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光る君へ 第六回「二人の才女」


※敬称略

はじめに

毎回毎回楽しんで視聴している、今年の大河ドラマ『光る君へ』。
既に周回遅れとは言え、半ば勢いで感想文の投稿を始め、今のところ続いております。
今回は予告編で既にききょう(後の清少納言せいしょうなごん、演:ファーストサマーウイカ)の登場が告知されており、彼女がどの様に描かれるのか楽しみでなりません。

「まひろの言う事を信じる」

泣き疲れた様子のまひろ。
水盥みずだらいに映る月を眺め、道長の言葉を思い出しながら顔を洗う。

「今宵、何があったかはかぬ。わしが浅はかであった。もう左大臣家に行かずとも良い」
為時にそう言われるまひろ。もう間者をしなくても良い、との意味。
「でも、これからも左大臣家にも通おうと思います。みなもと(=左大臣家)とのつながりを持っていても良いのではないでしょうか」
自分の言葉で、父にそう告げる。意識して、道長との距離を取ろうとしている。

一方、自宅で父兼家に道兼の所業を忘れろ、道兼は家の為に泥を被るのが使命なのだ、と道長は諭される。道兼にも「足元を見てみろ、俺たちの影は皆同じ方向を向いている、一族の闇だ」と言われて愕然とする。

「嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は」

倫子姫のサロン。
今日のお題は『蜻蛉日記かげろうにっき』。
作者は前回にチラッと登場した道綱ママ(寧子やすこ=演:財前直見)。
どうやら、まひろの家には写本があるそうで、今度持ってきますと言われても姫様達は皆「本を読むのが苦手なの」と笑いだす。
まひろも釣られて笑う(目が笑ってない)。

サロンが終わった後の廊下。
「まひろさん、いつも張りつめてて疲れません?」と倫子姫に訊かれたまひろ。「もっとお楽にしたら」
「幼い頃に母を亡くして、肩に力を入れて生きて来たのかも」
そんなまひろに、
「苦手は苦手と言う事でまいりましょうか」と優しく声をかける倫子姫。
優しい。そしてとても賢い。まひろが空気を読んでいることに薄々感づいていた。
「まひろさん、私は貴女あなたの味方よ」とでも言っているか。

「おかしきことこそめでたけれ」

サロンの帰り道。
まひろは従者の乙丸おとまる(演:矢部太郎)を従え、市女笠いちめがさも被らずに都の通りを歩いている。
直秀なおひで(演:毎熊克哉)の所属する散楽集団(「表」の仕事は散楽の俳優、「裏」の仕事は盗賊)が、アクションさながらの練習をしている。
「すっごいわね、みんな。人じゃないみたい」
褒めたつもりのまひろに返す直秀の台詞セリフが切ない。
しいたげられている者は、元より人扱いされていないんだ」

劇団員の一人が、次の散楽のネタは、五節ごせちの舞で倒れた姫の話をするんだとまひろに言う。
悪気はないんだろうけど、まひろは腹の中で「それ、あたしの事だけど」と思っていそう。直秀は気付いているのだろうか。
代わりに、五節の舞姫をヒロインにした散楽のネタを考えるが、ものの見事に却下されてしまう。
「下々の暮らしは貧しく、皆かつかつなんだ。だから、笑いたいんだよ」
「笑って、(日々の暮らしの)辛さを忘れたいんだ」

寝込む弘徽殿女御こきでんのにょうご

宮中、妃達の住む後宮こうきゅう
弘徽殿の女御こと忯子よしこ(演:井上咲楽さくら)は懐妊しているものの体調を崩し、寝込んでいる。そこへ、兄藤原斉信ふじわらのただのぶ(演:はんにゃ金田哲)がすっぽんを持って見舞いに来る。
しかし、兄には妹への心配の他に裏がある。
お産で宿下がりをする前に、花山帝に兄を出世させてもらえるように囁けと言うのだ。
斉信のアホ。妹に呆れられてどうするよ。
そこへ、花山帝(演:本郷奏多)がやって来る。愛妻を心から心配する帝。斉信に気付く。
「そなたは誰じゃ」

お酒大好き道隆さん、一計を案じる

夜。右大臣家嫡男、藤原道隆(演:井浦新)とその正室高階貴子(演:板谷由夏)が晩酌している。
道隆さん、お酒が相当好きらしいし、酔っぱらってご機嫌。
そこへ、道長がやってくる。
(状況を察して女房達を下がらせる貴子サマが今日も凄い)
同僚の藤原行成(演:渡辺大知)からの情報により、花山帝の叔父藤原義懐よしちか(演:高橋光臣)が斉信や藤原公任きんとう(演:町田啓太)を自邸に招き酒宴を催すという。道長は呼ばれていない。要するに、右大臣家を排しようという策略だと言うのだ。
くだんの義懐の酒宴、女房達を隣にはべらせて騒いでる様子は、時代劇に出て来る悪役のようで、招かれた公任らはドン引きしているのがよく分かる。
「帝がどのようなお方かはさておき、お支えする者が知恵なくば、国が乱れます」
道長、「三男の自分は政治に興味がない」とは言いつつ、物事を俯瞰ふかんして理解する能力があるらしい。
そこへ貴子サマが一言。
「殿、漢詩の会を開いては如何でしょう」と。
「それに、若い方々は学問の成果を披露する場に飢えております」
道長「兄上、私は出なくて宜しいでしょうか? 漢詩が苦手なのです」

