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5月の風と『緑の馬』

風がゴウゴウ吹いていた日がありました。
たくさんの葉っぱをつけた大きな枝が
ザワザワじゃわじゃわ揺れていて
しばし聴き入っておりました。


こんにちは。おすぬです。
(上の詩もどきは数日前の私の気分)

今日はことばと広告さんの「書く部」の
こちらのお題で書いていきます。

国語の教科書で、今でも思い出すな〜って話

ことばと広告さん 「書くお題ライブラリー」より


🌳


私の実家は山を切り拓いた新興住宅地にあります。
住宅地のはずれ(端っこ)には「はらっぱ」がありました。

はらっぱは山の斜面に接していて(山といってもハイキングコースのある低山)、斜面の一角に山肌がむきだしで細い沢が流れていました。

私が小学校高学年、いまと同じくらいの季節のころ。
その沢にサワガニがいるよとクラスの誰かが言っていたので、友だち数人と行くことになりました。

山なのに本当に小さなカニがいました。
沢からほんの少し離れた山肌に、腰かけられるようなデコボコがあったので、手が泥だらけになりながらも友だちとよじ登って腰を落ち着けました。

視線が少し高くなって向いの新緑の木々が見えます。
風がザーッと吹いて木々のかたまりが波のように揺れるのが見えて

「あれ、緑の馬だね」

と友だちが言いました。

ちょうどそのころ国語の授業でやってたんです。
斎藤隆介さんの『緑の馬』。

羊飼いのデーゴが逃げた小羊を探しに山に入って山の木々たちと出会うお話です。

若木たちがせーのって声を合わせながら緑の馬を走らせる場面があります。風が吹いて葉っぱが一方向になびくのを「馬」に例えたんでしょうね。
新緑の季節にぴったりです。

私も一緒に授業を受けて同じものを見ているのに思いつかなかった。
その友だちの柔らかい感性に(なんて言葉は当時思わなかったけど)少しリスペクトを感じたことを覚えています。


🌳


原作の斎藤隆介さんは『モチモチの木』『花咲き山』など滝平二郎さんの切り絵の絵本でも有名です。
他にも『ベロ出しチョンマ』という江戸時代風の悲しいお話があって、大人なってからその話が読みたくてこちらの童話集を買ったところ『緑の馬』も収録されていて、あの斎藤さんだったんだ!と逆に驚きました。

斎藤さんのお話は日本の昔話が多いイメージですがこういう童話もあるんですね。
主人公のデーゴはもしかしてダイゴって名前なのかな。


国語の教科書で他に覚えてる話は
『すなの中に消えたタンネさん』
くらいしか印象に残ってないです。
皆さんはどうですか。


画像は koukichi_t 様にお借りしました。
ありがとうございます。


それではこれにて。

(ひとりライラン72日め)

#書く部のお題で書いてみた

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