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【アラサー書記】~拝啓。独身の皆様へ~#キナリ杯出展作品

人は時に捨てるか、建て直すか、究極の選択を迫られることがあります。私は、今しがた「捨てる」事を選択した女です。正直に言うと、皆さんが今読んでいるこの記事は16日間1つの記事と睨めっこし続けた私の未完成の作品の上に成り立っていて、キナリ杯締切りまであと3日。私は今朝シャワーを浴びながら、これはもうやるしかねぇなと。涙を飲む思いで脳内バズライトイヤーを召還し、所さんの声と共に、ひたすら書き続けた6000字の我が子を無限の彼方に葬りました。悔しい。けどやるしかなかったんだ。わかってくれ、昨日までの自分よ。決してバズを恨むな。ジョージも恨むな。恨むなら生産性のない己を恨め。

それはもう、ただただ書き上げたい一心で。私は今、再びPCに向かっています。

毎度の事ながらこのnoteは、仕事が遅い、文章書くのも遅い、決断も遅い、めっちゃ悩む。とにかく時間の使い方が下手くそな私が、①完璧を求めない。②執筆は最大で1時間30分まで。と言う一向に達成できないルールの元に執筆しています。

もし、今、私のように超絶不器用な方がこの記事を読んでいたら、私が自分との戦いに終止符を打ち、キナリ杯の〆切に間に合ったと言う事なので、もうスキとか押さなくてもいいので、ただお疲れさまって心の中で呟いて欲しいです。お願いします。16日間は流石にメンタルぶち壊れそう。

~始めに~

皆さんこんにちは。改めまして劇団主宰の中川ミコです。以前、私はお世話になったプロデューサーさんに、君は特別美人ではないけれど、とても愛嬌のある顔をしているねと言われたことがあります。結構的をついてるな。と思ったその日から、私を説明する時は大体これを使わせてもらっています。

さて、今日の私はいつも以上に赤裸々に、自分の内面をさらしていこう。そんなマゾヒズムに襲われています。なぜなら、今日、私は、同世代の独身読者さんに向けて、公開お手紙を書こうと思うからです。私が脱ぎ捨てたベールの分だけ、皆が人肌を感じてくれたらいい。それでいい。人間味溢れる記事に枯渇している方、どうぞnoteのフォローをよろしくお願いします。

簡略的プロフィール

本題に入る前に少しだけ。私を知らない初めましての方に、超簡単に自己紹介をさせてください。私は『遅咲会』と言う劇団の主宰をしています。でも主宰って柄でもないので、普段は会長と呼ばれています。主に小劇場を中心に女優を生業にしています。中川ミコです。でもこのnoteでは、女優とも、仕事とも関係なく、あまり難しいことを考えず、情報の共有をメインに、主にエンタメビジネスの事だったり、自立したい女子へ向けた情報発信だったり、コラムっぽいのものを勝手気ままに綴っています。あとはまぁ追々と。


さて、お待たせしました。ここからが今日の本題。私の赤裸々な、公開お手紙の始まりです。

拝啓。独身の皆様へ

皆さんは、自分の思い描いていた未来と違う。そう感じたことはありませんか?私は、結構早い段階で、多分14、5歳の辺りから、既にそれを感じ始めていて、そして現在、アラサーとなった私はと言うと、あの時思い描いていた未来から、560度くらい回りに回って、ただ一点、一瞬重なった”女優になる”と言う部分を除いて、明後日の方向に向かって歩いてる。そんな次第でございます。じゃぁ私が思い描いていた未来は、一体どんなんだったかと言うと、それはもう色々あって、でも現実は色々と違い過ぎてて、これが新聞の四隅にある間違い探しだったら、とっくに購読者からクレームが入ってるよってくらいのレベルで、でもその中でも一つ。おい、どーしちゃったんだよ。お前。ってのがあるとしたら、それは私が未だ、結婚をしていない、アラサー独身女子(オッサン系)である事だと思います。

これまでの私は、まぁまぁ告白をされる人生を送ってきました。小学校5年生の時、転校していったその週に、同級生の男の子が家に来て、「好きです。」と書かれた手紙と一緒にペンギンの人形をくれたあの日から、それなりに恋愛もしてきたし、街を歩けば声も掛けられたし、ちょくちょくデートにも誘われて来ました。ぶっちゃけ、まぁまぁモテました。

