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きっと、ちゃんと好きだった。


Twitterで知り合って10年弱。
最初は住んでる場所も、年齢も、顔も、名前も何も知らない、ただ好きなバンドが同じだっただけの関係。

初対面は満を持して誘った吉祥寺の猫カフェ。
もう何年も前で覚えてないけど、雨が降った日だった。
折りたたみ傘、ちゃんと持ってたのに忘れたフリして大きなビニール傘を駅で買って一緒に入った。
これが君についた最初の嘘。

それからは定期的にライブに行くようになったり、会う様になった。というか、頑張って会う口実を見つけてた。

人柄とか言葉選びとかに助けられてきて、
いつのまにか精神安定剤みたいな存在になってた。
でも同時に、正直何を考えてるのかわからなかった。
この人が人を好きになって誰かと付き合ってるところを想像出来なかった。

きっと出会って少しした頃には好きだったから、彼氏がいた頃もずっと頭の片隅にはずっといた。
わけわからなくなって、感情が爆発したとき、初めて多分ずっと前から好きだったって気持ちを伝えたらありがとうって言われた。

4年半付き合ってた遠距離の彼氏と別れた後、バイト終わりお酒を飲んで朝まで漫喫に行った。
あの日漫喫で添い寝して、頭を撫でてくれたこと、後ろからぎゅってしてくれたこと、きっとずっと忘れられないと思う。

その後も何だかんだ理由をつけて会った時、
上野で逃した終電、あれわざとだよ。
これが2回目の嘘。

終電逃して仕事部屋に泊めてくれる時、ぎゅってしてくれるのに絶対に手は出してこなかったね。
でもなんだかその空間があったかくて幸せなのと同じくらい、何考えてるのかわからなくて苦しかった。

人生なんも上手くいかなくて、まわりばっかりきらきらしてみえて、もう嫌になって、ひとりがしんどくなって、また理由つけて会って今日こそ伝えようって意気込んで家を出た。

会ってる最中はずっとそわそわした。
好きだって、付き合ってって言ったらどうなるんだろう、もう2度と会えなくなっちゃうのかなって。

そんなこと考えながら過ごしてたら帰りの駅だった。
言わなきゃ次いつ会えるかわからない、でも言ったらもう会えないかもしれない。

私は何も言えないまま手を振って改札を通っていた。

帰りの電車の中、何度もLINEを送ろうと思った。
でも送れなかった。
悩んで悩んで悩んで悩んで、最寄駅に着いてから
電話をかけることにした。

多分私がここで電話をかけても、出ないと思う。
出ないと思うけど、出たらその時は勇気出そう。



、、、まぁ、しっかり出なかった。


ずっと頭の中がもやもやしてどうしようもなかった。
好意ほど自己中心的な感情はないと思う。
でもここまで来たら引き下がれなかったから
血迷ってLINEを送った。


連絡の返事が早い方では決してない。
平均半日から1日、下手すれば数週間。
この10年弱の経験があるから舐めないでほしい。

電話をした不在着信後のLINE。
いくら忙しいとてさすがに仕事やらなんやらのLINEで流れていったとしても1か月未読はありえない。


もう諦めるしかない。
これは俗に言う失恋。



欲を言うなら、これで最後ならしっかり振ってほしかったし、こんなやつこっちから願い下げだ!ってなるくらい悪いやつになって欲しかった。

このままじゃ私の中では嬉しかったこととか、幸せだったことが大きすぎて、好きの消化が出来ずにしんどさしか残らない。


傷つけない為の、優しさなのかもしれない。
でもそういう優しさは時に、何よりも残酷だ。


一緒にいった猫カフェも、ライブも、ご飯も買い物も、側から見たら仲の良い男女に見えたかな。
もしかしたら恋人同士に見られたりしたかな。
なんか、それっぽいふたりだったかな。


出会ってからその人柄、言葉選びに
たくさんたくさん助けてもらいました。
ずっと、ちゃんと、大好きだったよ。
ありがとう、じゃあね。


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