問題に向き合いながら島と自分の未来を考える 

「現実味のない夢でもいい。まずは語ることから始めたいんです。」
大学4年生を休学し、飛び込んだ大人の島留学。
彼女が島で感じ、考えることとは?

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参画した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」
来島のきっかけから島での仕事・暮らし・自分自身の変化など
1人1人のストーリーをお届けしています。

2024年1-3月の島体験生として西ノ島に来島。
その後制度を延長し1年間西ノ島に滞在予定。

西ノ島町観光協会でR6年度から始まるプロジェクト「島の観光×まちづくり」の一員として働いている中野花鈴さんにお話を伺いました。

中野花鈴さん
取材当時21歳 大阪府出身

あの場所に帰ったらまた幸せになれるかも  

島に行こうと思ったきっかけは、ひいおじいちゃんのお家が島後(隠岐の島町)にあって、小さい頃はよく行ってたけど、亡くなってから10数年は行かなくなっちゃって。

高校と大学時代「何なんだろう、この日々。」みたいな時期がずっと続いてて、そういう時に思い出すのが島後の風景でした。 

幸せな思い出として頭に残っていたから「あの場所に帰ったらまた幸せになれるかも」っていう感覚が多分どっかにあって。インターネットで「隠岐の島」って検索したら島前で大人の島留学があるのを知って、3か月の島体験なら大学を休学せずに行けることに気づいて応募しましたね。

面談の時点では島はどこでもいいやと思ってました(笑)
私が大学でイベントの企画とかをやっていたから、そういうのが活かせるような仕事がいいですってコーディネーターの方に伝えて。そしたら西ノ島の観光に関わる仕事があるって話を聞いたから、「その仕事がいいです!」みたいな。

西ノ島が良かったっていうより、「この仕事やりたい!」ってなった時にそれがたまたま西ノ島だった。

冬の摩天崖で撮った写真 

西ノ島の問題と正面から向き合う

今年から始まったプロジェクト「島の観光×まちづくり」は、簡単に言うと観光協会の窓口業務や宿泊施設で仕事をさせていただく中で、離島観光の新たな価値を生み出して課題を解決をしようというプロジェクトです。

昨年度の1年間殿西さんがそのプロジェクトを水面下で進めていて、私は1月からそのプロジェクトを立ち上げる準備に入らせてもらいました。

私が今いちばん西ノ島で問題だと思っているのは人手不足で、人を呼ぶ人も足りていない。理想としては観光から移住を考えたいなっていうのもあって。今は観光として来てくれたお客さんが、そのあとまた西ノ島に来てくれるかっていうと、そうじゃないなっていうのがありますね。

今島の人が抱えている問題を私一人でどうにかしたいとは思わないけど、解決できるんだぞっていうのを島の人に感じてほしいなと思ってます。

お仕事をさせていただく上で意識してることは、1つ目は第三者の意見を知ること。私は島にいると視野が狭くなりがちだから、最近は本を読んで島の人以外の意見も知るようにしています。

2つ目は、長期的に物事を考えること。島留学は入れ替わりが激しいからこそ、私たちがいなくなったあとでも持続できるような仕組みづくりをしていきたいです。

延長を決めた。島の問題に向き合う中で出会えた素敵な人たち

本気で延長を考え始めたのは2月入ってから。
仕事を進めていくにつれて島の方の話を聞いていると、問題が山積みだなと思って、それにちゃんと向き合ってみたいなっていう気持ちが芽生え始めました。

あと、仕事先の方や同期はもちろん、それ以外で繋がりのある方々がすごい素敵な人たちばかりで。この人たちと3か月でさよならするのかと思うとすごい悲しくなって延長しました。

離島直前に同期17人で集まった時の写真

たまに同期の離島した組と電話することがあるんですけど、向こうは今こういう状況でこういうことに悩んでて、っていうのを聞いて。
なんか全然違うところにいて違うことをしてるのに、悩みは一緒だったりするんですよね。

もし私が離島していたらどうなっていたんだろうって考えます。あの時残るっていう決断をしたのは正しかったのかどうかを考えるために、帰った未来を想像してますね。

今は島体験の時と島留学は切り離して考えたいなって思っていて。
1年間は1年間で全く違う時間を過ごしていきたい。
1人ひとりとその人としかできない繋がりを楽しみたいです。

体験生時代のシェアメイト 焼火山に登って撮影

心の情熱で動いて

実際働いてみるとやりがいはめちゃくちゃあって。直感で選んだんですけど、その直感正しかったなっていう感覚があります。自分でこうしたいって思って行動できること、そのために何が必要かっていうのを全部逆算して1つずつこなしていくことが自分に合ってると思ってて。

私は自分の心にある情熱みたいなので動くこととか、自分のやりたいっていう気持ちをすごい大事にしてるんですけど、この島ではそれが歓迎されるというか。自分勝手に動いてるっていう捉え方はあんまりされなくて。

「こういうのやりたいんです」ってひとこと言っただけでも、「やってみたらいいじゃん」って言って貰えるからそれはすごいうれしい。

西ノ島の未来を語りたい

『僕たちは島で、未来を見ることにした』っていう本が海士の出版社から出ているのを知って、「じゃあ西ノ島で未来を見たいって思う人はどれくらいいるんだろうか」という疑問が自分の中で湧いてきました。

島にいると、絶対に人口減少という問題に向き合わなきゃいけないんですよね。特に観光の仕事に携わらせてもらっていると、「昔はもっと観光客も来てたし、宿の数も今よりずっと多かったんだよ」という話を島民の方から直接聞きます。

そういう問題って緊急度が高くて身近だから、どうしてもそこに付きっきりになる。そしてそこにはネガティブな気持ちが付きまとう。目の前の問題に向き合うのはもちろん必要。

でも私はわくわくもしたい。前向きになりたい。そんな西ノ島の景色が見たい。

現実味のない夢でもいい。まずは語ることから始めたいんです。

(R6年度大人の島留学生:中島)


LINKS

▼5/25(土) 大人の島留学イベントが東京で開催決定✨

▼まずは一度、島に行ってみたい方はこちら!

▼大人の島留学・島体験を詳しく知りたい方はこちら!

▼R6年度【3ヶ月島体験生】のご応募はこちらから🙌


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?