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ネス湖の怪獣 (1973年)


ネス湖の怪獣 (1973年)

 ネス湖の怪獣、いわゆるネッシーについて、まじめに考察した本です。
 ネッシーについて、まじめに知りたいと思う方には、本書をお勧めします(^^)

 評価は、五つ星(満点)を付けたいところですが、それはできません。
 理由は、出版された年代が古い(一九七三年)ためです。最近の成果が、反映されていません。

 にもかかわらず、本書は、ネッシー関連の本としては、一、二を争う必読書です。
 ネッシーについて、これほどまとまった調査結果が読める本は、二〇一二年現在でも、ほとんどありません。

 ネッシーの目撃例について、古典的といえる事件は、本書で、すべて取り上げられています。最近の成果がないことだけが、欠点ですね。「ネッシー」のイメージを作り上げた、さまざまな事件が、ここにあります。
 ネッシーの基本を押さえるなら、本書を読むべきですね(^^)

 本書の著者、ティム・ディンスデール氏は、もう亡くなっています。
 けれども、未確認動物に関心があるならば、この方を知らずに済ませてはなりません。

 ディンスデール氏は、「ネッシーは、実在する未知の巨大生物だ」と信じていました。ですから、本書に書かれている彼の意見は、肯定寄りに偏ったものです。現在では、はっきりと、誤りだとわかった意見もあります。
 その点は、批判されても仕方がないと思います。

 しかし、一九七〇年代、彼は、ボートで毎日、ネス湖に出て、ネッシーを探していました。未確認動物の研究家の中でも、これほど熱心だった人は、少ないでしょう。
 現場を知る人間の意見は、貴重です。無視してしまうのは、もったいないです。

 本書を読んだ後、ネットで最新の成果を拾えば、あなたも、いっぱしの「ネッシー評論家」です(笑)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき

第一章 ネッシー狩りの動機
 興味そそる一枚の写真
 「存在証明」への意志
 挫折した探検計画
 調査実行の決意

第二章 「怪獣」のはめ絵パズル
 目撃報告の再検討
 ネス湖の怪獣の分析

第三章 ネッシーの伝説と事実
 聖人が見た水棲怪獣
 陸に上った怪獣
 「漂える島」
 スパイサー夫妻の目撃談
 怪獣の最初の写真
 ウナギか蛇状の頭部
 外科医が撮影に成功
 重要な少女の目撃
 マウンテン卿【きょう】の挑戦
 樵夫【きこり】が見た怪獣
 怪獣のエコー記録

第四章 ネス湖の地理と怪獣
 ネス湖の地理的特徴
 出入ルートはどこか?
 地形構造と地勢の検討
 怪獣の食糧
 いつから棲んでいるのか

第五章 外科医の写真
 写真の真偽
 一写真に関する報告
 怪獣健在を信ずる

第六章 怪獣狩り
 ネス湖への旅
 怪獣狩りを真剣に開始
 第二日・グレイ氏の写真
 第三日・「V型」の泳跡
 第四日・ついに怪獣を撮影
 第五日・湖面での調査
 第六日・再度怪獣を撮影

第七章 戦いは始った
 計測資料の収集
 名利なき研究
 確かに写っていた!
 一般公開にふみきる
 大反響のテレビ放映
 徐々にふえる理解者

第八章 特別の証拠
 確証された過去の証拠
 湖面での目撃者の新証言
 湖岸での目撃者の新証言
 新しい証拠写真
 怪獣の個体数に関する証拠

第九章 世界の怪獣たち
 証拠の再収集
 ネス湖の怪獣についての可能な説明
 他の淡水棲怪獣に関する研究
 海の怪獣に関する研究

第十章 将来への行動方針
 主要諸学説の再検討
 私自身の結論
 人間の問題
 科学的調査
 潜水艦探知機およびレーダー捜索
 撮影技師
 成果の総合
 最終目的―保護、保存および研究

訳者あとがき



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