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【洋書多読】Dustbin Baby (再読)

ジャクリーン・ウィルソンの名作児童書『Dustbin Baby』を再読、読了しました。

ジャクリーン・ウイルソンといえば本書の他に『Lizzy Zipmouth』や『The Illustrated Mom』などの作品があります。

どれも少女の葛藤や苦悩を描いた作品という点で共通しているのですが、もう一つ彼女の作品の共通の特徴としてあげられるのが「物語の設定が割とエグい」ということです。

『Dustbin Baby』の主人公は、なんと生まれたその日にタイトルの通りdustbinすなわちゴミ箱に捨てられた女の子です。その少女が14歳の誕生日に自分の母親を探す旅に出るという、なかなかハードな設定になっています。

そしてそんなシビアな状況にある少女の揺れる思いを、暗くなりすぎずかと言ってポップでもない、絶妙なタッチで描くのがジャクリーン・ウイルソンの天才ではないかと思っています。

そして最後はきちんと「泣かせてくれる」いかにもジャクリーン・ウィルソンな、そんな物語です。

英語はちょっと一筋縄ではいかないです

ジャクリーン・ウイルソンの作品にもう一つ共通していると思われるのが「熟語・句動詞の多さ」です。これに辟易して読みすすめるのが辛くなる読者は結構多いんじゃないかと思います。

僕もそんな一人でした。

とにかく意味を取るのが難しいフレーザルバーブが頻出です。前回、3年前に北海道のニセコで本書を読んだときは、ニュアンスの取れなさに随分戸惑ったものです。

それだけこなれた英語で書かれているといえばそれまでですが、英語学習といえばお勉強がメインの日本人英語学習者には少々このこなれ感がかえって辛いと感じるかもしれません。

それでも、そこはさすがジャクリーン・ウィルソン。物語の展開の面白さでどんどん読ませてくれます。少々わからない単語・熟語があってもぐんぐん読める、読み進めたくなる。

いわゆるExtensive Readingの王道を行く読書体験を提供してくれるのが本書といっていいと思います。そう言う点が、タドキスト(多読を英語学習に取り入れている人)に高い評価を受けてる一因だと思います。

ジャクリーン・ウィルソンに興味があるなら『Lizzy Zipmouth』あたりから

そんな名作『Dustbin Baby』ですが、実際に手にとって見て「ちょっと難しいかな…」と思われたら同じ著者の名作『Lizzy Zipmouth』をおすすめします。

こちらは主人公の年齢が若干低めゆえなのか、英語がそこまで難しくなく、比較的サラッと読み進めていくことができると思います。

お話の展開もいかにもジャクリーン・ウィルソン!という感じですし、著者の作品のエッセンスを感じていただくにはちょうど適した一冊なんじゃないかと思います。長さもそんなに長くないですし。

こちらを読んでみて「面白いかも!」と思われた方は『Dustbin Baby』とか『The Illustrated Mom』なんかに進んでいかれるといいんじゃないでしょうか。

イギリス英語なので、そこも若干戸惑うポイントではあるかもしれないですが、挑戦していただく価値の十分にある一冊です。


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