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#18|ファンの熱量が集う、コミュニティベースド・メディアとは?

コミュニティは、人生をより豊かにする居場所となるー。
「偏愛物語」とは、オシロ代表の杉山博一が「偏愛」を紐解く連載企画。
第18回は、コミュニティがベースとなるメディアの可能性を伝える。

現在、OSIROで創出されたコミュニティは様々なものがあるが、ぼくがコミュニティと相性がいいと思っているものの一つは、メディアだ。

コミュニティがベースとなるメディア、すなわち「コミュニティベースド・メディア」とぼくは呼んでいる。これには大きな可能性を秘めている。

コミュニティベースド・メディアとは?

大事なポイントはこれらだ。

・熱量の高いファンが集っている状態
・プロの編集者さんやライターさんだけでなく、熱量の高いファンによって生み出されたコンテンツがあること
・熱量の高いファンによって生み出されたコンテンツが、コミュニティメンバー以外、外部でも読めること、広まる構造になっていること

ユーザーがコンテンツを生むUGC(ユーザー・ジェネレイテッドコンテンツ)であるが、いわゆるUGCとは違って、熱量の高いコミュニティだからこそ生み出されるコンテンツであることがポイント。ぼくの造語ではあるが、これを、CGC(コミュニティ・ジェネレイテッドコンテンツ)とも呼べる。

コンテンツには、つぶやきもあれば、ブログもあれば、イベントもある。それらが一つのメディアとして集約されていることも特徴である。

もうひとつ大きな違いは、書き手・作り手の熱量が高いことも挙げられる。以下に詳細を語ってみる。

コミュニティから生まれた企画

通常、メディアには編集部があり、プロフェッショナルが企画し、取材し、記事をつくり、雑誌などに仕上げていく。一方コミュニティベースド・メディアは、素人といえどコミュニティのテーマに熱狂する熱量あふれる人たちが集まって記事を書くため、プロのライターさんよりもものすごく熱量の高い記事を作れてしまうことがある。

それはなぜか?

同じ熱量で読んでくれる人がいるから。誰にも否定されない環境、いわばナイフを持った人がいないから、思いっきり書ける。これがOSIROが提唱するサブスクコミュニティのよいところでもある。

実際にマガジンハウス社の雑誌『Tarzan』さんのコミュニティ「TEAM Tarzan」では、何種類ものプロテインバーを比較・検討した記事を書いたメンバーの方がいて、編集部もこれはすごい、と本誌にも掲載することになった。ほかにも『Tarzan』のホームページにはメンバーが発信する情報が紹介されている。

熱量の高い発信はコミュニティ内に留まらず、外にも出ていくし、主宰がメディアならそのメディアにも転載されることもある。それがコミュニティベースド・メディアの可能性だ。

他にも、「野球を観るだけなく表現するプレーヤーになろう」という文藝春秋さんの人気コンテンツ「文春野球」のコミュニティ「文春野球学校」でも、メンバーから新たな企画が生まれた。

もともと「文春野球学校」は、当時「文春オンライン」編集長だった竹田直弘さんの「コミュニティの力によって何ができるのか探りたい」という思いから始まった。ぼくはせっかく熱量の高い人たちが集まっているのに、文章講座だけではもったいない、彼らがつながることで新たな可能性が生まれるはずだ、と信じていた。

そしてメンバーから発案されたのが「偏愛選手名鑑」だ。毎年、メンバーが偏愛する選手について熱く紹介する記事をつくる企画で、プロでも書けなかったような内容が出てきている。もう4年も続いていて、みんなお金のためではなく、純粋な野球愛、偏愛ゆえに成り立っている。

文春野球学校についてはこちらでもインタビューをしている

一時的なイベントも、日常的なコミュニティに

コミュニティベースド・メディアは、イベントにも応用できる。
たとえばカメラと写真のワールドプレミアショー「CP+」は、カメラというテーマに興味関心のある人たちがイベントに訪れ、出展者と交流し、主要ブランド企業やメディアも参加している。今年(2024年)は約3万人が来場し、オンラインでは11万人もが参加した。

これを年に一度だけのイベントだけで終わらせるのはもったいない。ぼくの妄想は、「CP+」さんのサブスクコミュニティをOSIROで創出し、日常的に来場者と出展者、来場者同士、出展者同士がつながり、本丸であるリアルイベントでも会えるように設計すれば、さらなる価値が生まれると思っている。

ぼくらOSIROの構想や、OSIROで創出しているコミュニティは実際コミュニティベースド・メディアになっているし、様々なメディアやイベント、ブランドでもつくることができる。

熱量の高いメンバーがコミュニティ内で記事を書き、さらに外部へ公開する。場合によっては外部メディアに転載されていく。そうして想いが広がっていく。
その記事を読んだ人が新しいメンバーとして加わってくれることで熱量の高いメンバーを増やしていくのだ。

コミュニティを立ち上げる際、主宰者さんはメンバーがブログなんて書くんですか?とおっしゃる。結果、ほとんどの主宰者さんが驚かれるほど、メンバーが熱量の高いたくさんのブログを投稿している。

次回は、オシロはSaaSであってSaaSではないと気づいた話を伝えたいと思う。SaaSではないなら、何なのだろうか?

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