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複業、勉強、家族、どれも大事。「思い立ったら即行動」の背景に徹底した自己管理

本業1社にとどまらず、さまざまな企業で自身の能力や経験を活かして新たな活躍の場を広げる「複業人材」を紹介する本シリーズ。第4回目に登場するのは、カラビナテクノロジー株式会社で採用・人事を務める高橋 建二さんです。高橋さんは高校時代に初めてフリーマーケットに出店して商品を販売し「自分が行動して得る喜び」を経験。現在(2024年2月)もIT企業の傍ら、複業を数社、NPO、大学院と幅広く活動していらっしゃいます。高橋さんが多数の複業に挑戦する経緯や、本業や複業、大学院を同時進行するコツ、「人生が続くかぎり社会に貢献したい」という思いを伺いました。


本業、複業、NPO、大学院。沢山の仕事に関わることが私の趣味

― 高橋さんの自己紹介をお願いします。
 
私は福岡県北九州市でIT企業のカラビナテクノロジーで採用・人事をしています。社会人歴は20年で、今年で43歳になります。現在、大学院でマネジメントを学びながらNPOファザーリング・ジャパン九州で理事を務め、ご縁のある企業にて複業でお仕事をしています。毎日、朝から晩まで予定がパンパンですが、さまざまな仕事に携われることは私の生きがいであり、趣味なんだと実感しています。
 
― 本業や複業、NPO、大学院と幅広くご活動になっていますが、どのように進めていらっしゃいますか?
 
自己管理を徹底していますね。基本的なことですが、各業務に所要時間や終了時間を設ける、健康維持のためにしっかり寝る、暴飲暴食をしない、感情を抑制する、好きなサッカーチームを熱心に応援するなどメリハリを意識しています。
 
― 新卒で食品関係企業へ入社し、途中でIT企業に転職した経緯をお聞かせください。
 
もともと学生の頃からITか小売に行きたかったんですよね。しかし、福岡で就職活動をしていた頃は就職氷河期だったこともあり、全く内定を頂けませんでした。一旦オーストラリアでのワーキングホリデーを挟み、1年後に東京で就職活動を再開したらどちらの業界からも内定を頂き、「こっちの方が面白そう」と小売に入社しました。
 
小売業界では10年間働いていましたが、東日本大震災が起きて人生について考えた時「やっぱりITにも挑戦したい」と。「同じ頑張るのであれば業界として勢いのある、柔軟で新しい働き方を推奨しているIT企業だ」と、職業訓練校に通いながら当時の日本ではめずらしかったUdemyの動画や書籍でITを学習しました。
 
― 現在、どのようなお仕事を複業で遂行していらっしゃいますか?
 
東京の大手企業でマーケティング(コンテンツマーケティング、ホワイトペーパーの作成他)や、地方の中小企業で採用や広報・PRを行っています。また、北九州市が取り組む「男女共同参画」では委員を務めるなど、常に3〜4件の複業を行っていますね。福岡で有名な経営者の方から「経営者の友達でも自己管理や業務管理で悩む方が多いのに、高橋さんは器用にバランス良く活動していますよね」とおっしゃっていただいたこともあります。
 
― 「複業へ第一歩を踏み込めない」という方が多い中、高橋さんはどのように複業の機会を得ていますか?
 
まず、自分の活動や考えを進んで発信したり、関係者の方々とコミュニケーションを取ったりしてご依頼を頂いています。また、複業サイトを定期的に見て「できそうだな」と思ったらポチッとしていますね。大事なのは「相手の立場に立って考えること」ですが、これ以上は企業秘密ですので(笑)、気になった方はお気軽にX(旧Twitter)にてご連絡ください。

積極的に複業をする背景には、高校時代に初めてお金を稼いだ経験があるからかもしれません。当時、初めてフリーマーケットをやったんですよ。フリーマーケットでは自分の店を持って、売るものがなくなったら新たにグッズを仕入れて売っていました。それが楽しくて月1〜2回、5年間で計40〜50回もやっていました。行動して何かを得ることの喜びが現在の複業に繋がっています。

やりたいことを全部回したいなら、まずは心身の健康を保とう

― 複数の複業をどのように進めていらっしゃいますか?
 
平日の早朝や夜、土日を使って仕事をすることが多いですね。私は朝派なので7時に複業を開始して、9〜10時になったら本業の仕事に切り替えるなど、集中できる時に一気に進めています。

― 高橋さんにとって、複業はどのようなことが良いとお考えですか?
 