だけどここ数年、私の人生から恋愛と言う文字がぱたりと消え、

正直最近、非常に焦りを感じております。

だって私、アラサーだもの。

初めての合コン。しかもリモート。

と言う事で私、この間合コンに行ってきました。それもハードルが高いのか低いのか、よくわからないリモート合コンってやつに。たまたま知り合いの女子(既婚者)と昼間に電話をしていたら、まるで図ったかのように「今日の夜リモート飲みがあるんだけど来ない?」と誘われたので、今話題のリモート合コンの実態を暴いてやるぞって言う誰からも頼まれていない極秘潜入捜査を建前に、なんせ異性との交流のない私の、リハビリになればいいなと思い、二言返事で「いいよー」と答えました。

しかし事件はその夜、現場で起こっていました。

~リモート合コンの実態~

5.11グミ事件

私は焦っていました。やばい。見つかってしまったと。慣れない合コンに参加していた私は、思いのほか楽しく過ごせている自分に安堵していました。なんだ、人生560度回転してる私だって、人並みに同世代の人たちと楽しくしゃべる事ができるじゃないか。と、どこか、一ミリくらい床から浮いている感覚はあったけれど、それも最近感じていなかったもので、そうか、私に足りてなかったのは、異性を異性として出会うと言う根本的な所だったのかも。なんて事を考えながら、次第にお酒も進んでいった頃、私はグミを食べていました。え?グミ?突然何の話?そう思った方もいらっしゃるかもしれません。でも私には自分の主食と豪語する程、大好きなグミがあって、それをいつもの事ながら、酒のつまみに食べていたのです。

ここで重要なのは私は元来、周りにパウダーの付いたグミは手を使って食べません。どうやって食べるかと言うと、ポテトチップスの最後、袋に口をつけて流し込むあのスタイルで、ガッといきます。本当です。ガッといきます。だって、私はこのグミが大好きだし、口いっぱいに満足感を得たい。そして長年の鍛錬により、この食べ方でも口に入る数は1個~3個まで調整可能と言う。どう、すごいでしょ。だって指に粉が付くのも嫌だし、着いた粉どうするの?わたしはグミを主食の様に食べる女なのでいちいち拭いてもいられない。だけどこの食べ方をすると大概の人はビックリしちゃうから、私はこの時、テーブルの下で一粒一粒、指でつまんで食べていたのです。お酒が私の理性をじわじわと崩壊させるまでは。

案の定。私はお酒飲み始めたら、もうね、そう言うのどうでもよくなっちゃって。でもやっぱりちょっとバレたら恥ずかしいなって。微かなモラルが皮一枚でぶら下がっていたので、まずは頭の中でデモンストレーションをしてみました。

1、テーブルの下からグミをサっと取り出す→2、瞬く間にパッと口に入れる→3、スっとする。

3のスっとするは、気配を消すイメージ。何事もなかったかのように、最後はスッ。よし、イメージはつかんだぞ。これならいける。これで行こう。大丈夫、私はできる。中学生の頃、私はバスケ部だった。フリースローで大切なのは何と言ってもあのリズム。チャー・シュー・メーンでゴールにぶち込む。用法はそれと何も変わらない。要はワンツースリーの感覚で、やりゃぁいいのだ。

いざ!私はこのサ・パ・スの法則に則り、実行に移しました。

サっ(として)パっ(として)、スっ(とする)。

私の口には見事2粒のグミが入っていました。・・・やった!!もちろんこれも狙いどうり。あの筋肉番付シリーズ、ストラックアウトでプロ野球選手が、「4番行きます(狙います)」って言って、見事四番をぶち破ったあの感覚と同じ、私の手元に寸分の狂いもありませんでした。

そう、あとはこのままスッとする。私はみっちーが好きだったけど、あ、今はスラムダンクの話ね。うん、スラダンならやっぱりみっちーが好きだったけど、この際推しなんてどうでもいいさ。今、この瞬間は流川のごとく、涼しい顔で会話の波にゴーゴゴー。

だけどリモート合コンの実態は私の想像を遥かに超えていました。

「え、ミコちゃん、今の何?」


ソッコーでバレた。

う、嘘だ!!さっそくメンズにバレた私は焦っていました。だって私の考案したサパスの法則は完璧だったはず。スッとしてたよ?スッと!!画面に映ったのだって一瞬だったはずだ!にもかかわらず、無残にも見破られてしまった。なぜ!!

