見出し画像

【49.バイエルを弾こう♪】原書番号2番テーマ〜第4変奏

※有料記事ですが、無料でお読み頂くことができる部分もございますので、よろしければご一読ください。


今回の記事では、バイエル原書番号2番のテーマ〜第4変奏までを取り扱いますので、そこに因んだプチ楽典からお話を進めます。今回は音部記号のお話です。


楽譜のイメージ

 ピアノの楽譜を見てみますと、上の図のような大譜表が書かれていると思います。以前【13.楽典のこと✏️】楽譜の仕組みを知ろうの記事でもお話ししましたが、「上下2段になっており、上段がト音記号、下段がヘ音記号という楽譜がピアノの楽譜です。」というような解説をいたしました。①の大譜表がそれに当たります。しかしながら②や③のパターンの大譜表もございます。現在学習を進めておりますバイエルも両手の練習がしばらくの間(60番辺りまで)②のパターンの大譜表ですし、両手の練習の先生の伴奏用楽譜は③のパターンの大譜表になっています。またバイエル原書番号1番、2番ではト音記号が記された一段のみの楽譜になっています。 

 ピアノの楽譜がこのように様々な音部記号になっているのはなぜなのでしょうか?


音部記号の種類と名称

 音部記号には上の図の3種類がございます。ト音記号、ヘ音記号、ハ音記号の3種類です。ト音記号・ヘ音記号はそれぞれ高音部記号・低音部記号とも呼ばれます。ピアノの楽譜の場合、ト音記号は主に鍵盤の真ん中のド(C4)よりも右側にある高い音の記譜をする場合、またヘ音記号は鍵盤の真ん中のド(C4)よりも左側にある低い音の記譜をする場合に用いられます。ですから楽譜のイメージ図の②は真ん中のド(C4)よりも高い音が多い場合に用いられますし、③は逆に真ん中のド(C4)よりも低い音が多い場合に用いられます。連弾(1台のピアノを2人で並んで演奏する)の場合ですと、プリモパート(右側に座って演奏するパート)が②、セコンドパート(左側に座って演奏するパート)が③のパターンで記されます。
 イメージ図の鍵盤で示したブルーの部分は真ん中のドを含む上下5度の音ですが、この音域の音はト音記号でもヘ音記号でも記されます。その箇所のメロディーや伴奏の具合によってト音記号で書くべき音かヘ音記号で書くべき音かが区別されます。
 少し余談になりますが、ハ音記号についてお話しします。ハ音記号はピアノの楽譜ではあまりお目にかかることはないかと思われますが、知識として知っておいてもよいかと思います。ハ音記号という名称からもおわかりいただけますが、その名の通り、ハ音(真ん中のド)を示す記号です。五線のどの場所に記すかによって名称が変わり、示されるハ音の位置が変わります。ト音記号・ヘ音記号でしか楽譜を見ることがあまりなかった私は、学生時代にこの奇妙なハ音記号に遭遇し、音符が読めないことにパニックになってしまった経験がございます。今でも苦手です😅


バイエル原書番号2番 var.2

 イメージ図の①・②・③のどのパターンの楽譜であっても共通することがございます。それは大譜表の上段が右手、下段が左手で演奏するということです。これは音部記号が何であれ変わりません。(特別な指示がある場合は指示に従って演奏します)
 
 それではバイエル原書番号2番(ここではvar.2で解説します)ではどちらの手で演奏すればよいでしょうか?

 バイエルの教則本ではこの箇所には1番では「右手の練習」、2番では「左手の練習」、3番の前には「両手の練習」と指示がされていますので、それぞれの指示に従って演奏します。が例えば上記の④のように何の指示もなく、指番号も記されていない楽譜の場合は迷ってしまいますね。この場合はどちらの手で演奏してもよいと思います。曲自体が短く、極端に高音でも低音でもないのですから、どちらの手で演奏しても不具合はないように思います。では⑤、⑥はいかがでしょうか?何も指示がない場合、指番号をヒントにどちらの手で演奏するかを判断します。⑤ではソ→3、ラ→2、シ→1という音と指番号の関係から左手で演奏するようにします。また⑥ではソ→1、ラ→2、シ→3ですから右手で演奏すると判断します。実際に鍵盤上で指を動かしてみてください。逆の手で演奏することは大変奇妙な指の動かし方になるとおわかりいただけるでしょう。

 ここでは譜例は示しておりませんが、ト音記号・ヘ音記号で一段のみの楽譜であっても、両手で演奏する楽譜がございます。その場合は前回の記事でお話しした音符の「棒」の向きによって右手・左手の判断をします。(特別な指示がある場合はその指示に従って演奏します)

 よくある勘違いとでも言いましょうか。レッスン中に時々「ト音記号って右手の記号だと思ってた」とか「ヘ音記号だから左手だよね」というような会話がなされることがございますが、今回のお話で音部記号の本来の意味(考え方)の理解を深めてください。


最後までお読み頂きありがとうございます😊たくさんのフォローやスキ、ビューでの応援、大変励みになっております。重ねて感謝申し上げます。次回もまたよろしくお願いいたします🙇


バイエル原書番号2番テーマ〜第4変奏動画


ここから先は

165字 / 1画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?