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採用で重視するのは、スキルより「徳」

コミュニティは、人生をより豊かにする居場所となるー。
「偏愛物語」とは、オシロ代表の杉山博一が「偏愛」を紐解く連載企画。
今回は、オシロ社が採用で大切にしている価値基準を伝えたい。

オシロの採用では、創業以来ずっと大事にしていることがある。
それは、スキルよりも「徳」だ。スキルも大事だが、徳の上に才があることが重要だと考えている。

そのため、「徳のある人」に出会えるように、自分自身が日々徳を高めるように努めること。「徳のある人」に仲間になりたいと思ってもらえるような「徳のある組織」でいられるように意識している。

「徳のある人」とは?

「徳」を言語化するのは難しいが、ぼくがイメージする「徳のある人」は、いい人。さらにいうなら、素直で、ポジティブで、配慮のできる人。

自分はまだまだ徳の高い人になれていないという自覚はあるが、オシロ物語を一緒に紡いでいくメンバーにもそうした部分を大事にする人になってもらいたい。そういうメンバーが増えれば、文化として根付くはずだ。人は環境に左右される生き物だから。

最終面接では、邪悪じゃないか?をぼくがみる通称「Jセンサー(※邪悪を感知するセンサー)」を働かせている。マネージメント層の採用は特にこの点を見ている。それもあってか、メンバーと接したことがある外部の方々や、オシロに入社したメンバーが口を揃えて言うことがある。オシロのメンバーは人がいい、と。

逆にスキルはあるけど徳のない人が入城(入社)した場合、それは水槽に一滴の黒いインクが入るようなもので、すぐに濁ってしまう感覚がある。ぼくはオシロのミッションに人生をかけているし、自分が死んだ後もサービス価値を提供し続けられる会社であってほしいと願っている。だから余計に徳のある人たちとともに過ごしたいし、徳のあるメンバーに活動を続けてもらいたいという気持ちがある。

2019年に読んだ本で一番勉強になった『Think CIVILITY(シンク・シビリティ)』という書籍がある。「『礼儀正しさ』こそ最強の生存戦略である」という副題で、無礼な人が会社にどれだけの損害を与えているか、逆に礼節ある人の影響を解説している。

礼節がない人がいるだけで、集中力が下がり生産性も落ちて、何より売上が下がるということを知り、大きなショックを受けた。その頃は毎日怒ってばかりで思い当たるフシがたくさんあった。この本を読んで改心したのだ。当時のメンバーには本当に嫌な想いをさせてしまった。なんてことをしてしまったんだろう…と読みながら手が震えたのを今でも覚えている。

話を戻すと、たとえ優秀でも他の人と関わりに問題がある人や、他人への親切心がない人、つまり礼節、配慮のない態度を取る人が入社すると、社内に悪影響が出て、結果マイナスになる、ということである。

一緒に働く人は、
人に感謝できる人がいい
人の話をちゃんと聞ける人がいい
わからなことは謙虚に尋ねられる人がいい
他人の良さを認められる人がいい
成果を独り占めせずに分かち合える人がいい
笑顔を絶やさない人がいい

そう、上記のような方と一緒に働きたいと思うし、きっとその人は、他人を尊重し、品位を感じさせる親切な態度を取れるだろう。

初めてのデザイナー採用

昨年末に、初めてデザイナーを採用をした。創業メンバーが一部デザインを担ってくれていることや、ぼくがデザイナー出身ということもあり、デザイナーの採用基準が厳しすぎて、これまで採用できなかったのだ。

それが、最近ある本を読んで考えが変わった。食べログをつくり、カカクコムやクックパッドなどを育てた経営者として知られる穐田誉輝(あきた・よしてる)​​さんについて書かれた『ユーザーファースト』という本にこうあった。

穐田さんがいま率いる会社では、エンジニア60人に対してデザイナーが40人もいるというのだ。この一文だけで正直おもいっきりぶん殴られた気がした。デザイナーの価値を一番わかっているはずの自分がまったく意識が足りてなかった。このワンセンテンスが大きな転換を迎えた。

そこで採用基準を下げるのではなく、ぼくの感覚をしっかりと言語化し理解してもらいつつ、チームでデザインができる体制を作ることにした。4月からさらに新しいデザイナーも入社し、現在は3人のデザイナーがオシロで活躍してくれている。最終的にはエンジニアとの比率を1対1くらいにしたいとまで思っている。

穐田誉輝さんの半生をまとめた『ユーザーファースト』

オシロデザインチームでは毎週1回、OSIROの価値観とはなにか、ぼくの頭のなかも含めて言語化する時間を設けている。OSIROとしてどんな感覚をよしとするか、どうしてそれがいいのか、というのを細かく言語化し、OSIROのデザインにおいて大切にしていることを可視化している。

その結果、「モダン」と「品格」という2つのキーワードに着地した。

イラストにするとどういうものがOSIROらしいか、ということも話し合った。イラストの色味や構図、コントラストなど、すべてで「OSIROらしさ」を言語化している。

視覚的にOSIROを表すためにブレストの過程とイラストのDoとDon'tの見本郡


たとえば大胆にコントラストをつけたほうがモダンだよね、とか。逆にフォトショップでフィルターを強くかけたような表現はしない、とか。「品格」について言うと、さりげないグラデーションのある表現をしよう、テクスチャーのような表現を入れよう、とか。

そうした「OSIROらしい」と思うイラストをチームに作ってもらい、その絵をエルメスの店舗に飾れるか?というのを判断基準にした。なぜエルメスなのか?それはエルメス社とオシロと目指す方向性が近いから。ファミリー経営を貫き、独立性を保ち、クラフトマンシップを尊重し、創造性豊かで革新的な企業であり、何より「モダン」と「品格」さがあると感じられるからだ。

この「品格」は、最初に伝えた「徳」ともつながってくる。
徳があることは、品格や品性があることと同義語になると思っているからだ。なので、この徳はオシロのデザインにも影響する。

たとえ今はスキルがなくても、ポジティブな雰囲気のなかで、メンバーといい関係を築いていければ、スキルはあとからついてくる。つまるところ、徳に勝る才はない。

徳がある人は自分から「徳があります」とは言わないので、「徳のある人」に出会えた時に気がつける心の目を養っていきたい。

こんな価値観の会社に興味のある方は、ぜひオシロの採用ページを見ていただきたい。選考というよりカジュアルに話してみたいと思われた方は、お気軽にカジュアル面談に応募いただきたい。

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