「本業が倒れても大丈夫(今の会社では起こりえないと思いますが(笑)」という余裕が生まれることや、社会人としての経験値を積めること、人との繋がりが増えて「生きているなあ」と実感できることですね。また、43歳の私がやっていることを10年後、20年後にも続けられるように、今のうちから複業でスキル・経験を磨く、大学院で学ぶ、常に最新情報を取り入れるなど、早め早めに行動していますね。この継続力でゆくゆくは先行者利益を得られるかもしれないと考えています。
 
― 反対に、複業で大変だと感じることはありますか?
 
予定がすぐに埋まってしまうので時間管理を徹底しています。各業務に優先度を付けるのは当然として、本当にキツくなったらすぐに関係者の皆さんに相談しています。楽な道を選択しているとどこかで大きな壁にぶつかるので、つらい業務や予定でもやりくりしながら完遂するようにしています。
 
有り難いことに大変だと感じることはこれ以外にはないんですが、1つだけ覚えているのは、複業先の社長が「高橋さんを雇います」と決めてくださったものの、社員の皆さんは外部から人が入ってくることにあまり乗り気ではなかったこと。私が携わっていない業務の失敗を「これは高橋さんがやっていたので」と言われて「全くやっていないけれどなあ・・・」と思いましたが、6年前では複業に対する世間の厳しさを痛感しましたね。この経験から、複業で仕事をさせていただく際にはこちらもある程度「選べる立場」にいようと決意しました。
 
― 複業先の皆さんと円滑に連携するために、どのような工夫をしていらっしゃいますか?
 
自分から進んでコミュニケーションをすること、できるだけ早く返答すること、また、目標や目指している成果を確認することですね。曖昧なまま進んでしまうとお互いの認識がズレるので、誰がどのボールを持っているのか、どんな進捗なのかを聞いて共通認識を握り合っています。あまりにも根掘り葉掘り聞く時は必ず笑いを添えていますね(笑)。
 
― 高橋さんは周りの方々に気を配る明るい方なので、前向きな影響を与えていらっしゃると思います。
 
ありがとうございます。これができるのは、やはり健康を維持しているからです。皆さんは何でも「やりすぎている」ように見えるんですよね。お酒の場で飲みすぎてしまう、毎日残業して疲れをためてしまう、早めに帰宅しているのにテレビを見続けてしまう。心身が健康でないとどんなことにも全力で頑張りきることができません。私はお酒は嫌いではないけれど断るし、ポテトチップスを開けたら完食せずに「このへんでやめておこう」とブレーキをかけていますね。
 
― 本業の皆さんは、高橋さんの働き方に対してどのように理解していらっしゃいますか?
 
私はもともと「複業を自由にできる会社で働きたい」と希望して転職活動をしたので、うちの会社では複業に寛大で、実際に社員の半分が本業と複業をかけ持ちしています。毎年2月になると社内では「確定申告をした?」という話で盛り上がっていますね。

仕事、勉強には終わりはない。100歳になっても挑戦していたい

― 今後、高橋さんはどのようなキャリアを積んでいきたいとお考えですか?
 
まだ具体的には決めていませんが、100歳で死ぬまで仕事を続けるにはどうすればいいのかを思い巡らせています。祖父は80歳過ぎまで仕事をしていましたが、退職した途端に老けたんですよね。また、ある公務員の方は65歳の定年退職まで頑張るとおっしゃっていましたが、仕事がなくなったら残りの人生で活躍する場がなくなって寂しいだろうな、と。
 
数年前、仲の良い方が企業を売却して金銭的に自由になり、3ヶ月間のんびり過ごしていたところ「自分には無理だ」と、すぐに社会復帰をしてバリバリ働いています。私もアーリーリタイアが頭をよぎることもありますが、仕事から来るストレスからいい刺激を受けているので、仕事も勉強も「これで終わり」と幕を下ろさずに行動し続ける人生にしたいですね。社会に属するかぎり、人生が続くかぎり、自分のスキルや能力、経験を積み上げてさまざまな場面や人々に貢献していきたいんです。
 
― 最後に、複業をやってみたいと考えていらっしゃる方々へメッセージをお願いします。
 
よく言われる言葉ですが、まさに「考えるな、感じろ」ですね。複業でも何でも、皆さんは難しく考えてしまうのではないでしょうか。例えば、SNSをやっていない方は「投稿したら炎上するかもしれないから」と尻込みしてしまう。有名人じゃないんだから、明らかに変なことしないかぎりはそうそう炎上するわけないじゃないですか。「痛い目に遭うくらいなら何もしないでいた方が安心安全だ」と思っていませんか?何かに挑戦したり飛び込んだりすると失敗するかもしれませんが、大失敗する前に小さな失敗をした方がいいと思います。
 
― 高橋さん、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
 
(取材・文:佐野 桃木)

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