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本サイト( http://t.co/ntf2u66MeF )よりも乱暴なことを書きます。だいたい百合についてです。書影画像は断りが無い限りは版元ドットコム( https://www.hanmoto.com/ )からです。Amazaonアソシエイトメンバー。

最近の記事

『シティーハンター』を初めて読んだけど、男尊女卑にトランス差別と相当ひどかった

 たとえどんなに相手が女性としか認識できなくても、隠されていた男性器が露わになれば、それはおぞましく吐き気のする怪物でしかない。そういった価値観を、少年たちは社会からこうして叩き込まれ、そしてそのまま大人になっていったのです。  というわけで、先日『シティーハンター』をキャンペーンで1巻から8巻まで初めて読んだのですが、男尊女卑やら何やらでかなりひどかったです。  ちなみに、『シティーハンター』という漫画は連載の移籍があったみたいで、最初に単行本化したのはジャンプ・コミッ

    • 現実の当事者はそっちのけ。『作りたい女と食べたい女』第51話の「クエスチョニング」を考える

       さてさて、恒例の『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)ですが、第51話になったところでいつにも増して意味不明な描写が多く、担当編集も見放して出来の悪さガン無視なまま単行本最終巻のストックを淡々と描かせているのではないかと疑う昨今です。5ページ4コマ目の「また一緒に遊ぼうねー!」の意味がわかった読者はどれだけいたのでしょうかっていう。  朝日新聞でのインタビューでは担当編集が現実の当事者との接点を繰り返し強調しておりましたが、51話の「クエスチョニング」の解像度の

      • 『アイドルビーバック!』作者産休休載について

         多分こういうのをやりたかったんだろうなあの感。  私の記憶では、一体いつ産んだのかまったくわからないまま連載は続いていました。  この『食べて描いて寝て産んで』(いしかわえみ)の1巻目は2024年5月17日現在無料で読めます。調べてみたら、リリース日から一度も有料になったことがないようです。  まあ、おめでたくて休載は何よりだと思います。別作品で、癌が見つかって治療休載は、読者としてもなかなかしんどかったです。  このまま行くと、再来月で休載1年間…。

        • BLには女がかなり入ってくる ~百合からの他文化観察~

           BLはけっこう女性キャラクターの介入とかそういうの、多いですよね。上記のはさすがに扱い良すぎる気はしますけど。  てなわけで。そういえばBL界隈で女性キャラ登場の扱いはどう見られているかを確認したことがないなあと思って、「ちるちる」を見てみました。まあ、「ちるちる」もいろいろと批判されてたりもしますが。  百合界隈と決定的に違う部分は検索項目に「ゲイ」「ノンケ」の両方が存在するところですね。百合でこういう点で検索できるようにする試みは、おそらくはまずないでしょう。  

        『シティーハンター』を初めて読んだけど、男尊女卑にトランス差別と相当ひどかった

        • 現実の当事者はそっちのけ。『作りたい女と食べたい女』第51話の「クエスチョニング」を考える

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          「百合」=「女の子同士がキャッハウフフ」のステレオタイプは何故定着したのか。やっぱり『ゆるゆり』なのだろうか。

           上記引用には「キャッキャッウフフ」ですが、そのあたりの表現の幅自体に意味はないので、本記事タイトルのように、ここでは筆者主観でより使われている表現と思われる「キャッハウフフ」としておきます。(実際にどっちが多いかはまったく調べていません。)  そもそも、「イチャラブ」自体は異性同性幅広く使われる人気の概念であり、何なら少女同士以外でも比較的人気な創作作品のあり方であります。おそらくは女性同士だと処女好き男性のハーレム願望と混同されて悪く言われるのでしょうが、そこの是非自体