動き出す詮子あきこ様、巻き込まれる雅信パパ

左大臣家、倫子姫のサロン。
姫の膝には猫の小麻呂(小麻呂、甘えん坊)。
倫子姫の父、源雅信(演:益岡徹)の顔にハエがたかった話で盛り上がる。
雅信パパ~、姫様達にネタにされてますよ~。

当の雅信は、その時宮中梅壺を訪ねている。
梅壺は道長の姉詮子あきこ(演:吉田羊)と幼い東宮とうぐう懐仁やすひと親王がおり、その二人に謁見していた。
詮子「私は父とは違う力が欲しいのです」
困惑する雅信さん。宇多天皇の血筋で(宇田源氏の始祖)、本当は政局にあまり興味がない様子だったけれど、そうも行かなくなった。
「末永く、東宮と私の力となる事を、ここでお誓いなさい」
「ところで、左大臣様の一の姫(倫子姫)はおいくつですの?」
詮子に訊かれてハッとする雅信さん。
退室した代わりに参内する道長。
「道長、あなた左大臣家の婿になりなさい」
「私の言う事に間違いはないから。いいわね?」
詮子様、とうとう動き出しました。

漢詩の会への誘い

為時パパ(演:岸谷五朗)一家の家。
道隆の邸から、漢詩の会への誘いが来る。清原元輔きよはらのもとすけと共に、講師を務めるようにと。
まひろは、出席者名簿に道長の名前がないことを確認。
まひろの弟惟規のぶのり(演:高杉真宙)を誘うが、「無理無理」と逃げ出してしまう。
「私がお供いたします」とまひろ。
「是非、父上の晴れ姿を拝見しとうございます」
為時さんは驚きながらも嬉しそう。

ついに登場、空気を「読まない」才女ききょう

漢詩の会当日。
控えの間にて、為時パパと元輔パパ(演:大森博史)が久しぶりの再会。
為時の娘まひろと、元輔の娘ききょう、後の清少納言せい しょうなごんが紹介される。
「春はあけぼの」で始まる、『枕草子まくらのそうし』の作者。
まひろにとってはライバルになる、若き日のききょうがとうとう登場。

漢詩の会の会場。
いない筈の道長がいる。まひろ、ちょっと動揺してないか?
まひろも道長も漢詩は上の空になっている。

元輔の提示する、漢詩の会のお題は「酒」。
お酒大好き道隆さんらしい(ホント飲みすぎ注意)。
行成、斉信の漢詩が読まれ、次に道長の詩が読まれる。
下賜かしされたお酒と、宮中で咲く菊の花になぞらえて、こっそりまひろのことを読んでいる(ような)。
斉信の漢詩が読まれる間、彼の方をチラ見するききょう。
そして自作の詩を披露する公任。
学識ぶりを道隆に褒められる。

道隆に意見を求められるまひろ。
「唐の白楽天はくらくてん(白居易はくきょい)のようだ」と感想を述べる。
そこへ異なる意見をするききょう。
「私はそうは思いません。むしろ、白楽天の無二の親友だった元微之げんびしのような、闊達かったつな歌いぶりでした」
ききょうさん、空気を読まず自信たっぷり。元輔パパが思わず咳払いする。
ききょうの返答ぶりにちょっと嬉しそうな貴子サマ(ロックオンした)。

漢詩の会を締めくくる道隆。
「そなたらと共に帝を支え奉り、この国をよりよき道に導いて参ろうぞ」
この台詞に、若君達は心を掴まれたはず。
為時パパは口を真一文字にしていて、ちょっと複雑そうだけど。。。
若君sを見送る道長の背中を、そっと見つめるまひろ。
「私、斉信様がお選びになった歌が好きだったわ」と囁くききょう。
元輔パパに「出過ぎた事を申すでない」と叱責される。
他方、廊下を歩く若君s。
斉信「元輔殿のご息女、あの小賢しげな感じ、鼻をへし折ってやりたくならぬか?」
ききょうと斉信くん、後々バチバチとやらかしそうで楽しみ。

その日の夜。
縁側で月を眺める道長。
誰の事を思っているのだろうか?

内裏に忍び込む盗賊団、女御の訃報、そして道長の文

ある夜の事。
道長達は当直勤務で、武官姿で内裏の周辺を警備中。
盗賊団が内裏の蔵に忍び込んでいる。
道長が弓を構え、腕に命中、盗賊団の中に直秀の姿がある。

為時の家。
乙丸から、「三郎の使者からふみ(手紙)を預かってきました」
と。
まひろ、思わず文を開く。

同じ頃、宮中。
花山帝の愛妻である女御忯子が亡くなる。
血相を変えて駆けだす花山帝。

道長からの手紙。
和歌が一首。
「ちはやぶる 神の斎垣いがきも越えぬべし
恋しき人のみまく欲しさに」

これは、ラブレターですか? 道長くん?

何故か現代語訳がつかぬまま(その意図はどこかにある)、次週へ。

追伸:今日の実資さねすけさん

お呼びじゃありませんでした(出番がありませんでした)。
個人的に、実資さんと雅信パパは好きなキャラなので、本当は実資さん毎週出て欲しいんですけどねー。

(第七回へ続く)











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