私は「え?ぇえ~?」と軽く受け流してみたものの、

下手くそ!!

しかもリモートはクロストークができない。これは絶対条件。つまり今全員の動向は私に向けられているのだ。そして相手は一歩も引きさがらない。寧ろ私を追い詰めてくる。

「すげー勢いでなんか食ってたでしょ?何?何?」

もう、私に逃げ場はなかった。私は仕方なく画面に向けて、

男梅グミを見せた。

くそ・・・!私はほろ酔い気分で自分が犯した奇行を恨みました。そしてなんで男梅なんだよ!!そこはポイフルであれよ!!とグミに怒りをぶつけました。ハードな噛み応えも重要だけど、せめてカラフルであれよ!!と、私はなけなしの女子力をグミにぶつけました。

今私たちは何を聞かされているんだろう。そんな読者の声が、私の耳に届いてくるようです。

でもこの話にはちゃんと続きがあって、もしできる事なら最後まで読んでみて欲しいです。

5.11よっちゃんいか事件

私は酷く焦っていました。また見つかってしまったと。勘のいい読者は今、既にデジャブしているのかもしれませんね。

お察しの通り、男梅グミを食べきってしまった私は、これまたちょっと突っ込まれたくないなって言うアレに手を出しました。でも今度はちゃんと指でつまんで食べました。

私は思いました。何故だろう。何故バレたんだろう。今回もサパスの法則に抜かりはなかった。私はサッと袋を開け、パッと口に入れ、スッとした。別に私、普通におつまみ食べてますけど何か?的な、スっと気配を消した。でも多分、敗因はこれだ。これだと思う。いや、これしかない。

コイツがあまりにも目立ちすぎた。蛍光オレンジ。

しかも袋を取る時に、一瞬画面に映りこんで仕舞い、いけるかなー。って言う一瞬の気の迷いが表情に出てしまったのかも知れない。

「ちょ、ちょ、ちょ。ごめんけどミコちゃん。今の何?またなんか食った?食ったよね?ちょっと見して。」


また見つかった。

一体、私はここで何をしているんだろ。って言うかここに何しに来たんだろう。リモート合コンの実態を暴きに来たんじゃなかったのか?お前は頼まれてもない依頼を遂行するため、この現場に極秘調査に来たんじゃなかったのか?

逆に捕まってんじゃねーか!!

もう仕方ない。私は抵抗する気力もなく、うなだれるようにして画面にソレを映し出した。

男梅グミに引き続き、よっちゃんいかが私の目をチカチカとさせた。


なんでだよ。おま、お前、そこは、おしゃれなキューブチーズ(バジル味)であれよ。私は再び罪なきよっちゃんを責めた。


~中身の見えないパンドラの箱~

ここまで読んで頂き、皆様本当にありがとうございます。本来ならば、ここで面白い事の一つ書いて、上手くまとめて提出してしまいたいのですが、始めに書いた通り、これは私の恥部をさらけ出した、皆様へのお手紙であって、決してリモート合コンの内部調査報告書ではありません。なのでここまで読んでくれた皆様にはもう少しだけ、あともう少しだけ付き合ってほしいと思います。今日、私が本当に書きたかったことをは、本当はここからなの。

あのね。本当はね。本当はこの話には続きがあって、よっちゃんいか事件が起きた後、幹事の子がこう言ったんですよ。

「○○君、ミコちゃんの事めっちゃ見てんなー」って。


それを聞いた私は、一瞬ポカンとなってから、なぜだか急に、その場に居心地の悪さを感じていました。


そして私は、ここで、ある事に気づきます。思い返せばこの居心地の悪さは、人生の至る所に点在してたなと。常に恋愛が人生の中に組み込まれていた私は、それを当たり前だと思って気づいていなかっただけで、街を歩いていても、営業先でも、仕事中も、友人関係にも。本当はいつも存在してて、うっすらそれを感じてた。

あの感覚。伝わるだろうか。伝わると良いな。

それはまるで、中身の見えない箱を突き出され、手を入れると、そこにはにゅるっとした得体のしれないモノが入ってて、それを触っている。あの感覚に似ている。

怖いと、気持ちいと、気持ち悪いとが、見事に入り混じったソレは

皆持っている。

その箱の中身は恋愛だった。

そして私は、いつしかその箱をソッと閉じた。

あぁ、そうか。そうだったんだ。だから私はずっと心地良かったんだ。私は気づく。だって箱の中身を押し付け合わない関係は誰も傷つかないし、傷つけない。とても健全で、建設的で、良質なもの。私はそれに安心してたんだ。

