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オシロに大波が来た一年

コミュニティは、人生をより豊かにする居場所となるー。
「偏愛物語」とは、オシロ代表の杉山博一が「偏愛」を紐解く連載企画。
今回はこの一年(2023年)を振り返りたい。

早いもので、もう年の瀬。
連載今年最後の回ということで、一年を振り返り、大きな変化を伝えたいと思う。

資金調達が完了

大きな変化はなんといっても、シリーズAの資金調達だろう。
日本とアメリカのスタートアップの企業価値が今までのように付かない中で、資金調達を実行した。

一年をかけて資金調達活動をし、すばらしい投資家に恵まれた。
オシロの未来を信じていただき、必要な金額を調達することができた。それだけでなく、希望する企業価値で応援いただけたことは本当に感謝しかない。

この市況では、希望の企業価値で、かつ希望の金額を調達できるスタートアップは、トップ1%に満たないと言われていただけに、正直ハードシングスだった。

純粋なVCさんのような投資会社から、事業会社、個人投資家など数十社にお声がけをし、興味を持っていただけた方々へピッチをさせていただき、最終的に10社(うち個人2名)から総額5.15億円の資金調達を実現できた。

ベンチャーキャピタルや大きな企業、金融機関だけでなく個人の方からも応援いただけたことも、オシロの未来を示していると感じた。以前から応援してくれていた方々が改めて投資という形で応援団になってくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいだ。

(左:株式会社サザビーリーグ 植村剛直氏、右:TOPPANホールディングス株式会社 内田多氏。
ぼくは投資家を仲間だと思っている。)


正直、コミュニティ事業というものはじっくりと時間を要するため急成長する事業ではないし、つまるところ投資家からしたら短期的に儲かる業界ではないと思う。
それでも熱き応援団の方たちが、コミュニティを社会的意義のある領域であると認めてくれたことが何より嬉しかった。

でも、嬉しくないこともある。
資金調達中、サウナで整わなくなってしまったのだ。そしてそれは今もなお続く...。もし復活する呪文をご存じの方がいらしたら、ぜひ教えていただきたい。

クリエイティブになれるオフィス

事業にも変化が現れた一年だった。
今年は社員が増え、オフィスを移転し、組織がひと回り大きくなった。

オフィス移転では、社員がクリエイティブになれるにはどうしたらよいか?という観点でこだわり抜いた。
クリエイティブになるために天井5メートルの青木淳さん建築のビルを選んだ。いままでのオフィスから面積2倍、天高2倍で、体積4倍の移転になった(笑)

実は光熱費がだいぶ上がるのではないかと内心ヒヤヒヤしていたが、意外や意外、以前のオフィスビルの光熱費と変わらなかった。これには正直ほっとした。

(2023年8月に移転した新オフィスのエントランス。天井が高いため会議室がつくれず、オフィスフロアに小屋を建てた。)


(新オフィスも恒例のDIYだ。オシロは株主にもお手伝いいただく。)


成果の波及

事業内容もこれまでクリエイターさん中心だったが、企業やブランドさんが増え、成果も出てきている。
たとえばOSIROのクリエイターオーナーさんで、月に600万円以上稼ぐ人たちが出てきたり、導入してくださっているブランドさんのコミュニティでは、会員メンバーさんが実際にお店に来る回数が3倍に増えたり、購入金額が3倍に増えたりと、そうした結果も出てきたのだ。

これまで10年近くコツコツやってきたことの芽が、ようやく出てきたなと感じている。

その要因はいろいろあると思うが、ひとつのテーマの経験を積み、OSIROというプロダクトが進化し、サポートも進化し、サービス自体が進化できているからこそ出た結果だと思っている。

コミュニティオーナーさんとメンバーさんのコミュニケーション(1対n)だけでなく、メンバーさん同士(n対n)のコミュニケーションも活発になるのがOSIROの特徴で、コミュニティでは非常に大事な要素になる。いわば縦糸と横糸が交わり合って強力な布になっていくようなイメージだ。

(縦糸だけでも横糸だけでも強い布は作れない)


