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私と家族を脅かす心の中の魔物について

今日は自分の精神状態が普通ではないことを自覚しながら、
それを逃さず記録するためこれを書いている。

私はおそらくPMDDである。
PMDDとはPMS(月経前症候群)のうち、
精神症状の強いもののことをいう。

今月は生理が遅れていたので、私はすわ第2子妊娠かと
夫と共に軽く浮き足立っていたのだけれど、
どうやらそうではなかったらしい。
単純に生理が1週間遅れただけのようだ。
(ちなみに遅れた原因は実母との旅行の
 ストレスではないかと疑っている。)

明らかな不調は2日ほど前から感じていた。
自分でもわかるほどに、はっきりと
「今日は心の調子が悪い」と思った。
前々から約束していた、ママ友とのお出かけの予定があった。
それ自体はそれほどプレッシャーには感じていなかったし
雨が降ることは事前にわかっていたにもかかわらず、
当日になって「あれ・・・行きたくない」と、
突然心の中まで曇り空になっているのを感じたのだ。
理由がなかったので、明らかな「不調」であると思った。

なので私は、夫に「助けてくれ」とすがりつき、
家にあるありったけのサプリメントを処方してもらった。
※夫は趣味の一環とセルフメディケーション的な観点から
心身の不調に効く(?)種々のサプリを常備している。

それで子どもたちを交えたママ友とのお出かけは
特に難なくこなすことができたのだけれど、
翌日にかけて、まだ大きな仕事が残っていた。
娘の誕生日である。
ケーキはいつも手作りしているのだが、
今回はまだ用意できていなかった。
とても気が重かったが、材料は揃えてあったので
何とか卵を泡立て、粉を振るってスポンジケーキを焼いた。
そこからデコレーションまで一気に仕上げないと
明日の誕生日当日には間に合わないと思ったので、
眠気を取り払うためにコーヒーをがぶ飲みしながら
何とか娘の喜ぶ顔を思い浮かべて無数のアンパンマンの顔を作った。
メイン部分のデザインはノープランだったから、
たまたまママ友からもらった苺があって助かったと思った。
何なら向かいの人からもらった詫び菓子まで飾りに使った。
(先日向かいの家の子どもが私の車に傷をつけてしまった際の詫びである)

真ん中にアンパンマン、サイドにも一周ぐるりとアンパンマンを貼り付けた。

翌日は夫が休みを取っていたので
娘と3人でアンパンマンミュージアムに出かけた。
初めての場所だったからか、移動時間が長かったからなのか、
到着しても娘のテンションはそれほど上がらず、
どちらかというと不機嫌にずっと抱っこを求めていた。
(私の不調が伝わってしまっていたのかもしれない)
私は娘の不機嫌な様子と夫のノープランな行動様式に
イライラが止まらずずっと二人にキレ散らかしていた。
そしてアンパンマンたちの踊るショーを見ながら
なぜか情緒不安定になり、隠れてずっと泣いていた。
4回中3回ものショーを娘と一緒に見たが、
終盤の「上手に踊れたお子さんを
大人の方がギュッとしてあげてください」的なやつの
しんみりしたBGMが流れ出すと涙が止まらなくなった。
気づけばもう3歳になっている最愛の娘と、
その最愛の娘に対してキレ散らかしてしまう自分、
そんな自分に代わって娘の心を満たしてくれるアンパンマンと、
親の私でもカッコイイと見惚れてしまう完璧なパフォーマンス。
なのにステージはどうでもよくて、踊りにも参加せず
目の前にいる憧れのヒーローを独り占めしたいと泣く娘。
私たちとは対照的に笑顔でステージを楽しむ親子の姿。
それらが合わさってなんかもうダメだった。
体力的にも精神的にも、限界に近かった。

