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本屋は用無しなのか。

みなさんこんにちは。週に一本動画上げたり、気ままにnoteで執筆したり、主に舞台に上がってお芝居を生業としている中川ミコと申します。

お酒ダイスキ。


久しぶりの休日。とは言っても、舞台やオンライン公演、イマ―シブシアターのリモート公演を終えて、怒涛の2週間ちょっとを過ごした翌日のラジオ収録の前に、私は自分のやりたい事をやることにした。

クリエイターはアウトプットと同じくらいインプットの時間が必要で、私のやりたかった事は本屋に行き、ハンモックのあるカフェで自分の時間を過ごすことだった。


その日、私は偶にしか訪れない駅に降り立ち、その地で一番大きな本屋に足を運んだ。その時、私の直感は大きく動いた。

「ここに私の欲しいものはないかもしれない。」

その本屋は私の想像よりも遥かに小さく、店内を見て回るも巨大書店と比べて明らかに品数が少なすぎる。

ならばここで出会った一冊を探そうと、暫く店内を練り歩いてみるものの、ここにはメジャーな人気作家さんや、賞を取った作品がメインでしかない事が手に取って感じられた。

私はしぶしぶ店員さんに声を掛けた。

「ここは本の検索はできますか?」

すると店員さんは丁寧に機械の案内をしながら自分たちも伺えますよと言ってくれた。

機械に弱く、面倒くさがりの私はすぐにその申し出に甘えることにした。

そして言われたのは

「その本は在庫を切らしています。取り寄せる事は出来ますが。」だった。

私はその時、明らかな苛立ちを感じていた。

なんやねん。駅ビルなら大型書店であれよ。

まぁ、言うても販売敷地面積が限られてる書店では、およそ密林と呼ばれるAmazonには到底叶わないよな。向こうは上限なしなんだから。

いい加減、本屋もこの時代では大型書店が新たに立つわけもなく、そりゃ無理ゲーよな。

ここ数年で培われたビジネス脳はすぐさまコストと時代背景を算出する。

無いと言われた本は私の今一番読みたい本だっただけに、

その本を手に入れた喜び、この後ハンモックに揺られながら読む楽しみを想像して心躍っていたのに。

やっぱりAmazonで取り寄せた方が効率的だったなぁ。

そんな事を思いながら、いくつかのメジャーどころの本を仕入れて、一番読みたかったお目当ての本を諦め、廃れたビルのエスカレーターを降りようとしたとき、

ふと私は思った。

アレ。

昔はこんな事ざらになかったっけ。

アレ。

私、もっとそう言うのを楽しめてなかったっけ。



私は昔、もっと意味のない事を楽しめていた。

乗り過ごした電車で学校に行くのを辞めて、降りたい駅で降りてみたり、

普段緑なんて全然好きじゃないのに、新緑の季節に芽吹く何万色の緑色に、ふと涙が出たり。


アレ。

私、つまんない奴だな。

今日は、本当に自分のしたい事をする時間なのに。

そう思ったら、この後の時間をどう過ごそうかと考えていた。

それからまずは事前に調べていたハンモックカフェに行くことに。

するとそこは、想像を遥かに超えた最高の空間と時間が待っていた。

そこで過ごす時間を、私は楽しみ、その場所との出会いに感謝する。

そのお店はクレジットが使えなかった。

でもいいじゃないか。

500円玉が返ってきたから、私の貯金箱は潤うし。

無いものは無いし、無理なものは無理。

私は、今日出会えなかった本への憤慨も、悲しみも

今日一日の最高のスパイスだと思えるようになっていた。

もし、青信号続きのの一日ならば、それはそれで最高だろう。

でも、赤信号を楽しめる心の余裕は、人生を豊かにすると思わないか。

結局、今の時代に非効率な本屋が必要かどうか、

私には一概に言えないけど、

高校時代、学校で過ごす三分の一をクラスで、もう三分の一を保健室で、残りの三分の一を図書室で過ごした類の私なので、

なんか効率とか、度外視で考えたら、求めすぎない人生を楽しむ余裕が私には必要だと思った。

それを教えてくれたのは、日常の行き止まりで、

廃れたビルの本屋だった。



エピローグ。

「なぜ本屋に行ったのか。」

私は以前、契約ライターとしてお金を頂いて記事を書いていたことがある。けれど今は、私の文字に”私は”お金と言う対価を見出せず、あわよくば誰かが楽しんでくれたらそれでいいと思うようになった。

だから私は好きな事を書くし、好きな事しか書かない。

でも、それが最近では私の気持ちを表せる一つの武器だと思うようになった。

きっかけはこのnoteでも絶対的人気を博している岸田奈美さんが「頂いたサポートで旅行に行って、感謝の気持ちを込めてその記事を書いた」と言うような事を言っていた時だ。

なるほど。

私は今はライターとして執筆を仕事にはしたくない。

けれど一緒に仕事をしてくれる仲間然り、色んな面でサポートしてくれている方に、できる事は多い方がいい。

大抵の場合、仕事で返せる事が殆どだけれど、時にはそれ以外の術を使えたら。ちょっと小粋な感じがする。

あの日のお礼に筆をしたためましたとか、商売繁盛を願って絵を描きましたとか、いつもお世話になっているのでクッキーを焼きましたとか、その類のアレ。


と言う事で、この記事は私に図書カードをくださった方の提供で執筆いたしました。心と体に余裕がある時に、またこうして記事を書こうと思います。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

記事を読んでピンと来た方はスキ・noteのフォローをよろしくお願いします。また次の記事で、お会いしましょう。

このnoteは、仕事が遅い、文章書くのも遅い、決断も遅い、めっちゃ悩む、とにかく時間の使い方が下手くそな私が、あまり難しいことを考えず、情報の共有をしていけたらいいなと思っています。主にエンタメビジネスの事だったり、自立したい女子へ向けた情報発信だったり、コラムぽいのを書きます。一向に達成できないここのルールは2つ。①完璧を求めない。②執筆は最大で1時間30分まで。

 遅咲会会長 中川ミコ

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