          「百合」=「女の子同士がキャッハウフフ」のステレオタイプは何故定着したのか。やっぱり『ゆるゆり』なのだろうか。

          斜線堂有紀氏の「徒花は今、新たに芽吹く」を考える

           2024年4月、百合小説アンソロジーの発売日が告知されました。謳い文句には「新時代のトップランナー」と表現されています。  そのなかに斜線堂有紀氏の名前があります。この方といえば、上記の「徒花は今、新たに芽吹く」が批判されたことで記憶に新しいです。 実際にされた「徒花は今、新たに芽吹く」への批判理由 過去の女性同性愛差別を肯定しているのではないか 現代日本でも当時と同様に養子縁組する他に法的な関係を結べない現状を認識していないのではないか  こういった批判に対して

          斜線堂有紀氏の「徒花は今、新たに芽吹く」を考える

          中国百合漫画『Soulmate』を読むべき10の理由(byスペインの翻訳出版会社)

          ※筆者注。「バイヘ」は「百合」の中国語読みです。なので、「リアルなガールズラブ/バイヘを探している人」は「リアルなガールズラブ/百合を探している人」だと思われます。  この『Soulmate』は以下のように前にブログに書きました。  そのうえで、このスペインの翻訳出版会社のPR文は納得しかありません。  この漫画は、10代の学生時代と20代の社会人時代を同時並行して描くことでレズビアンの半生を追える内容になっており、級友や家族との関係も描くことでかなりリアルに感じられる

          中国百合漫画『Soulmate』を読むべき10の理由(byスペインの翻訳出版会社)

          『作りたい女と食べたい女』、用語間違いのヴィーガン回でもうめちゃくちゃ

           一体どれだけやらかせば気が済むのかよくわからない『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)ですが、第50話という節目でサブキャラクター同士だけでヴィーガンレストランに行く回となりました。 「ペスカタリアンはフレキシタリアンともいう」なるトンデモ記述 この漫画では「ペスカタリアン」と「フレキシタリアン」はだいたい同じもの扱いしておりますが、各解説サイトを見ると以下のように記述されています。 ペスカタリアンとは フレキシタリアンとは どうして「ともいう」扱いした?

          『作りたい女と食べたい女』、用語間違いのヴィーガン回でもうめちゃくちゃ

          何故か廃れないジャンル名「百合」の謎

           「BL」は初めから「BL」というジャンル名で存在していたわけではなく、いろいろと通り名を経て「BL」というところに落ち着いております。  「百合」にしても、「GL」という「百合」に取って代わる名称が普及したので、近い内に消えていくのではないかと私は予想していました。  が、廃れるどころか、「百合」は今や世界中で使われているジャンル名であり、まだまだ当分消える気配がありません。一体これはどういうことなのでしょうか?(というか、あっちじゃ「やおい」まで現役なんかい。) ・

          何故か廃れないジャンル名「百合」の謎

          テレビアニメ『歌舞伎町シャーロック』の思い出

           お、おーぅ…。こんなアニメあったなあということで思い出話。  確か何一つ褒めるところがなかった記憶しかないのですが、ちょっと見返してみたら、やっぱりいいところがありませんでした。テレビアニメでお馴染みの人気声優多めの出演陣なので、そこのところは良い部分でしたが、逆にそれ以外に良い部分が思い浮かびません。いっそのこと盛大に作画崩壊してくれたほうがネタになって良かったまでありますが、Production I.Gという業界内では大きめのところのアニメ会社による製作なので作画はそ

          テレビアニメ『歌舞伎町シャーロック』の思い出

          『 響け! ユーフォニアム』は“百合”の占有物ではない。キャラ攻撃に走るのは断固反対する。(ついでに京アニ盲信を考える)

           これらは2022年のものですが、いくら男性キャラクターが気に入らなくても、誕生日を祝う投稿にまでnobody wanted thisだのshitだのsadだの、直接つけるのは常軌を逸しています。私はこのような行為に断固反対します。作品批評自体は尊重されるべきですが、キャラクターヘイトになったらそれは違うだろうと。 【参考となる投稿】 ――そもそも京アニ自体、信頼できるのか? アニメ制作会社「京都アニメーション」(以下、「京アニ」)の代表作であり、なおかつ出世作のように目

