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夏の終わりに八ヶ岳を訪ねる、トイカメラ片手にね【papershoot日記】

夏の終わりに訪れた八ヶ岳は、からりと空気が軽かった。心地良い風に吹かれながら旅の最終日を迎え、一路小淵沢駅へ向かう。
その道中で出会ったあれこれをトイカメラ・papershoot(ペーパーシュート)で切り取った記録だ。

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八ヶ岳高原音楽堂

この旅の目的地は八ヶ岳音楽堂だった。1988年に完成した音楽専用のホールで、音質を追求した建築物なのだそう。

六角形の屋根がひときわ目を引く
空から降ってくるような自然光が心地良い
ロッジと音楽堂を結ぶ散策路

音楽堂で鑑賞したのは矢野顕子さんの弾き語りだ。こちらについては色々な感情が混ざり合い、冷やし固める前のゼリーのようになっている。もう少し思考を熟成させたら記事にしようかな。お待ちあれ。

三分一(さんぶいち)湧水

清里から小淵沢へ向かう道中で立ち寄った三分一湧水は、百名水にも選ばれた湧水という。読み方は『さんぶいち』。近くの蕎麦屋で教えてもらった。そしてこの蕎麦屋の十割蕎麦は、驚くほどおいしい。

ここが水源付近

なんでも、水を均等に分けられるよう水源よりきっちりと1/3で等分されているのだ。

一度、四角形の池に貯め、その後等分してるよう(右奥の水路がその一部)

湧水地付近は木道が敷かれており、のんびり散策を楽しめる。苔むした石仏が静かに鎮座していた。

すべてが調和している
ふかふかの腐葉土の道。ずっとこんな道を歩いていたい
朽ちかけた老木。儚さと美しさが入り交じる

都市部であれば生憎の天気でも、この場所であれば最適な天気だ。霧雨が景色を包み、淡い情景に落とし込んだ。肌に触れる細かな水滴を感じ、乳白色のヴェールを歩く気分。とても素敵な場所だ。

小淵沢駅で旅の幕引き

そして小淵沢駅へ戻ってきた。レンタカーを返却し、のんびりと出発時間を待つ。

吊り雛が愛らしい〜
閑散としたホーム、無性にシャッターを切りたくなるもの
在来線を眺めながら、学生時代の18きっぷ旅を思い出したりしてね

ここ最近はクルマで中央道を移動することが多かったことから、電車での帰京は久しぶりだった。そうか、電車であれば大月や八王子付近の渋滞も気にしないでいいのだなと新鮮にも感じる。昔は電車でしか移動していなかったのにね。

レトロに世界を写し取るpapershootとの旅は、タイムスリップしたような感覚だった。撮影した写真をすぐに見直せないもどかしさ。家に帰ってやっと確認できる写真たちは、近い未来の自分への贈り物みたい。使い捨てカメラを使っていた子どものころは、これが当たり前だったのにね。
少し不便な方が、ちょっと幸せに感じる今日この頃なのである。

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