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2024年正月のPNKT日誌 4

2日の朝は、頼まれた土産物の購入や、姉に渡すDVD、沖田神社にお返しする御札の準備などと並行しながらギリギリまでしつこく作業をして、なおかつなるべく早めに家を出た。おお、マルチタスクをやっているではないか。知らんけど。

例年の自分に比べれば非常にテキパキと、かつ抜かりなくやったつもりで自分を褒めてやろうという気にすらなった。俺でもたまには気が向けばそれくらいできるのだ、と。あくまで「つもり」だが。

商店街を歩いているとギターのケンミさんにばったりあって挨拶をする。
めでたい。

さらに筆跡表現師の瀬戸芳夫さんが路上鑑定をしていたので挨拶をする。
めでたい。

筆跡鑑定のサンプルを図示した大きなディスプレイと見台を拡げた瀬戸さんの姿を見かけられたことのある方もおありだろう。

最近はお初天神商店街で鑑定をされていることも多いが、正月は天神橋商店街で早い時間からじっくり構えるのが恒例のようだ。

また、商店街のような天井のあるところだけではなく、天候が許せばJR大阪駅の歩道橋や、京都の路上にも出没される。

そうした地道な活動に対して評判が評判を呼び、全国から声がかかりイベント等にも出張されている。

ずっと以前から天神橋商店街にお出になっているところを見かけて珍しい人がいると気になっていて、思い切ってお声をかけさせていただいたことから自分も鑑定をしてもらったり、人を紹介したりするようになった。

お願いしてラジオのゲストにおいでいただいたこともある。

ちなみに筆跡鑑定というと、たしかに筆跡という「しるし」からその人の人となりを読み解いていくものだから、占いと混同されるような印象を与えるが、その根拠は神秘学的なところにはないという。

元はフランスだったかのヨーロッパで始まった筆跡心理学というもので、犯罪捜査にも利用されてきた歴史がある。

きちんとした理論が構築されており、瀬戸さんもまずはそこから学ばれたようだが、そうしたオベンキョウのレベルをとっくに超え、真剣な人から冷やかし半分の酔客に至るまで路上で向き合うことで叩き上げた鑑定眼は優しくもあり、鋭い。多分、今まで鑑定した人数はゆうに延べ5桁は超えているのではないかと思う。

瀬戸さんは企業勤務を辞めて路上の筆跡鑑定師に転身したという、驚くような経歴の持ち主だ。その経緯はご自身でもブログなどで度々発信されているし、自分のラジオ番組でお話いただいたものは過去のオンエアをYouTubeで探せば見つけられる。

むろんご苦労もあるとは思うが、自己本来のありように素直に従うと、人はこんなに自由に輝けるのかという見本を見るような思いがする。

日々の生活に不満を抱えて「こんなの本来の自分じゃない」などと言って安易な自分探しや、ちょっと薄っぺらい方の心理学に傾倒したりする向きもある。

「自己本来のあり方」はもうちょっと深いところにあって、大人になると大体そこには目をつぶって見ないようにしていたり、わかっていても押し込めてしまったり、向き合うのが怖かったりするため、ときには他人から指摘されると猛烈に反発を覚える領域だ(反発するのはだいたい図星だからだったりする)。

自分もそこに入っていくのは正直怖い。

瀬戸さんはそこを自ら突破した尊敬する人であり、我がヒーローのひとりである。

商店街にふらりと現れるヒーロー、かっこよくないですか?

閑話休題。

まあ、自分としては大分頑張ったつもりで、忘れ物もせず(しなかったつもり)予定の新快速に定刻で乗り、乗り継ぎも段取り良く、比較的早めに実家の最寄り駅に到着、姉と合流する。

今回も滞在時間に比してそれほどのんびりできない量のミッションを抱えているので、合流して早速腹ごしらえをすることにした。

そこである店の駐車場に入り、駐車スペースに車を停め、姉がエンジンを止めたまさにその時、突如としてトリックスターが出現、以降の予定を全て覆してしまった。

(つづく)

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