サパスの法則

皆さんは、自分の思い描いていた未来と違う。そう思ったことはありませんか?私は、ずいぶん昔から、それを感じていて、中でも一つ。おい、どーしちゃったんだよ。お前。ってのがあるとしたら、それは私が未だ、結婚をしていない、アラサー独身女子(オッサン系)である事だと思います。

もし私の人生に道路標識みたいなものがあったなら、ここから先、迷い道。そう書いておいて欲しかった。でもきっと私は超絶不器用な人間なので、実際は皆が見えてるその標識を、どこかで見落としてきたのかもしれない。

私はいつも肝心なところで、他人より一歩遅い。小さい頃から図工の時間も、科学の実験も、先生から「では、始めてください。」といわれた瞬間、で、今何の時間?何からすればいいの?とポカンと口を開け、隣の子に迷惑をかけてきた。話を聞いていなかったわけじゃない。手順を説明されても、情報過多で理解が追い付かないのだ。一つずつ、理解しないと前には進めない。これは何の為にやるのか、なぜやる必要がないのか。物事の全体を把握しないと、前には進めない。そんな性格ゆえに、きっと、結婚と言う漠然としたものが、自分がなぜそれをするのか、しないのか、私には未だ理解ができず、キラカードとか、どこまでも脳みそお花畑な小学生みたいなこと言ってんのだろう。そう、私にとって、結婚や出産って、キラカードみたいなもので、別にそういう局面が来ないなら、使う必要はないんだけど、でも持ってるから。私、持っちゃってるから、それ知ってっから、それをいつか使う切り札みたいに今はまだ、心のどっかでまだ、拠り所にしてる。

私達は人それぞれ、恋愛歴、理由、考え方、100人いれば100通りの人生を歩いてきたと思う。

ねぇ。皆さん。ねぇ。

皆さんは、、してますか?

私にはこの箱を開ける勇気がまだ持てません。だって、私が箱を開ける時、それは他人の箱を突き出される覚悟のある時。そんな勇気、私はまだ持ち合わせていないもの。

でも彼氏は欲しい。(駄々っ子)

何度でも言う。彼氏は欲しい。(わがまま)

もう一回くらい言っとく。彼氏が欲しい。(図々しい)

なんと思ってくれてもいい。私は6000字の我が子は捨てても、キラカードは捨てられない、そう言う女なのだ。私にとって、恋愛がすべてじゃない。だけど私も、恋愛がしたい。できれば結婚もしてみたい。好きな人と時間を共有したい。

間違い探しの正解のほうじゃ出逢えない。そんな出会いもあるんでしょ?

ねぇ。ちょ、もうさ、とりあえず

誰かサッと私に近づいて、パッとその箱の蓋を開けて、スッと中身触ってくれない?

サパスの法則、伝授すっからさ。


最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。
もし私も、僕もパートナー探してるぜ。一緒にガンバローや。って読者の方がいましたら、肩の代わりにこの記事のスキ、またはnoteのフォローをポンと叩いてくださると今後の励みになります。

今回、こちらの記事はキナリ杯への出展作品として書かせていただきました。私がキナリ杯へ参加することになったきっかけや、この記事を書こうと思った経緯など、お読みになりたい方はこちらから引き続き私の記事をお楽しみください。ではまた次の記事でお会いしましょう。

相互記事→ **キナリ杯を全力で楽しむ為のメソッド6000字**

遅咲会会長 中川ミコ 基、ライター:オソサキカイ

PSおかぁさん。祝勝会の三次会では必ず百恵ちゃんを歌うので、もう少しあなたの娘でいさせてください。


お芝居を愛し女優として小劇場をお仕事にしています。7年間社会人→芸能事務所に所属→仕事が無く2年でフリー転身→やはり仕事無く小劇場界へ→3年後「遅咲会」を立ち上げ2019年12ヶ月連続舞台公演を達成→舞台チケット100枚以上→エンタメビジネス2年目。 笑顔を作る酒好き。普段は会長と呼ばれています。ライターネームは”オソサキカイ”。西野亮廣エンタメ研究所サロンメンバー。追記マナブ教。Twitterはコチラ



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