資金調達した資金は主にコミュニティマネージャーAI化をさらに進化させたいためだが、AIにすればコミュニティマネージャーさんはいらない、という話ではない。

これまでコミュニティマネージャーさんが苦労して手間をかけてやっていたことを一つひとつ機能に落とし込んでいくという地味な作業なのだ。地味だからこそ分かりにくいが、コミュニティマネージャーさんが楽になる機能ではある。

コミュニティの状態によってコミュニティマネージャーさんが取るべきアクションは異なるので、OSIROのコミュニティマネージャーAI化は、その状態に最適化されたコミュニティの事例や知見に基づいたヒント機能がアシストされる。

たとえば、直近30日間のメンバーの状態を把握でき、アクション率を高めるために具体的なヒントを提示してくれる。

他にも、よく読まれている記事が何かを提示し、何が人気コンテンツなのかがすぐにわかるようになっている。さらに、その人気順がわかった上で、「よく読まれている記事のテーマでイベントを開催してみよう」といった具体的なアクションまで提案をしてくれる。

詳しくは「コミュニティマネージャーAI化でオシロが目指すこと」という特集ページでお伝えしているのでそちらをご覧いただきたい。

このように、プラットフォームとして知見が集まることで、OSIROというプロダクトが進化し、オーナーさんへ提供する具体的な機能に反映することができている。

長く続くコミュニティへ

長く続いているコミュニティや、健全な盛り上がりをみせているコミュニティは一定数あり、しっかり増え続けている。うまくいく共通点があるのだ。

もちろん、残念ながらうまくいかないコミュニティもある。
でも、うまくいかない経験も知見として貴重である。

おおげさかもしれないが、コミュニティというのはちょっとしたきっかけでうまくいくかそうでないかの明暗を分ける性質があると思っている。
その明暗を分ける分岐があり、その分岐ポイントを知ることで、うまくいく確率が上がり、そういう知見が増えていく。その分岐をOSIROというプロダクトにたくさん張り巡らせてある。

また、エンドユーザーさんの定着率も日に日に高くなっている。ユーザーさんが辞めないコミュニティが増えているのだ。

サブスクリプションのコミュニティで解約率を下げることは重要な指標の一つだが、OSIROではエンドユーザー解約率0%のコミュニティがいくつも存在している。
オーナーさんの力に加えて、プラットフォーマーとしてプロダクトやサービスの誇れるところだと感じている。

来年、コミュニティ業界はどうなる?

もうすこし視野を広げて、周辺業界も見てみよう。
コミュニティサービスを提供するプレイヤーも増え、盛り上がりを見せている。多くはエンドユーザーさんへ月額課金をしないサービスだ。

しかし、OSIROのようにエンドユーザー課金ありで、かつメンバーを活性化、つまりメンバー同士が仲良くなるというコミュニティサービスは聞いたことがない。さらに、サブスク型のオウンドSNSをもてるプラットフォームサービスは皆無である。

じつは最近、界隈の事業者さんからコミュニティのニーズがこれまでより明らかに増えていると聞いた。実際OSIROでもお問い合せが増えている。というか急増している。
スタートアップ企業ではよくPMFという言葉を使うのだが、プロダクト・マーケット・フィットの略で、商品やサービスが市場に受け入れられている状態を指す。

基準はいろいろあるが、オシロとしては昨年すでにPMFしたという感覚があった。
しかし真のPMFはまだだったのかと思うくらい今年の後半は、お問い合わせやご紹介数が増えた。

明らかに波が変わり、OSIROを使いたいと思ってくださる著名なクリエイターさんや世界で愛されるブランドさんたちが増えてきている。次なるマーケット創出に向かって広がっていく最中だと捉えている。

今後、コミュニティを導入されるブランド・企業さん、SNSからオウンドSNSに移行される方々は増えると予測しているので、来年は引き続きコミュニティ事業に従事されている方々は忙しくなるだろう。

そんななかで、これからオシロがやろうと企んでいることは…また次回。
ということで、今年もありがとうございました!
来年(2024年)のOSIROも連載もどうぞお楽しみに!

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