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富士山の謎と奇談


富士山の謎と奇談

 題名のとおり、富士山に関する不思議な話を集めた本です。

 濃い話を期待される方には、もの足りないでしょう。深く突っ込んだ話は、書いてありません。

 また、富士山に関わる伝説ということで、いわくつきの『宮下文書』を紹介しています。
 この文書は、神武天皇より前に、日本に王朝があり、高度な文明が栄えていたと主張するものです。この文書の出自や内容を、明確に証拠立てるものは、一切、発見されていません。
 このような怪しい文書を、無批判に紹介している点は、どうかと思います。

 が、これらの点に注意して読めば、面白い本だと思います。
 何より、気軽に、さらっと読めるのがいいですね。厚さも薄いですし、文章も難しくありません。
 富士山に関する不思議な話を、手軽に仕入れたいなら、本書は、お勧めです。冷静な目で読めるという条件付きで。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第一章 富士山の謎と奇談
 富士山はなぜフジサンか―命名の謎
 富士山の高さは昔から同じか
 富士山に仙薬を求めた中国人―徐福
 富士山高天原―幻の帝都をめぐる虚実
 富士山は男神か女神か
 富士山中でミイラになった人々
 富士登山の第一号はだれか
 日蓮の登山伝説と二つの経ガ岳
 富士山に住む天狗たちの正体
 英国航空機の墜落と乱気流の謎
 今も崩れ続ける大沢の怪

第二章 富士山信仰のあれこれ
 全国の浅間【せんげん】神社のもとは富士山
 埋経・埋銭の山―掘り出された信仰史
 富士山中出土の掛仏【かけぼとけ】異聞
 富士講の分裂と抗争―身禄【みろく】と光清【こうせい】
 女人禁制の山へ登った女性たち
 富士山頂は巨大な賽銭箱だった
 山頂から消えた仏像たち―廃仏毀釈【はいぶつきしゃく】の嵐
 江戸に造られた富士―富士塚の分布
 富士山の三大祭り―火の祭典

第三章 溶岩洞穴の怪
 鎌倉へ通じる富士山の洞穴―人穴怪奇
 人穴の修行者―富士講の黎明
 精進お穴に死す―富士信仰の極地
 お胎内(洞穴)の神秘
 老婆をすてたバンバア穴が二つ



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