そんな中、娘は閉館時間が近づくにつれ
なぜかどんどん元気になってゆき
今更フルパワーで館内を満喫し始めた。
勘弁してくれ、と思った。
重たい荷物とカメラを抱え、裸足の娘を追いかけ
ミュージアムとモールを何往復したかわからない。
とにかく誰もいなくなるまで遊んだ。
おかげで帰りの車の中ではほぼ即落ち状態で寝てくれたのだが、
ギリギリまで遊んだので帰りが遅くなってしまった。
このあと夕飯も食べなければいけないし、ケーキもある。
翌日は通常保育なので風呂にも入れなければならない。
寝る前のルーティンである歯磨きや、読み聞かせもある。
どうせ一筋縄ではいかないそれらのタスクを思うと、
シンプルに地獄だった。

夕飯は帰路の途中にあるガストで済ませた。
アンパンマン系のキッズメニューがあったので助かった。
だが時計を見て時刻に気づいた瞬間、私は能面になった。
途中、関係ないのに業務スーパーに寄った夫を呪った。
そこから家に着いて全てのタスクが終わるまで、
私はずっとキレ散らかしていた。
娘の誕生日なのにである。
何にそんなにキレ続けたのかすらも覚えていない。
予定通りに事が進まないことや、娘のグズる声、
そして感情をコントロールできない私を咎める夫の存在、
何もかもがストレスに感じられた。
勿論、こんな自分は母親失格だと思った。
しかし、イライラが止まらないのである。
何一つコントロールできない状態だった。

そして寝かしつけを途中放棄して夫にブン投げたあと、
一人で1階へ降りてきてトイレに入ると事が発覚した。
生理がきていたのである。

私はショックで放心状態になり、
しばらく便座から立ち上がれなかった。
またしても涙が止まらなかった。
妊娠していなかったからではない。
いつもと同じパターンを、
自分で認識できなかったことにショックを受けたのだ。
つまり、私の不調は明らかに生理前特有の
ホルモンバランスの変化によるものだったのに、
そのことに自分で気づけなかったのだ。
毎月同じことを繰り返しているのにである。
こんな自分、もう嫌だと思った。

ちょうど先月も同じような精神の不調に陥り、
その時は私は、生理が原因だとは思わなかった。
自分は元々感情の波が激しく、
コントロールも難しかったのだが、
それは発達障害か人格障害によるものだと思っていた。
なので、先月意を決してメンタルクリニックに電話したのだが、
1ヶ月先まで予約はいっぱいだと言われた。
それでもいいのでお願いしますと言って取ってもらった予約が、
ちょうど来週の金曜日の予定である。
診察日が決まってからは特に不調を感じなかったので
一度か二度、予約を取り消そうかとも思ったのだが、
取り消さなくてよかった。私は明らかに病気だ。

例えるならば、コップいっぱいの水を思い浮かべて欲しい。
表面張力だけで保たれた、今にもこぼれ落ちそうな水を。
そのギリギリの水面を、周りの人の一挙手一投足が揺らすのだ。
私は、「やめて!」とヒステリックに叫び続けてしまう。
そういう精神状態なのだ。
相手が悪いのではなく、自分の心の問題なのだ。

そういうわけで、
来週は晴れて自分の心の状態について医者に相談できる。
実際のところPMDDでも人格障害でも何でもいいのだが、
もうこれ以上自分の感情に振り回されたくないし、
家族を巻き込みたくない。
これが病気であるのなら、そして治る見込みがあるのなら、
私は一刻も早く回復したいのだ。
こんな生きづらさは早く自分から手放したい。
もうキレ散らかさなくて済むのなら、
私だって誰にもキレ散らかしたくないのだ。
こうして言葉にして書くとホントにバカバカしいのだが、
死にたいほどの自己嫌悪と絶望感は、
こうした自分の不安定さからきていた。
私はずっと、ヒステリックな母のようにはならないぞと
子どもの頃から心に決めていたのだが、
気づけば私も母と全く同じように、
止まらない感情の暴走に家族を巻き込んでいたのである。
全ての不幸の原因は、ずっと自分の中にある。
私は心の中の魔物に、人生を脅かされ続けている。

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