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生き返る、、おかゆさん

「あれ? うまく飲み込めない…」

今朝、
子どもたちと食卓を囲んだ。
久しぶりのご飯。

でも、たった3口で、
なぜか心臓はバクバクで
うまく飲み込めなくて
せっかく娘が作ってくれた炒り卵を
薬を飲むかのようにお水で流し込んだ。

「ごめん、また横になるわ」


子どもたちに声をかけ部屋に籠る。
夫はいるけど目線を合わせることも
声をかけることも
声をかけられることもないままだが、
とりあえず買い物代行をしてくれてるだけ良しとしよう。
こんなときに、ここを掘り出したらキリがないし、良しとしないとどこまででも掘れてしまう。


お腹は空くものの、
少し食べると、なぜか不整脈になり、
それ以上食べられない。

お昼に雑炊をつくるも、
めんつゆの味に吐き気を覚え1/4膳も食べられないまま
やはり今日もポカリスエットで過ごしているのだ。


昆布出汁で炊いた柔らかいおかゆさんに
卵味噌。
昆布出汁まで贅沢は言わないから
お米から炊いた、ちゃんとしたおかゆさんが食べたい。


心を回復するおかゆさんが食べたい。



料理は心が伝わる。

「なんで俺がこんなこと」
「炊いときゃいいだろ」
「米さえあれば、なんとかなるだろ」

思いながら炊くと
お米は不思議と不味くなる。

「食べる人の健康を祈り」
「作ってくれた人への感謝を込めて」
「お米の可能性を信じる」

とても美味しく炊けるのに。

作り手の心根というか、性根が現れるのがお米と味噌汁である。



「うさぎの店長に言ったら、おかゆさん、炊いてくれないかな…」

と思いつつ、
いつもいく居酒屋 月のうさぎまで行く気力も体力もない。
店長なら、きっと、しっかりと出汁のきいた優しいおかゆさんを炊いてくれる。それがわかってるのに動けない歯痒さ。


「ママ、大丈夫?」

心配そうに、声をかけてくれる娘の優しさが沁みる……。


「おかゆさんなら食べれそう」
「つくる? 手伝うよ!」
「なら、つくろっか」

そうこなくっちゃ!と娘はやる気満々で、
色々と準備してくれる。

土鍋に適当に米を入れる。
ひと握りもあれば十分だ。
お水はざばーっと。いい感じに。
お米の2〜3倍。目分量でよし!

同時に
卵味噌の材料もお鍋に準備する。
カツオ節のみの濃い味噌汁を120ccほど作る。お鍋に入れておこう

「ごめん、土鍋がグツグツしたら教えてくれる? ぐるぐるしてきたから一旦倒れる」
「おけ!」

火の管理を娘に任せて倒れる…


「ママ、ぐつぐつした!」
「かなり弱火にしてくれる?」
「おけ!あとは?」
「タイマー鳴ったら火を止めるだけ」
「わかった」

とろ火にして15分。
まぁ、大体で大丈夫。

その15分の間に、
世界がぐるぐる回っているのを
必死に抑える。

5分立ってるだけで血が下がるとか、弱すぎる。ボス戦には勝ったけど、回復薬なしの瀕死の勇者の気分だ。


ピピピ


「止めたよー」
「ありがとー」

ふらつく体を椅子で支えて起こす。
そして、
濃い味噌汁の鍋を火にかける。

「それなに?」
「ん?卵味噌」
「おいしいの?」
「うん、しょっぱいけどね」

話してるうちにすぐに煮立った。
そこに溶いた卵を入れて、火加減そのまま、一気に混ぜ固める。
鰹節とみそのいい香りが広がる。


できた……



おかゆさんと卵味噌


「ママ食べれそう?」


聞いてくれる娘に

「うん、大丈夫そう」

適当に答えつつ
念願のおかゆさんを口に運ぶ。

体に沁みる…。

「これなら食べれる」
「よかったねぇ、食べられるのはいいことだよ」

と、
にこにこしながら娘が言うから、
まるでわたしのようで笑ってしまった。



ご飯にお湯を入れたものとは全然違う。
芯から炊き上がってるおかゆさん。



熱は下がったのに、
体力はまだ追いつかず
咳も出てるし、生理はくるし、
ほぼポカリスエットで生きてるのにお腹壊して腹痛で泣くはめになるし、
本当デトックスぱねぇ……とか言いたくなるけど。そして、これ、また痩せたし。


食のもつ不思議な力というか、
心を回復させるものだということを
改めて実感したおかゆさんでした。



おかゆさん、ごちそうさまでした。

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