          『 響け! ユーフォニアム』は“百合”の占有物ではない。キャラ攻撃に走るのは断固反対する。(ついでに京アニ盲信を考える)

          テレビドラマ版『シンデレラ・コンプレックス』感想

          ※本記事ではテレビドラマ『シンデレラ・コンプレックス』および、原作版について、ネタバレ配慮なく書いていきます。そういうのを読みたくない方はご注意ください。  各話22~24分、全7話。2024年2月~4月にテレビ放送されました。  原作の『シンデレラ・コンプレックス』と言えば、荒唐無稽でツッコミどころ満載な漫画であり、それを地上波テレビドラマにするなんて一体どうなってしまうのかと思いましたが、意外と原作に忠実な内容でした。由良の整形や下腹部のタトゥーといった実写では再現不

          テレビドラマ版『シンデレラ・コンプレックス』感想

          『作りたい女と食べたい女』で学ぶ「無料の接待」問題

           ジェンダー問題を扱っていると話題になった『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)。そのなかで「無料の接待」がどう描かれたのか見てみると共に、「無料の接待」問題を改めて考えてみます。 『つくたべ』作中の「無料の接待」1.会社の飲み会  第45話にて別の部署の女性たちとの飲み会に参加した野本ユキ。しかし、会話に加われず、話に興味を持たつわけでもなくで、つまらなさそうな雰囲気を露骨に出しています。  そんな野本ユキに話が振られます。客観的に観察すると、会話に入れない

          『作りたい女と食べたい女』で学ぶ「無料の接待」問題

          読者を裏切り続ける『作りたい女と食べたい女』に #さよならつくたべ と別れを告げよう

           2024年3月29日、第49話が公開されました。以前より批判と失望の声が繰り返し上がっていた『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)の問題点は改善されるどころか深みにハマる一方です。特に5巻以降が顕著です。 後期『つくたべ』の問題点・改善されない絵の劣化  よく見ると4巻のあたりから既にその兆候はありましたが、第5巻収録分からは絵の劣化があまりにひどいです。 ・体調不良説を自ら吹き飛ばす政治活動  3つめのフラッグを抱えているキャラクターは過去作のメインキャ

          読者を裏切り続ける『作りたい女と食べたい女』に #さよならつくたべ と別れを告げよう

          “正しい「百合」”論の雑感と、女性同性愛者明言について

           最初「~~~~な記事がありまして…」みたいな感じで元記事がどれかをボカそうかと考えたのですが、元記事がどれなのかちょっと探せばすぐわかるのにそういうことをやると返って感じが悪くなるので、本記事ではあえて元記事を明示します。(元記事の筆者が商業作家の著名人である点も考慮に入れました。)  個人的には、自身の恋愛感情がわからないから百合を扱っているというスタンスに何とも言えない虚脱感があるので触れたくはないのですが、勘違いする方がいるかもしれませんので、個人的な観測範囲をもっ

          “正しい「百合」”論の雑感と、女性同性愛者明言について

          『作りたい女と食べたい女』の「同性カップルは家を借りられない」について

          (※この記事は以前ブログに書いた上記記事と内容がかなり被ってしまいました。その点はご容赦ください。)  テレビドラマ『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)終盤で同性カップルの極度に悲観的な住宅事情が描かれました。テレビドラマ版は原作にはないオリジナルシーンが多いのですが、当事者不動産屋へ足を運んだ第29回はだいたい原作通りの内容です。  テレビドラマ版は原作以上に入居希望の条件に触れておらず、「同性カップルだから相談することすらできないんだ」と非常に雑な理屈をぶ

          『作りたい女と食べたい女』の「同性カップルは家を借りられない」について